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2024.11.7

【第73章】1枚しかないカードもサーチすれば実質4枚 | プラズマの未開地探求録

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【第73章】1枚しかないカードもサーチすれば実質4枚 | プラズマの未開地探求録
目次

火は無くとも何とかなる

《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》


その圧倒的な突破力により、一瞬にしてゲームを終わらせられるこの不死鳥は、その力を認められ、殿堂入りを果たした。


今では環境で見る事は少なくなったものの、その系譜である火自然バイクという形で今なお存在している。


さすがに《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を軸にする事は難しいが、サブプランとしての運用であれば十分可能なのだ。


かつては自然の2種類のデッキが有名だったこの《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》


だが、この系譜に当てはまらない、別のデッキも存在していた。


その中の一つが、《MAX-G ジョラゴン》から《モンキッド<ライゾウ.Star>》の能力を使って連鎖的に進化クリーチャーを出す、その名のとおりMAX-G ジョラゴンと呼ばれるデッキ


そしてもう一つが、水自然アポロヌスというデッキだ。


どちらも火文明を採用していないにも関わらず、踏み倒しによって唐突に《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を発射するという奇襲性を備えたデッキである。


なお、何を隠そう後者は私が発案者であったりする。


このように火文明を採用せずとも、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を使う事は十分に可能だったのだ。


そう、”だった”のだ。


《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が殿堂入りしたために、構築は困難となってしまった


たった1枚のカードへアクセスするのは、非常に困難である。


サーチでもしない限りは

その問題をデュエル・マスターズ・プレイスからの刺客が解決してくれた。


この《無頼妖精ワイルド・リリィ》は、進化クリーチャー1体を山札からマナゾーンへ送る事ができる。


似たようなカードに《進化の化身》が存在するが、こちらは手札に加えるという点で相違している。


この特性を最大限に活かせるのは、何を隠そう、自然アポロヌスなのだ。


今回はこのカードを使い、新しい自然アポロヌスを紹介していこう。

マナから太陽を射出する

そもそも、自然アポロヌスとはどういうデッキなのか?


元々は、こちらの記事で紹介したデッキをベースに、闇文明を抜いた構築にしたものである。


動き方は


①マナゾーンに《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》、マナか墓地か手札に《SSS級天災 デッドダムド》を揃える。

《グラスパー<チェインレック.Star>》を出し、攻撃時に《SSS級天災 デッドダムド》の侵略を宣言。

③アタック中の《グラスパー<チェインレック.Star>》《SSS級天災 デッドダムド》を重ねる。

《グラスパー<チェインレック.Star>》のアタック時効果により、マナゾーンの《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》《SSS級天災 デッドダムド》に乗せる。

《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のメテオバーンを処理し、相手のシールドを全てブレイクする。

⑥何か出てきたら、《SSS級天災 デッドダムド》の能力で処理する。


というものである。


普通のアポロヌス・ドラゲリオンを使ったデッキと違い、コンボパーツの大半が手札に無くてもワンショットを狙う事が可能であり、《SSS級天災 デッドダムド》による柔軟な戦いが可能になっている。


特に《SSS級天災 デッドダムド》は、手札・マナ・墓地いずれかにあれば大丈夫なので、火・自然アポロヌスのパーツである《禁断の轟速 ブラックゾーン》より格段に扱いやすいのも利点である。


この動きをサポートするため、《無頼妖精ワイルド・リリィ》は、このデッキにとって救世主なのである。


確かに《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》をマナゾーンに置くだけであれば、《神秘の宝箱》のようなカードもある。

しかし、《神秘の宝箱》では《SSS級天災 デッドダムド》を持ってくる事はできないし、《グラスパー<チェインレック.Star>》も当然持ってくる事ができない。


後者をマナに置く事は少ないが、《母なる星域》と組み合わせるルートを考えるのであれば、マナに置くルートも考える必要もある。


さらに《神秘の宝箱》のようなカードでは、進化元を用意する事ができない。


ところが、《無頼妖精ワイルド・リリィ》はクリーチャーであるため、コンボパーツを探しつつ、進化元になれるのである




上述したように近い能力を持つクリーチャーとして《進化の化身》があるが、《進化の化身》は進化クリーチャーを手札に加えることに対し、《無頼妖精ワイルド・リリィ》はマナゾーンに置くという点が異なっている。


