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2023.2.16

Vol.46「4c【邪王門】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!

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Vol.46「4c【邪王門】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!
目次

はじめに

 初めましての方は初めまして、『yk800』です。


 このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!


 今回の特集は4c【邪王門】


 長らく環境の最前線に居続ける構築ですが、特に昨年末から現在に至るまで続くGoA第2弾環境においては「覇権」と言っても差し支えないほどオリジナル環境で強い存在感を示すデッキとして活躍しています。


 時は環境末期。まもなく終焉を迎えるGoA第2弾環境を記録する意味合いも込めて、今回は4c【邪王門】をピックアップいたしました。


 現在のオリジナル環境を代表する4c【邪王門】について、基礎から解説していきたいと思います!

4c【邪王門】のサンプル構築

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4c【邪王門】ってどんなデッキ?

 デッキ名にもなっている《百鬼の邪王門》にフォーカスを当て、ビートダウンデッキを大量の手札誘発で受け返すカウンター戦術と、自分のシールドを全て消し飛ばして強引に《百鬼の邪王門》を連打して打点を叩き込むワンショット戦術を高度に融合させた防御的なミッドレンジデッキです。


 《百鬼の邪王門》から踏み倒される革命0中の《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》はパワー15000にリソース回収とバウンス付き。パワーが非常に高いためバトルに負けることはほとんどなく、そのまま残ってターンが返ってくればT・ブレイカーとして相手のシールドに強烈なプレッシャーを与える極めて強力なフィニッシャーへと変貌します。


 そのほか、《龍素記号wD サイクルペディア》などの《百鬼の邪王門》から出てきて複数打点が止まるクリーチャーを駆使してアドバンテージを存分に伸ばした状態でターンをもらい、一気にカウンターを仕掛けるのがビートダウンデッキ相手の基本戦術。


 逆にあまり攻めっ気の強くないデッキには《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》でバトルゾーンを制圧しながら手札とマナをしっかり稼ぎ、十分に《百鬼の邪王門》を確保できたら《鬼ヶ大王 ジャオウガ》などのシールド回収役から一気に《百鬼の邪王門》を唱え、大量のスピードアタッカーを展開、そのままリーサルまで進められます。


 ここでも《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》は大活躍で、シールドがなくなれば《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》は召喚酔いしないパワー15000のT・ブレイカー。《時の法皇 ミラダンテⅫ》に革命チェンジからロックに持ち込んで確実なフィニッシュも見込めるなど、八面六臂の活躍を見せてくれます。




 4c【邪王門】の強みはその防御力の高さにありますが、このデッキはいわゆる「受けデッキ」の中でもかなり特異な部類です。


 その秘訣は、《百鬼の邪王門》の性質と山札操作の豊富さにあります。


 能動的にも使えるうえに、受け札としても手札に集めるだけでいい《百鬼の邪王門》の使い勝手の良さは破格。シールドに特定の何かが埋まっている必要がないため、十分にカードを引く手段があればカウンター展開の再現性が非常に高いです。


 また、山札の内容を把握・コントロールする手段が豊富にあるため、踏み倒せないカードを山札操作で抜いていき、時には《お清めシャラップ》で必要なカードを戻していくことで、ターンが経てば経つほど山札の中身が強くなっていきます。また、並行して《一王二命三眼槍》《百鬼の邪王門》を手札に集めることで自然と手札も強くなっていきます。


 こうなってしまうと、もはや対戦相手側からすると手札やめくりの弱さに賭けて運良く突破することはできません。呪文ロックや大型ハンデス、墓地メタなどで《百鬼の邪王門》のプレイ自体を止めることができなければ、時間を掛ければ掛けるだけ不利になっていきます。


 かといって、無理に少ない打点で突破しようとすると《百鬼の邪王門》1枚でも受けきられてしまう……。


 この「早く攻めなければどんどん手札と山札が強くなって突破できなくなり、早く攻めようとすると少ない枚数でもカウンターされてしまう」というジレンマを押し付けられるのが4c【邪王門】の強みだと言えるでしょう。




