遊戯王 マスターデュエルでお馴染み!星遺物シナリオその2
はじめに
はじめまして、もしくはこんにちは!カニ丸です!
ところで、皆さんはもうプレイしていらっしゃいますか?
遊戯王 マスターデュエル!!
前回、「リリースまで待てない!」といった内容のコラムを書かせて頂いた数日後に、まさか遊戯王 マスターデュエルがリリースされるとは思ってもみませんでした。
リリースまでのカウントダウンとかやりつつ、当日には「祝★リリース!おめでとう!」と祝杯をあげる予定だったのが狂ってしまいました。
仕方がない…今から遊戯王プリントされたケーキ注文しよ…!
シナリオを追う
さて、前回に引き続き、遊戯王 マスターデュエルリリース前から人気がありました《星遺物》シナリオの続きについて解説していきたいと思います。
遊戯王OCGでも高い人気があり、シナリオ面でも読み応えのあるテーマのひとつとして有名ですね。
【前回のコラムはこちら】
また、これらを「《星杯》シナリオ」と総称している場合もありますので、調べる場合はお気を付けください。
ちなみに、遊戯王 マスターデュエルではテーマごとにシナリオモードが存在するのでそれぞれのテーマごとにデュエルも挟みつつ、シナリオを解いていくことになります。
リリース時点では
《帝》
・《エレメントセイバー》
・《破滅の女神ルイン》と《終焉の悪魔デミス》
・《メガリス》
・《ジェムナイト》
・《剣闘獣》
・《カラクリ》
・《不知火》
・《ギアギア》
・《電子光虫》
・《ダイナミスト》
そして
《星遺物》
ソロモードは一気に解放されるわけではなく、《帝》や《エレメントセイバー》などのシナリオをクリア後に順番に解放されていきます。
それから、特定のアイテムを消費して他のカードを得られる分岐のルートを遊ぶことができるようになっています。
音楽や遊戯王OCGの美しいイラストで彩られたソロモードは、カードを得るためにもプレイが必要です。
しかしながら、各カード1枚1枚の名前や効果、カードの種類などはきちんと登場しないものもあります。
特に魔法や罠といったカードは世界観や情景を演出するために登場するので
「あれ…このカードなんだっけ…?」
となることもあるでしょう。
こちらのコラムでは、その1枚1枚に焦点をあてて、より深く遊戯王OCGの世界観への理解や考察、デッキ構築に役立てて頂けたらと思います。
・世界を救うため、世界中に散らばっている他の《星遺物》を探すことに。
簡単な用語解説
《星遺物》・・・世界に7つ存在するといわれている。ひとつひとつが巨大である。
《クローラー》・・・機械生命体。個々の意思があるような描写はないのでより機械に近いと思われる。
「祭器」・・・《イヴ》が持っていた杖状のもの。先が鍵状になっている。星の命運を握る「鍵」でもある。
《機界騎士》への奇襲作戦が決行されようとしていました。
こうして、大切な存在を取り戻すための戦いが始まります。
その裏でさらわれた《星杯神楽イヴ》はというと、本来敵であるはずの自分を傷つけない《機界騎士》に戸惑いを隠せないでいました。
彼らがしたことといえば、《イヴ》をさらって、その「祭器」を奪ったことぐらいで、傷つけるわけでも、逃がすわけでもないのです。
この世界には昔から伝わる「星の勇者」の英雄譚がありました。
そこには「鍵」と呼ばれるものと、「大いなる闇」という存在が登場します。
これまで《機界騎士》こそが「大いなる闇」であると考えられていました。
《星杯の妖精リース》もまた彼らがそうであるかのように語っていたのです。
しかしここで、自分に危害を加えない彼らはもしかして「大いなる闇」とは違う存在なのではないか。
そんな考えが浮かびます。
このシーンを切り取った魔法カードの名前は《星遺物へ至る鍵》。
あの「祭器」こそが、伝説に登場する「鍵」だったというわけです。
《機界騎士》の目的はこの「鍵」だったのでしょう。
ところで、彼らは7体いますが、それぞれが色の名前になっています。
「紅蓮」とは紅色の蓮の花や、猛火の炎の色に例えられるような「赤」を指します。
