■はじめに
さて、新しく入れられるカードが減ってしまったデッキがあるように、逆にデッキに入れられる枚数が増えたものも多数ありましたよね。
禁止カードだったものから制限となり、今後使用できるカードとなったものの中でも、やっぱり一番注目度が高かったのは《心変わり》だったのではないでしょうか?
《心変わり》が初めて遊戯王OCGに登場したのは1999年9月23日に発売した「Vol.5」でした。
まだこの頃は現在のようにパック名というものが設定されていませんでしたので、このようなナンバリングされた商品が発売されていたようです。
デュエリストの皆様の中には、この当時まだ生まれていなかった方もいるでしょうから、もしどこかで《心変わり》の初版を見かけることがあれば年上ということになりますね。
「Vol.5」は《闇遊戯》とシャーディーがパッケージを飾っていたそうなんですが、筆者・カニ丸もさすがに実物は見たことがありません。
▼三魔神
「Vol.5」といえば、この3枚が今では一番有名なのではないでしょうか。
「三魔神」で人気投票とかを公式がやってくれたら面白いと思うのですが、いかがでしょうか。
ここで《心変わり》の話に戻しますが、このカードは最初期のリミットレギュレーションにて、制限カードに認定されたカードで、その後「禁止カード」という制度の導入と同時に禁止カード認定されていました。
以前取り上げました《八汰烏》と同じく、初めて「禁止」という枠に入った10枚のうちの1つです。
《八汰烏》と違う点では、禁止カードとなったあと一度、制限カードにまで戻ったことがあります。
半年後にまた禁止になるわけですが…
純粋な「強さ」を持っとったんや…
イラストの良さや強力な効果、カード名がストレートなどという理由もあって、禁止になりながらも一定の人気を誇っていたこのカードがついに制限緩和後の「RARITY COLLECTION -QUARTER CENTURY
EDITION-」(2023年2月18日発売予定)で再録されるとのこと。
公式から「レアリティ コレクション-クォーターセンチュリーエディション」という読み方の発表がありましたので、店頭で購入する際はご参考までに。
■星統べる騎士!プトレマイオス!
「クロスオーバー・ソウルズ」(2015年2月14日発売)にて登場した《星守の騎士
プトレマイオス》(テラナイト プトレマイオス)もついに2023年1月に帰ってきますね!
2015年10月のリミットレギュレーションにて禁止となって以来ですので、「ようやく」と言う感じではありますが、まずは禁止から制限への緩和ということもあって、かつての栄光を取り戻すべくデッキへの導入を考えている方もいることでしょう。
その名の通り、このカードは《星因士》や《星輝士》に連なっているカードです。
「DT」(デュエルターミナル※)から続く壮大な物語の終結を導いた戦士のひとりであり、《セイクリッド・ソンブレス》によって《星輝士セイクリッド・ダイヤ》と生き残っていた《星因士》が融合した存在でもあります。
※デュエルターミナル
「DT」と略式で表記される場合が多い。
綴りは「DUEL TERMINAL」。
2008年3月からゲームセンターや一部のカードショップなどで稼働した箱型アーケード。
1プレイ100円。
カードスキャン機能が存在していた。
俗に言う「DTワールド」や「DTシナリオ」というのはこのアーケードゲームで開始した世界観とシナリオである。
分かりやすく言うと、「遊☆戯☆王5D’s」~「遊☆戯☆王ZEXAL」放送時期の間に稼働していたもの。
2012年1月に更新が止まっており、現在のところ、今後どうなるかは明らかになっていないが、現存する筐体はほとんどない模様。
カードの再録稼働として2012年6月から8月、11月、翌年の2013年2月までは「クロニクル」シリーズが稼働していた。
DTカードに「DT」と「DTC」の型番が存在するのはこのため。
▼天文学者「プトレマイオス」
《プトレマイオス》というのは、恐らく有名な古代ローマの天文学者「クラウディオス・プトレマイオス」が名前の元なのではないかと思われます。
英語で「プトレマイオス」は「トレミー(Ptolemy)」と呼ばれているので、《セイクリッド・トレミスM7》(メシエセブン)との関連性も匂わせているのではないでしょうか。
「プトレマイオス」は古代の天文学を含めた多くの学問を発展させたとされ、その中でも天文学書「アルマゲスト」が大きな影響を与えたとされています。
当時の天文学は幾何学や算術、光学、音楽、機械学など様々な分野を含めたものとして考えられ、ゆえに「プトレマイオス」の著書の中には占星術書「テトラビブロス」や、地理学書「ゲオグラフィア」などが存在し、それらもまた学問の革命になったとされています。
その出生については未だに明確な資料はなく、古代ローマ第14代皇帝ハドリアヌスの時代(117年-138年)から第16代皇帝アウレリウスまでの時代(161年-180年)に存在していたとされる説があるようで、彼の著書「アルマゲスト」の天体観測記録によると127年~141年の内容があるため、その時代こそが彼の生きていた時代なのではないかとされています。
「プトレマイオス」というのはエジプト系で、「クラウディオス」というのは古代ローマ系に該当するようで、様々な情報から、彼がギリシア人であったのではないかという話もあるとか。
ちなみに、古代エジプトにはプトレマイオス王朝(紀元前300年-30年頃)というものがありますが、天文学者の彼とは現段階では無関係のようです。
▼「DT」から現在の遊戯王OCG世界に繋がる戦い
そんな中で、復活した《創星神sophia》(ソピア)が世界のリセットを決行しようとし、神と地上生命の戦いの幕が上がります。
■おわりに
これまでコラムを書くにあたり、やっぱりDTで活躍したテーマについてはどこかで掲載したいと思っていましたが、《星守の騎士
プトレマイオス》だけでかなりの重厚感もあり、より理解が深まりました。
続きが気になる方もいるかもしれませんので、今後もどこか隙をみつけて、コラムにできたらと思っております。
リミットレギュレーションを受け、個人的には風属性デッキの《WW》(ウィンド・ウィッチ)を使っていたので《烈風の結界像》が禁止になってしまうことが実は一番痛くて、泣いております。