 単純に攻めて突破することは非常に困難な4c【邪王門】ですが、対策自体は比較的容易。というのも、攻守に渡って活躍する《百鬼の邪王門》が止まってしまえば、それがそのままウィークポイントになるためです。


 先述したように、攻めるタイミングでの呪文ロックや大型ハンデスは非常に有効。《奇天烈 シャッフ》による「6」宣言や《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》で呪文を止めれば攻撃はほぼ素通りになりますし、《七王無き宮殿》《ロスト・Re :ソウル》のようなカードで貯め込んだ手札を叩き落とせばひとまず立て直しに時間を取らせられます。


 もちろんそれだけで勝てるほど脆いデッキではありませんが、能動的にこれらのカードを使えたり、妨害した隙に勝ち筋を通せるデッキであれば十分有効です。


 また、4c【邪王門】側の受けが通らないコンボデッキはかなり苦手な部類。盤面除去手段は豊富にあるものの、妨害手段は《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》《時の法皇 ミラダンテⅫ》のロック能力ぐらいしかないため、素通しになりやすいです。


 総じて、「《百鬼の邪王門》がどれだけ機能するか」が対4c【邪王門】の焦点となるでしょう。

4c【邪王門】に採用されるカードについて

 手札の減らない3マナ初動群。中盤以降まで潤沢な選択肢を維持することがデッキの出力に直結するため、可能な限りこれら2種8枚から動き出すのが4c【邪王門】の定石です。


 終盤まで仕事ができて柔軟性が高く、色基盤としても優秀な《天災 デドダム》のスペックには及びませんが、「単色で」「3→5にスキップする際に」手札枚数を維持できるマナ加速カードとして、《豊潤フォージュン》はリリースから8年以上経った今でもオンリーワンの性能を持っています。


 《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》+革命チェンジを活用するデッキなど、相手次第ではマッハファイターの的となるクリーチャーを出すことがデメリットになる場合もしばしばあるため、《天災 デドダム》よりも《豊潤フォージュン》を優先してプレイしたい状況も少なからずあります。


 手札の多色枚数やマナの揃い方、相手のデッキを勘案して動き出しを決めていきましょう。

 柔軟性の高い墓地リセットとマナブーストを同時に行える《お清めシャラップ》面がこのデッキにおいての主戦力。


 《お清めシャラップ》は3マナで1マナ加速できる追加の初動枠でありつつ、自他問わず・好きなカードのみを持ち主の山札に戻せる非常に融通の効く墓地リセット能力を持っています。


 相手の墓地利用戦術を牽制する役割に注目されがちですが、このデッキにおいては「自分に撃てる」ことがキーポイント。


 消耗した自分の山札枚数を回復しつつ、状況に応じた必要なカードだけを山札に戻して「デッキを作る」動きが、終盤の詰めにおいて非常に重要です。このカードを上手く使えるか否かが4c【邪王門】というデッキの強さを数段変えると言っても過言ではないでしょう。


 上面のクリーチャーはこのデッキではほとんどおまけですが、《生命と大地と轟破の決断》以外に唯一マナゾーンに触れられるカードであることだけは覚えておきましょう。稀なケースとして、ランダムブーストでマナ落ちしてしまった《時の法皇 ミラダンテⅫ》を使いたい場合などは、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー》のマナ回収能力が活きるやも。

 4マナで手札を整えられる、水単色のシールド・トリガー呪文群。環境に合わせてどちらか一方が3枚ほど採用されます。


 3マナでマナ加速した次のターンに多色をタップインしながらリソースを稼ぎにいく展開がこのデッキの基本パターンです。手札から使える受け札がデッキに多いこともあり、トリガーした際に防御面でも貢献しやすいことが4c【邪王門】におけるトリガードローソースの強みですね。




 サンプル構築で採用している《ドンドン吸い込むナウ》はビートダウンやボードデッキを意識したチョイス。


 山札を多く掘り進められるため《百鬼の邪王門》《一王二命三眼槍》などの受け札や相手の動きに応じた対策カードにアクセスしやすく、呪文によるバウンスで《十番龍 オービーメイカー Par100》などの大型ロッククリーチャーにも対応できるのが強み。総じてこの構築を意識したデッキが流行している環境で使いやすい印象です。