確かに手札に持ってくる能力であっても、手札からマナに置いてしまえば同じ事だ。


だが、それには1ターンのラグが発生してしまう。


その間に手札破壊などを食らってしまったら、コンボパーツを叩き落とされる事になってしまう。これは問題だ。


それに、足りていないパーツが《SSS級天災 デッドダムド》であった場合、次のターンはマナをタップ状態で置く必要も出てくる。




そんなわけで、《無頼妖精ワイルド・リリィ》は、このデッキにとって最高のカードなのである。


とはいえ、あちらは《グラスパー<チェインレック.Star>》を手札に持ってこられるという役割もあるので、明確にどちらが上、と言い難いのも事実だ。


であれば、両方入れるというのも手だろう。


やりたい事は出来上がったが、デッキとして仕上げるには、デッキの”流れ”を考える必要がある


このデッキでは《無頼妖精ワイルド・リリィ》を出し、次のターンには攻め込む構成を考えたい。


また、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を使うという関係上、ゲームは早い段階で畳むのが良いだろう。


そういう訳で、2、4、6とマナを伸ばしていく構築が良いはずだ。


ここで考えなければならないのは、2ターン目のマナ加速として何を採用するか、である。


このデッキは、コンボデッキであり、進化クリーチャーを軸としたデッキだ。


となると、採用すべきマナ加速は、必然的にこの2種類がフィーチャーされる。

必要なカードを探しにいける《地龍神の魔陣》と、進化元になりつつマナ加速が可能な《ジャスミンの地版》だ。


前者はコンボパーツを探す事ができるため、たとえマナ加速が必要なくなる後半になっても、十分に性能を発揮することができる。


後者はマナ加速に加え、対処が困難な進化元としてバトルゾーンに居座るため、進化クリーチャーを出すための基盤としては十分な活躍をしてくれる。


2ターン目のマナ加速は必ず行いたいため、2コスト帯のマナ加速は10枚入れる事にしよう。


かつて、2ターン目のマナ加速は8枚が主流であった。


だが、今は違う。


環境の高速化に伴い、2ターン目のアクションの重要性が高まった事で、10枚もの採用が許容されているのである。


かつてのデッキ基盤をベースにすれば、おおむねデッキとして形になりそうだ。

デッキリスト・・・?

4

4

3

1

4

2

1

2

4

2

1

4

4

4

形にしたら、こんな感じだ。


狙う事は、《グラスパー<チェインレック.Star>》のアタック時、《SSS級天災 デッドダムド》の侵略を宣言し解決、その後に《グラスパー<チェインレック.Star>》の効果でマナから《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を重ね、メテオバーンで勝利を掴むことである。


決まってしまえば単純だが、そこに至るには、殿堂入りの壁を越えなければならない。


そのために活躍してくれるのが、《無頼妖精ワイルド・リリィ》である。


このカードを使えば、殿堂入りしている《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を、山札から直接マナゾーンに置く事が可能になる。


そのうえ、《グラスパー<チェインレック.Star>》の進化元にもなってくれるという、出した後も役割を失わないカードだ。


万が一《グラスパー<チェインレック.Star>》が手札に無い場合も、《無頼妖精ワイルド・リリィ》でマナに置いて、《母なる星域》で引っ張り出すという動きも可能だ。


その場合は、バトルゾーンに他のクリーチャーを1体用意する必要があるので、気を付けよう。


と、ここまで順調に進んできているように見えるが、やはり殿堂入りという壁は分厚い。


いくら確定で《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》をマナに置けるとしても、コンボの始点である《グラスパー<チェインレック.Star>》が無ければ、宝の持ち腐れになってしまうのだ。


