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2021.8.20

その5~カジュアルフォーマットを語ろう 古の章-旧枠モダン-~ | ゆるふわマジックであそぼう

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その5~カジュアルフォーマットを語ろう 古の章-旧枠モダン-~ | ゆるふわマジックであそぼう

ゆるふわマジックであそぼう その5~カジュアルフォーマットを語ろう 古の章-旧枠モダン-~

目次

●時は遡り『モダンホライゾン2』


出ました。

漫画家が秋にクリスマスを舞台にした話を書かされるように、このコラムにもそういった時差があるように思えますが、
残念ながらこのコラム書いている時はバリバリ8月中旬なのでその言い訳も使えません。先日オリンピックが終わりました。
ハンパない今更感にこの小さな胸が張り裂けそうですが、この星に生命が誕生したのが36億年前と考えると今さっきなので概ね誤差です。誤差なんだ。

さて、スタンダードを飛び越えてモダンで使用可能、新規カードとモダン以前(オンスロートおよび第7版以前)の再録カードからなる異色のエキスパンション『モダンホライゾン』の第2弾である『モダンホライゾン2』
こんな時に語るフォーマットと言ったらこれですね。


いや、だってここってそういうコラムだから!!


知る人ぞ知るマイナーフォーマット、旧枠モダン。
今回はこのフォーマットの良さを伝えていきます。


●旧枠モダンって何?

このタイトルの優良な記事が既に死ぬほどネットに転がっているのに、それらと似たようなことを自分が書かざるをえないのは大変心苦しいのですが、
この旧枠モダンというフォーマットを知らない人。
名前だけは耳にしたことがあるけれど実際のところさっぱりな人。
目覚めると全ての記憶が無くなっていた代わりに腕にペンで「旧枠モダン」と書かれていた人。
そんな人達のために最低限伝えるべきことは伝えていこうと思います。それが筋を通すってことだから。

旧枠モダンというフォーマットを可能な限り簡単に説明すると「初出が旧枠のカードのみが使用できるモダン」となります。
旧枠が存在すれば良いというわけではなく、《貴族の教主/Noble Hierarch》《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》といった「旧枠が存在するが初出は新枠」なカードは使用出来ません。

一時期流行った旧枠ジャッジ報奨


少し前ならそういったややこしいカードは上記のようなジャッジ報奨プロモカード5枚のみでしたが、
『モダンホライゾン2』の少し前に出た『時のらせんリマスター』、および『モダンホライゾン2』でそういった旧枠のようで旧枠でないカードが多く出てきてしまい、
昔のカードに対してそれほど詳しくない人からすると少々判断しにくくなっているのが悩みどころです。
何食わぬ顔で旧枠面してますが思いっきり令和生まれです。昭和のマジックであるこのフォーマットでは使用できません。

困ったらカードを調べて、初出が『オンスロート』ないしは『基本セット第7版』以前であることを確認しましょう。
使用可能でイレギュラーなのはこの《闘技場/Arena》《大アナグマ/Giant Badger》の2枚
(初出が小説についてくるプロモーションカード)くらいでしょうか。

それ以外のルールは、禁止カードも含めて通常のモダンと同様です。
なお、このルールは2021年8月現在旧枠モダン推奨ルールを説明されているIdeal Idolはてな支部様に記載されているものに準拠しています。
ルールは把握していたとしても旧枠モダンの叡智が詰まっているので各自↑のリンク先は熟読してください。
っていうか自分のコラム読んでる暇があったr(レフェリーストップ)

●旧枠モダン、それはプールは狭いがプレイアブルカードの比率は高いフォーマット

『フォーゴトン・レルム探訪』現在、旧枠モダンのカードプールは1000枚弱と、スタンダードの半分程度の枚数しかありません。
ローテーションの無いエターナルフォーマットの中ではとびっきり狭いプールです。

参考として他のエターナルフォーマットはざっとこれくらいの枚数です。
パイオニア      :約8千枚
モダン        :約1.5万枚
レガシー&ヴィンテージ:約2.1万枚
パウパー       :約8千枚
単位が「万」に届いているのがもうすごい。


