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2022.12.16

【第27章】目指せグランドスラム! | プラズマの未開地探求録

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【第27章】目指せグランドスラム! | プラズマの未開地探求録

ゴルフは球技なので、とりあえずボール打ってたらゴルフだと思います。

目次

クリーチャー化するタマシード達

遡ること3か月ほど前、デュエル・マスターズに新たなカードが追加された。


それは「タマシード」と「クリーチャー」という2つのカードタイプを持つカード、ACEカードである。


同じ文明を持つクリーチャーかタマシードが合計4枚以上あればクリーチャー化するという共通の能力を持ち、ほぼ単色でなければ運用は難しいだろうという事もあり、事前の評価は様々であった。


しかし、実際に蓋を開けてみると、いずれも環境で活躍するに足る十分な性能を持っている事が判明していった。


例えば


《深淵の三咆哮バウワウジャ》はアビスラッシュデッキのフィニッシャーとして活躍し



《ドラン・ゴルギーニ》《「正義星帝」<鬼羅.Star>》デッキでタップキルや破壊耐性を付与できるフィニッシャーとなり



《ボルシャック・フォース・ドラゴン》も、火単速攻の新たなフィニッシャーとして採用され



《Drache der'Zen》もGP以降に環境へと食い込む存在となっており



・・・ゴルフ?!


なんか、一人だけ違う方向に走っている気がする。


名前で「轟廻!」と謳っておきながら、実際の環境で豪快さを発揮することなく、ひっそりと隠居していていいのか?!


いや、隠居はしていない。ゴルフは上手い。たぶん、いろんな大会で活躍してるんだと思う。


だが、舞台はデュエル・マスターズ。ゴルフではない。せっかくこの世界に命を与えらえているのだから、ゴルフではなく、デュエル・マスターズでも勝負してもらいたい。


そんな彼を何とかデュエル・マスターズのステージでスポットライトを当てるべく、今回はこのカードでデッキを考えてみようと思う。


ちなみに、私はゴルフはやってない。

目指せホールインワン

目指せホールインワンと言っているが、たぶん明日には、ホールインワンを冠する自然のACEが出ている気がする。


そんな気はするが、とりあえずこの《グランドスラム・スコーピオン》にもホールインワンを目指してもらおう。


さて、このクリーチャーのスペックを、改めて見ていこう。




まず、出た時にマナゾーンのカード4枚をアンタップするという能力。一見するとループに使えそうだし、実際ループに使えそうだと騒がれたが、そんな事は無かった。


次に、自然のクリーチャーorタマシードが4枚以上無いとクリーチャー化しない能力。これは、他のACEクリーチャーと同様である。


そして、このクリーチャーの一番の目玉能力。攻撃時に山札の上から1枚目をマナゾーンに置き、マナの枚数以下のコストを持つクリーチャーまたはタマシードを1枚、マナゾーンから出すというというもの。

横並びした盤面に、更なる打点を追加していけるという、実に自然文明らしい能力である。


以上だ。




一見すると悪くないように見えるが、他のACEクリーチャーと違い、《グランドスラム・スコーピオン》には明確に他と異なる弱点がある。


その弱点というのが、2つの能力の噛み合いだ。


《ドラン・ゴルギーニ》は出た時に攻撃先を作り、そして攻撃時の能力で展開を行うことができる。


《Drache der'Zen》も、出た時に墓地へ呪文を送り込み、攻撃時の能力でそれを唱えることができる。


《三咆哮バウワウジャ》は、それぞれの能力こそ噛み合いはないものの、アビスという特性と見事に噛み合っている。


《ボルシャック・フォース・ドラゴン》は、出た時に相手の壁を破壊し、全体強化での攻撃をサポートしてくれる。


この流れでいけば、《グランドスラム・スコーピオン》の出た時の能力は、マナ加速が合っていたのではないだろうか。


しかし、実際はマナのアンタップであるため、微妙に噛み合っていない雰囲気を感じてしまうのだ。


このアンタップしたマナを使ってマナを増やすなど、後に行う動きの自由度がある、という事なのかもしれないが、手札を余計に消耗してしまうため、少し難のある動きになりがちだ。


ではアンタップしたマナを盤面の展開に充てれば良いのかというと、そのターンに《グランドスラム・スコーピオン》がクリーチャー化しても攻撃が出来ない事から、その意味合いも薄いように思える。


