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2023.4.5

【第35章】絶望招来 | プラズマの未開地探求録

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【第35章】絶望招来 | プラズマの未開地探求録

絶望の神

目次

神は死んだ(任意の回数)

かの哲学者ニーチェは、このような言葉を残している。


「神は死んだ」


この言葉には様々な意味や問題提起などが含まれているのだが、ここで語るべきではないだろう。


今のデュエル・マスターズでは、文字通りの意味で物凄い回数が発生している。


そのすべての最大の要因は、1枚のカードだ。

《絶望神サガ》


登場するや否や…いや、登場する前からその効果が危惧されており、実際に戦場へと放たれた今、環境に多大な影響を与えているカードである。


自身を破壊し、もう1枚の《絶望神サガ》を釣り上げれば、容易く山札を掘り進める事ができ、そこから《DOOM・ドラゲリオン》+《シャコガイル》といった一撃必殺を狙う。


このデッキは瞬く間に環境を支配し、一躍トップメタの一角を担うほどとなった


その圧倒的な強さを誇るデッキは、文字通り多くのプレイヤーに絶望をもたらした。


が、時間の経過と共に、このデッキがもたらした良い影響も出てきている。


現に《サガ》が環境に登場する以前とは、メタゲームのバランスが変化し、今や安定していると言えるほどの状態になっているのだ。


対策をとるために”構築を歪めるほどの影響力”という点においては良い影響だとは言い難いところだが、結果的に日の目を見ていなかったデッキが再び日の目を見るようになっているというのは、絶望の逆、希望と言って良い影響だろう




そんな《サガ》ではあるが、元々、こうした使われ方を目指してデザインされたカードでは無いはずだ。


冷静に考えたら、このカードはゴッドやオリジンをサポートする効果を持っているのだ


たまたま、自分自身を釣り上げる事が出来るという点がフォーカスされているだけで、もし自分自身が対象にできなければ、デザインとしては良い方ではないかと思う。


ただし、サガなのにクリエイターではない、という点は疑問ではあるが・・・


最速3ターン目に、コスト5のゴッドやオリジンを踏み倒せるとなるというデザインは、既存のゴッドやオリジンを強化するという点から考えると、非常に強力なサポートと言えるだろう。


では、何を踏み倒したら一番強力なのだろうか?


