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2024.3.8

【第57章】破滅 | プラズマの未開地探求録

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【第57章】破滅 | プラズマの未開地探求録
目次

頂天の大群

今まで多くのゼニスが登場し、その中にはゼニスを召喚で踏み倒す方法も出現している。


そして今回、再びゼニスが登場するにあたり、新たな召喚による踏み倒しが登場した。

それが《クリスタル・ドゥーム》だ。


カードを3枚引き、手札からアンノウンまたはゼニスをなんと好きな数召喚する事が出来る。


もちろん、コストを支払う必要は無い。

(※デュエルマスターズ 公式HP ≪水晶の祈り/クリスマス・ドゥーム≫のテキスト不備に関して)


これを使えば、一気に20~30コストくらいは容易に踏み倒す事ができるのだ。


前回の記事では、当初はこのカードを使って2体のゼニスでコンボを成立させる、というコンセプトを考えていた。


結果的に前回の記事ではそのアプローチは断念したが、このコンセプトが十分強力な事は間違いない。


今回はこのコンセプトをフィーチャーして、デッキを組んでみる事にしよう。

破滅を導くもの

まずは、このカードのスペックを確認しておく。


このカードはあまり前例のない、両面が呪文のツインパクトだ。


しかも、片方のコストが極端に重いという特徴まで持っている。


事前に効果を確認しておくことは重要だ。

《水晶の祈り》の方は、《サイバー・チューン》と同じテキストだ。

+αの効果として、唱えると自分のマナを1枚裏返す事が可能になっている。

裏向きマナを扱うギミックと組み合わせると、普通の手札交換より有用なカードになってくれるという事だ。

《クリスタル・ドゥーム》は、11コストという莫大なマナを必要とするが、カードを3枚引いたうえ、手札のアンノウンまたはゼニスを好きなだけ「召喚」する事が出来る。

ゼニスと言えば召喚する事で能力を発揮するカードが多いので、やりたい放題な事になるだろう。

この呪文自体もゼニス種族を持っている事も、覚えておこう。

《クリスタル・ドゥーム》については、要するに「唱えられたらほとんど勝ち」と書いてある。


勝ちに大きく近づくことのできる呪文なので、何とかして頑張って唱えたい。


巷で一番有名な方法は、同じセットに収録されている《ローゼス・イノベーション》を使う方法だ。

水晶武装4を達成する必要こそあるが、達成すると、たった6コストで《クリスタル・ドゥーム》を唱える事が可能になる。


ついでに他の呪文も唱える事ができるので、たとえば他に手札補充呪文があるのであれば、手札にゼニスが揃っていない状態でも、ある程度の見切り発車が可能だ。




問題は、水晶武装4の達成だ。


裏向きのマナを4枚揃えるという事は、マナゾーンのカードを裏向きにするカードを3~4枚使う必要があるのだ。


水晶武装2を満たした状態で《シャングリラ・クリスタル》を使えば一気に2枚も増やす事が出来るが、それを踏まえても、条件は厳しい。


そのうえ、踏み倒すゼニスを手札に抱え込む必要もある。


確かに《ローゼス・イノベーション》で他のドロー呪文と一緒に唱え、手札にゼニスが無い状態から見切り発車も出来る。


しかし、確実に引ける訳では無い以上、手札に抱えておく事は前提となるだろう。


そんな手札を残したまま、水晶武装4を達成し、しかも《クリスタル・ドゥーム》までも抱え込む事が出来るデッキは、組めるのだろうか?


とりあえず、まずは裏向きマナを揃える構築を組めるかどうか、見てみよう。

4

4

4

4

4

4

4

もう28枚ある。


なんてこった。あと12枚しかスロットが残されていない。


踏み倒すゼニスも入れる事を考えると、残ったスロットは4~8といったところか。


この中に受け札を入れて、もう完成してしまいそうだ。


採用するゼニスは、同じセットに収録されているゼニスは自身の能力でコストが軽減することから、過去に収録されたゼニスを踏み倒す方が良いだろう。


特に《引き裂かれし永劫、エムラクール》は、《クリスタル・ドゥーム》で出す事で追加ターンを得る事が出来る、非常に強力なゼニスだ。


また、踏み倒し先が4枚だけというのはデッキとして非常に安定しないので、もう4枚、ゼニスを入れたい。


そこで候補として上がるのが、《「合体」の頂 アクア・TITAAANS》だ。

こちらは、ゼニスであり、Gストライクで受け札になり、しかも序盤のドローソースにもなってくれる。


これで、残りの枠は4枚。この枠には、フィニッシャーであるゼニスの嵩増しとして《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》を採用しよう。


