はじめに
こんにちは、もしくは初めまして。カニ丸です。
春がきて、皆さまの中にも新学期、新シーズン、様々な新生活を迎えていらっしゃる方も多いかと思います。
私カニ丸には、今年から大学生の友人がいますが、遊戯王OCGの方が年上というすごい体験をしております。
さて、遊戯王OCGでも様々な新しい取り組みやシナリオなどがスタートしております。
先日Vジャンプの新規連載として、《閃刀姫》のシナリオが漫画として連載が始まるという情報が出ましたね。
作画は「遊☆戯☆王ZEXAL」「遊☆戯☆王ARC-V」の漫画版でもお馴染み、三好直人先生です。
遊戯王OCGの考察やシナリオの解説をこうして書かせていただいている身としては、嬉しい気持ち半分、そのシナリオを今後考察できないちょっぴり残念な気持ち半分というところです。
こうしたコミカライズといえば、登場した当初からコミカライズの声が熱いOCGテーマがいくつもあるかと思います。
その中でもやはり《星遺物》のシナリオは人気が高く、遊戯王 マスターデュエルにおいてはシナリオモードまであるわけで、今も続きがアップデートされるのを皆さん心待ちにされているのではないでしょうか。
現在、遊戯王 マスターデュエルにおいて「《星遺物》シナリオ」として、世紀末のような荒廃した世界観に生き残った人類、地上を支配している《機界騎士》(ジャックナイツ)、そしてそれら強敵と戦うべく特別な力を得た三人の少年少女と一匹の竜が繰り広げる壮絶な物語が公開されています。
前回も触れましたが、こちらのコラムで紹介するのは《星遺物》単体の物語ではなく
「《星遺物》シナリオ」という総称でよくまとめられている複数の内容を解説していきます。
なので、今回はその壮絶なラストシーンの復習と、それに至るまでの過去に触れていきましょう。
少女の死によってすべてが終わったかのように見えたのですが、たったひとりの大切な妹を失った兄の絶望によって
第二幕ともいうべき《パラディオン》シナリオが始まってしまうのです。
その背景を語るには《アウラム》たちが生まれる遥か昔、かつて人類が繁栄し栄華を極めた時代まで遡(さかのぼ)っていかなくてはなりません。
星の記憶と歴史
高度な文明が発展し、世の中の何もかもが解き明かされていくほどに進んでいた科学技術を持った世界と時代に、その世界に伝わる神話に登場する『鍵』と呼ばれるものが発見されました。
神話というのは、『星の勇者』と『大いなる闇』と呼ばれる存在との戦いに関する内容で、そこには『鍵』という物が重要な役割を担っていたのです。
これは、後の世である《アウラム》たちの時代にまで受け継がれているほど重要な伝説なのですが、この時代の研究者たちは発見された『鍵』を解析し、それがただの伝説や神話に留まらない事実であることを知ることとなりました。
研究者たち
『鍵』が発見されたことにより、同時に『大いなる闇』と呼ばれる破滅の存在もまたこの世に実在することを知った当時の人々は、国家を上げて『鍵』の解析を試みる研究チームを結成しました。
それが国家連合直下組織『《パラディオン》』です。
いつか必ず訪れるであろう大きな災厄=『大いなる闇』に対抗すべく、彼らは機械による兵士を作る計画を進めていきます。
それは「機械騎士計画(ジャックナイツ・プログラム)」として進行し、やがて決戦兵器《明星の機械騎士》(ジャックナイツ)を発明します。
「機械騎士計画」で誕生したこの兵器は、動力にあの『鍵』が組み込まれた人類の希望でした。
しかし、その起動実験中に暴走事故が起きてしまいます。
これにより、大地は崩壊。
人類は発展した文明だけでなく、何もかもを失うこととなるのです。
■暗躍せし者
元々は一人の科学者であった彼女ですが、情報工学の権威でもありました。
そんな彼女が『鍵』の研究チームに抜擢されたのは当然で、チーム内でも目覚ましい活躍をみせていたようです。
しかしながら、彼女はその実力がゆえに、大きな野望を抱くことになります。
それは「神」の力を手にすること。
