その32~カジュアルフォーマットを語ろう 巨躯の章-ヒュージ・リーダーズ-~
●ヒュージなリーダーズを始めるんだよ!
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「ボブ! しっかりしろ! 今安全なカードショップに連れて行ってやるからな・・・!」
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「へへ、俺はもうダメみたいだ・・・最後に・・・お前とヒュージ・リーダーズってやつをしたかった・・・ぜ・・・」
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「え? 何? ノーマン・リーダス?? 何?? ボブ!! ボブーーーー!!」
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というわけでボブの遺志を継いでヒュージリーダーズを始めてみようと思います。
ヒュージ・リーダーズ・・・いったいどんなフォーマットなんだ・・・マジでわからないので調べてみました。
え? ベテランヒュージ・リーダーズプレイヤーのめぐすけさんがヒュージ・リーダーズとは何なのかレクチャーしてくれる記事じゃないのかって? 違うけど???
この記事はヒュージ・リーダーズド素人のめぐすけがヒュージ・リーダーズを1から調べて実際にプレイしてみるまでの軌跡である。
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●ヒュージな基本情報を抑えるんだ!
信頼おける情報筋にヒュージ・リーダーズの基本的なルールについて調査を依頼したところ、以下のことがわかりました。
なお、より詳しいルールは「ヒュージ・リーダーズ」で検索してください(大人の事情で貼れないリンク)。
●マナ・コストが5マナ以上のカードしかデッキに入れられない
最大の特徴です。俺よりデカい奴(5マナ以上)に会いに行く。そんなヒュージなフォーマットがヒュージ・リーダーズ。
●デッキは統率者含めて50枚
なんと通常統率者の半分。スリーブが朽ちることを寿命とするならば2倍も長く遊べてしまうのがヒュージ・リーダーズ。
●追加で統率者領域に《荒地/Wastes》が4枚存在する
『ゲートウォッチの誓い』時代のスタンダードで《残された廃墟/Ruin in Their Wake》を《不屈の自然/Rampant Growth》として使うために泣く泣く2枚くらいデッキに入れていた《荒地》を4枚も使用します!
このカードをこの枚数も使うフォーマットこれだけだよ!
しかしこの4枚の《荒地》のおかげで初手に土地が1枚しかなくても5マナまで到達することが可能! そんな天才的なアイデアが光るのがヒュージ・リーダーズ。
●レベル帯はフレンドリーとコロッサルの2つ
通常の統率者における禁止カードとヒュージ・リーダーズの禁止カードに加えて、競技志向のコロッサルとカジュアル志向のフレンドリーを分けるための「コロッサルリスト」が存在し、レベルを2段階に分けているのがヒュージ・リーダーズ。
上記から5マナ以上のド派手なカードをぶっ放し合う大味なゲーム展開が繰り広げられることが予想できます。
つまり『天空の城ラピュタ』でパズーの親方とドーラ一味のシャルルが交互に殴り合ってたやつをマジックで再現してるようなものです。そうかな・・・なんにせよ楽しそう!
ちなみにこのコラムはそういう感じでやっているので、レベル帯はコロッサルではなくフレンドリーでプレイしていきます。
紹介からもコロッサルレベルのカードは省きます。ご了承してくれますよね?
●ヒュージなマナ加速は3ターン目!
