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2023.1.31

【第30章】スカイ・ジェットで吹っ飛ばしてけ! | プラズマの未開地探求録

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【第30章】スカイ・ジェットで吹っ飛ばしてけ! | プラズマの未開地探求録

全力で殴り合おうぜ

目次

足踏みしてる場合じゃねえ!

現代は急速な科学技術の発達により、数十年前とは見違えるほど、仕事に”速さ”が求められるようになった。


それもそのはず。


一枚の書類を仕上げる速度は、手書きの速度とパソコンで作って印刷する速度では段違いだ。


もっと過去に遡れば、飛脚によって数日かけて運ばれていたような荷物も、今では空を飛んで瞬く間に届いてしまう。


そう、科学技術の発達は、同時に世界の高速化をもたらしたのである。


これは、現実世界の話に限らない。


デュエル・マスターズあるいは他のカードゲームでも、年月を経て上昇するカードパワーにより、ゲーム速度は高速化しているのだ。


かつてのデュエル・マスターズでは、4ターンフィニッシュが超高速の速攻デッキと言われていた。


それが今では【火単我我我】による3ターンフィニッシュが速攻デッキにおける一つのラインとなっている。


速攻だけではない。他のデッキにおいても、今や4ターン目というのは、ある種の基準となっている。


4ターン目にゲームを終わらせられるスペックを持ったデッキこそ、環境に食い込む最低限のパフォーマンスだと言えるほどだ。


そして、その4ターン目を凌げるかどうか、という点も重要になる。それほどまでに、今の環境は高速なのだ。


時代は変わった。求められるものは、”速さ”である。


そんな”速さ”を体現した、否、全ての存在に”速さ”をもたらす強烈なクロスギアが存在する。

それこそが、全てのクリーチャーにスピードアタッカーを与える、《スカイ・ジェット》である。


そんなカードが《次元のスカイ・ジェット》として、再び我々の前に現れたのだ。

このカードも同じく相手のクリーチャーまでスピードアタッカーにしてしまう。まさに、ゲームを超加速させるカードなのである。


いったん出して、立ち止まって、次のターンを待って攻撃するなどという、まどろっこしい事をしなくて済む。


お互い、出したクリーチャーで即座に殴り掛かる、全力の殴り合いを楽しめるのだ。


この《次元のスカイ・ジェット》の元となっている《スカイ・ジェット》は、デッキに入れるカードという性質上、戦術のメインに据えるのであれば4枚採用する必要があった。


しかし、このカードは2枚以上引いても役割が薄いため、デッキに入れれば入れるほど手札でダブついてしまう可能性が高いという、クロスギアによくあるジレンマを抱えたカードであった。


それが超次元ゾーンから出せるカードになったことで、メインのデッキに入れる必要が無くなり、一気に汎用性の高い一枚となったのである。


さすが、仙界一の天才の技術だ。


2回前の記事で、勝手にサンタクロースの役を押し付けた事に対し、申し訳ない気持ちが湧いたフリをしておこう。


さて、せっかく面白そうなカードが超次元ゾーンに置けるのだから、このカードを上手く使ったデッキを考えてみよう。

空も飛べるはず!

デッキを考えていくうえで、まず《次元のスカイ・ジェット》のデメリットを述べておこう。


それは何度も上で述べているように、相手のクリーチャーまでスピードアタッカーにしてしまう、という事である。


一見すると全力の殴り合いが楽しめる効果であるが、現実的に考えれば、相手に塩どころか砂糖と香辛料と絹まで送っているようなものである。


まして、このカードが使えるフォーマットはアドバンスである。革命チェンジや侵略が横行し、スピードアタッカーともなれば一瞬でゲームが終わるクリーチャーが跋扈する環境。


そんな環境で安易に《次元のスカイ・ジェット》など出そうものなら、まさにステルス戦闘機の勢いで相手のクリーチャーが突っ込んできてしまう。


そうなったら、たとえ体が超合金で出来ていても生き残れないだろう。


つまり、このカードを使うのであれば、出したターンに相手を仕留める必要がある。




一気にデッキのハードルが上ってしまった。もはや、ジェットで飛び越えるしか無くなってしまった気がする。


しかし、デッキ構築にジェットなど存在しない。自分の脚力で頑張って飛び越えるしかないのである。


さて、全体をスピードアタッカーにして殴り掛かるというギミックは決まったが、どうやってワンショットするか、という点を考えよう。


そもそも、《次元のスカイ・ジェット》を出せるカードは、果たして現段階でどれくらいあるのだろうか?


サイキック・クロスギアを超次元ゾーンから出せるカードは、現状4種類ほど存在している。


その中で《次元のスカイ・ジェット》を(単独で)出せるカードは3種類しか存在していない。


そんな限られたカードを使って、ワンショットなど出来るのだろうか?


もしかしたら、そのカード達が何かワンショットに貢献してくれるカードかもしれない。そう思った人も多いだろう。

いや、どれも貢献してくれそうに無いな??


