君は洞窟の入口の前に立っている
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君は洞窟の入口の前に立っている。
なんで立っているのか、そりゃお前が酒場で飲んでいたとき、(オレっち亭という名前だ、覚えておくがいい)怪しい洞窟の話をしにきた小賢しいノームの舌先に乗って売り言葉に買い言葉、洞窟の奥まで冒険してやらあと言い放ったからだ。
いくらなんでも冒険に来たからにはダイスを持ってきたな?
このD&Dコラボ記事を読むときはいつも用意して置かなければならんぞ。20面のダイスを一つと、6面のダイスを一つ用意しておくんだ。
今後、20面ダイスをd20、6面ダイスをd6と呼ぶ。ゲーマーっぽくていかすだろう。
準備ができたら、3へ進むんだ。
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冒険をするからには呪文を準備する必要があるな。どうせ寝ぼけて何も準備して来なかったんだろう。
君のために用意したこの『バーニング・ハンズ』『スリープ』『ブラー』を持っていくがいい。呪文の効果はそれぞれこうじゃ。
『バーニング・ハンズ』
炎によって対象のクリーチャーに2点のダメージを与える。
対象のクリーチャーの色が緑なら、6点のダメージを与える。
『スリープ』
対象のクリーチャーを眠らせる。対象のクリーチャーは攻撃を受けるたびにd20を振って10以上が出た場合に目覚める。
眠っている間、対象のクリーチャーは一切の行動を行わない。
『ブラー』
敵の攻撃を1度回避する。
敵の攻撃ロールを見てから使用することが可能。
それぞれ一回しか使えないから、よーく考えてつかうのじゃぞ。
【呪文は使用するとただちに効果を発揮する】
ここまでわかったな? それなら21へ進め。
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ジメジメした入口をくぐり抜けて(昨日、雨が降ったらしい)、薄暗い洞窟の中に入っていくと、じっとりと湿った空気が首筋を撫でていく。地面はそれほどデコボコしておらず、歩くのに支障を感じることはなさそうだ。
いくらも進んでいかないところで、道がぱっくりと2つに分かれていることに気づいた。 どちらを見比べても、大きな違いは無いようにしか思えない。
さあ、勇気を出してどちらかに進むしかない。
右の道へ進むなら16へ行け。
左側がどうにも好みということであれば、8へ行け。
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ずいぶんと立派に見える扉。
入口が洞窟の建物の中には似つかわしいとは思えないそれに向かって恐る恐る近づいていくと、扉の見かけは実は遠くからは立派に見えるが、近くで見るとそれほどしっかりとした作りではないというのが見て取れた。
木の板は、割とささくれだっているし、鉄枠も、そこかしこにサビがひっついているのがよく見えるようになった。
それほど気を使ってかしこまる必要もないかもしれないと君は思い直しているかもしれないな。
さあ、勇気を出して19に進むんだ。
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7
部屋の中は最初に見たとおり、奥にある池のほかは目立つものやめぼしいものは見当たらないようだ。
だが、君はどうにも部屋の中央に立っている木が気になって仕方ない。
木の周りをぐるりと歩きながら注意深く観察すると、どうも木の周りの植物は、踏み潰されている跡があることに気がつく。
こんな洞窟の中であるし、さっきのゴブリンたちが歩いたあとかもしれないが、見たところ、ゴブリンどころじゃない大きな怪物が歩いたあとであるようだぞ。
この中でこんな大きな怪物には出会った記憶がないな。
疑問を感じながら、22へ行くのだ。
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8
ジメジメした洞窟を歩いて行くと、いつの間にか石畳で舗装された立派な回廊に出ている。
壁にはランタンがかけられ、道を照らしているのがわかった。
最初の様子から比べるとかなりいい待遇になったじゃないか。
石畳の廊下は、洞窟よりは楽に歩けるものの、美しいつくりとは言えないようだぞ。
かなりいい加減な工事によって作られているようだな。
この程度で用をなすと判断されたのかもしれないな。(誰がしたかは全くわからないが) 廊下に入ってまだ数メートルじゃないか、さあ、先を急ごう。
勇気を振り絞って、18へ進め。
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ゴブリンたちは手招きして、君を《宝箱》の前に誘っているようだ。
ゴブリンたちが《宝箱》を開けると
『メイス+2』
このメイスで攻撃すると、攻撃の命中判定は6以上で命中、ダメージはd6+4となる。
『ポーション・オヴ・ヒーリング 3本』
飲むとd6点の生命点を回復する。
この2つが入っていることがわかる。
ゴブリンたちは手振りでどちらか一つだけ持っていっていいと言っているようだぞ。
どちらのアイテムを頂戴するか決めたなら、2へ行くんだな。