 《サイバー・ブレイン》は手札枚数が一気に2枚も増えるため、1枚1枚ハンデスしてくるような相手に強く出やすいのがメリット。


 単純に手札の総量が増えることでマナ置きの選択肢も広がるため、このデッキが強みを押し付ける側に回りやすい環境では非常に強力な1枚です。

 このデッキの中核を為す、現代デュエル・マスターズでも屈指のパワーカードです。


 一般的なデッキで使われている手札管理や革命チェンジを絡めたボードの制圧に加えて、山札順序の固定や内容把握、革命0によるスピードアタッカー付きT・ブレイカーに至るまで、テキストの全てを余すことなく活用できる点が4c【邪王門】というデッキとの相性の良さを物語っています。


 《天災 デドダム》の文明を2色以上含みつつ火マナとして《百鬼の邪王門》《一王二命三眼槍》の使用条件に貢献するマナ基盤としての強さも考慮すると、最序盤から終盤まで活躍が見込めるカードで、オリジナル環境においては4c【邪王門】こそが最も《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》の強みを活かしたデッキだと言えるでしょう。


 展開次第ではゲーム中に3回以上《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》の能力が起動することも珍しくなく、山札の枚数が15枚を切るような中盤以降は残りの山札がすべて一度見て好きな順序で戻したカードだけになることもしばしば。


 山札の内容を把握できていれば、トップから引いてくるカードを加味してプランを立てたり、《百鬼の邪王門》から踏み倒すカードをドローソースやマナブーストで調整したりと、通常では不可能な立ち回りが可能になります。


 ゲームを進行しながら山札の内容を記憶しておくのはそれ相応の訓練が必要になりますが、このデッキを使うのであれば身につけておきたいスキルです。

 自分のシールドをまとめて手札に変換し、鬼エンドと革命0を能動的に引き起こすカード群。概ね合計で4枚ほど採用され、自身が打点として《百鬼の邪王門》のトリガーになる《鬼ヶ大王 ジャオウガ》が最優先で、残りの2種はデッキの多色比率に合わせて調整、という形を取ります。


 盤面0・手札0の状況でもこれらのカードから《百鬼の邪王門》を拾って《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》を出し、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》のサーチから2枚目の《百鬼の邪王門》まで繋がればいきなりリーサルまで視野に入るため、どれだけ絶望的な状況でも常にチャンスを作れることも4c【邪王門】の強みのひとつです。




 《鬼ヶ大王 ジャオウガ》は何をおいても召喚酔いしないW・ブレイカーが唯一にして無二。《生命と大地と轟破の決断》《鬼ヶ大王 ジャオウガ》《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》をまとめてマナゾーンから出して一挙に5打点を形成するワンショットムーブはあまりにも有名です。


 後述する2種とは違って単独で《百鬼の邪王門》を起動できるのはもちろん、単純に《百鬼の邪王門》《一王二命三眼槍》の鬼エンドから踏み倒せる追加打点として優れているため、可能な限り多めに採用したいところです。




 《黒神龍ブライゼナーガ》はS・トリガーを使える点がセールスポイント。シールドをまとめて手札に加えられるため、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》がシールドにあればいきなりSA3打点がバトルゾーンに降り立ち、《百鬼の邪王門》起動まで持ち込めます。


 6マナとやや重いために《生命と大地と轟破の決断》《一王二命三眼槍》では出せず、《百鬼の邪王門》から出しても基本的に何も起こらないのが難点ですが、単色かつ出せば何かが起こるカードとしてほとんどの構築で1枚採用されます。




 《デビル・ドレーン》は最近採用例が増え始めた1枚。カード除去枠に汎用性の高い《イデア・パラドックス》を採用した場合、デッキの多色比率を下げるために《鬼ヶ大王 ジャオウガ》を2枚に抑えてこのカードを採用する例が見られます。


