黒田正城のスタンDojo! 「ボロス召集」
はじめに
みなさん、こんにちは。BIG MAGIC ELDERの黒田です。
CS横浜、プロツアー「カルロフ邸殺人事件」とイベントが立て続けに行われたため、更新が遅くなってしまい申し訳ありません!
私も横浜ではモダンの本戦に参加しましたが、4勝1敗から2連敗してしまい、またしても初日を突破することができませんでした。
今回に関しては負けに直結するようなミスを2つやらかしているので、まだまだ実力不足なんだと思っています。もっと上手くなりたいです。
『カルロフ邸殺人事件』が登場し、スタンダードの環境にも大きな変化がありました。
多くのデッキが新カードで強化されましたし、墓地を活用するデッキなどで新アーキタイプも登場しました。
まだまだ成長過程のデッキが多く、新環境がどうなっていくのか目が離せないです。
ちなみに私はおなじみのドメインランプを使って、CSのプレミアム予選を突破することができました。
紹介した通り《火山の悪意》が大活躍しましたし、とにかく、これから2ヶ月ぐらいの予選に出なくていいということが一番嬉しいです笑
さて、それでは今回のデッキ紹介に入りましょう。
カルロフ邸の新カードによって明確に強化され、頭角を現した【ボロス召集】です。
メインデッキ
サイドボード
ボロス召集の基本的な動き
1マナから小型のクリーチャーを並べ、全体強化によって大きなダメージを与えるアグロデッキです。
理想的な展開は
1ターン目に《ひよっこ捜査員》か《ヴォルダーレンの美食家》
2ターン目は《上機嫌の解体》から《イーオスの遍歴の騎士》
3ターン目に《イモデーンの徴募兵》という流れです。
これだと、なんと3ターン目までに16点入る計算になります。
ボロス召集は前環境でも活躍していましたが、《ひよっこ捜査員》と《戦導者の号令》の追加によって大幅に強化されました。
クリーチャーの布陣だけ見ればほとんどパイオニアと同じになっており、とんでもない爆発力を持ったデッキに仕上がっています。
このデッキには1マナの呪文が16枚以上も入っており、2ターン目までに高確率で3アクション取ることができるようになっています。
1枚のカードが複数のクリーチャーを生み出すので手札を温存しやすく、《イーオスの遍歴の騎士》によって息切れも防げるため
全体除去を打たれてもリカバーしやすい構成になっている点が強みです。
キーカードである《上機嫌の解体》は2ターン目に是非ともプレイしたいカードですが、生贄のアーティファクトを1ターン目に準備することが必須です。
これまでは《ヴォルダーレンの美食家》と《ヨーティアの前線兵》しか選択肢がありませんでしたが、カルロフ邸から《ひよっこ捜査員》が参入したおかげで
安定性が大きく向上し、スタートダッシュが切りやすくなっています。
最大効率で軍勢を並べることが一番の優先事項なので、多くの雑多なクリーチャーが入っていることも特徴です。
それぞれのサイズではなく、横並びが重要です。
そして横並び戦略を後押しするのが、目玉となる《戦導者の号令》です。
このカードはクリーチャーの全体強化とクリーチャーが場に出たときの追加ダメージという2種類の能力を持っています。
特に後者の能力は戦闘ダメージではない点が素晴らしく、全体除去で盤面がリセットされたり、相手の盤面に多くのブロッカーが立ちはだかったりしても
攻撃することなく、残り数点のライフを削って勝つことができるようになりました。
カルロフ邸からの新入りとしてもう一枚、《門道急行の事件》も除去と全体強化を兼ね備えた良いカードです。
紹介したサンプルデッキもまだまだ発展途上で、白と赤にはトークンを生み出すカードが他にもたくさんあります。
例えば《忠義の徳目》や《婚礼の発表》は他のデッキでも活躍中の強力なパーツですね。
さらに研究が進めば、間違いなくトップメタに居座るデッキとなることでしょう。
デッキ相性
