ピザは美味しい
皆さんは、ピザは好きだろうか。
私はもちろん、好きだ。
いくら何でも毎日食べたいとは思わないが、ふとした時、食べたいと思う事がある。
特に、何人かで集まって、テーブルを囲んで食べるピザは最高である。
そんな至高の食べ物であるピザを名に持つクリーチャー、それが《ピザスターのアンティハムト》だ。
あの《天災デドダム》と同じく、3色3コストパワー3000のクリーチャー。
条件付きではあるものの、登場時に手札からクリーチャーを出し、スピードアタッカーを与えつつ、強化までしてしまうという、かなり破格のカードだ。
既にドリームメイトのデッキで実績を残しているが、もちろん、それ以外にも多くの使い道があるであろう、このカード。
今回はこちらを使って、一風変わったデッキを考えてみることにしよう。
ピザに色とりどりの具を乗せよう
ピザといえば、その幅広い具材との組み合わせが特徴だ。
シンプルなものから、シーフード山盛りのもの、野菜に寄せたものや肉々しいものなど、その種類は様々である。
この《ピザスターのアンティハムト》も、
出せるクリーチャーに文明の指定が無いため、色とりどりのクリーチャーを呼び出せる。
となれば、このクリーチャーに含まれない文明を持つ3コストのクリーチャーだって、呼び出し放題な訳である。
そんなカードの中となると、真っ先に浮かぶクリーチャーは、これだろう。
みんな大好き《天災デドダム》である。
被っている文明が自然しか無いという、致命的に噛み合っていないように見えるこのカードだが、《ピザスターのアンティハムト》の手にかかれば、何の問題もなく出す事が可能だ。
さて、こうなって来ると、ある事に気が付くはずだ。
いとも容易く、バトルゾーンに 全 て の 文 明 が揃っている事に。
これはつまり、《愛の無限オーケストラ》を簡単に出せるという事でもある。
3ターン目に進化元を揃えつつ《デドダム》でマナ加速をするため、次のターンには《愛の無限オーケストラ》に繋がるのも美しい。
だが、当然、《オーケストラ》登場までに1ターン挟まるという点が少し気になる。
それに、真っ先に思いつくデッキであれば、愛好家が既に作っている事だろう。
私が目指すのは、「誰も思いつかないであろうコンボ」。
より「前世で何食ってたらこんなことを思いつくんだ(「前世で何やってたんだ」と「普段何食ってるんだ」が混ざった謎のワード)」と言いたくなるようなデッキこそ、私が理想とするデッキのはずである。
というわけで、出すカードはこれだ。
《五連の精霊オファニス》である。
バトルゾーンに全ての文明が揃っていると、なんと0コストで召喚できる。
そのうえ、自分のクリーチャーが破壊される時、全ての文明が揃っていると、代わりに手札に戻す事が可能になるというオマケ付きだ。
攻撃的な性能では無いものの、自分のクリーチャーが破壊による除去に対して強くなり、盤面の維持が容易になる。
このデッキなら、手札に戻るのは《ピザスターのアンティハムト》や《天災デドダム》なので、相手にしてみれば、非常に除去を躊躇うようなクリーチャーばかりだ。
これを出してビートダウンしていくデッキだったら、それなりのデッキにはなりそうだ。
が、しょせん”それなり”に過ぎない。
やっている事は、破壊しにくいクリーチャーでペチペチと攻撃しているだけである。
そんなことで勝てるほど、現代デュエル・マスターズは甘くは無い。
そう、ピザの具を適当に散りばめるだけでは美味しくならないのと同じように、”まとまり”が必要なのである。
という訳で、次はデッキのフィニッシュ手段を検討していこう。
ピザを完成させる
ピザだからと言って、何を乗せても美味しいという訳では無い。
そんな当たり前の事を忘れてしまっていては、美味しいピザは作れない。
先に述べたように、《ピザスターのアンティハムト》と《天災デドダム》を使って《五連の精霊オファニス》を出すところまでは決まった。
で、それで何をするのか? を考える時間だ。
自分のクリーチャーが全て、破壊される代わりに手札に戻る。
という事は、自らクリーチャーを破壊し、再利用する事が出来る、という事でもある。
そうなると、真っ先に白羽の矢が立つのが、このクリーチャーだ。
今やツインパクトとしても登場している《学校男》だ。
自分のクリーチャーを2体破壊しなければならないが、このデッキであれば、この《学校男》自身と他のクリーチャー1体を手札に戻せるカードへと変貌する。
そうやって、自分のクリーチャーの”出たとき”能力を使い回す事で、毎ターン、アドバンテージを稼ぎ続ける事が可能なのである。
どのカードの”出たとき”能力を使い回すか? という点においては、既に採用されている《ピザスターのアンティハムト》《天災デドダム》を使い回すだけでも十分に強力である。