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《宝箱》に鍵はかかっていなかったようだ。
ゴブリンたちにそれほどの知能はなかったのかもしれないし、忘れていただけかもしれないな。
さて、中身に入っていたのは
『メイス+2』
このメイスで攻撃すると、攻撃の命中判定は6以上で命中、ダメージはd6+4となる。
『ポーション・オヴ・ヒーリング 3本』
飲むとd6点の生命点を回復する。
これからの冒険に励みが出るってもんじゃないか。
さあ、先に進もう。20へいけ。
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ゴブリンたちも剣を抜いた君をみて戦う決心がついたようだ。
棒っきれのように見えるがおそらく棍棒なのだろう。それを手に持って構えている。
ゴフォゴフォと何か言っているようだが、君には内容はわからない。(もっと学があれば良かったな。)
まずは行動順を決める。
d20して10以上の値が出たら君が先に行動する。
そうでなければ、ゴブリンたちが先に行動する。
ゴブリンたちの行動は棍棒での攻撃だ。
ゴブリンたちが攻撃したとき、君がd20を振れ。
もし出目が14以上なら攻撃が君に命中している。2点を生命点から引くがいい。
ゴブリンたちの生命点は16点だ。
8点を下回ったとき、君が受けるダメージを1点に減らしていいぞ。
ちなみにゴブリンたちは「赤」のクリーチャーだ。よく覚えておけ。
もしも、ゴブリンたちを無事に倒せたら、15へ進むんだ。
ゴブリンたちに生命点を0にされたら、もちろん14へ行け。
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この部屋には、明かりが指しているようだ。
よく見ると、天井が崩れ、陽の光が落ちていることがわかる。
床や壁は植物が覆っており、今まで洞窟の中であったことを忘れてしまうような光景が広がっている。
部屋の中央、陽の光の中心には、大きな木が生えており、枝がとぐろを巻くように伸びている。
幹もずいぶんと太く、しっかりしたものであることが見て取れる。
こんな洞窟の中には似つかわしくないんじゃないか。神秘的な雰囲気すら感じられる。
部屋の天井が崩れているように、部屋の奥の壁は崩れ、外から入ってきた水が貯まり、池のようになっている。
池の中央には《宝箱》と思われる箱が見て取れるぞ。
やったな、思わぬ収入だ、宝箱へ近づくなら、23へ行け。
注意深く、部屋の中を調べるのなら、7で思う存分調べるといいだろう。
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ドアを開けると、小さな部屋に出たことに気づく。
ドアの粗末なことからもわかるように、部屋だって豪華なもんじゃない、実に粗末な様子であることが君にだってすぐに理解できるだろう。
部屋の中には、大きなテーブルがあり、その上には食べかすであるとか、かじりかけの肉、そんなものが転がっているようだ。(持ち主はもっと掃除すべきだろう)
部屋の奥には更にドアがあるようだ。
走っていくには少し邪魔なものが多いようだが、挑戦する価値が無いとは言い切れないかもしれない。
部屋の隅には、大きなチェストボックス、《宝箱》が置いてあるようだ。
蓋がしっかりと閉まっているので何が入っているかはわからないが、蓋を締めておくくらいには大切なものがあるのだろう。
更に部屋を見回してみると……さて5へ進め。
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14
よく来たな、ここが14、死の国だ。
そんなに怖がる必要はない、どんな生き物も必ずここに到達することになっているんだから。
だが、君はまだまだたくさんの冒険が待っていることを幸いにも知っている。
冒険を投げ出すほど君の勇気はなえてしまっていないだろう。
さあ、もう一度、d6+12で生命点を決めて冒険を再開しよう。
ここに来る前のパラグラフに戻って再開してもいいし、一番最初まで戻ってもいいぞ。
一度出会ったことのあるクリーチャーのことはいないことにして良いからな。
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薄暗い洞窟を歩いていたはずが、いつの間にか石畳敷きの立派な回廊になっているぞ。
ぼんやり歩いていたんじゃないだろうな、だが、後ろを振り返ってみると、確かにジメジメした洞窟の風景が見えるし、前には回廊が見える。
ここは深く考えてみても仕方ない、綺麗な回廊を先に進んでいくと、廊下の突き当りには、鉄枠をしつらえた立派な木の扉がついているのが見える。
扉には特別、何か記載は無いが、これだけの扉であるから、立派な人物がこの部屋を使っているのかもしれないな。
扉を開けるのなら、6へ進め。
中の人物に気を使って、扉を諦めるなら4へ戻って考え直すがいい。
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粗末な石畳の上を小気味のいい足音を立てて歩いていくと壁にかけてあるカンテラの明かりだって、ずいぶんと楽しいもののように感じてくるよ、そうだな?
