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2022.7.14

【第17章】人の感じる違和感は往々にして正しい | プラズマの未開地探求録

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【第17章】人の感じる違和感は往々にして正しい | プラズマの未開地探求録

違和感を感じたら、それは正しいものである

目次

初見のデッキにご用心

地雷デッキばかり使っていると、普通に環境デッキを使っていても、入ってもいないカードすら警戒されることがある。


これは当然で、普段から環境で見ないデッキやカードを使っている人が環境デッキを使っていても、何か裏があるのではないかと疑ってしまうからである。


そういう意味でも私は環境デッキに擬態したデッキというものが好きである。


対戦していると、環境でよく見かけるデッキなのだが、相手は途中から違和感を抱き始めるだろう。


その方面に長けた人が何か違和感を覚えたとするなら、それは往々にして正しいと言われている。


根拠はなくとも、漠然とした違和感を持ったとしたら、過去の経験からもたらされる”警告”なのだ。


今回、あるカードを軸に据えたデッキを作っていった際、まさに”擬態”が完了したデッキが誕生してしまった。


そのカードとはこちら

《グラスパー<チェインレック.Star>》である。


攻撃する時、このクリーチャーから進化出来るコスト6以下のクリーチャーを、マナから踏み倒すという能力を持つクリーチャーだ。


元となった《グレート・グラスパー》《チェインレックス》は、組み合わせて使われることが非常に多いカードである。

そんな両者が1枚のカードへと手を取り合った姿が、このクリーチャーなのである。


上記2枚はループデッキで使われる組み合わせだが、このカードは残念ながら、ループに用いるには難しそうである。


とはいえ、踏み倒し能力が強力な事に変わりはない。


今回はこのカードを軸に据えた結果誕生したデッキをご紹介しよう。

侵略しない侵略

このカードを初めて見た時に思った事は、攻撃時に踏み倒すという特性上、コスト6以下かつバトルゾーンに出た時に能力をトリガーさせる進化クリーチャーとの組み合わせであった。


これは至って普通な考え方で、このカードを使う上で基本となるだろう。


さて、そんな能力を持ったカードにおいて、組み合わせとして相応しいカードはどれほどあるだろうか。

まず頭に浮かんだのは、究極進化クリーチャーだ。


進化クリーチャーの上に重ねるのだから、どうせなら出しにくい究極進化クリーチャーを踏み倒したい、という事である。


この《ダークネス・ロマノフ》は、バトルゾーンに出た時、相手の手札を見て、その中から2枚を捨てさせるという強力な能力を持っている。


その直後にシールドを2枚ブレイクしてしまうが、些細な問題だ。


と言いたいところだが、やはり相手の手札がプラスマイナス0である事は強さに疑問が残る。




同じく究極進化クリーチャーとして《ケンジ・キングダム》が存在している。


こちらは最近CSで見かける事もある、非常に豪快な踏み倒し能力を携えたクリーチャーだ。


とはいえ、既に最適解ともいえる使い方が確立されており、わざわざ《グラスパー<チェインレック.Star>》で運用する必要があるかどうかは疑問が残る。


確かにマナゾーンに置いておけるというメリットはあるかもしれないが、5コストの進化クリーチャーを使って出すとなると速度的な問題も出てくるだろう。




侵略持ちであったなら、どうだろうか。


この《超獣軍隊ゲリランチャー》は、《グラスパー<チェインレック.Star>》から侵略出来るうえ、能力でマナから出す事も可能という優れた相方である。


出た時の能力こそないものの、相手の反撃を妨害する能力を有しており、除去が乏しいビートダウンにとっては非常に厄介な壁となるだろう。


とはいえ、このクリーチャー自体が現在の環境に対して力を発揮しにくいという事もあり、やはりイマイチである。




侵略持ちと言えば、同じレクスターズにも存在していることを思い出した。


この《キャンベロ<レッゾ.Star>》は、文明こそ違えど、《グラスパー<チェインレック.Star>》から進化出来るクリーチャーである。


侵略という能力こそ活かせないものの、出せば強力無比な能力を有しており、除去されても《グラスパー<チェインレック.Star>》がアンタップして残るという、組み合わせとしては非常に優秀なカードだ。


相手の反撃を阻害しつつ、盤面には打点が残る、そのうえ中途半端な除去を打とうものなら、マナから新たな《キャンベロ<レッゾ.Star>》が繰り出される可能性さえ秘めているのだ。


これを突破するのは、なかなか骨の折れる作業になるだろう。


やはり、火・自然のレクスターズという方向へと持って行った方が良いのか。


そんな風な考えに向かっていた頭の中に、一つの記憶が蘇ってきた。


そういえば、侵略持ちの究極進化が居たような・・・

《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》!!!


なんやかんやで、相手は負ける!!!!


つまり自分が勝つ!!!!!


