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2024.12.5

【第75章】どうあがいても絶望 | プラズマの未開地探求録

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【第75章】どうあがいても絶望 | プラズマの未開地探求録
目次

行くも地獄、戻るも地獄

今から少し前、《アクア・ギャクテンポインター》を利用したループデッキが誕生していた。


動きは簡単で、デッキ全体を防御に振り切ったうえで、クリーチャーを《アクア・ギャクテンポインター》だけにする。


これにより、一度でも《アクア・ギャクテンポインター》が出てしまえば、再び《アクア・ギャクテンポインター》が出てくる、というループが発生するというものだ。


《アクア・ギャクテンポインター》は相手のクリーチャーも出し入れが可能となっており、これにより、相手のクリーチャーが好きな回数、バトルゾーンと山札を反復横跳びする事になる。


この途中で相手の山札を減らすカードが出入りすると、その効果が複数回発生することで相手の山札がなくなってしまう、ということである。


このデッキは、《アクア・ギャクテンポインター》のテキスト訂正という珍しい形で終焉を迎えたが、このデッキから得られた教訓がある。




私はこのデッキが見つかった直後から、《空間型無限収納ストラトバッグ》を搭載し、フィニッシャーに《Volzeos-Balamord》を採用した型を使っていた。

《ストラトバッグ》を採用する事で、最終的に相手のクリーチャー全てをマナゾーンへ叩き落し、勝利まではいかなくても、相手の勝ち筋を奪い取ってしまうという動きが可能になったのだ。


しかし、このデッキには問題がある。相手がクリーチャーを出してこなかった場合、《アクア・ギャクテンポインター》でのループは不成立になってしまうのである


そこで活きてくるのが、《Volzeos-Balamord》だ。


相手がクリーチャーを出してこない場合、この強力無比なディスペクターで、相手のリソースを刈り取りつつ、追い込んでやれば良いのである。


これにより、クリーチャーを出してきた場合は《アクア・ギャクテンポインター》で勝利につながるコンボを叩き込みクリーチャーを出してこない場合は《Volzeos-Balamord》で攻め込む、という動きが可能になるのだ。


仮に相手が一気に展開・攻め込むプランを立ててきても、大量のガード・ストライクとシールド・トリガーで耐え抜き、カウンターでコンボを叩き込むことだってできる。




このデッキから、《Volzeos-Balamord》を入れたデッキに、相手のクリーチャーを利用するコンボを搭載すると、互いに弱点を補ったデッキが作れることが見えてきた。


さて、今回新たに登場したクリーチャーに、まさにこの条件を満たすカードがある。

それこそ、《魔令嬢バロメアレディ》である。


マナゾーンから”バロム”を踏み倒すカードであるが、その能力を使うには、アタックする必要がある。


マッハファイターを持っているので、相手のクリーチャーに攻撃する形で踏み倒しを行えるが、逆に言えば、相手のクリーチャーが存在していなければ、踏み倒し能力を使う事は難しい