パンチャカルマとアヤワスカを繰り返すことで精神が研ぎ澄まされてヒュージ・リーダーズの全容が見えてきました。
どうやらこのフォーマットでは3ターン目にマナ加速をするのが定石らしいです。
5マナ以上のカードしか採用できないのに3ターン目にマナ加速? 妙だな・・・とはならず、ありとあらゆる抜け穴を探してマナ・コストを誤魔化すのがヒュージ・リーダーズのエキサイティングなところです。
土地でマナ加速
土地以外でマナ加速
土地でないマナ加速はどうしても緑に集中しがちです。
初心者は統率者に迷ったらとりあえず緑色が絡んでいるものを選んでみると心の迷いが一つ減ります。最初に倒すボスをワイヤー・ヘチマールにすると心の迷いをもう一つ減らせます。
とにかく、これらのカードのような3ターン目にマナ加速できるカードを駆使して4ターン目に5マナに到達させるのがフレンドリー帯のセオリーなようです。
ちなみに5ターン目に到達する前にできることはマナ加速だけではありません。
・サイクリングや魂力、予見といったカードを捨てたり公開することで効果を発揮するもの
・最近(そんなに最近でもない)ルールが変わってマナ・コストが両方の合計になった分割カード
・『アモンケット』で登場した余波
・最近はきぬた歯科の看板ばりに頻繁に見かけるようになった両面カード
・『エルドレインの王権』で登場した出来事
といったカードは5ターン目よりも前に使用することが可能です。想像以上に色々できる!
最近(これは本当に最近)だと『ダスクモーン:戦慄の館』で登場した部屋なんかもいい感じにズルできます。ズルしましょう。
とりあえず《朽ちゆくジム/Moldering Gym》は緑でデッキを組むならほぼ確実に入るので、冬のボーナスでドラゴンスターの在庫を枯らしたいなって思っている人は部屋カードがおすすめです。
これ以外にもピッチスペルや想起、試作などなどズルする手段は長いマジックの歴史に数多く隠されています。
それらシークレットテクニックを探すのもヒュージ・リーダーズの醍醐味と言えます。
ギターのような楽器を覚えたら聴いてる音楽のレイヤーが増える感覚と同じで、カードギャラリーを眺めている時にヒュージなレイヤーが追加されます!
メンバーにDJがいるバンドに感じる「DJって必要なの??」という疑問も数年DJをやることで「いや、マジでDJいらなくない??」になります。
●ヒュージなデッキを組もうぜ!
可愛い!! ロクサーヌちゃん可愛い!! 次の『ブルームバロウ』のキャラかと思ってたのに全然そんなことなかったけど可愛い!!
《落星の学者、ロクサーヌ》ちゃんはヒュージ・リーダーズ目線で評価すると5ターン目にほぼ確定でマナ加速をしてくれるので、ランドセットと合わせれば次のターンに7マナの呪文をキャストすることができるのが強みです。
《隕石/Meteorite》トークンの2点ダメージが怪獣だらけのヒュージ・リーダーズで除去として機能するかは微妙ですが、《荒地》を多用する関係で色事故対策になるのは非常に心強いですね。可愛いし。
次にデッキの方向性です。
デッキ枚数が50枚と少ないので、大卒でプロを目指そうとしている9割くらいのバンドマンくらい漠然とした将来設計だとすぐにリストからカードが溢れてしまいます。
まぁ自分はデッキ枚数が100枚の通常統率者でもいつも草案時に30枚くらい溢れているんですが。
ロクサーヌちゃんはコンボによって勝つ統率者ではない(はず)ので、勝ち方は採用するカードに依存します。
今回は通常の統率者では実現が難しい、これまで自分がやったことのない方向性でいくことにしました。そっちのほうが新鮮味あって楽しそうなので。
というわけで組み上げたリストがこちらになります。
スーパーフレンズ(プレインズウォーカー・コントロール)です。一度組んでみたかったんですよね!