そんな疑問を解き明かした先には、新たな絶望神の形があるかもしれないのだ。


今回は、そんな秘めたる可能性を模索してみよう。

神の思し召し

まず3ターン目に《絶望神サガ》でクリーチャーを釣り上げるためには、《絶望神サガ》着地時点で墓地にクリーチャーが2枚以上必要である。


ということは、2ターン目にクリーチャー2枚を墓地へ送り込み、3ターン目に蘇生という、従来の【サガデッキ】と同じギミックを採用する必要が出てくる。


もちろん、これは最速を狙う場合の話ではある。


最速を狙うのであれば、当然ながら一般的な《サガ》と同じ構築が最適解という事になるだろう。


しかしそれでは、新たなデッキを模索する意味合いは薄くなってしまう。


ならば最速を狙うというよりも、3コストで5コストのクリーチャーを踏み倒せる、という部分を重点的に考えていく方が無難だろう


さて、5コスト以下のゴッドまたはオリジンで、何か不気味な動きを見せられそうなクリーチャーとは何が居るだろうか。


そんな時にスポットを当てたいのが、極神編の第2弾 人造神の創造で登場した多色+単色のゴッドだ。

このサイクルのゴッドは、2体で強力な効果を発揮する代わりに片方は通常のクリーチャーを下回るスペックを持つというデザインとなっている。


もう片方はと言うと、単体でもある程度動ける能力を与えられている


「この能力がリンクする事により、完全で強力な能力として機能する」というデザインなのだ。


たとえば、上記の《罪神イザナ》は、単体でも自身よりパワーの小さいクリーチャーにブロックされないという能力を持っている。


さらに《罰神オルフェ》とリンクする事によって、より多くのクリーチャーにブロックされなくなるのだ。


そのうえ、《罰神オルフェ》はリンク中に相手全体のパワーを下げる能力もあり、この組み合わせによって防御困難な攻撃を仕掛ける、というのがデザインの意図である。


察した方も居るかもしれないが、「リンクする事で完成する、リンクしていないと微妙に何かが欠けた能力」というデザインはかなり独特な能力を生み出す事となった。


その最たる2柱が、これだ。

《回神パロロ》、そして《霊神ゴウ》だ。


《回神パロロ》は、自分のマナゾーンから墓地に行くカードを、代わりに手札に加える事が出来るという、他にはない能力を持っている。


《回神パロロ》の相方《戦神アロロ》は、自分のターンのはじめに、自分のマナゾーンのカード1枚を墓地に置くというデメリットを持っている。


しかし、《回神パロロ》と組み合わさる事で、毎ターン、マナゾーンのカードを回収できるというデザインに早変わりするのだ。




《霊神ゴウ》は、墓地からカードを手札に加えると、山札からマナを増やせるというもの。


《霊神ゴウ》の相方《雷神リキ》は、リンクしていると、自分のターンのはじめに、自分の墓地から光・火・自然の呪文を1枚手札に戻してもよいという効果だ。


リンクしていれば、毎ターン呪文を回収しつつ、マナ加速まで出来るという事である。


このように、どちらもリンクする事で完成するというデザイン故に、かなり独特の能力を持ったクリーチャーである。


これらのゴッドは過去にもコンボパーツとして運用を考えていた時期もあったが、5コストでバトルゾーンに送り込み、次のターンからコンボを開始するというタイムラグがネックであった。


だが《絶望神サガ》の登場により、これらを3マナで送り込むことが可能となったため、コンボの難度が格段に下がったのだ


弱点を克服したことで、このゴッドにも活躍の場が与えられるだろう。


とはいえ、この記事の中で両方のデッキを考えるにはいささか時間が足りないので、今回は特に扱いが難しそうな《霊神ゴウ》をフィーチャーしてみようと思う。


《回神パロロ》は、《神秘の石柱》《カラフル・ダンス》でマナ回収が出来るというコンボがあるので、興味のある方は考えてみても良いだろう。




《霊神ゴウ》は墓地からカードを回収するたびにマナ加速が出来る、というクリーチャーである。


つまり、あえて言い直す必要もないかもしれないが、墓地からカードを回収すればするほど、勝手にマナが増えるという事である


ここで根本的な疑問が生じる。


そんなに墓地を回収できるカードってあるのか???


そう、その通りである。


墓地からカードを回収するというのは、闇文明や光文明なら容易だが、他の文明では少々難しいのだ。


特に《霊神ゴウ》は自然文明。墓地のカードをマナに置く事は得意でも、手札に回収するというのは専門外だ。


となると当然、闇文明か光文明と組ませる事になる。


そして、《絶望神サガ》が入るという性質上、組ませる相手は闇文明、そして水文明も確定だ。


水・闇・自然の3色が確定したため、当然あのカードの採用が検討されるだろう。

色さえ合えば万能薬のように使える《天災デドダム》だ。


この1枚があれば、とりあえず3→5の動きが可能なうえ、コンボパーツも探しやすくなる。


この動きを実現しつつ、《絶望神サガ》のデッキへの対抗策として、《お清めシャラップ》も採用すべきだろう。




問題は、メインパーツとなる墓地回収だ。


目的としているのは、墓地回収を連打してマナを増やす、という動きである。


よって、軽量でしかも使い回しが出来る墓地回収が必要、という訳だ。


そんなカードはあるのか? とお思いの方も多いだろう。


実はあるのだ。

そんなスーパーカードこそ、《喉から狙い打ち》


カード名からは想像も出来ないが、たった2コストで墓地からクリーチャー1体を手札に戻す効果を持つ。


そして、このカードはツインパクトである。


もうお気づきだろう。このカード2枚をグルグルすると、《霊神ゴウ》で瞬く間にマナを伸ばす事が出来るのだ


同じカードを2枚用意するというハードルこそあるが、そこは《絶望神サガ》をグルグルする事で解決する事が出来る。


いや、ほんと凄いな《絶望神サガ》


この組み合わせであれば、なんと最速4ターン目に、このコンボが完成してしまうのだ。


2マナ消費して1マナ増やすため、無限コンボにはならないが、4マナで2マナ加速、6マナで3マナ加速と考えれば、悪くないだろう。




だが、やはりもっと強烈な動きが欲しい。


このコンボは確かに優秀ではあるものの、有限だ。それもかなり短い期間で終わってしまう。


目指すべきはやはり無限だ。


無限に墓地と手札を反復横跳びしてくれるカードが存在したら、このデッキは無限コンボを完成させる事が出来るのだ


では、そんな便利なカードが存在しているのか? という話になってくる。


確かに存在していなかった。


しかし、それも昨年末までの話だ。

この《死神覇王 XENARCH》が、この問題を解決してくれたのだ


《絶望神サガ》2枚のコンボは、簡単に言えば「1枚引いて1枚捨てる」を任意の回数繰り返せるループである。


そして《死神覇王 XENARCH》は、自分の手札を捨てたとき、このクリーチャーを墓地から手札に戻してもよいという効果を持っている。


つまり、《絶望神サガ》2枚でグルグルしているところに《死神覇王 XENARCH》2枚を組み合わせると、《XENARCH》が墓地と手札を反復横跳びしてくれるのだ


《霊神ゴウ》が居る状態でこの動きをやると、1枚引いて手札の《XENARCH》を捨て、墓地の《XENARCH》が手札に戻り、山札の上から1枚をマナゾーンに置く、という永久機関の完成である。