ボロス召集は数ターンでの決着を目指す速攻デッキです。
1枚のカードで複数のクリーチャーを生み出していくため
真面目にクリーチャーを1体ずつ展開し、単体除去で相手の脅威を退けていくようなデッキにはめっぽう強いです。
例えば「XXミッドレンジ」と表現されるデッキのうち、ラクドス、ゴルガリ、青黒が上記のようなカテゴリに当てはまると思います。
ただ、大量の魂絆持ちを要するエスパーミッドレンジだけは少し不利かもしれません。
ボロス側が、どれだけ的確に除去を当てられるかが勝負です。
少し前に急速に広まった、バントポイズンは当たった瞬間に喜んでいいぐらい相性の良いデッキです。
《ひよっこ捜査員》のような1マナ1/2の弱いクリーチャーでも、ダニにとっては大きな脅威になってしまいます。
ボロスが流行る→バントポイズンが減る→私の使っているドメインランプが喜ぶ、という食物連鎖です笑
赤単にも有利がつくと思います。
相手のクリーチャーはトークンで受け止め、残った戦力が攻撃に行くのでずっと主導権を握ったまま戦うことができます。トランプルだけは注意しましょう。
サイド後は《稲妻のらせん》や《ランタンのきらめき》が非常に強力で、引けば引くほど有利になっていきます。
一方、全体除去を複数抱えるデッキに対しては、耐性はあるもののやはり苦戦を強いられます。
ドメインランプ、青白コントロールなどが該当します。
3マナの《一時的封鎖》、5マナの《太陽降下》、6マナの《告別》という荒波をどう乗り越えるかが重要なポイントです。
これらの除去が効かないプレインズウォーカーや《婚礼の発表》のようなエンチャント、もしくは《ゴバカーンへの侵攻》を活用しましょう。
《ウラブラスクの溶鉱炉》も、軸をずらした良いカードです。
さいごに
ボロス召集は、きれいに回ったときの爽快感がたまらないデッキです。
圧倒的な戦力で4ターンフィニッシュを達成すると、病みつきになってしまうでしょう。
直線的なメイン戦とは打って変わって、サイド後の緩急をつけた長期戦はこれまた面白いです。
サイド後にどんな戦略で戦うのか、相手の裏をかく駆け引きも非常に面白いものになると思います。
ぜひ、奥の深い対戦を楽しんでください!
おまけ
デッキの理想形は、パイオニアで活躍中のボロス召集です。
特にクリーチャーの布陣はほとんど同じものが用意できるので、参考にしてください。
ただ、マナベースだけはどうしても問題を抱えています。
《感動的な眺望》の有無は想像以上に大きく、 1ターン目に赤マナ、白マナの両方を用意することがなかなか安定しません。
この点は調整が必要だと思いますので、研究を重ねてほしいと思います。
比較的手軽に組むことができ、序盤のプレイングがシンプルなので流行しているデッキです。
大会に参加するなら、ミラーマッチの練習は必ずやっておきましょう。
《祭典壊し》はわかりやすいミラーマッチ用のサイドカードですが、タフネス2を意識的に並べればそれほど大きな被害を受けることはありません。
肝になるのは巨大化した《内なる空の管理人》や《イーオスの遍歴の騎士》になりますので、《石術の連射》が大事です。
コントロールと対戦するときは、どれだけ戦力を温存するかが重要です。
「リセットを持たれていたら負け」という状況もありますが、1発食らっても立て直しがきくようにケアしておきましょう。
最初は「盤面のダメージソースが4点を超えたら、追加戦力の投入を控える」というという目安を持ってプレイしてみてください。
相手の動きに合わせて、ターンエンドに出せる《毅然たる援軍》などを駆使できるといいですね。
《最深の力、オヘル・アショニル》を使うと、《戦導者の号令》と合わさってとんでもないダメージが入ります。
もはや別デッキになってしまうかもしれませんが、こういった軸ずらし戦略はサイドボード後に効果的なので覚えておくと良いと思います。
《イーオスの遍歴の騎士》で探すこともできるので、意外と成立しやすいコンボです。