碧雷
はじめに
今回は《相棒狼ランポ》の碧雷に焦点を当てていきます。
僕は大好きなデッキタイプなのですが、皆さんの評価は分かれているようです。
そこで、なぜ評価が分かれているのか、どうすれば強くなるのか等、解説していきたいと思います。
碧雷とは
まずはこの【碧雷】がどういうものか、主役の相棒カードから見ていきましょう。
系統:「碧雷」を持つ自分のスピリットがアタックしている間、相手は、フラッシュタイミング以外でマジックカードを使用できない。
さらに、相手は、バースト効果を発揮できない。
だいぶすごいことが書いてあります。
これは《相棒狼ランポ》がいる限り続く、常在効果です。自分のアタック時だけではありません。
これにより、相手のバーストはもちろん、《氷刃血解》などの覇導や魔弾系のマジックが軒並み撃てません。
アタックするスピリットが「碧雷である限り」、強力な押し込み力を発揮します。
煌臨を主戦力とする契約デッキの天敵である《砂海賊神ファラオム》なども、アタック中に煌臨することで封じることができるのが好印象です。
前回の記事で取り上げた【蒼波】の《相棒鮫シャック》でも同じようなことができましたが、あちらは破棄するカードが【蒼波】でないといけないという制約がありました。
【碧雷】は特に制約もなく、非常に手軽に、そして確実にバーストを封じながら戦うことができます。
つまり【碧雷】は
アタックするスピリットさえ【碧雷】であればよく
他のカードは【碧雷】でなくとも構わない、ということです。
この点で【血晶】や【金雲】のように構築制限が厳しくなく、【蒼波】や【緋炎】と同じように様々なカードを積むことができます。
(とはいえ、いくつかは【碧雷】を要求するカードがあり、その点で【碧雷】の枚数を確保したいという面もあります)
また、【碧雷】にはネクサスを重疲労させてバウンスしたり、効果を失わせたりするカードがいくつも存在し、「ネクサスに触れる」という点で【蒼波】より柔軟性があります。
主要カード解説
では、主要なパーツの個別解説に移ります。
まずは再掲ですが、こちらから。
《相棒狼ランポ》
前述のようにバーストと誘発マジックを封じますが
【スピリット】【契約煌臨元】の状態に限ります。
魂状態では発揮しません。
この点は《相棒騎士バット》とは異なります。
そしてアタック時にカウントを2増やし、1コアブーストします。
この1コアが大きく、ギリギリでソウルコアのみ載せて召喚した《相棒狼ランポ》でも、アタックして煌臨することができます。
またOCが2なので、最初のアタックでもうBPが8000に達し、《シーズグローリー》の射程から抜けることができます。
《オオカブト公》
強力無比な【碧雷】の主力スピリットです。
重疲労とカウントアップ、そしてネクサスも対象にしたボトムバウンスと、強力な効果が煌臨時にもアタック時にも発揮され、「ターンに一回」と書いていません。
この時点で攻めにも受けにも便利なカードですが、極め付きはOC。なんとバトル終了時にコアを増やして回復します。
これにより「ターンに一回」と書いていない効果を十二分に活用できるわけです。
煌臨条件がカウント3以上なので、《相棒狼ランポ》の最初のアタックでは条件を満たしません。
これを補うカードが【碧雷】にはちゃんとあるので、後述します。
そして煌臨してしまえば、自前のカウントアップ効果によりカウント3→4になり、自動的にOC条件を満たします。
すべての効果が嚙み合った、強力なカードです。
《エクレル・ヴェスパー》
軽量級のアタッカーであり、《オオカブト公》と違いアシストなしで《相棒狼ランポ》のアタックから煌臨することができます。
相手をバウンスしての回復が軽妙で、器用な立ち回りを見せます。
オマケのようについているトラッシュ除外は、【血晶】などトラッシュを活用するデッキに対して致命的な効果を発揮し、これも非常に強いです。
《ウッドゴリラ》
あまりにも強力な疑似神速スピリット。
【神速】と違い、フィールドからコアを払えるのがまず強く、コストを減らす条件もカウント4以上と簡単。
召喚時に多面重疲労させるので受け性能が非常に高く、アタック時にシンボルが増えることで攻撃力も抜群。
アタック時にバーストを封じる【碧雷】に入っているがゆえに、押し込みの追加打点として出しても召喚時バーストを踏まないのが強み。
こちらも超強力なカードです。
《雷狼牙王グローム・ランポ》
《相棒狼ランポ》くんの進化した姿。
カウント7以上と多少条件が厳しいものの
●メイン煌臨できて、かつ煌臨時バーストを踏まない
●メイン煌臨からのアタック時効果で、フラッシュを挟まずライフ貫通できる
●相手の効果で防げない
●ダブルシンボル
という、フィニッシャーにふさわしい強力なスピリットです。