仮にマッハファイターでも持っていれば話は早かったのだが、このクリーチャーはマッハファイターもスピードアタッカーも持っていないのである。




恐らく、この惜しい噛み合いが、同じサイクルの中で《グランドスラム・スコーピオン》が使われていない理由の一つなのではないか。


となると、一見すると噛み合わない能力の組み合わせを解明すれば、このクリーチャーも立派に環境で大暴れするクリーチャーになってくれる可能性がある。


ゴルフ場で圧倒的なスコアを叩き出すかの如く、デュエル・マスターズでも驚異的な存在となってくれるだろう。


目指すべき目標は、マナのアンタップという能力を、攻撃時に盤面展開するという能力と噛み合う能力に変換する事である。


この目標を掲げた際、真っ先に浮かぶ方法は、起き上がったマナで《グランドスラム・スコーピオン》をスピードアタッカーにするというものであった。


それも、出来れば自然のクリーチャーまたはタマシードである事が望ましい。


《グランドスラム・スコーピオン》が攻撃するには、まずクリーチャーになる必要がある。つまり、他の自然のクリーチャーまたはタマシードを3枚出す必要があるのだ。


ただ《グランドスラム・スコーピオン》をスピードアタッカーにするだけなら、火の呪文を使えば良い。だが、それだと、他の3枚の自然のカードを事前に並べて置く必要があり、かなりハードルは高くなる。


出来るものなら、盤面に自然のカード2枚を並べた状態から、一気に奇襲をかけたい。


ここまで明確な目標は出来上がったものの、残念ながら、自然絡みかつコスト4以下でクリーチャーをスピードアタッカー化させるカードは見つからなかった。


妥協して火の呪文を使う方法も考えてみたが、やはり他の自然のクリーチャーまたはタマシードを3枚並べるという部分が、あまりにハードルとして高すぎる。


そういう訳でスピードアタッカーは諦めて、マッハファイターの方へ意識を向けてみよう。


幸い、マッハファイターを与えるカードは存在しているため、こちらの方が現実的な方法である事が判明した。

この2枚のどちらかを選ぶなら、後続もマッハファイターになる《育ち盛りのホーンα》に軍配があがるだろう。


しかも、ちょうど4コストだ。


バトルゾーンに自然のクリーチャーまたはタマシードを2枚並べた状態で《グランドスラム・スコーピオン》《育ち盛りのホーンα》を繰り出せば、相手のクリーチャーを処理しつつ、更なる盤面展開を狙う事が出来る。


そうなれば、相手にとっては手痛い一撃となるだろう。


では、出すクリーチャーは何が良いのだろうか。




《グランドスラム・スコーピオン》はコスト5のカードである。つまり、最速で出すルートを辿った場合、攻撃時に1マナ増えても、マナは6である。


よって、コスト6以下で、相手に強烈に突き刺さるクリーチャーを探し出せばいいのだ。


・・・と簡単に言ったものの、果たしてコスト6以下で、強烈に突き刺さるクリーチャーは居るのだろうか。


そもそもの話、このデッキのコンセプトを考えると、自然の軽量カードを多めに搭載しなければならない。


そんなデッキに合う、コスト6以下の強烈なカードとは何なのだろうか。全体の打点を上昇させるようなカードも良いが、《グランドスラム・スコーピオン》は、最初の一撃はクリーチャーへの攻撃なのである。


単に強力なだけではダメで、相手の動きを著しく束縛できるようなカードである事が望ましい。


そんな素晴らしいカードは、割と最近に登場していた。

それがこの《マンハッタンの心絵》だ。


出た時に盤面のクリーチャーを吹き飛ばし、相手には3体以上の展開を許さない、ループデッキを完全に沈黙させてしまうカードである。


さて、一見すると素晴らしいロックカードに見えるかもしれないが、聡明な皆様ならお気づきだろう。


せっかく並べたはずの自身の盤面も、この1枚で吹き飛ぶのだ。


なんかすごいカードに見えて、確かに凄い事をやってのけてくれる。せっかく準備したものも全て無かったことにしてくれるのだ。


全くもって噛み合ってない。他のカードを探さなければ。


原点に返って考えてみよう。


このクリーチャーで踏み倒しを行えるのは、攻撃する時だ。


もしかしたら、クリーチャーをアンタップできるクリーチャーを踏み倒したら、そのまま連続攻撃が出来るのではないか?