とはいえ結構真面目な理由もあって「1ターンに1アクションになりがちなヒュージ・リーダーズでもプレインズウォーカーなら複数アクションが可能なんじゃね?」という天才的なアイデアを思いついたので、その手数でアドバンテージを得て勝利しようと考えています。
全体除去もプレインズウォーカーなら被害を免れることができそうですし、なんならこちらも《冒涜の行動/Blasphemous Act》を積極的に撃って無人の荒野をプレインズウォーカーで蹂躙しにいく気マンマンです。
主な採用カード
スーパーフレンズだとどうしてもフィニッシュ手段に欠けるので、対戦相手の強力なクリーチャーをパクってゲームを終わらせることにしました。
一方でこちらのクリーチャーはトークンがメインで小型なため、対戦相手に使用されても被害は少なくて済みます(死なないとは言っていない)
増殖等でプレインズウォーカーの忠誠度をガンガン高めるカードを採用しています。全力でデレてもらいます。
自分は採用していませんが、《鋭き砂岩》のような枯渇ランドや英雄譚のカウンターを増やすテクいこともできたりします。
《兵員の混乱/Confusion in the Ranks》はこのデッキ最大のオシャレカードです。
クリーチャーやエンチャント、アーティファクトが戦場に出るたびに強制的にコントロールの交換を行います。なんとプレインズウォーカーは交換されない!
プレインズウォーカーからクリーチャー・トークンを生成すると、対戦相手の一番強力なクリーチャーをもらうことができます。ヘッドハンティング!!
ロクサーヌちゃんから出た隕石トークンも対戦相手の一番強力なアーティファクトと交換できます。わらしべ長者!!!
残念ながらロクサーヌちゃんも対戦相手のもとにいってしまいます。
いや、それくらいで自分とロクサーヌちゃんの絆は切れたりしないが?? 本当だが??
《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller》のプラス能力を使うと、ものすごい悪いことしてる気持ちになれます。
●ヒュージな体験をしよう第1ラウンド!
ヒュージ・リーダーズ完全に理解した-Huge Leaders Kanzen Rikai Shita-。
最高のデッキができたので、あとは実戦投入するだけです。
対戦のハイライトを見ていきましょう。
統率者と一緒に並ぶ《荒地》4枚。
これがヒュージ・リーダーズか。へへ・・・楽しみだぜ・・・!
5マナに届いたので満を持して《落星の学者、ロクサーヌ》をキャスト!
がっ・・・駄目っ・・・! 想起によって2マナで飛んでくる除去。
ロクサーヌちゃん、死だよ。
死、ロクサーヌちゃんだよ。
プレインズウォーカーを大量展開! これがやりたかったんだぜ! うおおお自慢のダイス並べるの気持ちいいいいいいい!!
「6マナで戦場のクリーチャーほぼ全部パクって勝つ」って書いてある《群衆の掟/Mob Rule》がマジで強すぎて勝ち。
なんだこのカード・・・ウィザーズはヒュージ・リーダーズの存在を予測していた・・・?
勝っても負けても展開がっ・・・派手っ・・・!
これがヒュージ・リーダーズか・・・めちゃくちゃ楽しいな・・・!
●ヒュージな経験を活かそうぜ!
なんか・・・あれなんですよね・・・楽しいと・・・デッキが増えるんですよね。
まだロクサーヌちゃんも1日しか対戦できてないのにどうしよう。
このデッキがいつの間にか増える現象は質量とエネルギーの等価性(E=mc2)に影響されないので、次世代のエネルギー問題を解決するということでエネルギー工学界隈が注目しているとかいないとか。
まぁでも生まれてしまった以上は祝福せねばならないので《埋葬布を纏う者、エイスリオス》のデッキも同時に極めていきましょう。
このデッキはご覧の通りボードコントロール&リアニメイトデッキです。リアニメイトデッキ組んでみたかったの・・・。
《埋葬布を纏う者、エイスリオス》はテーロスの神よろしく除去耐性が非常に高く、自分のターン終了時にティンときたクリーチャーをスカウトして死亡&追放時に自分のものにすることができます。敵対的TOBというやつですね(違います)
本人のスカウトだけではこのヒュージ・リーダーズ界隈を生き残れないので、デカブツしか存在しないヒュージ・リーダーズ環境でもなお通常キャストが厳しいデカブツを墓地から釣り上げて対戦相手を圧倒します。
初動が遅れた場合でも大量に投入した全体除去で盤面を更地にし、ついでに対戦相手の強力なクリーチャーを《埋葬布を纏う者、エイスリオス》でスカウトすることが可能です。やっぱり敵対的TOBというやつですね(違うっつの)。
リアニメイト呪文は対戦相手の墓地のカードもリアニメイトできるような呪文を優先的に採用しているので、対戦相手が強ければ強いほどこちらに都合が良くなる仕様になっています。性格が! 悪い!
