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2023.6.23

D&Dから来た統率者! ~誓いを破れ!エルミンスター~ | 妄想殿下の『統率者をめぐる冒険』

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D&Dから来た統率者! ~誓いを破れ!エルミンスター~ | 妄想殿下の『統率者をめぐる冒険』
目次

煙くゆる庵にて

ふーむ、ワシがパイプを吸い終わるまで落ち着いて待ってられないのかね?
まあいい、もう少しで終わりだからな。
お前さんも落ち着いて、ネヴァーウィンター産の最高の葉があるぞ、吸ったらどうだ。
何? タバコはやらない? そうか、この楽しみが分からんとはな。


《呪文書》だ、古文書だって大騒ぎしても、お前たち若造は魔法がなんたるかについて、これっぽっちもわかっていない。そうだろう?
だから、タダの日記なのか、《呪文書》なのかもわからずにワシの所に持ってきたりするんだ。
ええ? 違うか?


まず、魔法というものはだな。
これ、寝ずに聞け。
魔法というものは、世界の力そのものなんだ。


なんだ、その顔は。信じられないというのか。いくつも魔法を目にしておきながら。
我々、呪文を使うものは、様々な形で世界に働きかけ、世界自身の力を呼び覚まし、利用しているにすぎんのだ。
あるいは、この世界だけではない。この世界に隣接した世界、例えば、フェイワイルドやシャドウフェルなどの異次元の力を借りることがある。
フェイワイルドなんてしらんだと? そりゃお前の修行が足らんからそんなこと言うんだ。


世界には、「こうありたい」「こう変えていきたい」「これが嫌だ」「これが好き」というほんのりとした意思があり、その気持ちに向かって徐々に世界の形を変えていく力がある。
呪文は、その力を拝借する形でもっと目に見えるような結果を急速に出すために使われる。


例えば、大風で空気が擦れ合い、雷の力が高まっているとき、呪文がなくともカミナリが空で鳴るのを知っておろう。

《サンダーウェイヴ》という呪文は、その力を借りているのだ。
世界自身に働きかける神秘の言葉となる呪文と、力を引き出す条件となる身振りとを揃えたとき、世界から雷の力を引き出すことができる。

これ、よく聞け。
我々ウィザードはなあ、呪文というものを使うにあたって、入念な準備が必要なんだぞ。
お前さん、それを野営のときにサボってんなとかグチグチ文句言ってるんじゃろ?
ワシにはわかる。


魔法の呪文というものは、世界自身に語りかける言葉だ。世界自身に語りかける言葉というものは、人の身では扱うにはあまりにも重いものなんだ。
そして、世界は軽々しく自分自身を変えてしまわれないようにウィザード自身の記憶を変えてしまう。
だから、呪文は何度も唱えられないんだ。
もちろん、術者が研鑽を重ねることで、唱えられる呪文の回数も、呪文の種類も増えていく。


さっき、呪文を唱えるときに身振りと詠唱が必要だという話はしたな?


あと、呪文の中には構成要素というほんの少しの物体を必要とするものがある。
お前さんも知っているだろう、《火の玉》の呪文はな、呪文と身振りだけではなく、コウモリの糞と硫黄を混ぜた小さい玉が必要なんだ。

ウィザードってのはな、呪文を唱えるだけで金がかかる。


ウィザードはお前さん以上に何でもできる。それは間違いない。

だが、ウィザードというものは常に世界とのせめぎあいの中で呪文を唱えているということを忘れてはならんぞ。

それじゃあ、いくつかの呪文について教えてやろうかの。


《ブラー》は、術者の全身に幻術をかけ、認識を曖昧にする呪文じゃ。

他人から見ると、どこを狙えば当てられるのか、その正確な位置がわからなくなる。

だから、攻撃を避けやすくなる、というわけじゃな。

《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》は、その名も《魔女王、ターシャ》と呼ばれる大魔術師が生み出した魔法でな。

まあ、たまに呪文の名前に生み出した魔術師の名前が入るものがあるんじゃ。


この魔法がかかるともう無性に面白くなってきて仕方がない、まともな生き物なら立っていられないほどの笑いが来るんじゃ。

例え、相手が何本脚だとしても転げ回って笑うことだろうよ。

それで?
この本は魔術書なのかって?


ふん、このエルミンスターにかかれば、一目瞭然よ。
これは、魔術書なぞではなく、タダの日記だ。


しかし待てよ、古代の実験庭園……?
あ、待て、ワシにも読ませよ……。

先読み! エルミンスターの誓い破り!(誓い破り〈オースブレイカー〉デッキ)

みなさん、こんにちは!

長年続いていた新ファイレクシアのストーリーがついに結末を迎えましたね!

『ミラディンの傷跡』から数えて……13年!? 13年て!!

このとき生まれた子が中学1年生に! 7歳の男の子が20歳になっている計算ですよ!


そんな、新ファイレクシアにまつわる決戦の後を描いたカードセット、『機会兵団の進軍:決戦のあとに』が発売されております。


そして……激しい戦いといえば……そう、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』だね!