何も意味はありませんが、せっかくなので円グラフにしてみました。


せめて棒グラフにしろ。


カードプールが少なかったら全然デッキ組めないのでは?そんなことはありません。
旧枠モダンのカードは「旧枠時代のカードの中でも現代(新枠)での使用に耐えられると判断したカード」が再録されているため、
リミテッドでしか採用されないようなカードは他よりも少なく、プレイアブルなカードの比率が非常に高いのが特徴です。
プールは狭くてもけっこうなんでも組めるぞ!!
核戦争が起きてもゴキブリと白ウィニーは生き残る。
なんなら《不吉の月/Bad Moon》もあるので黒ウィニーも組めます。
赤の火力と緑のクリーチャーで瞬殺する赤緑ステロイド!
かつての緑系アグロのお家芸、1ターン目マナクリーチャーからの1→3マナジャンプが君を待っている!
やめろ!1ターン目にマナクリーチャーを焼くんじゃあない!
一つだけ言える真理がある。「男は黒に染まれ」
《沼/Swamp》しかセットランドしたくないハードボイルドなあなたの欲望を叶えてくれる。そう、旧枠モダンならね。
サイズは正義!緑単ストンピィ!
時のらせん~ローウィン期の緑のパワーカードを表す「TCG」の初代「C」《獣群の呼び声/Call of the Herd》も絶賛相手を蹂躙中!
初心者デッキの心強いお友達である《ブランチウッドの鎧/Blanchwood Armor》だけど、この環境だと普通にめちゃくちゃ強いぞ!

全体除去!カウンター!フィニッシャー!圧倒的盤面制圧力を誇る正統派青白コントロール!
我々グルール民の不倶戴天の敵です。
人混みで知らない人に話しかけられて返事をしたら、相手は全然違う人に話しかけていてほしい。

各部族のロードも一通り揃っているので部族が組みたくて眠れない夜も安心!
天敵《仕組まれた疫病/Engineered Plague》はモダンに存在しないので、気を抜くととんでもない火力で襲いかかってくるぞ!
その他何か怪しいムーブをキメてくれそうなカードもよりどりみどり!どんなギミックがあるかは君の目で確かめてくれ!!



どうですか奥さん?旧枠モダンのカードプールは名古屋の大須商店街ばりに大体なんでも揃ってますよ?



●旧枠モダン、それは混沌極まるメタの黎明を楽しむフォーマット

旧枠モダンが発明されてまだ数年というのもありますが、非公式フォーマットで競技志向なプレイヤーがあまり参入していないのも相まってメタが成熟していません。


そうです。


まだ環境の”答え”に一番乗りできるチャンスが残っているのです。
ゴールド・ロジャーが処刑された直後みたいなものなので、ありったけの夢をかき集めて捜し物を探しに行きたくなりますね。


GPのサイドイベントに選ばれるなど非公式フォーマットの中では高い知名度を誇りながら、
大会参加者全員のデッキが違うなんてザラという多様性に富んだ最高のフォーマットです。無限の可能性を秘めている!!
そんな旧枠モダンの移りゆくメタの変遷で注目・使用されたカードをピックアップしてみましょう。
基本セットリミテッドでおなじみの優良クリーチャーですが、旧枠モダンでは優秀な航空戦力として採用される強カードです。
《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》
《セラの天使/Serra Angel》
《大気の精霊/Air Elemental》
などのカードも同様に活躍しています。
旧枠モダンビギナーの読者は「このフォーマットのカードパワーはこれくらいなんだな」と思っていただければ良いです。
クリーチャーでありながら強化呪文にもなる旧枠モダンのミッドレンジを代表するカードです。
このカードの発見により旧枠モダンのアグロは一つ上の段階に至ったと言われています。
これから伝えることを落ち着いて聞いて欲しい。
先程「このフォーマットはリミテッドでしか採用されないようなカードは他よりも少ない」と言いました。
確かに言いました。吐いた唾は呑みません。そうです。このカードはプレイアブルカードなのです。
・旧枠モダン環境では中堅マナ域のパワーが5に偏っていた
・環境屈指のパワーカードである《獣群の呼び声/Call of the Herd》の象トークンを一方的に倒せた
など3/6というサイズがとんでもなく硬く、環境のパワーカード達をガッチリキャッチできました。