主な採用カード
●ヒュージな体験をしよう第2ラウンド!
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第2ラウンドいくぜオラァ!!
稲川◯二「あれは《原初のうねり/Primal Surge》を撃って最強の盤面を作った時です。なんかライブラリが薄いなぁと思ったら・・・ライブラリが4枚しか無いんですよ。怖いですねぇ。そのせいでガラクもチャンドラもビビアンも能力使ったら負けるですよ。怖いですねぇ。するとなんだか背筋がスゥ~っと寒くなって、直後に《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》が出てきたんですね。気づいたらエムラクールをキャストしたプレイヤー以外を殴り倒したうえで、ガラクが致死量のドローを始めたんですよ・・・」(本当にあった怖いヒュージ・リーダーズ)
●ヒュージな奴らはこんなんだったぜ!
まだまだヒュージ・リーダーズについて語り足りねえ・・・!
じゃあ次はこの2日間で戦ったデッキの一部を軽く紹介しますね。
●ヒュージを実際にプレイしてわかった! ヒュージ・リーダーズのここが楽しい100選!
いやーー楽しいですねヒュージ・リーダーズ。
どうしてもっと早くやらなかったんだろう。
楽しすぎて原稿料変わらないのにデッキを2つも紹介してしまうくらいには楽しい。
あまりにも最高のゲーム体験だったので、最後に実際にヒュージ・リーダーズをプレイしてみて感じたことを100個書いていこうと思います。
001.とにかく派手
とにかく全アクションがド派手で楽しいです。
退屈な人生に刺激を求めている人はヒュージ・リーダーズか、バヌアツのニューヘブリディーズ諸島ペンテコスト島で行われている成人の儀式「ナゴール」を始めると良いでしょう。
002.デッキ枚数50枚は沼
めちゃくちゃ気軽にデッキが組めてしまいます。
スリーブも統率者と違って2セット買う必要無いのでお財布にも優しい!
003.すぐにターンが回ってくる
基本的に1ターンに1アクションなのでターンが早めに回ってきます。
対戦相手が延々とアーティファクトを立てたり寝かせたりするのを眺めるのが苦手な人はヒュージ・リーダーズを始めると阿部寛のHPばりのハイスピード体験が味わえます。
004.ライフゲインは大事だったりそうでもなかったり
統率者ダメージが無いので基本的に通常ダメージでの決着になります。
そのためライフゲインの重要性が通常の統率者より高めだったりしますが、多少ライフを回復したところでビッグバンアタックで一撃でゲームが終わる環境でもあるのでライフゲイン必須というわけでもなさそうです。何事も中途半端は良くないということ。
005.ライブラリアウトも立派な勝ち手段
デッキが50枚なので迂闊に大量ドローしたり大量切削したりすると死にます。
ライブラリアウト戦略はヒュージ・リーダーズだとかなり現実的な勝ち手段になり得ます。
006.マナスクリューというストレスから解放される
自分序盤に土地がこなくて何もできなくなるマナスクリューがすごいイヤなんですよね。
マナスクリューになるのがスーパーゲイズくらい許せないので構築面でも土地を多めに採用する傾向にあるのですが、《荒地》システムによりマナスクリューのリスクが大幅に軽減されているのは本当に素晴らしいです。
《荒地》システムによるストレス軽減効果でお肌の張りが良くなりました。
007.無色土地はほどほどに
残り93個はこれからのヒュージ・リーダーズで見つけていこうと思います。
それではヒュージなお年を!!!
★★★★Special Thanks★★★★
・idomargin
・CEF
・OONS
・淡雪
・サウジ
次はあるのか??カジュアルフォーマットを語ろうシリーズ