今回は、少し前にマジック:ザ・ギャザリング公式でルール紹介されるようになった、誓い破り(オースブレイカー)のデッキを紹介します。


誓い破りの詳しいルールは公式サイトを見ていただきたいのですが、なんと言っても大きなポイントは「誓い破り」と呼ばれるいわゆる統率者にプレインズウォーカーを指定するところ!

≪魔女王、ターシャ≫の回でも言ったのですが、私、プレインズウォーカーを統率者に指定できるっていうのが好きなんです。


そんなわけでこの誓い破りも大好き!

だけど、まだまだゲームフォーマットとしてはマイナー!

ということで、広めていきたいと思い、今回の記事作成に至りました。


さて、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』でも何人かプレインズウォーカーがカード化されていますが、今回取り上げるのは《エルミンスター》です。

Elminster / エルミンスター (3)(白)(青)
伝説のプレインズウォーカー — エルミンスター(Elminster)

あなたが占術を行うたび、このターンにあなたが次に唱えてインスタントやソーサリーである呪文を唱えるためのコストは(X)少なくなる。Xは、その占術を行ってる間に見たカードの枚数に等しい。

[+2]:カード1枚を引き、その後、占術2を行う。
[-3]:あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を追放する。そのカードのマナ総量に等しい数の、飛行を持つ青の1/1のフェアリー(Faerie)・ドラゴン(Dragon)・クリーチャー・トークンを生成する。

エルミンスターは統率者として使用できる。

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《エルミンスター》はD&Dでは古くから存在するキャラクターで、バルダーズ・ゲートがある「フォーゴトン・レルム」と呼ばれる世界では有名な人物です。

非常に強力なウィザードであり、なおかつ女神ミスタラの寵愛を受けたことで長命に、そしてその力でハーパーと呼ばれる秘密組織を作り上げるなど、平和のために使っています。


エルミンスターは白髪、長身、かぎ鼻、常にイライラした喋り方、パイプを愛し、とんがり帽をかぶっていると、魔法使いの典型的な要素も持ち合わせています。

本人が活躍することもありますが、D&Dではどちらかというと冒険者たちに冒険やクエストを依頼するという形でプレイヤーたちに関わることが多いのではないでしょうか。


では、デッキリストをどうぞ。

デッキリスト

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エルミンスターの誓い破りのキーカード

さて、誓い破りですが、面白いのは統率者だけではなく、トレードマークの呪文〈シグネチャー・スペル〉と呼ばれる、「誓い破り」が唱えるインスタントかソーサリーが特徴です。

このデッキでは、《定業》を指定してあります。


《エルミンスター》の能力は、彼が非常に優秀なウィザードであることを反映したデザインになっています。

その一つが、占術を行うことでそのターン中に唱える次のインスタント呪文かソーサリー呪文の呪文コストを軽減することで表現されています。

さらに《エルミンスター》自身の+1能力で、1枚ドローしつつ、2枚占術することも可能!

自身だけで完結しているというところも素晴らしい。


そこでこのデッキでは、エルミンスターの能力を活かしつつ、更に-3能力の《フェアリー・ドラゴン・クリーチャー・トークン》を並べることで勝利しようというプランで構築してあります。

そのため、《定業》は常に唱えられる統率領域にあると都合が良いのです。


青1マナで2枚占術ができますから、エルミンスターの+1と組み合わせて4マナまでコスト減少させられる!

このコスト減少によってターン追加呪文を唱えて、自分の有利な状況にしよう!

ちなみにターン追加呪文は-3能力のタネにすることで大量のフェアリー・ドラゴン・クリーチャー・トークンにもできる!

ということを狙っています。


そして、対戦してみるとわかるのですが、誓い破りのプレインズウォーカーってやはり簡単に退場させられてしまいます。


ということは、やはり守るためのクリーチャーが必要……しかし、デッキのコンセプト上、インスタントやソーサリーにスロットを割きたい……。

そしてついに発見したのがこの1枚! 《乱動を刻む者、ノヤン・ダール》

『戦乱のゼンディカー』で登場した伝説のクリーチャーで、インスタントやソーサリーを唱えると、対象の土地をクリーチャーへ変える能力を持っています。

デッキコンセプトの呪文を唱えるという方針と恐ろしいほどの噛み合いぶり。

そしてカラーも統率者と一致と何から何まで用意されていたかのようなクリーチャーです。


おまけで《副陽の接近》を入れておきました。

《エルミンスター》のコスト軽減と大量の占術呪文を組み合わせれば2回唱えるのは割と難しくない気がします。

無理かなと思ったら-3能力でフェアリー・ドラゴン・クリーチャーにしてしまえば良いし!


結構楽しいデッキになったので是非体験してみてください!

終わりに

今回は《エルミンスター》を統率者にした誓い破りのデッキを紹介させていただきました。


ちなみに、誓い破りのデッキはそのまま統率者デッキに改造することが容易です。

《エルミンスター》は統率者としても使用できるプレインズウォーカーなので、改造して統率者デッキに! ということにも挑戦してみてください。

60枚という枠に縛られることなく100枚デッキに羽ばたいていくエルミンスター……楽しみですね。


まだまだマイナーではあるものの、可能性の詰まっている誓い破りをみんなで楽しんでみてください。


それではまた、「統率者をめぐる冒険」でお会いいたしましょう。

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このコラムのライター

妄想殿下

妄想殿下