 元コストが軽いため8マナまで伸びていれば《生命と大地と轟破の決断》や各種スピードアタッカーを起点に展開できるのがメリット。とはいえ、上記2枚と違ってこのカード1枚から《百鬼の邪王門》を起動させられるパターンはない点は明確にネックとなるため、あくまで単色枚数を増やしつつデッキ内のカードの役割を確保するためのカードだと考えた方が良いでしょう。

  4c【邪王門】というデッキの常識を変えた1枚。


 墓地からの呪文詠唱で登場時にアドバンテージを取りつつ、居座れば手札から唱える呪文を倍加。ジャストダイバーで1ターンはほぼ確実に生き残り、ブロッカーを持っているため防御面にも大きく貢献します。


 特に重要なのは手札から唱えた呪文を墓地から再詠唱する呪文倍加能力。能力には各ターン1回の制限があるものの自分・相手のどちらのターンでも機能するため、相手のターンに唱えた《百鬼の邪王門》がもう一度唱えられるのは非常に凶悪です。


 《百鬼の邪王門》を複数回宣言した際に1枚目の《百鬼の邪王門》から《龍素記号wD サイクルペディア》が登場すれば、2枚目の《百鬼の邪王門》をそのまま2回使えるため無駄がありません。受けはもちろん、自分のターン中に能動的に《百鬼の邪王門》を撃ちに行く際も同じような動きで爆発的な展開を見込めます。


 また、このクリーチャーの登場時能力で墓地から《お清めシャラップ》を唱えて、大量の《百鬼の邪王門》で疲弊した山札を再構築できる点も見逃せません。本来であれば山札切れになってしまうような《百鬼の邪王門》連打も、間に山札回復を挟めば敢行できてしまいます。


 もちろん、5マナ時にポンと置いて次のターンにドローソースを2回使ったり、あるいは6マナ支払って《百鬼の邪王門》を唱える動きですら十分以上に強力。


 そのまま出して呪文を唱えるだけでアドバンテージが発生するため、能動的な動きの幅が大きく広がっています。これまではシールドを消し飛ばさなければ能動的な動きができなかった4c【邪王門】に、新たなアプローチを提示したカードです。

 手札から見せて山札の下に置くだけで相手の勝利を1回確実に無効化する、他に類の少ない手札誘発型の受け札です。


 本体のクリーチャーとしてのスペックもなかなかに高く、コスト5ながらスピードアタッカーを持つW・ブレイカーで、鬼エンド起動時は登場時にデッキボトムからコスト5以下のクリーチャーを踏み倒す能力も持っています。


 このカードの敗北回避で山札の下に送った返しに自身が連鎖する動きはもちろん、4c【邪王門】においては《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》のデッキボトム固定と非常に相性が良好。特に他の理由がなければ、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》でボトムに置くカードはコスト5以下のクリーチャーにしておくのがよいでしょう。


 能動的な動きにはあまり絡まないため比較的気軽にマナに置きやすく、《一王二命三眼槍》《百鬼の邪王門》の使用条件を1枚で満たせる文明も相まって初手時のマナ埋め優先度は非常に高い1枚です。

 本デッキのメインコンセプト。踏み倒し内容に若干の運は絡むものの、通常の受け札では不可能なほどの打点を捌きつつ踏み倒したクリーチャーで返しにカウンターを狙える受け札です。


 踏み倒し先の条件は「闇または火のコスト6以下の進化ではないクリーチャー」で、種族等の縛りもないため非常に広範。《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》《龍素記号wD サイクルペディア》を踏み倒せば登場時能力で2枚目を探しつつ打点を受け止められます。


 また、自分または相手のシールドがない状態では自分のクリーチャーの攻撃時に能動的に唱えられるため、複数枚絡むと手がつけられないほどの打点が生まれます。


 攻めてくるデッキには受け札として使い、受けてくるデッキには攻め札として使う。他にカードを用意しておく必要はなく、唱えれば山札の上4枚からほとんどの可能性で何かが出てくる。呪文ロックや踏み倒しメタなどの影響こそ受けてしまうものの、基本的に場面・対面を問わず一定の役割を期待できる点でカードとして非常に強力です。