唯一の泣き所は、煌臨中にしか効果を発揮できないことから素出しではダメなので、そのために《グラナートゴレム》を踏む可能性があることくらいです。
以上が、【碧雷】の主要アタッカーです。
これらを主軸に、サポートするカードで周りを固めることになります。
ではサポートカードたちをご紹介。
《樹精フタバ》
先攻1ターン目に出せる、おなじみコアブーストスピリットの一種ですが、カウントアップが付いています。
このため、先攻《樹精フタバ》→2ターン目《相棒狼ランポ》のアタックでカウントが3に達し、スムーズに《オオカブト公》へとつなぐことができます。
さらに、レベル1から疲労とカウントアップができるアタック時効果を持ち、カウント稼ぎやブロッカーの処理など器用に動けます。
3コススピリットのインフレを感じますね・・・
《碧樹海の主ジラ・ジャール》
召喚時に、緑おなじみの手札全交換ができるスピリットです。
ただしこれまでのものと違い
●【碧雷】カードを捨てなければならない
●相手の手札でなく、盤面の数を参照してドローする
●相手のネクサスの効果を発揮させない
という特徴があります。
相手の手札が少ないときに困っていた緑の手札交換に、新機軸で加わったこのカード。
使いどころが難しいですが、うまく使えば盤面不利を一気に埋めてくれます。
レベル2からは【碧雷】を回復させる効果を持ち、ビートにも一役買います。
《インクリース》
《ジラ・ジャール》と同じく手札全交換のマジックですが、ドロー条件が違います。
●【碧雷】カードを捨てなければならない
●相手の手札および手元も参照してドローする
●相手のネクサスの効果を発揮させない
となっています。
こちらは【光導】など、手元が多くなって手札が少ないデッキにも対抗できるようになっていますね。
そしてミラージュとしての能力が、【碧雷】の目玉とでもいうべき効果
重疲労状態の相手のスピリット/ネクサスの効果を発揮させず、回復もさせない
という、重疲労ロック効果であります。
昔《天空神鳥ハロエリス》が持っていた効果ですが、今回はネクサスを対象に取っています。
厄介なネクサスもこれでロックできます。
なぜ重疲労ロック効果が目玉かですが、ポイントは契約カードにあります。
相棒たちは、除去されても魂状態になり、すぐまた煌臨して盤面に戻ってきてしまいます。
しかし、重疲労ロックしてしまえば、煌臨しても意味がなく、また、自壊では魂状態になれないので、かなりの機能を停止します。
場を離れる時効果や、残る効果などが多くなった昨今、重疲労はかなり強力な疑似除去手段となります。
さらに効果を消すので、そのままデッキボトムにバウンスするときなども残ったり転醒したりできませんから、世界ネクサスを除去するのも簡単です。
《グルナバートの大滝》
これはネクサスとして重疲労ロックを発揮します。
ミラージュである《インクリース》ほどの信頼性はありませんが、カウント4以下では触れないネクサスシリーズであり、そこそこ場持ちも良いです。
そしてこのネクサスは、後攻1ターン目のファーストアタックに重要な役割を持っています。
後攻1ターン目《相棒狼ランポ》→《グルナバートの大滝》と置くことで、1コアブーストしつつ、カウントを1つ増やします。
そう、これで例の《オオカブト公》につなげることができるわけですね。
先攻1ターン目だけは《相棒狼ランポ》を一緒に置けないことからカウントのみ増え、コアを増やせない点が《緑の世界》より劣るように見えますが、それを補って余りある強さです。
そもそもコアがものすごく増えるデッキなので、先攻にこちらを置いてカウントを稼ぐのも立派に強い動きです。
《雷雲平原》
先攻に置いて強いネクサスのひとつで、その後のアタックにすべてコアブーストかカウントアップを付けてくれます。
・先攻《雷雲平原》から2ターン目の《相棒狼ランポ》アタック
・後攻1ターン目《雷雲平原》→《相棒狼ランポ》アタック
いずれもそのまま《オオカブト公》につなげられます。
しかし、このカードの本領はミラージュ効果。
リザーブのコアと創界神の神技をロックします。
特にリザーブのロックが強烈で、相手の受けを封じます。
《グロームランポ》でコアの乗っているスピリットやネクサスをバウンスしてしまうと、コアがリザーブに行ってしまい、ほとんど何も撃てなくなることも多いです。
【碧雷】の強力な押し込みを支える1枚です。
これらのカードのおかげで、【碧雷】は
●バーストを封じ
●誘発マジックを封じ
●盤面で力を発揮するスピリットやネクサスの効果も消し
●リザーブのコアもロックして
回避不能の攻撃を押し込む、強力なデッキタイプとなっています。
デッキ構築
さて、ここまで解説した内容を見ると、文句なしに強いデッキのようです。
では世間の評価が分かれる理由は・・・?