彼女は世界でただ一人、『鍵』の真相に近づいて、その可能性に染まってしまうのです。
『鍵』の真実
《リース》が気付いてしまったのは、『星の勇者』の伝説の真実でした。
それは『星の勇者』が手にし『大いなる闇』を打ち払う『鍵』という存在が全ての元凶だという事実。
『鍵』は創造と破壊、どちらの力も持っていたのです。
その力をコントロールできるからこそ、それは『鍵』と呼ばれ、長い歴史の中で奪い合いが起きていました。
奪い合う戦いの歴史が『星の勇者』の伝説として、後世まで語り継がれていたことを知ってしまいます。
故意に起きた暴走
『鍵』の力があれば、それはすなわち「神」の力を得たも同然。
研究者《リース》は、実験として自ら《明星の機械騎士》に乗り込み、『鍵』の力を行使しました。
星のエネルギーを逆流させ、地殻変動が起き、地表を焦土へと変えます。
彼女は『鍵』の持つ力を使って、『大いなる闇』を引き起こしたのです。
「《パラディオン》」の他の研究者たちによって7体の《機械騎士》は起動し、なんとか彼女の計画は阻止されます。
世界を守ることはできませんでしたが、滅亡だけは回避することに成功したのです。
『大いなる闇』は地核へと封じられ、《リース》自身も死体となって発見されました。
こうして、人類はわずかながら生き残ることができたのです。
《リース》によって崩壊した大地はもはや生き物の多くが住まうには不適切な状態となってしまいました。
《明星の機械騎士》を破壊しても、その『大いなる闇』の一部は《遺物》として世界に残ってしまい、ここまで一方的に破壊の力である『大いなる闇』が暴れる結果となったのは、『星の勇者』ともいうべき対抗する存在が現れなかったからだと考えた「《パラディオン》」は、新たに計画を考えます。
文明の発展により、大地の力が衰え、そのため「星の勇者」に足る存在が生まれなかったのではないか。
そう、この時点でも《パラディオン》の他の研究者たちは、『鍵』の持つ真実に辿り着けていなかったのです。
「《パラディオン》」は《明星の機械騎士》を封印した7体の《機械騎士》に、人類の希望を託すためのプログラムを加えました。
大地の回復、生命の育成、そして二度と同じ過ちを繰り返さないよう文明への抑制をプログラムし、彼ら自身の人格データをリンクさせ後世に託すことにしたのです。
しかし、当時の「《パラディオン》」は気付くことができませんでした。
同じ技術者であった《リース》も同じく自身の計画を後世に遺していたことに。
これが、《星遺物-『星杯』》に刻まれた《星杯の妖精リース》なのです。
《機界騎士》が持った使命は恐らく秘匿とされ、生き残った生命体から見れば、彼らはただの支配者だったのでしょう。
その本来の目的は、決して人類を脅(おび)やかすのではなく、人類を護る存在『星の勇者』が誕生するまで地表と生命を調節することだったのです。
結果として彼ら《機界騎士》は《リース》が宿った《夢幻崩界イヴリース》によって破壊され、《トロイメア》として変貌を遂げてしまいますが、彼らが《イヴ》を傷つけまいとし、《アウラム》に全てを託したのはこのためだったのです。
恐らく《星遺物》に《クローラー》を行き渡らせて人類を遠ざけていたのも、全ては世界を守るためだったのでしょう。
どれほどの年月の間そうしていたのかは不明ですが、「《パラディオン》」の名前が忘れ去られるほどに時間が経過していたことだけは間違いありません。
おわりに
先日の情報公開で、2022年4月23日発売の「POWER OF THE ELEMENTS」にて新たに《クローラー・ソゥマ》が新規収録されることとなりましたね。
《星遺物》を巡る世界のシナリオは一度は完結したはずなのですが、この2022年に新しくカードが増えることが何を意味するのか、ちょっとドキドキしてきます。
名前はもちろんですが、そのカードデザインもまるで《蒼穹の機界騎士》によく似ていることから何か新しい物語が始まるのかもしれません。
壮絶な物語ではありますが、新章が始まることにも期待したい、そんなカニ丸です。