「橙影」はおそらくは「灯影」という灯火や電灯の光の意味から「橙」(オレンジ)。
「黄華」というのは「黄化」が語源ではないかと推測できますので、「黄」。
「翠嵐」は「山に立ち込める青々とした空気」や「山に吹く風」を指す言葉です。
「翠」というのがそのまま「みどり」と読めることや「翠玉」(エメラルド)という言葉から、「緑」の色をあらわしたいのでしょう。
「蒼穹」といえば、晴れ渡った大空などを指しますので、「青」。
「紺碧」は黒っぽい青色、つまりは「藍色」や「紺色」という認識でいいでしょう。
「紫宵」は鎌倉時代の軍記物語「保元物語」にて登場する刻と空の情景を示した言葉であるのですが、こちらはおそらく「宵(日没後)の空」の「紫色」の意味合いかと思います。
ですので字もそのまま「紫」という扱いでいいでしょう。
ここまででお気づきの方もいらっしゃると思いますが、《機界騎士》は日本の虹を指す七色が元になっています。
虹の配色を「赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)」という読みで覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
《星遺物》のシナリオにおいて、名前の繋がりというのは非常に重要です。
希望や夢の象徴ともされる「虹」が名前に含まれ、合体することで《星痕の機界騎士》となり、《星遺物》と同じ「星」の字を冠していることには非常に深い意味があります。
現段階では今後のネタバレを含みますので、こちらについて今回はこれ以上深堀りできませんが、考察する上で大変魅力的なものとなっています。
「痕」という文字は基本的には「キズの痕」や「残ったしるし」などという意味合いがあるのですが、この文字がもうひとつ使われているカードがあります。
それが先ほど紹介していた《星遺物が刻む傷痕》です。
荒廃した世界観が窺える一枚ですが、それと同じくらい際立つのが傷つき滅んだと思しき文明の痕ですね。
ここが街、もしくは都市のような場所であったことがわかります。
ここに存在している《星遺物-『星盾』》《星遺物-『星槍』》のイラストを見れば分かりますが、明らかに発達した文明が滅んだ痕跡が見受けられ、これは《アウラム》たちが今まで過ごしてきたファンタジックな世界観から少し逸脱しています。
機械生命体である《機界騎士》や《クローラー》とは果たして一体なんなのか。
彼らが統治する以前の世界は、我々の世界のように近代的な文明であったのではないだろうか。
様々な疑問が飛び交う中、とある存在によってすべての戦況が一転するのです。
本当の黒幕
前回、「とあるキャラクターが徐々に不穏な姿になっていくのですが、皆さんはお気づきになられましたでしょうか?」
という質問を最後に投げかけていましたが、わかりましたでしょうか?
最初に登場した時はこのように青白く光る可愛らしい存在でした。
しかし、時が経つにつれ、その身を照らす4つの光がひとつひとつ、黒く、邪悪になっていきます。
窮地に陥る中、《蒼穹の機界騎士》は星の命運を握った「鍵」であるこの「祭器」の「継承権」を《アウラム》に移すことを思いつきます。
この重大な「継承権」は、仲間を取り戻すために自分たちのような存在に立ち向かい、戦い抜いた彼にこそ相応しい。
そう感じたのかもしれません。
しかしながら、正規の方法で継承されなかった「鍵」の力は分離し、双剣へと姿を変えてしまいます。
また、同じ理由で《イヴ》の体を乗っ取った《イヴリース》にもその「継承権」が残ってしまいました。
そのことに気づいてしまった《イヴリース》は《アウラム》より先に他の眠っている《星遺物》を起動させ、その力を得ようとします。
《蒼穹の機界騎士》のコアを除いた6体の《機界騎士》のコアを使って生み出された存在《トロイメア》
その名前の元ネタは設定画集によると
「トロイの木馬」
「悪夢」を指す「ナイトメア(Nightmare)」