何とかして、《無頼妖精ワイルド・リリィ》《グラスパー<チェインレック.Star>》をうまく組み合わせられる、そんなカードはないだろうか。


要は、マナに置いた《グラスパー<チェインレック.Star>》を、バトルゾーンに引っ張り出せるクリーチャーだ。


そう、彼女だ

改めて、デッキリスト

4

4

3

1

4

2

1

4

2

1

4

4

2

4

そんなわけで、最終的なリストがこちらだ。


最後に採用した《蒼狼の王妃 イザナミテラス》は、マナゾーンに置いた《グラスパー<チェインレック.Star>》を直接バトルゾーンに引っ張り出す事ができる、凄いクリーチャーだ。


《蒼狼の王妃 イザナミテラス》であれば、《母なる星域》と違い、バトルゾーンにクリーチャーが0の状態からでもワンショットが可能になる。


それに、ちょうど2、4、6の流れにピッタリ噛み合うため、難なく出す事が可能なのだ。


いざとなれば盤面の邪魔なクリーチャーを一掃し、次のターンの攻め手に貢献してくれるだろう。


本当にいざとなれば、マナを伸ばして、直接《SSS級天災 デッドダムド》を乗せることだってできるだろう。


なお、そうなった場合のテクニックとして、《SSS級天災 デッドダムド》はバトルゾーンからも侵略できる点を覚えておこう。


最初の方で《SSS級天災 デッドダムド》は手札からもマナからも墓地からも侵略出来ると説明したが、バトルゾーンにあっても、他のクリーチャーの上に侵略する事ができる。


そのため、いったん《SSS級天災 デッドダムド》で盤面処理をした後でも、《グラスパー<チェインレック.Star>》からコンボを繋げる事は十分に可能だ。


また、当然ではあるが、複数の《SSS級天災 デッドダムド》が色々なゾーンに散っている場合、極力、墓地かバトルゾーンのものから侵略させていこう。


手札やマナゾーンにある《SSS級天災 デッドダムド》を使ってしまうと、その後のリソースが足りなくなる恐れがある。


一撃必殺を決める事を目指しているが、当然、失敗する可能性だってある。


できることなら、その後の事も見据えて戦うようにしよう。


なお、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》がシールドに居る場合、残るカードだけで戦う必要がある。


そうなった場合に備えて、3ターン目に《無頼妖精ワイルド・リリィ》《進化の化身》で山札を見たとき、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が無い事を確認してしまったら、《飛翔龍 5000VT》などを使って詰めるプランも考えておこう。


安易にマナに置いてしまうと、攻め手が足りなくなる恐れもある。用心すべし。

終わりに

かつての水闇自然のアポロは、どういうわけか、どこかのCSで入賞したらしい。


その情報をもとに構築を進化させたのが、水自然アポロヌスである。


よりコンボに特化する事で再現性を高め、一撃必殺に全てを賭けたのが、水自然アポロヌスだ。


これもまた、どういうわけか、超CSで予選抜けを果たした実績もある。


実はこの実績を作ったのも私だったりする。


と名乗り出てみたものの、過去の栄光はあくまでも過去に過ぎない。


が、今回《無頼妖精ワイルド・リリィ》という相性抜群のカードが出てきたので、久しぶりに引っ張り出してみた。


なお、闇文明を入れるメリットは、コントロール性が極端に高まる事である。


《天災デドダム》《絶望と反魂と滅殺の決断》といったリソース確保・除去や手札破壊に加え、今であれば《深淵の逆転撃》の採用も出来るだろう。


コンボ一辺倒なデッキでは馴染まないという人には、闇文明を入れて、これらの要素を強化したデッキにしてみれば、馴染むのかもしれない。


何より、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を使わずとも詰める事が容易になる事、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》までの時間稼ぎや妨害が非常にやりやすくなる事が、最大のメリットになる。


他にも改造の余地は大いにありそうなので、気になった人、気に入ってる人は、また試してもらいたい一品だ。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