おそらくこのカードを構築で採用するかどうか大真面目に議論されたのはこのフォーマットだけです。
第8版で再録されてモダンで使用可能なこのカードですが、現代マジックのコモンセンスを持っていたのならばこのカードを採用するなんてまさに狂気の沙汰。
この情報を知った時の衝撃たるや、自分のマジックに対する理解度など浅瀬でチャプチャプやっているだけだったのだと思い知らされました。

このゲーム底が知れねえ・・・。
時のらせんのリミテッドをやっていなかったら確実に存在を忘れているカードです。
・先程の《苔の怪物/Moss Monster》と同じタフネス6
・《恐怖/Terror》が効かない黒というカラー
 ※旧枠モダンでは古の「黒=除去耐性」という概念が残っています
・回避能力持ち
どうですか?物凄く強いカードに見えてきましたよね?精神が旧枠モダンに順応しつつあります。
実際このカードは黒のコントロールでフィニッシャーとして採用されています。
能力7つ!?モダンホライゾン初出のイリーガルカードか???

これが現状旧枠モダン最強のフィニッシャーです。
邪眼の暗さに目が慣れてきたところだったので、能力がたくさんあって眩しくて目が潰れそうになりますね。
どうですかこのラインナップ。感じるでしょうこのフォーマットの異質なるオーラ。


これまで自分が培ってきたマジックの常識を一度白紙にフォーマットする必要が出てきました。

国語辞典の「温故知新」の例に旧枠モダンを追加するかどうかの議論が行われているとかいないとか。

●旧枠モダン、それは『モダンホライゾン』の影響をハチャメチャに受けたフォーマット

混沌としながらもカードプールとしては落ち着いていた旧枠モダンにある日転機が訪れます。それが『モダンホライゾン』です。


新しいエキスパンションが出るたびに2~3枚カードが増えれば御の字だったこのフォーマットですが、初代『モダンホライゾン』で追加されたカードはなんと39
まさに旧枠モダンにおけるカンブリア爆発と呼べるイベントでした。
ちなみに続く『モダンホライゾン2』でも新たに38枚ものカードが追加されています。

『モダンホライゾン』で追加されたカード
『モダンホライゾン2』で追加されたカード

・白

《天使の学芸員/Angelic Curator》
《霊体の先達/Karmic Guide》
《浄化の印章/Seal of Cleansing》
《独房監禁/Solitary Confinement》

・青

《対抗呪文/Counter Spell》
《海のドレイク/Sea Drake》
《退去の印章/Seal of Removal》
《激動/Upheaval》
《不可思議/Wonder》

・黒

《骨砕き/Bone Shredder》
《陰謀団の先手、ブレイズ/Braids, Cabal Minion》
《強欲/Greed》
《総帥の召集/Patriarch's Bidding》
《スカージの使い魔/Skirge Familiar》

・赤

《偶然の出合い/Chance Encounter》
《火炎の裂け目/Flame Rift》
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》
《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
《モグの分捕り/Mogg Salvage》

・緑
《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》
《狩り立てる群れ/Hunting Pack》
《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
《リスの群れ/Squirrel Mob》
《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》

・多色
《火 & 氷/Fire & Ice》
《ミラーリの目覚め/Mirari's Wake》
《真の木立ち/Sterling Grove》
《名誉回復/Vindicate》

・アーティファクト
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
《押し出し成形機械/Extruder》
《ミリキン人形/Millikin》
《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
《パッチワーク・ノーム/Patchwork Gnomes》
《ズアーの宝珠/Zuran Orb》

・土地
《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》
《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
《激浪の研究室/Riptide Laboratory》

増えすぎだろう。仮面ライダーセ○バーですらここまで雑にライダー増やさなかったぞ。
当時は完全にモダン界隈以上に旧枠モダン界隈の方が狂喜乱舞していたことを覚えています。