受け札の枚数が気になるかもしれないが、冷静に考えると《ローゼス・イノベーション》が受け札にもなってくれるので、とりあえず受け札には事足りそうだ。


40枚揃ったので、いったん見てみよう。

より破滅へ近づくために

4

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4

4

4

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4

もっさりしてるな。


最初の感想は、これだった。


確かにデッキとしてまとまっているが、どことなく、動きにもっさりした感じがある。


序盤から裏向きマナを供給するカードが16枚も入っているため、序盤の安定性は良いだろう。


それに、《ローゼス・イノベーション》から出せるゼニスも12枚あり、何も出せないという事も無いだろう。


が、《シャングリラ・クリスタル》を引けなかった場合、コンボ起動までに6ターンも擁する事になる。


現代デュエル・マスターズにおいて、6ターンも相手に猶予を与えてしまうのは致命的だ。


となると、もっと画期的なマナ加速が必要になるわけだが、幸いにも、そんな要求にこたえてくれるカードも登場している。

《救済のカルマ ミルク/リリーフ・水晶チャージャー》だ。


クリーチャー面はオニカマスのような能力を持っており、環境で活躍する赤青マジックに対して有効なメタとして活躍してくれる。


そして呪文面は、裏向きでマナゾーンに置かれるチャージャー呪文なのだ。


これで、3ターン目のマナ加速が8枚になり、より安定して早期の《ローゼス・イノベーション》へつなぐ事が出来るだろう。




しかし、これではまだ足りない。


そう、手札が足りない。


確かにドローソースが皆無という訳では無いが、あまりデッキを掘り進める事もできず、動きが悠長な事になる。


《埋没のシダン オリーブオイル》は、無色マナが多ければ大量ドローが見込めるものの、これを出すターンが無防備になってしまう。


もっと画期的に、山札を掘り下げつつコンボの始動まで可能な、起爆剤のようなドローソースが無いものだろうか。


と考えていたところに、このデッキにぴったりのカードが存在している事を思い出した。

そのカードとは、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》である。


《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》と同じく、両面が呪文のツインパクト呪文であるこのカードは、《クリスタル・ドゥーム》と同じく《ローゼス・イノベーション》によって《ブレイン珊瑚の仙樹》側を唱える事が可能だ。


そして、《ブレイン珊瑚の仙樹》もまた、手札が3枚あれば《クリスタル・ドゥーム》の詠唱を可能にしてくれる。


何より、《ブレイン珊瑚の仙樹》は最初にカード3枚をドローするので、自動的に《水晶の祈り》のコストである3まで手札を伸ばしてくれるのだ。


まとめると手札が《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の状態からでも、いきなり《クリスタル・ドゥーム》を発射する事まで可能という事である。


しかも、この2枚で合計6枚ものカードを引き込めるため、見切り発車であっても、ゼニスを引き込む確率も非常に高くなる。


これは良いカードを発見したかもしれないので、早速形にしてみよう。

デッキリスト

4

4

4

3

4

3

4

4

2

4

4

というわけで、今回のリストはこちらになる。


軽量で裏向きマナを増やせるカードが既に12枚あること、無色マナを極力減らしたい点から《タブラサ・チャンタラム》は抜けていった。


やる事は簡単で、裏向きマナを4枚揃えたら《ローゼス・イノベーション》を使い、《クリスタル・ドゥーム》を唱えてゼニスを召喚していく事だ。


特に裏向きのマナ4枚を揃える事は非常に重要で、攻撃的な相手に対しては《ローゼス・イノベーション》を受け札として使い、《「合体」の頂 アクア・TITAAANS》を踏み倒してカウンターを狙う、という事も出来る。


採用されているゼニスの中でも、《引き裂かれし永劫、エムラクール》は追加ターンを得つつ、相手のリソースを一気に削り落としてくれる凄いカードだ。


それ以外のゼニスに関しても、盤面の制圧や相手の行動を制限したりと、かなりトリッキーなものが揃っている。


《「合体」の頂 アクア・TITAAANS》は序盤のドローソースにもなるが、使ってしまうと《クリスタル・ドゥーム》から出せないので注意しよう。


コンボを決めにいきたいものの、手札が足りない。そんな時は、《ブレイン珊瑚の仙樹》を使うと良いだろう。


上述した通り、手札にゼニスが無い状態から使っても、《ブレイン珊瑚の仙樹》《クリスタル・ドゥーム》で合計6枚のカードが引けるため、無理やりゼニスを引き込む事も可能だ。


このデッキにはマナ加速が可能なカードが8枚採用されているため、普通に8マナまで伸ばして《ブレイン珊瑚の仙樹》からコンボを決めるパターンもある。


初手や途中のドローを見て、《ローゼス・イノベーション》経由にするかどうか、慎重に見極めよう。


手札補充は入っているが、十分な手札を揃える事が難しいデッキなので、このあたりの取捨選択が勝敗を大きく左右するぞ。


また《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》は、このデッキなら普通にコストを支払って召喚する事も可能だ。


《ローゼス・イノベーション》へのアクセスが難しそうな場合、コンボの成立が遠い場合は、こちらを狙っておくと良いだろう。


相手がクリーチャーを展開すればドローができるため、そのドローでコンボパーツを集める事もできる。


手札によっては複数ターンにわたって出す事も可能なので、狙えるのであれば、これを並べて制圧する事も考えておこう。


コンボデッキを使ううえで忘れてならない事は、”勝てるなら勝ってしまう”という事だ。


ゲームの目的は勝つことであって、コンボを成立させる事では無い。


この点を念頭において、圧倒的な天頂の力で相手を捻じ伏せよう。

終わりに

今回のデッキは、ゼニスが出た当初から色々と調整した結果、出来上がった代物だ。


《ローゼス・イノベーション》《クリスタル・ドゥーム》の組み合わせは、確かに強力だ。


《ローゼス・イノベーション》が受け札にもなるため、早い相手に対しても裏向きマナを揃える事に集中する事で、《ヘブンズ・ゲート》並のカウンターを見せる事も可能になっている。


問題は、いかにして裏向きマナを4枚も揃えるかという点にある。


この問題は、他の水晶武装4を扱うデッキでも同じだ。


《タブラサ・チャンタラム》は、序盤に引けなければ後半だと遅いカードである。


しかし、序盤に設置すれば裏向きマナを次々に供給できるため、扱いが非常に難しいカードでもある。


まだまだゼニスを使ったデッキは研究段階にある。


それに、新殿堂が発表されたことで環境も変わることが予想されるため、それに伴って研究が進む可能性もある。


今後のゼニスデッキの登場に期待しつつ、今回のデッキ紹介は終わりとしよう。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