ドイツ語で「夢」や「幻想」を指す「トロイメライ」からだそうです。
トロイの木馬
ギリシア神話のトロイア戦争上で登場する大きな木馬で、これに兵を隠し、敵の土地で奇襲作戦を行うために使われた策略の一つ。
これによってトロイアは滅亡したとされる。
こういった偽装作戦が有名になり、巧妙な罠や、敵陣で活躍する内通者などを「トロイの木馬」と呼ぶ場合がある。
この意味合いから、通常は害のないファイルのふりをして入り込み、何かのキッカケでコンピューター上の安全性を損なわせるものを同様に呼ぶ場合がある。
ナイトメア(Nightmare)
日本語で「悪夢」の意味。
寝ている間だけでなく、悲惨な光景や、通常では遭遇し得ないような状況に直面した時になども使用する表現にも用いられる。
また、この「悪夢」を見せる妖魔を「ナイトメア」もしくは「夢馬(むま)」、「夢魔(むま)」と呼び、その姿は馬の姿をしているとされる。
「トロイの木馬」とは「馬」繋がりではあるが、遊戯王公式関係で言及されたことはない。
トロイメライ
ドイツ語で「夢」や「夢想」を指す言葉。
ロベルト・シューマン(ドイツの作曲家)の作曲したピアノ曲「子供の情景」第7曲が元になっているとされる。
有名な楽曲であるので、クラシックに精通していなくても、一度は耳にしたことがあると思われる。
ちなみに、同第9曲は「木馬の騎士」となっている。
《トロイメア》がイラストに登場する《星遺物へ誘う悪夢》があることから、《アウラム》たちにとっての「悪夢」的な存在であるということかもしれません。
また、かの有名な「七つの大罪」にはそれぞれまつわる幻獣がいるのですが、各《トロイメア》の模る姿の元になっているかと思われるので、そちらも興味深いですね。
「七つの大罪」というと、「あと1体足りないのでは」と疑問に感じられるでしょう。
7体目の《機界騎士》である《蒼穹の機界騎士》が《イヴリース》に回収されなかったという理由もありますが、逆に《夢幻崩界イヴリース》も合わせた7体だと考えた方が良さそうです。
さらに、デザインで重要なのは「トロイメライ」としての意匠に繋がるのですが、それぞれ音楽記号に似たマークが凝らされています。
《トロイメア・マーメイド》
元の《機界騎士》:《紺碧の機界騎士》
モチーフ:「マーメイド(人魚)」 / 大罪での意味:「嫉妬」
音楽記号:「フェルマータ」だと思われる
(通常のカードだと非常に小さいので見えにくいですが、顔面についています。
「MONSTER ART BOX」などをお持ちの方は設定画でアップを見ることができます)
モチーフ:「サキュバス」 / 大罪での意味:「色欲」
音楽記号:「ト音記号」だと思われる
(《イヴ》の場合は胸の飾りがこの形に似ている)
ということになるのかもしれません。
もしも《蒼穹の機界騎士》がコアを奪われ、《トロイメア》化していたら、セクシーなお姉さんカードになっていた可能性もありますね。
悪夢の結末
自らへと突き立てました。
こうして1人の少女の命を代償に、世界は救われたのです。
戦ってきた戦士たちの気持ちに絶望を遺して……
おわりに
ここまでが第一幕といった形でこのシナリオは幕を閉じます。
この結末にある《星遺物への抵抗》と《星遺物に響く残響》は発売当初から多くのプレイヤーの胸を打ちました。
また、この二枚のおかげで、より話題になり、知名度が上がったように思います。
これでこの物語が終わるのかというとそうではありません。
第二幕ともいえるシナリオがこの先に待ち構えています。
遊戯王 マスターデュエルのリリース当初から実装されていたこの《星遺物》のシナリオですが
その人気はもちろん、多くの登場人物や様々な伏線などが複雑に絡み合っておりとても魅力的です。
もしこちらのコラム、もしくは遊戯王 マスターデュエルでプレイされ、ご興味がわきましたら、遊戯王OCGにもこの機会に是非触れて頂けたら幸いです。
第二幕ともいうべき、《イヴ》がいなくなった後の世界では、より多くのテーマが関わってきますので、どうぞそちらもお楽しみください!