『モダンホライゾン』による古のカードの怒涛の再録によってカードプールが爆発的に広がりました。その中でも注目されたものを紹介します。
メタが存在するか怪しいことでおなじみの旧枠モダン環境でも《神の怒り/Wrath of God》によって強力なアーキタイプにカテゴライズされていた青白コントロール。
そんな青白コントロールの数少ない弱点である「ドロー呪文の貧弱さ」が、
歴代最強クラスのドロー呪文が来てしまったことで解決してしまいました。
これによりついに旧枠モダンにトップメタの概念が出来てしまうのか?環境は破壊されてしまうのか?
次回、旧枠モダン第10話「嘘か、真か」絶対見てくれよな!
《嘘か真か/Fact or Fiction》と同じくらい衝撃的なカードです。
墓地にいるだけで毎ターンクリーチャーを回収できてしまうとんでもないカードです。
一緒に旧枠モダン入りした《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》を回収することで分泌される脳内麻薬があるとかないとか。
これまでそこまで重要視されなかった墓地対策の必要性が出てきたので《地の封印/Ground Seal》がサイドに取られるようになりました。
統率者でも大活躍の優秀なサーチカード達が『モダンホライゾン2』で旧枠モダン入りしました。
みんな大好きシルバーバレット戦術の始まりです。
《エラダムリーの呼び声/Eladamris Call》以外にも
・《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
の2枚が追加されました。
盤面を更地にするカードが旧枠モダン入り。
しかも当時とはレジェンドルールが違うので戦場に2体並ぶこともあります。
圧倒的自殺衝動。厚生労働省が心配してインターホン連打するレベル。
これらのカードがメタを大きく動かしました。
しかし二度目の爆発的なカードプール拡張を経たタイミングで新型コロナウイルスによる大会自粛が相次ぎ、
残念ながら旧枠モダンに限らずあらゆるフォーマットの大会が開きにくくなってしまいました。
テーブルトップでの大会がメインであるこのフォーマットはオンライン対戦によるメタの高速化が起きにくいため、
『モダンホライゾン』のカンブリア爆発は現在進行系で起きていると言えます。

●旧枠モダン、それは プレイヤーの楽しさが伝わってくるフォーマット

ここまで読んでいただいた皆様に旧枠モダンの魅力が少しは伝わったでしょうか?
おそらく伝えたいことの1/3も伝わってないと思います。


なぜならこの旧枠モダンというフォーマットの最大の魅力、それは「旧枠モダンのプレイヤーがみんな楽しそう」ということに尽きるからです。

モダンと比べて明確に低いカードパワーに文句を言いながらも新しいデッキを組むことをやめないプレイヤー達。
時折開かれる大会で完全ノーマークだったカードが発見され湧き上がる界隈。
自分はそれらを草葉の陰で見ているだけでしたが、この記事を書きたくなるくらいにはみんな楽しそうでした。


感覚で言えば、今では専用の商品が出るほど市民権を得た統率者がまだ「EDH(エルダードラゴンハイランダー)」と呼ばれていた頃と同じ雰囲気があります。
その雰囲気が伝わってくる最高のエントリーがネットにはたくさん転がっていて今すぐここにリンクを貼りたいのですが、
大人の事情で貼ることが出来ないので是非ともググっていただきたい。
だから自分のコラム読んでる暇があったr(二度目のレフェリーストップ)

とにかく、新しいフォーマットに手を出してみようかなと思える一番重要な要素が旧枠モダンにはあるのです。
先述の通り、まだ作られて日の浅いフォーマットです。自分のオリジナルデッキで頂点を取るのだって夢ではありません。
ぼくのかんがえた最強のオリジナルデッキを組み、火星の土地の権利くらい好き勝手にオリジンを名乗りましょう。

世界中のプレイヤー達がどんどん競技志向になって勝敗しか意識しなくなったとしても、
このコラムだけはこういったゆるふわなカジュアルマジックを推し続けます。
流行り病が去って大会が開けた頃、旧枠モダンの大会で会いましょう。

そのために自分が出来ること。

自分にしか成せない為すべきこと。

そう。

旧枠モダンの大会開いてくれドラゴンスターーーーーーーーーー!!!



おしまい

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このコラムのライター

めぐすけ

めぐすけ