一応、クリーチャーである《アクア・ジゲンガエシ》《神影剣士ジュウベイ》は、全体をスピードアタッカーにするという点で《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》のように運用する事は可能だろう。


となると、最も現実的な運用方法としては、疑似《キリュー・ジルヴェス》としての運用方法が最も現実的なのではないか、という説が見えてきた。


しかし、そうなった場合、同時に《キリュー・ジルヴェス》のようなカードより優れている点を探す必要がある。


要するに、差別化である。運用方法が見つかっても、それが既存ギミックの下位互換では、あまり意味が無いのだ。


この《次元のスカイ・ジェット》の方が優れている点、それは、後続までスピードアタッカーに出来るという点にある。


当然、このような能力を持ったカードは他にも存在するが、《次元のスカイ・ジェット》はクロスギアという性質上、除去に対してかなり高い耐性を持つという長所も併せ持っている。


より詳細な方向性が見えてきた。活かすべき点は、後続を次々にスピードアタッカーとして起用することが出来、しかも除去を寄せ付けにくいという点である。




この点を上手く使うのであれば、攻撃時に後続を展開していくクリーチャーと組み合わせる方法が良いだろう。


そんなギミックを持つテーマとして、チームボンバー、すなわちマジボンバーによる展開が存在している。


攻撃するたびに、指定されたコスト以下のクリーチャーを踏み倒せるこの能力は、スピードアタッカーと化してしまえば、次々にクリーチャーを連鎖的に踏み倒す恐るべき存在となるだろう。


一見すると確かに強力な組み合わせなのだが、この組み合わせにも越えなければならない壁が存在する。


それは、まずマジボンバー持ちを出しておき、それから《次元のスカイ・ジェット》を設置して攻撃に移行するという、時間差である。


事前に《次元のスカイ・ジェット》を出してからマジボンバー持ちを出すという流れでは、《次元のスカイ・ジェット》を出した状態で相手にターンを回すという危険極まりない行為となるため、この順番での展開は無しだ。