が、これだけではアドバンテージを稼ぐだけにとどまり、肝心なゲームエンドへと持ち込むことは出来ていない。
ゲームを終わらせるとなると、直接相手を敗北へと近づけていくカードでなければならない。
しかも、《学校男》と組み合わせて使うのだから、コストも軽い方が良い。
そういう条件を満たせるカードは少ないが、《腐敗麗姫ベラ》は、最高の相性を誇るカードと言えるだろう。
このカードと《学校男》を組み合わせれば、4マナで、相手のデッキを1枚削りつつ、相手が引くカードもある程度コントロールする事が出来る。
よって、相手は既に手札に持っているカードでのみ勝負を挑む事を強いられるため、緩いロックが完成するのである。
もちろん、完全なロックでは無いので抜け出される可能性はあるが、マナさえ溜まれば2ループできるようになり、ロックはより強固なものになっていく。
相手にしてみれば、2枚以上同時に解決札を引く必要が出てくるため、かなり厄介な動きになる事だろう。
しかし、これだけでは、元から手札に存在していたカードへ干渉が出来ない。
それにバトルゾーンに複数のクリーチャーが並ぶと、いくら《学校男》といえど、狙ったクリーチャーを除去する事は難しい。
そんな問題を一度に解決してくれる凄いメイドが、前回の記事から駆けつけてくれた。
前回に引き続きメイドを担当する《冥土人形ヴァミリア・バレル》である。
さてはこのメイド、めちゃくちゃ仕事ができるな???
万が一《ピザスターのアンティハムト》から《天災デドダム》を出せなかったとしても、こちらを出しても5色が揃う。
1ターンのラグこそあるものの、5マナが溜まった瞬間から除去2発+手札破壊が出来るうえ、ハイパー化すれば手札の補充も許さないという、これまた緩いのか緩くないのか分からないロックが完成する。
ここに《腐敗麗姫ベラ》まで組み合わさったら、そこそこ強力なロックになるだろう。
ところで、このデッキの肝心な点を忘れていた。
どうやって《ピザスターのアンティハムト》を出すか
である。
普通にマナを支払って出せば良いと思うだろうが、このデッキの特性上、《ピザスターのアンティハムト》をそのままコストを支払って出すだけのマナを揃えるのは、かなり難しい。
よって、極端な話、コストを支払う事無く出す方法が必要だ。
そんなことが出来るのか? と思う人も多いだろうが、実は可能である。
デッキリスト
という訳で、今までの話をまとめると、こんな感じになった。
やる事は先に述べた通り、ピザスターのアンティハムトを使ってバトルゾーンに5色を揃えて五連の精霊オファニスを送り込み、学校男でクリーチャーの”出たとき”能力を使い回す事だ。
使い回すのは《腐敗麗姫ベラ》か《冥土人形ヴァミリア・バレル》が良いだろう。相手にダメージを与え、緩いロック状態を作り出す事が出来る。
しかし、最速でこれらを揃える場合は手札が足りないため、最初は《天災デドダム》や《Disジルコン》を使い回す事で、アドバンテージを稼ごう。
《学校男》による使い回しは、ついでに相手のクリーチャーを削っていけるので、自分はアドバンテージを稼いでるだけのつもりでも、地味に相手にダメージが響いている。
そうやって、気付いた時には取り返しのつかない状況を完成させる、というのが一番の理想だ。
《ピザスターのアンティハムト》は、このデッキではマナの色が圧倒的に欠乏しているように見える。
そんなウィークポイントも《運命の選択》《キユリのASMラジオ》が解決してくれる。
何とかして《ピザスターのアンティハムト》を出せれば一気に5色が揃うので、これらのカードを最大限活用し、バトルゾーンに送り込もう。
とはいえ、相手の動きが早かった場合、こちらのソフトロックをかける前に相手が攻め込んでくることだろう。
そうなった場合は、こちらも応戦する必要がある。
その時に活躍するのが《S級原始 サンマックス》と《S級原始 サンマッド》だ。
どちらも、コスト3の自然のクリーチャーから侵略し、自分のクリーチャーが並んでいると強力な打点を叩き出す侵略者である。
このデッキには、コスト3の自然のクリーチャーが多く採用されている。
しかも、いずれも《ピザスターのアンティハムト》でスピードアタッカーとして仕掛けることが可能なため、これらの侵略者たちで奇襲を仕掛ける事も可能だ。
クリーチャーの数が足りない? そんな時は、5色揃った段階で《オファニス》を出しておけば、数は足りる。
こういう使い方も出来るので、覚えておこう。
遅い動きをメインに見せつけ、唐突に奇襲を仕掛ける攻撃性を兼ね備えたデッキで、相手を翻弄して戦い続けてやろう。
ところで、今ピザ食べたいですか?