でも、そんなに鼻歌交じりで歩いていていいのか?
ここは恐ろしい怪物の洞穴かもしれないぞ。
ほら、この廊下の先は行き止まりになっていて、扉がついているじゃないか。
扉は、粗末な作りのようで、端っこが擦り切れているのが見える。(誰もなおしゃしないようだな)
ここに突っ立っていても仕方ない、扉となれば開けて進むしかないようだな。
おそるおそる扉を開けて、13へ進め。
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19
ゆっくりと前に進んでいくと、バリバリと音が聞こえた。
次の瞬間には、君の足元の石畳が割れて、真っ黒な奈落が口を開けていることが落っこちている君にもよーくわかった。
どうにも不運というものはついて回るようだな、ただの落とし穴ならなんてことなかったかもしれないが、見てみろ(そんな暇は無いかもしれないな)、奈落の底に大量に植え付けてある鋭く長いトゲを。
なんてことだ、この悔しい記憶を胸に刻みつつ、14へ進め。
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20
ここはどうも廊下のようだな。
暗いぞ、足元に注意して進むんだな。
30メートルも進むと、廊下の突き当りにでて、そこには扉がある。
扉は補強されていて、鉄枠がガッチリとはめられているようだ。
扉には彫り物がしてあり、壮麗に枝を伸ばす樹を描いているようだ。
樹には陽の光があたっている様子も見事な浮き彫りで表現されている。
恐れをなして引き返すなら今のうちかもしれないぞ。
さあ、扉を開けるなら、12へ進むんだな。
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21
それ以外に攻撃の方法は無いのかって?
お前の腰にぶら下がっている剣は飾りではなかろう。
ロングソードによる攻撃は、まずd20を振る。
その出目が8以上であれば命中だ。
命中したのなら、d6を振るがいい。
その出目に2を加えた値がダメージだ。敵のクリーチャーにダメージを与えよ。
敵のクリーチャーの生命点が0になれば、そのクリーチャーは倒れる、というわけじゃな。かんたんじゃろ?
最初に君の生命点を決めてから行くがいい、d6+12して、メモ帳にその値を書いて、さあ、洞窟の入口へ進むがいい。
入口は、4のようだな。さあ、4へ進もう
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22
何度考えても、こんな大きな怪物は出会っていない。
そして、この木が中心になって歩いた跡があるとしたら……君は流石に気がついたようだな。
そうだ、この木自体が怪物なのだ。
そう思って、身構えて木を見上げてみると、枝の一つがゆっくりと動き、君のことを見ていることに気がついた。
そうだ、これは木なんかじゃない、《ハイドラ》だ。
君は《ハイドラ》の存在に気がついていたので、不意打ちは受けずに済んだようだな。
ハイドラと雌雄を決すために、24へ急ぐんだ。
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24
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やっとの思いでたどり着いた《宝箱》を眺めると感無量という感じがしないか?
君はこみ上げる思いを押し留めながら、《宝箱》を開ける。
恐ろしいほどの財宝が《宝箱》には詰め込まれていた。
数え切れないほどの金貨、見たことのないほどの魔法のスクロール、そして、ずっしりとした武器。
ここまで来るのにした苦労に見合うだけの財宝が君のものになったんだぞ。
君は、この財宝と、恐怖を押し殺して入ってきたこの洞窟で繰り広げた英雄譚を土産として、街へ帰ることにした。
これだけあれば、しばらく冒険なんてしなくても暮らしていけるだろう。
だが、これだけの冒険をくぐり抜けた君がまた次の冒険を求めずにいられるだろうか。
それは君の気持ち次第だな。
<完>
宇宙の賢者!ゴライオン(D&D限定構築統率者デッキ)
みなさん、こんにちは!