それはズバリ、手札の枯渇です。
【碧雷】に限らず緑のデッキは、コアが潤沢に増える反面、手札を増やす手段に乏しく
潤沢なコアで手札を使い切って、そのまま勝てればよいが、止まると継戦能力に欠ける、というのが常でした。
ゆえに昔から緑の構築は手札を増やす手段が重要になっていました。
今回2種類の手札全交換ドローを得て、一見回りそうですが、やはり
●相手依存
●全交換ゆえ取っておきたいカードを捨てなければならない
という二つの悩みが解消できません。
このあたりが評価の分かれる理由だと思います。
他にも【碧雷】の強いバーストがない、などもありますか。
ならばとりあえずドローソースを増やすのが良いでしょう。
全交換のデメリットはまたのちに考察するとして、相手依存はやはりどうしようもないか・・・?
ということで、持ってきましたのがこちらの1枚です。
《ネオ・ハンドリバース》
リバイバル版のこちらは、相手の手札に関係なく、ミラージュをセットしていれば4枚引けます。
また、ミラージュでもあるため、かさばった時に「ミラージュにセットして保険として置いておく」ということも可能です。
手札全交換のデメリットは解消できていませんが、引ける枚数が安定しており、追加のドローソースとしては申し分ないです。
そして、全交換のデメリットは構築そのもので対応することにしましょう。
ではひとつ目のレシピを。
碧雷(純正寄り)
まず、同じような速度帯を持つ他の契約デッキに対して、優位に立ちたいところです。
そのためのメタカード兼押し込みカードがこちら。
《バタフライジャマー》
まず【碧雷】の押し込みをかわせるカードは少ないですが、コアロックをすり抜けてノーコストで打てるマジックの中でも
《絶甲氷盾》や《覇王爆炎撃》など、「手札で効果を受けないカード」は《相棒狼ランポ》のロックをすり抜けて使うことができます。
(手札保護のネクサスなどが貼ってあっても同様ですが、こちらは【碧雷】なら簡単に消すことができますので割愛します)
そのようなマジックも発揮するときは効果を受けるので、《バタフライジャマー》で打ち消すことができます。
最終的にこちらを構えて押し込みに行けば、たいていの場合、押し切ることができるでしょう。
ミラージュであるので、セットしておき、押し込みに行くときに適当なミラージュ(《雷雲平原》がベスト)と貼り替えて手札に持つことができますから、手札全交換でも安心です。
そして、そのミラージュ効果。
これが相棒デッキにはものすごく刺さります。
【蒼波】や【緋炎】、そしてもちろん【碧雷】もですが、アタックしてカウントを稼ぎたいデッキは相棒を重疲労させられるのが非常につらいのです。
【碧雷】が使えば、そのままロックしてしまうことも容易であるため、相性は抜群です。
また、フラッシュ効果のトラッシュ全除外も【血晶】などに致命的な効果を発揮します。
総じて、今の環境にマッチしたカードと言えます。
《七大英雄獣ヘクトル》
続いては時々環境に現れる、《ヘクトル》くんです。
赤、青、黄、紫の「ドローそのもの」を止めてしまう強烈なメタ効果。
緑のドローしか積んでいないタイプのデッキにしか積めませんが、効果は絶大。
【蒼波】【緋炎】【血晶】【金雲】、いずれも大幅に展開力を落とします。
【蒼波】に至っては、アタックするたびに手札が1枚ずつ減ってしまうため、ほぼ何もできなくなります。
※ヘクトルでドローはできないが、付随効果の破棄はしなければならない
本来は相手の手札が減るとこちらもそこそこ困る(手札全交換の枚数が少なくなる)のですが、相手依存でない《ネオ・ハンドリバース》もあるので許容範囲です。
ちなみに地味にアタック時にバーストを封じるので
《相棒狼ランポ》が全部魂状態になってしまって、何かでアタックしてから煌臨しなければならなくなった場合、《ヘクトル》でアタックすれば《ファラオム》を踏まずに煌臨できるという隠れたメリットもあります。
この2種のいずれかが初手に入る確率はおよそ50%です。
2回に1回、他の契約デッキに相当有利を取れるなら、だいぶ得ですね。
《バタフライジャマー》は押し込みカードでもあるので、【碧雷】では必須だと思っていますが、《ヘクトル》は好みによって抜いてもいい枠だと思います。