 汎用性の高いカード除去から選べる3種セット。組み合わせは周辺のメタゲームに合わせて自在に変わりますが、これらのカードから3〜4枚程度を採用するのが現環境では主流です。


 カード除去は《希望のジョー星》《卍 新世壊 卍》などの強力なフィールドはもちろん、タマシードや軽量メタクリーチャーまで幅広い相手を対処できるため、現在のオリジナル環境ではほとんど必須のものとして扱われています。実際これらのカードがなければ《若き大長老 アプル》を複数枚立てられるだけで打開が難しくなるため、採用しておく利点は大きいでしょう。




 《勝熱と弾丸と自由の決断》はパーフェクト呪文の最後の1枚というだけあってかなりの高性能。コスト3以下のカード除去・プレイヤーへの攻撃に限定した召喚酔い無視・相手クリーチャーの能力消去の3つの効果を2つ組み合わせて使えます。


 カード除去としてだけ見ても、1枚で2枚に対処可能かつ再利用しづらいデッキボトム送りと、他の選択肢と比べても優秀。他の能力も使いどころは難しいものの、《龍素記号wD サイクルペディア》の召喚酔いを無効化して革命チェンジに繋げたり、厄介なシステムクリーチャーやブロッカーを一時的に機能停止させたりと、いざという時の役割の多さはピカイチです。


 ただし、4色デッキにおいてセオリーに反する無色カードである点はネック。ランダムマナブーストで山札から落ちないことを祈りましょう。




 《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》はカード除去としては標準的ですが、クリーチャーと呪文が一体となったツインパクトならではの《百鬼の邪王門》との噛み合いの良さがセールスポイントです。


 上面が火文明かつコスト6のクリーチャーで、登場時能力に範囲火力を持っているため、受け札として使った《百鬼の邪王門》からの踏み倒し先としてはかなり優秀な部類。大量のメタクリーチャーを並べてくるデッキに対しては6マナで召喚しても十分に強く、「カード除去のおまけ」レベルを超えた活躍が期待できます。


 単色かつ意外と不足しがちな火文明ということで、マナベースへの負担も最小限。《天災 デドダム》に絡まないのはややネックですが、受け札に必須な火文明を補えるのは素直に喜べるポイントでしょう。




 《イデア・パラドックス》はゴッド・オブ・アビス第2弾で登場した第3の選択肢。


 コスト3以下のカードを選んだ時は破壊除去、コスト4以上のカードを選んだ時はバウンスになる、これまでに類を見ないカード除去です。


 高コストのカードはバウンスしかできないものの、どんなカードであっても確実にバトルゾーンから排除できるのは現時点ではレアケース。コストも2と軽く、おまけにトリガーまでついていて取り回しの良さは文句なしです。


 単純にどんな相手でも一定の効果を持つことから役割を失いにくいことはもちろんですが、特に《十番龍 オービーメイカー Par100》《地封龍 ギャイア》といった大型フィニッシャーを早出しして制圧してくるデッキには強烈に突き刺さります。


 これといった弱点の見当たらなさそうな1枚ですが、タップインしてしまう多色なのが最大のウィークポイント。1枚ならともかく、2枚採用しようとするとデッキにかなりの負荷がかかります。多色枚数は要検討。

 引けばワンショットプランでの勝利が一気に近付く、殿堂入りの名に恥じない展開補助呪文。


 主にコスト5以下のクリーチャーを出すモードで《鬼ヶ大王 ジャオウガ》《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》《一王二命三眼槍》を踏み倒して、わずか5マナで4〜5打点、時にはそれ以上の打点を作り上げることが役割です。


 《鬼ヶ大王 ジャオウガ》はもちろん強力なアタッカーですが、シールドから回収するカード次第で出力がブレるため、手札に複数の《百鬼の邪王門》がない状況では気軽に召喚しづらい部分は否めません。《生命と大地と轟破の決断》は横に追加の打点を添えることでこの「ブレ」を軽減し、ワンショットの成功率を大幅に引き上げられる点が大きな強みです。


