■はじめに
こんにちは、もしくは初めまして。カニ丸です。
2022年9月6日(火)より配信開始された「遊戯王クロスデュエル」。皆さんはもうダウンロードされましたでしょうか?
「遊戯王 マスターデュエル」との大きな違いは遊戯王OCGよりもアニメ版のキャラクターや演出を中心に展開されているという点と、現在はPCなどでできるSteam版がないところです。(2022年9月現在)
デュエルのルール自体も独自のものを採用しており、4人対戦はもちろんレイドボス戦やトーナメント戦なども行えるようです。
今後PCでできるようになるかはわかりませんが、アプリ版で5周年を迎えた「遊戯王 デュエルリンクス」も今ではPC版が登場していますので、期待したいですね。
さて、「遊戯王クロスデュエル」の話はここまでとしまして、今回は遊戯王OCGでも注目度が高いと思われる《ヴィサス=スタフロスト》に関するシナリオについてまとめと今後の考察をコラムにしました。
■リミットレギュレーション
コラム本編に入る前に、先日、2022年10月1日適用のリミットレギュレーションが公開されました。
その中にはかの有名な《八汰烏》が禁止から制限になるということで、話題にも上っていました。
現在では
「禁止(デッキ・サイドデッキ・エクストラデッキの構築に使用できない)」
「制限(デッキ・サイドデッキ・エクストラデッキを合わせて入れられる枚数は1枚まで)」
「準制限(デッキ・サイドデッキ・エクストラデッキを合わせて入れられる枚数は2枚まで)」
というルールが存在していますが、このルールも遊戯王OCGが誕生した瞬間からあったわけではありません。
1999年に東京で行われた大きな大会での専用リストを経て、2000年4月1日に初めて「制限」「準制限」カードというものが遊戯王OCGにおける基本のルールとして登場しました。
「禁止」カードが登場するのは約4年後の2004年3月からの制限改訂です。
《八汰烏》は今回の制限改訂によって「禁止」から「制限」になりますが、このカードは遊戯王OCG史上最初の「禁止」カード10枚のうちの1枚でした。
この10枚の中には《ハーピィの羽根帚》、《サンダーボルト》、《お注射天使リリー》と、今ではデッキに入れて使用することができるカードも存在しています。
(2022年9月現在)
《ハーピィの羽根帚》は2015年1月1日の制限改訂で制限カードとなり、デッキに入れることができるようになったことを今でもよく覚えています。
(ペンデュラム召喚が登場して、1年も経っていないタイミングだったことも印象的です)
《八汰烏》の禁止期間は全てのカードの中から「禁止」が生まれた瞬間から、今まで一度も制限緩和されなかったので、10000万種以上存在する遊戯王OCG歴代で「最も長い間禁止されたカード」という記録を持っていました。
10月からついに復帰ということで、大会などで活躍する場面が見られるのでしょうか。
海外の遊戯王こと、「Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME」では2022年5月から禁止から制限に変更され、使用可能となっていたため、その影響も受けてのことだとされています。
さて、なぜこの話題を出したかというと、今回取り上げたいカードの中に《壱世壊=ペルレイノ》があるからです。
《壱世壊=ペルレイノ》は2022年10月から「制限」カードとして扱われることが明らかになり、それがどのような影響を及ぼすのか注目したいですね。
《ヴィサス=スタフロスト》というと、「誰…?」となってしまう方もいるかもしれません。
思い出していただくためにご用意しました。
こちらの方です(2回目)
一見、和風の鎧を身にまとっていますが、名称からは日本っぽさはまったくありません。
右手は近未来の文明なのか、まるでSF漫画にでも出てきそうな特殊な造形。
宇宙のようなキラキラとしたデザインですが、透けているわけではない様子。
見たところ、雰囲気の異なる右手以外に武器と呼べそうなものは持っていないのですが・・・。