そして、アドバンスという環境において、1体のクリーチャーが、それも除去耐性も何も持たないクリーチャーが生き残る可能性は低い。


まして、マジボンバー持ちという、あからさまなコンボパーツに見えるクリーチャーは、まず生かしてはもらえないだろう。


そのうえ、手札と山札の上に出せるクリーチャーが居なくなると止まってしまうという問題もある。


ワンショットに見えてワンショットではないので、この使い方は現実的では無いだろう。もっと、他の運用方法を考えなければ。


そんな中で見えてきた相棒は、かつて環境を支配したあのクリーチャー

《龍覇イメン=ブーゴ》だ。


このクリーチャーといえば、《邪帝斧ボアロアックス》による展開だ。


この展開に《アクア・ジゲンガエシ》+《次元のスカイ・ジェット》を組み合わせることで、全体をスピードアタッカーとし、一撃必殺を決める方法を考えてみよう。


既存の《キリュー・ジルヴェス》などと違い、後続もスピードアタッカーにできるため、あとから展開したクリーチャーを即座に攻撃させる事が可能である。


よって、《イメン=ブーゴ》の攻撃時に出したクリーチャーをスピードアタッカーとして運用できるため、今までとは違うフィニッシュ方法が採用できるだろう。




問題は、何を踏み倒すか、である。


単にワンショットを狙うのであれば、《イメン=ブーゴ》の攻撃時にTブレイカー持ちを繰り出せば、《アクア・ジゲンガエシ》でとどめまで持っていく事が可能である。


とはいえ、1枚のシールド・トリガーでプランが崩壊してしまううえ、そうなったら、カウンターでボコボコにされるのは明白である。


やるのであれば、もっとテクニカルな動きを目指さなければならない。仮に仕留めきれないとしても、相手の反撃をシャットアウト出来る攻撃が必要なのだ。


実は、デュエル・マスターズには、そんな夢のようなカードが存在している。


本来なら、そのタイムラグ故に使われる事は少ないが、このデッキには《次元のスカイ・ジェット》という加速装置が搭載されている。


故に

この《ギガクローズ》によって、相手の手札を根こそぎ全て奪い取ってしまえば良いのである。


《ボアロアックス》を装備させた《イメン=ブーゴ》の攻撃時に《ギガクローズ》をマナゾーンから出し、ターボラッシュを発動。


そして《ギガクローズ》で攻撃する事で、相手の《ガイアッシュ・カイザー》などの反撃の芽を摘んでしまえば良い。




完璧な動きだ。もはや、目の前に立ち塞がる全ての敵を粉砕出来るだろう。


最初の2点でシールド・トリガーやガード・ストライクを踏んでしまうと全てが瓦解するが、そこは発動させない程の気迫を帯びたオーラを発して対処しよう。


ただし、普通にマナを伸ばして《イメン=ブーゴ》を出すという方法では、良くて4ターン、安定して5ターンかかってしまう。


アドバンス環境の5ターン目というと、相手の展開が既に完了しているか、自分が三途の川で生前の思い出を振り返っている頃だろう。


何とかして、4ターン目に《イメン=ブーゴ》を立てる手立てが必要だ。その方法も、デュエル・マスターズには存在している。

それが、この《イメンズ・サイン》だ。


コスト7以下のビーストフォークを踏み倒せるため、3ターン目のマナ加速から、4ターン目にして《イメン=ブーゴ》の着地という偉業を成し遂げる事が出来る。


しかも相手のクリーチャーとバトルまで出来るため、《とこしえの超人》のようなメタクリーチャーを排除する事まで可能だ。


そのうえシールド・トリガーまで持っているため、受け札としても機能する。もはや、言う事無しのレベルで優秀である。


これで役者は揃った。


面々を見てみたら、ちょうど水・闇・自然と、《天災デドダム》が仲間に入れて欲しそうに見てくるカラーリングになっているではないか。採用しよう。


また、《イメンズ・サイン》で出せるクリーチャーが《龍覇イメン=ブーゴ》だけでは心許ないので、《イメン=ボアロ》も採用しておくとしよう。


こちらも役割はほぼ同じであり、《イメン=ブーゴ》と同じようなコンボも可能なカードのため、問題なく機能してくれるだろう。

良い感じにカードがまとまってきたので、これらのカードを元にデッキを組み上げてみよう。

とりあえずジェットでぶん投げるリスト

【メイン(40枚)】

1

3

4

1

4

4

4

4

4

4

3

4

【超次元ゾーン(8枚)】

1

1

1

1

1

1

1

1

超次元ゾーンは、とりあえず《次元のスカイ・ジェット》を出せれば他は何でも問題ない。


メインのコンセプトは最初に述べた通り。


《イメン=ブーゴ》+《ボアロアックス》《アクア・ジゲンガエシ》を出し、その能力で《次元のスカイ・ジェット》を設置。


全員がスピードアタッカーとなる状態で、《イメン=ブーゴ》攻撃時に《ボアロアックス》効果で《ギガクローズ》をバトルゾーンへ送り出し、続いての攻撃で相手の手札を根こそぎ奪い取るというものだ。


最終的に相手の手札が1枚残ってしまうが、1枚の手札から逆転を狙う事は難しいはずなので、何とかなるだろう。


多分。


このコンボは《イメン=ブーゴ》《ボアロアックス》だけでなく、《イメン=ボアロ》でも可能となっている。


また、これらの2種類は、どちらもビーストフォークであるため、《イメンズ・サイン》で踏み倒しが可能だ。


相手が速攻系のデッキであっても、うまくシールド・トリガーから使う事が出来れば、逆転も可能だろう。


そのうえ、踏み倒したクリーチャーを相手のクリーチャーとバトルさせる効果まであるので、メタクリーチャーの除去まで可能である。万能すぎる。


他のマナ加速の枠には、《地龍神の魔陣》《終末王秘伝オリジナル・フィナーレ》といった、山札を深く掘れるカードを採用している。


コンボパーツが3枚以上必要となるため、少しでも多く山札を掘り下げる必要があるため、である。これは仕方ない。


《ツネキン☆ゲームス》は、相手の高速踏み倒しへの僅かな抵抗と、シールド・トリガー《イメンズ・サイン》によって飛び出した《イメン》から出せる追加の除去として採用している。


メタとしても機能し、かつマナ色の調整にも役立ってくれる事から、このカードを採用する事となった。


ちなみに、ワンショットで相手を倒すという当初の目的は全く果たせてないが、相手の手札を奪ったら実質勝ったも同然なので、これはある種のワンショットと言って良いだろう。


デッキトップや、ブレイクした1枚が超強力な一枚だと、それがスピードアタッカーで走ってきてしまうので、日ごろから徳を積んで上振れた運の良さを発揮できるようにしよう。


なお、極論《アクア・ジゲンガエシ》+《ギガクローズ》で相手の手札を奪えるので、《生命と大地と轟破の決断》でこの2枚を揃えても、勝ちに近づく事が可能だ。


殿堂入りカードなのであまり狙える組み合わせではないが、狙えるのであれば、積極的に狙っていこう。

燃料切れのため終わりです

サイキック・クロスギアは、まだ数種類しか存在しないものの、メインのデッキに入れる必要がなくなったという点において、格段に使い勝手は良くなったと言える。


特に《イモータル・ブレード》は、《アカシック・サード》デッキにおいてメインのパーツであったため、《次元のイモータル・ブレード》が登場したことにより、新たな風が吹き込んだ事だろう。


このように、クロスギアが本来持っていた使いにくさは、年月を経て少しずつ改善されている。


それもこれも、あの仙界一の天才様のおかげである。今一度、みんなで感謝するフリだけしておこう。


また、《アクア・ジゲンガエシ》《神影剣士ジュウベイ》は、クロスギアを手札から出す事も可能である。


よって、大型クロスギアを踏み倒す役割を従来になっていた《アクア・ツバメガエシ》の5枚目以降の枠として検討するアプローチにより、既存のデッキを大幅に強化する事も可能になるだろう。


特に、パラレルマスターズで収録されていた《超銀河弓ANOTHER》と組み合わせると、お手軽5枚ブレイカーを生成できてしまう。後続もお手軽強化が出来るので、これを軸にデッキを考えるのも良いだろう。


まだまだ色々なデッキを考える余地はあるが、ひとまず、今回は終わりにしよう。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