 このカードが絡めば4〜5ターン前後でのフィニッシュを見込める対面が大きく増えることに加え、マナが7〜8枚まで伸びた中盤以降では、《天災 デドダム》などのブーストカードでこのカードがマナに落ちれば、そのターン中に一気に打点を叩きつけられるところまでいける可能性も魅力的です。


 マナブーストのモードはそれほど使用頻度が高くありませんが、アンタップキラーを付与するモードは使い道広め。《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》を使わずとも、マナゾーンから《天災 デドダム》《龍素記号wD サイクルペディア》を出して能力付与することで即座にメタクリーチャーを除去できるのは嬉しいポイントですね。


 注意点として、この呪文をマナから唱えて、さらにマナゾーンからバトルゾーンに出すモードを2回使った場合、当たり前ですがマナゾーンからカードが3枚減ることになります。どうしても早期に決着させなければ厳しい状況ならともかく、そのターン中に仕留めきれなかった場合は次のターン以降の展開が非常に弱くなってしまうリスキーな行動であることは意識しておきましょう。


 マナが減ることに付随して、よくある失敗がもう1点。《百鬼の邪王門》の鬼エンドや《一王二命三眼槍》の敗北回避能力は火/闇の2色がマナに揃っていないと使えませんが、この呪文で踏み倒したいクリーチャーたちはこぞってこれらの文明を持っているため、何の気なしに使うとマナから火文明がなくなっていることがままあります。


 《鬼ヶ大王 ジャオウガ》でシールドが消し飛んだうえにこれらの防御手段が使えなくなれば、このデッキは丸裸。1体でも攻撃できるクリーチャーがあるだけであっさり負けてしまうため、《生命と大地と轟破の決断》を唱える際にはマナ色の確認を絶対にお忘れなく。

 4c【邪王門】は現在のオリジナル環境ではやや希少な呪文ロックを絡めてフィニッシュに向かえる点も強みのひとつです。


 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》は有効活用できるデッキがやや少ないものの相手によっては《時の法皇 ミラダンテⅫ》以上の効力を発揮する頼れるクリーチャー。4c【邪王門】ミラーも例外ではなく、このマッチアップでは「先に《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》を通した方が勝ち」とさえ言われるほどに重要な1枚です。


 逆に呪文を使う構築でこのデッキを相手取る場合は、迂闊にクリーチャーを出して《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》の革命チェンジの起点にされないよう心がけましょう。

 《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》あるところこの2体あり。お馴染みの殿堂革命チェンジドラゴン2種です。


 《蒼き団長 ドギラゴン剣》は多色クリーチャーの踏み倒し&SA付与、《時の法皇 ミラダンテⅫ》はコスト7以下のクリーチャーの召喚をロック。どちらも単純に強力で、早期にアクセスできればそれだけでゲームを決めかねない破壊力を持っています。


 リソースと山札回転効率に長けたデッキですので、終盤以降のアクセスは容易。盾落ちとも無縁なので基本的にロングゲームではアクセスできるものと考えて差し支えありませんが、マナ落ちだけは回収が難しいため要注意です。

おわりに

 というわけで、今回は4c【邪王門】について解説していきました。


 次の特殊パック発売以降は環境の激変が予想されるので、今回は「話題のデッキ」というよりも現環境でトップシェアを誇るデッキをメモリアル的に記録する記事となりました。


 4c【邪王門】は小さなシナジーや戻した山札の内容を記憶するなど技術が要求される部分が非常に多くプレイが難しい分、高水準のプレイができれば向かうところ敵なし。環境末期は意識される局面も多かったものの、文句なくオリジナル環境のトップTierデッキだと言ってよいでしょう。


 もっとも、昨年夏の殿堂以降、このデッキが苦手とする4ターン前後のフィニッシュを標榜した高速コンボが軒並み安定しなかったからこその活躍だった、という側面は否めません。次環境以降は高速コンボが復権しそうなのでどうなることやら……。今後の発展にも注目したいですね。


 それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!

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このコラムのライター

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