山札がゴリゴリと削れていくため、思ったほど繰り返す事は出来ないが、これで一気にマナを増やす機構が完成してしまった。


あとは、このマナを何に費やすか、である。


コンボを使った後は、豊富な手札とマナ、そして残り少ない山札。という構図のはずだ。


この状況を上手く使い、しかも相手の妨害をして自分の敗北を遠ざけるカードが相応しい。

そんな要望に完璧に答えてくれるのが、《黒智縫合レディオブ・ローゼルド》


このクリーチャーが居れば、山札が無くなっても負ける心配はない。


それどころか自分の山札の枚数が5枚以下であれば、《水上第九院シャコガイル》ですら相手は勝つ事が出来なくなるという、破格のスペックを持っているのだ。


そして召喚した時に相手の手札を5枚も奪い取り、反撃の余地をも奪ってしまう。


このデッキにおけるフィニッシャーと呼ぶに相応しい1枚だろう。


役者も揃ったところで、形にしてみよう。

神のリスト

3

4

4

4

4

4

3

3

4

4

3

そんな感じで完成したリストが、こちらだ。


狙うコンボとしては、《霊神ゴウ》+《喉から狙い打ち》2枚によるマナ加速、あるいは《絶望神サガ》2枚のコンボに《XENARCH》を組み合わせる事による大量マナ加速である


この動きが出来たら、《レディオブ・ローゼルド》で相手のリソースを刈り取りつつ、自分の山札切れによる敗北を回避しよう。


ついでに、相手に攻撃以外での勝利を封じる事も出来るので、エクストラウィンを狙うデッキに対しても有効だ。


ただし、コンボの際に大量の山札を消費してしまうため、マナにタップ状態で置かれるカードが増えてしまうと、マナが溜まりきる前に山札が無くなってしまう危険性がある。


その点を考慮し、多色カードは極力少なく抑える事となった


それでも11枚入っているが、さすがにこれ以上減らす事は難しい。


あとは神に祈ってマナ加速し続けよう。


勝ち筋に《終末縫合王ミカドレオ》を入れる案もあったのだが、多色枚数を極力減らす関係から没案となっている。


多色だという点さえ克服できれば、相手のシールドをブレイクすることなく勝利する勝ち筋となるため、大いに勝ちへと貢献してくれるだろう。


序盤に引いてもマナの色にもなるし、盤面の展開もできるし、言う事無しのフィニッシャーだ。




《死神覇王 XENARCH》は、《絶望神サガ》2枚のコンボに組み込む事で、《霊神ゴウ》の能力を好きなだけトリガーさせる事が出来る。


少々難解な動きではあるが、簡潔に言うと「1枚引いて手札の《XENARCH》を捨て、《絶望神サガ》を釣り上げて《絶望神サガ》を破壊し、《XENARCH》を回収して1マナ加速する」という動きを繰り返す事になる。


更に簡略化すると「1枚引いて1マナ加速」という動きになる。瞬く間にデッキを掘り進めるので、使い過ぎには注意しよう。


また、《XENARCH》のトリガー条件は手札を捨てる事であるため、《エマージェンシー・タイフーン》でもトリガーさせる事が出来る。


盤面処理のために緊急で必要な場合などは、こちらで回収するのも手だろう。


最終的に攻撃してゲームを終わらせる必要があるものの、結構な打点を揃えられる面々であり、フィニッシャーである《レディオブ・ローゼルド》もQブレイカー持ちと、決定打には事欠かないだろう。


相手のリソースを刈り取り、自分の陣形を整えたら、一気にゲームを終わらせよう。

終わりに

というわけで、今回は《絶望神サガ》を使ったデッキをご紹介した。


お手軽ループであり、しかも最速3ターン目にゲームを終わらせてしまうという性質上、今なお賛否両論分かれるカードであるが、秘めたる可能性は相当なものである。


もうじき開催されるグランプリでも、かなりの数のプレイヤーが使用する事は間違いないだろう。


しかし、あくまでコンボがお手軽なだけであり、デッキの扱いには熟練の技術が必要である。


このデッキは目立つがゆえにあらゆる対策が講じられているため、その対策を退けて勝負を決めにいく技量も求められるのだ。


そのためには、コンボ以外のルートを差し込むか否かの判断力、コンボを押し通すための発想力が必要だ。


メタこそ刺さりやすいものの、使い手次第では思わぬ抜け道で突破されてしまう、そんなデッキなのである。


使ったことが無い人も、使う気が無い人も、是非とも一度、触れてみて欲しいデッキだ。


勝敗にこだわりを持つのであれば、使うにせよ使わないにせよ、そのギミックを知るためにも必ず触れておくべきデッキと言えよう。


たとえ、それで自身が絶望の神の信者になろうとも、だ。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