なんという事だ。《グラスパー<チェインレック.Star>》から、一撃で勝負を終わらせるクリーチャーが存在したのである。

細かいことは必要ねえ! 相手が吹き飛べば勝ちだ! という、パワーこそ全てのコンボが完成した瞬間である。




しかし、いったん冷静になって欲しい。


《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》は、メテオバーンで3枚の進化元を必要とする。


つまり、《グラスパー<チェインレック.Star>》、その進化元、そしてもう1枚が必要なのだ。


せっかく最強のデッキが誕生したと思ったら、思わぬ落とし穴である。


《グラスパー<チェインレック.Star>》の攻撃時に、この上に何かクリーチャーを重ねる必要があるという事だ。


そうなると侵略持ちのクリーチャーが頭に浮かぶ。さて先ほどにも述べた通り、レクスターズにも侵略持ちのクリーチャーが存在している。

そんな中で最も相性が良いのが、《オウ禍武斗<サンマ.Star>》だ。


このクリーチャーでマナを増やしてから《グラスパー<チェインレック.Star>》の効果を解決する事で、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》へのアクセス確率を上げる事が可能となる。


しかし、これだけでは少し不安である。


何かもっと良い侵略先が存在しないだろうか?


そんなことを思っていた矢先、《グラスパー<チェインレック.Star>》のテキストをよく読み込んでみたところ、このクリーチャーの種族に改めて気付いた事があった。


そう、このクリーチャーは「ジュラシック・”コマンド”・ドラゴン」、つまり自然のコマンドなのである。


自然のコマンドから侵略出来るクリーチャーといえば、みんな大好き、あのクリーチャーが存在している。

《SSS級天災デッドダムド》だ。


このクリーチャーなら手札にキープせずとも、マナか墓地に置いておけば侵略する事が可能なのである。


つまり、マナか墓地に《デッドダムド》、マナに《アポロヌス・ドラゲリオン》があれば、あとは《グラスパー<チェインレック.Star>》で攻撃すれば勝ちなのである。


こんな簡単に勝てて良いのか? と思うかもしれないが、本当に簡単に勝ててしまうのである。


さて、良い感じにデッキの全体像が浮かんできたところで、これを形に落としていこう。

擬態したデッキリスト

4

4

4

4

4

1

4

1

1

4

3

3

3

どこからどう見ても、アナカラーデッドダムドである。


なのに、見慣れないカードがある。


まず1枚目、《グラスパー<チェインレック.Star>》だ。


冒頭で解説しているため詳しくは説明しないが、すべての元凶である。


このクリーチャーの攻撃時、《SSS級天災デッドダムド》の侵略を宣言・処理し、その後にこのクリーチャーの攻撃時能力を使って《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》をその上に重ねる。

そうすると、一撃で相手のシールドを吹き飛ばしつつ、クリーチャー除去を控えさせることが出来るのだ。


次に、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》。こちらも先に述べた通り、このデッキの元凶である。


ただし、こちらは火文明ということでマナの色として弱いため、少しでもマナ事故を減らすために枚数は3枚に抑えている。

その代わり、山札からマナゾーンへ送り込める《八頭竜ACE-Yamata/神秘の宝剣》を採用してある。


あとは、全く見ない事もないだろうが、《飛ベル津バサ「曲通風」》を採用している。

《異端流しオニカマス》と枠を争いそうなカードであるが、こちらは《グラスパー<チェインレック.Star>》の進化元となるというメリットがある。


また、ジャストダイバーであるため、7マナある状態でこれと《グラスパー<チェインレック.Star>》を同時に出し、そのまま《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》まで繋げると、選ばれない《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が完成する。

この要素があるため、《異端流しオニカマス》より、こちらを優先している。


他は、いたって普通のアナカラーデッドダムドである。


相手からしてみれば、普通のデッキに見えるだろう。

しかし、いざ蓋を開けてみたら、とんでもない爆弾が控えているのである。

終わりに

既存のデッキに擬態した未知のデッキというものは、相手にしてみると、非常に対処しにくい事がある。


とはいえ、それは、既存のデッキに効果があったプレイングが徒労に終わる場合である。


例えば、墓地ソースに擬態するデッキが墓地メタに弱かったとしたら、相手にしてみれば「凄いギミックが入ってるけど、まあ対処できなくもないか」という印象で終わってしまう事になる。


しかし、もし墓地メタが刺さらないデッキに擬態出来ていたとしたら、事態は全く違うだろう。


相手は最善手を打っているように見えて、実は最善手ではないのだ。


そういうデッキが出来上がったとしたら、それは環境に対して革命的なデッキと言って良いだろう。


何せ、最善手が最善手ではなくなる可能性があるのだから、プレイヤーはその手を改める必要が出てくるからだ。


そうなったら、環境は一歩動き出すだろう。


地雷ビルダーの究極の目標は、環境に一石を投じるデッキを生み出す事にある。


既存のデッキに擬態させるという事は、そのために必要な技術の一つなのである。


今回のデッキは、アナカラーデッドダムドの弱点を克服してるとは言い難いが、相手にとっては思わぬ一撃が飛んでくるという点で、死角を突いたデッキである。


決め手が乏しいデッキと思っている相手にとって、突然飛び出す一撃必殺は、まさに脅威となるだろう。


気付いた時にはもう手遅れ。それこそが、勝利の秘訣なのである。

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このコラムのライター

プラズマ

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