この弱点を、《Volzeos-Balamord》によって補った構築ができないだろうか。


今回は、この可能性に挑戦してみた。

デッキリスト

2

3

4

4

3

4

4

4

3

3

3

3

見て分かるように、ほぼ構築済みデッキそのままである。


”そのまま”というには少々内容を変更しているが、入れ替えたカードもまた、ほとんどが「レジェンドスーパーデッキ 禁王創来」に収録されているカードだ。


唯一、デッキとして再録されていないカードは《偽りの悪魔神バロム・ミステリー》くらいである。


その他のカードを集めるのは、そう苦労しないだろう。良い時代になったものだ。


デッキの動かし方も、そこまで難しいものではない。


クリーチャーを展開してくる相手には、マナ加速から《魔令嬢バロメアレディ》を送り込み、マナに置いたバロムで急襲を仕掛けよう。


《悪魔神バロム・クエイク》を出せば盤面を一掃したうえ、相手の後続についても、踏み倒しでの展開を阻害してくれる。


《偽りの悪魔神バロム・ミステリー》《バロメアレディ》の上に重ねた場合、そのままバトルに勝利し、手札にある《聖魔連結王ドルファディロム》を出すことだって可能だ。


その動きを警戒し、クリーチャーを展開してこない相手には、《Volzeos-Balamord》で攻め込もう


相手の手札に抱えたリソースを全て捨て去ったうえ、シールドは全て失った状態に陥る。


そうなったら、相手も負けないための手を打つ必要がある。そうやってクリーチャーを展開してきたら、すかさず《バロメアレディ》からの展開へつなげよう。


ここからは、各カードの役割について説明していく。

カード解説

マナに5色が揃っていると、2マナ加速になる呪文。

このデッキのメインの動きとしては、4ターン目に《獅子王の遺跡》が最も取りたい動きであるため、そのサブプランであるこちらは3枚の採用に留めている。

デッキの色配分が微妙に偏っており、3ターン目に5色が揃わないタイミングが度々ある事も、採用枚数を減らしている理由である。

ビッグマナは、序盤に相手の動きを妨害するという点において苦手としがちだ。

そのため、早期にループに入るデッキに対しては、マナを揃える前に負けてしまう事も多かった。

そんな弱点を補強するのが、このカードだ。

現在はマーシャルループ(《逆転の影ガレック》を使用したもの)が環境に居るため、それに対して手札を射抜けるこのカードは、一つの対抗手段である。

ランダムな手札破壊であり、1枚だけではあるが、間に合いさえすれば、相手の序盤の動きを鈍らせるには十分だ。

呪文側はトリガーであれば除去に、能動的に使う場合は手札補充として使う事が出来る。安易にマナに置かず、リソース確保の手段として手札に抱える選択肢も、常に考えておこう。

このデッキを組むに至った理由の一つ。

マナから《バロム》を出せる能力も優秀だが、そのほかの能力についても、このデッキと非常に噛み合っている。

ガード・ストライクを持っているため、《Volzeos-Balamord》が居ると、追加の能力をトリガーさせる事も出来るのだ。

また、墓地に落ちた《Volzeos-Balamord》のパーツをマナに戻す事で、召喚の手助けをすることも可能となっている。

能力をフルに活用したい気持ちはあるものの、状況によっては、パワー6000のマッハファイターとして運用する事もためらわないように。

このデッキではマナが伸びるため、このカードで1マナでも伸ばしておいて《聖魔連結王ドルファディロム》へつなぐという事も考えておこう。

今のデュエル・マスターズにおいて、最強格のシールド・トリガーと言っても過言ではないカード。

このデッキは闇・自然が軸となっているため、それらと全く色が異なるこのカードは、5色を扱うこのデッキにおいて、それだけで非常に優秀だ。


《悪魔神バロム・クエイク》でも処理できない相手には、このカードで盤面処理を行っていくプランもある。

また、全体をタップする事ができるので、《偽りの悪魔神バロム・ミステリー》と組み合わせ、次々にデーモン・コマンドを繰り出すという使い方も可能だ。

《悪魔神バロム・クエイク》より除去できない範囲は広くなっているものの、それでも強力な全体除去と呪文ロックを兼ね備えた、優秀なデーモン・コマンド。

進化ではないため、《偽りの悪魔神バロム・ミステリー》で踏み倒す事ができる。

《獅子王の遺跡》から綺麗に繋がる8コストであり《悪魔神バロム・クエイク》と並べる事で相手の反撃の余地を一気に奪い取れるうえ、色基盤にもなるため、4枚採用している。

デーモン・コマンド以外のクリーチャーを全て破壊し、踏み倒しを許さないフィニッシャー。

踏み倒しはもちろん、シールド・トリガーのような、コストを支払わない召喚に対しても対応してくれる。

マナ進化のため、《バロメアレディ》で踏み倒す場合、単純に盤面のクリーチャーが増える事になる。

逆にいえば、これを踏み倒す場合は《バロメアレディ》はそのままアタックを継続するので、パワーを間違えてプレイしないようにしたい。

これと《聖魔連結王ドルファディロム》を並べると、相手は反撃の余地をほとんど奪われるため、安全にゲームを畳む事が可能だ。

注意点として、《Volzeos-Balamord》が破壊されてしまうという点は覚えておこう。

終わりに

いつもは、そのデッキの制作過程を紹介しているが、今回は「そもそも最初からデッキが完成されてしまったな」という状態だったので、デッキの解説を重視してみた。


基本的にデッキを作る際は、全てのカードに対して、採用している理由を持たせる事を意識している。


とはいえ、全てに役割を持たせるのは難しい事もあるが、それでも最低限の役割を持たせて採用する事は、忘れてはいない。


もし、自分でデッキを作ってみて、カードそれぞれに明確な役割を説明できない場合、そこを起点に改造してみるのが良いだろう。


こうしておくと、他のカードと入れ替える際も、それによってデッキにどのような弱点が増え、どのような強化が施されるかを意識する事が出来る。


この点を意識しながらデッキを作るようにしていると、新しいカードを見た際も、デッキの中でどういった役割をしてくれるか、という点で見る事が出来るようになる。


一見強いカードに見えても「同じターンで他の動きが必要」だとか「同じ役割のカードを押し退けて入れるほどか分からない」といった、違った目線の評価も出てくるだろう。


デッキのカードの役割を知る事は、やがてプレイングにも大きな影響を及ぼしてくる。


どの対面、どの状況であれば、どのカードが一番役割を担っているかを把握できるので、明確なプレイングの指針になってくれるのだ。


指針がハッキリしているという事は、それだけプレイが早くなるし、変なミスも減っていく事になる。


役割を考えるという事だけでも、十分にレベルアップになるのだ。


今より一つステップアップをしたい人は、この点を意識してみると、少し強くなれることだろう。

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このコラムのライター

プラズマ

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