そんな発想とともに浮かんだのが、この《暴斬の姉豹》であった。


これなら受け札という問題も同時に解決してしまう事が出来る。そのうえ、《グランドスラム・スコーピオン》を、より強烈なフィニッシャーにしてくれる事だろう。


なお、ホールインワンを目指すと言っておきながら何回も攻撃しているが、細かい事は気にしないでもらいたい。


光文明が入るというところから、《天体妖精エスメル》を採用するのも良いだろう。これも、初動と同時に受け札になってくれる1枚だ。


おおよその完成形が見えてきたので、いったん形にしてみよう。

4

3

4

4

4

4

4

4

1

4

4

何かそれっぽい形になってきた気がする。


だが、実際に回してみた感想としては、やはり動きがもっさりしている、何か物足りない、という感じであった。


言うなれば、味のない野菜炒めといった感じだ。


やはり、《グランドスラム・スコーピオン》を出したターンに相手へダイレクトに走らせたい。そういう欲求が拭い去れないのだ。


光文明が入ったのだから、いっそ《ダイヤモンド・ソード》でも入れてやろうか。そんな考えすら脳裏に浮かんだほどだ。


しかし、冒頭で述べていたような弱点がある以上、このカードを採用する意義は薄いだろう。


デッキは出来上がった。しかし、納得のいく完成度にはならない。どうしても、最後の課題が解決できないのだ。


この記事のシリーズでは、環境に食い込めるだけの完全体のデッキを提供する事より、まだ見ぬ可能性を秘めたデッキを紹介する方に重きを置いている。


そういう意味では、今回のデッキも趣旨を逸脱している訳では無い。


とはいえ、ビルダーとしてこんな状態のデッキを紹介するのも、いささか失礼なのではないかと思えてしまう。


そんな葛藤の中で別のデッキを新たに考えようかと思った矢先、このデッキの最後のマスターピースが存在している事に気付いてしまった。


冒頭にも述べたが、自然文明のクリーチャーまたはタマシードに、クリーチャーをスピードアタッカーにするカードは存在していない。


だから、《グランドスラム・スコーピオン》を出したターンに走らせる方法は無い。


ここが、そもそも間違いだったのだ。


スピードアタッカーにする必要は無いのである。とにかく、出たターンに攻撃が出来れば、それで良いのだ。


すなわち、このデッキの最後のピースは、これだ。

《森の指揮官コアラ大佐》


オーバードライブという太古の能力を持つこのクリーチャーは、召喚時に光マナを1枚支払う事で、自分のクリーチャー1体に《ダイヤモンド・ソード》相当の効果を付与する事が出来るのだ。


すなわち、召喚酔いを無視してしまうのである。これで、《グランドスラム・スコーピオン》を出したターンに走らせるという課題を達成する事が出来た。


しかも、オーバードライブ込みで、ちょうど4コストである。まさか、公式はこのカードを意図していたのだろうか。きっと、そうに違いない。


受け札兼コンボパーツとして採用していた光文明が、まさかの大正解だったのである。


というわけで、完成したリストをご紹介しよう。

とりあえず全ホール周りそうなリスト

2

4

4

4

4

4

3

4

1

4

2

4

そんなわけで完成したリストが、こちらになる。


主な動きは、2体の自然のクリーチャーを並べ、5マナの状態で《グランドスラム・スコーピオン》《森の指揮官コアラ大佐》を出して奇襲を仕掛けるという動きだ。


《コアラ大佐》はスピードアタッカーではなく「攻撃できない効果を無視する」なので、ガード・ストライクすら貫通する、かなり強力な効果である。


これに《暴斬の姉豹》《清浄の精霊ウル》を組み合わせて複数回攻撃する事で、防御困難な連撃を繰り出す事が可能となるのだ。


《グランドスラム・スコーピオン》を出す時には5マナ溜まっているはずなので、攻撃時に1マナ増やせば《清浄の精霊ウル》までも手が届くことから、実質アンタップ要員は6枚も搭載する事が可能となった。


また、《コアラ大佐》を引けてない、あるいは盤面の処理を優先したい場合に備えて《育ち盛りのホーンα》も3枚搭載している。


こちらは後続もマッハファイターに出来るうえ、自身もパワー5000のマッハファイターであるため、単体で運用する分にも優秀なクリーチャーだ。


他は、手札の安定性を上げる《雪精ジャーベル》、序盤のマナ加速でもある《極楽鳥》《天体妖精エスメル》を採用。


さらに、メタクリーチャーとして《キャディ・ビートル》《若き大長老アプル》を搭載した。


これらの2枚は、《グランドスラム・スコーピオン》で最後の一撃を叩き込む際に出す事で、相手の最後の反撃をシャットアウトする役割も兼ねている。


特に《若き大長老アプル》は、相手の《百鬼の邪王門》を封じる事が出来るので、是非とも覚えておこう。


こうやって完成形を見てみると、《グランドスラム・スコーピオン》も同サイクルのクリーチャーたちと遜色のないスペックであるように見える。


GPの頃にこの形を思いついていたら、もっと違った結果が見れたかもしれない。

ホールを周り終えて

もう明日には新弾というタイミングだが、前回の弾から、まだ日の目を見ていなさそうなACEクリーチャーに活躍の場を与えるべく、何とか頑張ってみた。


確かに《グランドスラム・スコーピオン》はひと目でわかるほど強力なスペックではない。さらに実際使ってみるとなると、使い方がよく分からないカードであった。


マナをアンタップするという能力に目が行き過ぎてしまい、本来の使い方を見失ってしまっていたのも、このカードが活躍できていない要因の一つだったのではないかと推察する。


そう考えると、カード1枚を多角的な視点で見てみるという事の重要性を、このカードを通して再認識できたのではないかと思えてくる。


前にも述べたが、一見正解に見えるものでも、実は別のアプローチで更なる高みを目指せる可能性がある。


その可能性を見出すためには、別の視点からカードを見つめ直す事が必要不可欠である。


今週末には、新弾が発売される。一見してよく分からないカードは、色々な角度から眺めてみよう。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