『機械兵団の進軍』に合わせて、めぐすけさんとダブルライターをしたりしていました妄想殿下です。
二人で記事を書いてくれんか? とかドラゴンスターの編集さんが言い出したときは、「コイツ、ついに……」と思ったりしましたが
プレビューカードを見て納得。
これなら二人で記事を書く意義があるってもんだなって思ったら、編集の人、そんなことまったく考えてなかったとか言ってて
「コイツ、やはり……」
となりましたよね。どうでもいいですか、どうでもいいか。
『機械兵団の進軍』では、ついに新ファイレクシアと、我らが多元宇宙原住民たちとの間で最終決戦が起きるようですね。
個人的に好きな場面はシャンダラー(PC版Magic:the Gatheringで舞台となった次元。リリアナ・ヴェスが《鎖のヴェール》を発見した次元でもある)に攻め込んだファイレクシア人が、あまりの自然の猛攻に押し返されている場面です。
シャンダラーは他の次元に比べてムチャクチャにマナが溢れかえっているという設定がありまして、他の次元とは気合の入り方が違っていたようです。
そして、多元宇宙といえば……そう、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』ですね!
いくら記事を書いてもまだ記事を書き続けられる……スルメのようなカードセットです。
冒頭のゲームブックを見て気が付きましたか?
ゲームブック……本……マジックで本といえば……そう、出来事カード!!
というわけで、出来事を最大限利用可能な統率者、《賢明な導師、ゴライオン》です!
デッキリスト
宇宙の賢者!ゴライオンのキーカード
なんでこのデッキを考えたかというと、《豆の木の巨人》を見ていたら
「この土地を手札に持ってくる出来事、二回使えたらめっちゃお得なんじゃね?」
と思いついたからです。
まあ、それくらい誰でも思いつくよな。
しかし、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』には《賢明な導師、ゴライオン》がいた!
ゴライオンをコントロールしていれば、出来事はコピーされ、効果二倍!
追加でかかるコストも無いので、1枚のカードで2倍のアドバンテージです!!
そして、出来事を持つカードを眺めていたとき、見つけた《トリンカリの狩人》
これが、強い!
追放領域から唱えるクリーチャー呪文を毎ターン1枚、コストなしで唱えることができます。
強い! 強すぎなのでは?
出来事を持つけれど、コストが重めのクリーチャーをタダで場に出せるので弱いわけがない!!
ということで、出来事でアドバンテージを取りながら、クリーチャーで押すデッキになりました。
出来事が二倍になると結構宇宙ですので、ぜひ使ってみてください。
合体!ゴライオン!(限定解除版統率者デッキ)
さて、《賢明な導師、ゴライオン》の限定解除版のデッキはこちらです。
出来事カードのカードプールが、『エルドレインの王権』まで広がるので、カードの選定は苦労しました。
しかし、やはりゴライオンを軸に、出来事を二倍にしてアドバンテージを取りながらクリーチャーで押し切るデッキ構成にしました。
デッキリスト
合体!ゴライオンのキーカードについて
限定解除構築については、ビッグマナ系を意識した構成にしてあります。
特に《ガイアの眼、グウェナ》を入れることで、追放領域のクリーチャーをキャストすることで更に追放領域のカードを唱えやすく!
さらに、《ミラーリの目覚め》や、《栄華の儀式》などで、マナアドバンテージを大量に稼ぐことで、出来事カードと、出来事クリーチャーをバンバン唱える!
という内容にしてみました。
順調に唱えまくっていると手札が切れてくるので、《一日のやり直し》や、《時の逆転》などの7枚補充できるカードも相性がいいかと思っています。
マナ・アドバンテージがあれば、盤面を支配できるはず!
ダンジョンを探検する系のカードは趣味で入れていますが、地下街を踏破できれば、強いクリーチャーを直接盤面に叩きつけられるかも! という目論見もあります。
ココらへんは趣味なので、自分の好みで調整してみてください。
終わりに
今回は、《賢明な導師、ゴライオン》を使用した統率者デッキを紹介しました。
二倍になる出来事・呪文を唱えていると、本当に脳から変な汁がドバドバでる感じなので、ぜひ体験してください。
そして、今回の冒頭おまけはゲームブックにしてみました。
ゲームブックをやろうと思ってから、書く内容、ダンジョンのデザイン、番号振り、内容のシャッフルなど
様々な作業をしていたら、三週間を費やしていました。
本当にゲームブックって作るのが大変なんだな……としみじみ実感しました。
今度からゲームブックを遊ぶときは尊敬の念を忘れないようにしようと思います。
それではまた、「統率者をめぐる冒険」でお会いいたしましょう。