2022年1月15日に発売された「DIMENSION FORCE(ディメンション・フォース)」にて登場した《ヴィサス=スタフロスト》は当初、別のテーマ《スケアクロー》の1枚だと考えられていました。
その《スケアクロー》の長(おさ)と思わしき《スケアクロー・ライヒハート》のデザインが体格こそ違いますが、似た髪色に似たようなメッシュが入るなど、共通点も多く、兄弟や身内、はたまた分身に近い関係なのではないかという推測が成されていました。
特に「遊戯王」においては《武藤遊戯》と《アテム》、《遊星》と「Z-ONE」のように他人ではあるが良く似た面立ちの関係。
もしくは《遊馬》と《アストラル》、《遊矢》と「よく似た三人」のように、別の身体を持った同一存在などが多く登場するため、「いつもの遊戯王らしくなってきた!?」というプレイヤーの共通認識もあるようですね。
ここまで聞くと、《ヴィサス=スタフロスト》がまるで侵略者か、道場破りのようにも見えるのですが、彼にはもっと大きな崇高な目的があるようです。
■マスコットキャラ、爆誕
「よう! 俺も連れて行けよ!」
とでも言いそうな、小さな可愛らしい謎の生き物が彼の前に現れます。
その名の通り、《スケアクロー・ライトハート》は今さっき倒したはずの《スケアクロー・ライヒハート》その人です。
力を奪われたからなのか、まだその理由は明確ではありませんが、今後はこの旅に付き合うぜ! ということのようです。
倒したはずのボスが急にマスコットキャラになるなんて・・・
これには普段仏頂面の《ヴィサス=スタフロスト》も驚きを隠せないようです。
こうして道案内をするかのように付きまとう《スケアクロー・ライトハート》との奇妙な二人旅がスタートしました。
ところで、《スケアクロー》と言えば「カカシ」を意味する「スケアクロー(Scarecrow)」(カラス(Crow)を怖がらせる(Scare)もの)が語源だとは思うのですが、それがどうして《肆世壊》のルビになるのかは定かではありません。
「肆」というのも、数字の「四」を別の漢字で表現する場合に使用する漢字となっています。
《世壊》はそのまま「世界」を書き換えたものだと捉えて問題なさそうです。
《ヴィサス=スタフロスト》のイラストの背景に存在する宇宙のようなものは、それ以前に発売していた《新世壊》によく似ているので、なにか大きな繋がりを感じますね。
大きな樹に水面を浮かせたような断層が連なっています。
どうやらこの世界の住民はここでは暮らしているようですね。
分かりづらいですが、中央よりの左側に次元を超えてきた《ヴィサス=スタフロスト》の光が小さく見えます。
この世界には人魚に近い脚の先がヒレの形状になっている種族《ティアラメンツ》が暮らしていました。
見たところ、手の先もヒレのような形になっていそうですが、
《スケアクロー》に比べるとずいぶんと人間に近い形状で、登場するキャラクターの大半は女性のようです。
《ヴィサス=スタフロスト》が最初に会ったのは、この世界の王に怯える少女たちでした。
余談ですが、この三人のそれぞれの名前はすべて「人魚」に関する言葉が元になっているようです。
《シェイレーン》は「セイレーン」
(海に住む女性の姿をした怪物。歌声で人を海に引きずり込む。人魚にはそういった種もいるとされる)
有名な童話の「人魚姫」のお話では、最後、王子と結ばれなかった人魚姫には2つの選択肢がありました。
ひとつは、王子をあきらめて海の泡となって消えること。
もうひとつは、王子を魔女からもらった短剣で突き刺し、殺害することで再び人魚に戻ること。
お話の中では前者を選んで泡となって消えてしまいましたね。
《ティアラメンツ・カレイドハート》を突き刺す《ティアラメンツ・キトカロス》の目には涙があり、もしかしたら彼の事を愛していたのかもしれないと見てとれます。
もし《ティアラメンツ・キトカロス》が「人魚姫」イメージであるなら、王子を刺し魔法を解いたということになるのかもしれません。
■おわりに