《ヘクトル》を使いたくてドローソースを緑のみに縛っている面もあるので、抜く場合は他の色の有効なドローソースを採用するのも良いでしょう。
そのようなレシピは後に上げます。
さて、残りのカードですが
《テッポウナナフシ》
もはや定番の全交換カードです。
バーストも踏むし、ネクサスの効果も使われてしまいますが、ドローソースの水増しの他《オオカブト公》や《ウッドゴリラ》に合体してのアタックがやはり強力。
手札増強と打点強化を場合によって使うことができる優秀なカードです。
《絶甲氷盾》
【蒼波】の《ガブルシャック》や《ディザイアタン》でのコア縛り。
ミラーの《相棒狼ランポ》のマジック封じなど縛ってくる相手が環境に溢れる中、やはり効果を受けないこのカードは強力なので採用。
・・・なのですが、このデッキにおいてはもう一つ重要な理由があり、それは「バーストである」ということです。
手札を全交換する関係上、防御札を捨てなければならないのはつらい。
《絶甲氷盾》なら、バーストに伏せて(信頼性は目減りしますが)確保しておくことができるのです。
《碧樹海の王ジラ・ジャール》
こちらの不採用理由ですが、枠がなかった(笑)
加えて、メインステップで使う召喚時効果持ちは最小限に留めたかったからです。
回復させてのビートは強いのですが、正直そこまでしなくとも押し込めるので、今回は不採用となりました。
強力なカードなので、もちろん枠を探して入れるのも良いです。
デッキの回し方
碧雷マルチ
それではもうひとつ、今度は《ヘクトル》を使わないタイプを紹介します。
《ヘクトル》を使わないので、相手の動きを遅くするためのカードを別軸で採用してあります。
妨害カード兼《バジャーダレス》は貴重なドローソースでもあります。
《ヘクトル》を採用していないのでこのようなカードを使えるわけですが、相手に《ヘクトル》を貼られると機能低下することにもなります。
各種バーストと召喚煌臨時効果止めで、相手の動きを鈍らせてビートで押し込むのは純正寄りと同じ呼吸です。
《時空龍クロノ・ドラゴン》
ドローソース兼バーストを止めながらのアタッカーです。
《グロームランポ》の代わりの貫通要員でもあります。
カウント5以下条件を持つ前環境のカードですが、序盤ならギリギリ使えることとカウントがオーバーした後もバーストを止めつつ、ドローだけはできるので採用です。
うまくハマった時の高速ライフバーンは爽快です(笑)
貫通狙いに行くときは、しっかりと《氷刃血解》を警戒し
他の【碧雷】スピリットでアタック→ライフ減少で《クロノ・ドラゴン》転醒→ライフバーン、という手順も大事にしてください。
ワンドローに目がくらんで仕留め損ねることのないように。
また、《オオカブト公》のOCは「自分のスピリット」どれにでも置けるため、維持コアが足りない時、カウント4から《オオカブト公》のOCで《クロノ・ドラゴン》に2コア載せてレベルを上げてアタックするというプレイングも頭に入れておいてください。
デッキの回し方
キルルートが純正寄りよりも多く、臨機応変なプレイングが求められますが、従来のデッキに近い感覚で回せるため回しやすく感じるかもしれません。
《クロノ・ドラゴン》の維持コアにこだわらないのがポイントで、盤面に並べ、手札交換する局面も多々出てきます。
《エル・サルバトール》を発射するのは強いですが、相手の《スピッツァードラゴン》に気を付けることと、せっかく重疲労ロックした相棒を飛ばしてしまうと損になることもあるので注意してください。
カウント制限のある《クロノ・ドラゴン》を採用しているので、純正寄りのように闇雲にカウントを増やせばいいというものではないため、増やす順番やいくつで止めるなど、考えることが増えます。
回し慣れてしまえばそこまで難しくもないので、ぜひ練習してみて下さい。
終わりに
契約編、ものすごく楽しいですよね!
環境がガラッと変わったとはいえ、既存のデッキも戦えてるし、何より新弾のデッキが全テーマ十分に力を発揮できていることが素晴らしい。
これでまだ1章ですから、これからの新弾が楽しみです。
【碧雷】は、構築自由度が高く、それでいてしっかり芯のあるデッキなので、皆さんもぜひいじり倒してください。
では今回はこのあたりで。
それではいつもの
バトスピた━━━のし━━━(゚∀゚)━━━!!
今日はここまで
参考になれば~(*´∀`)