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2022.3.23

【第10章】無限の果てに | プラズマの未開地探求録

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【第10章】無限の果てに | プラズマの未開地探求録

無意味な努力は無い

目次

ルールを破壊してしまった一枚

ある人は言った。

”カードゲームとは、いかにカードの効果でルールを崩せるか”

だと。


たとえば、《エナジー・ライト》であれば、カードはターンに1枚しか引けないというルールを崩している。

《フェアリー・ライフ》であれば、マナは1ターンに1枚しか増えないというルールを崩している。

スピードアタッカーは、クリーチャーは出たターンに攻撃できないというルールを崩している。


そう、ルールをいかに多く崩せるか。それが、勝敗に大きく関係してくるのだ。


今までも、ルールを崩すカードというのは多数収録されてきた。

しかし、パラレルマスターズに収録されているこの一枚は、今までの比ではないほど、ルールに大きな風穴を開けてしまう一枚であった。

《13番目の計画》


なんと、ゲーム開始時のデッキの枚数を変更してしまうという、あまりに前代未聞すぎるカードである。


超次元ゾーンの枠を圧迫するものの、戦略の幅を一気に広げるカードである。


まず、デッキの枚数が増えるという事が、どういう事なのか考えてもらいたい。

今までのデュエル・マスターズは、デッキの枚数は必ず40枚である必要があった。

しかし、このカードがあれば、その枚数を最大60枚まで引き上げることが出来てしまうのだ。


相手の山札切れを狙うデッキであれば、そのキルターンが大きく遅れてしまう事になる。

デッキをリソースとして使うデッキであれば、そのポテンシャルを大きく引き上げる事が出来る。

そして、デッキ全体のカードパワーを底上げする必要のあるデッキ(オボロティガウォックが最たる例だろう)であれば、デッキの強さが一気に引き上げられる。


デッキの枚数が増えるとは、それだけ多くの革命をもたらすのだ。


しかし当然、デメリットもある。

デッキの枚数が増えているために、必要なカードを必要なタイミングで引く事が難しくなるのだ。


先に述べたデッキは、どれもコントロールに分類されるデッキが多いだろう。

それに対して、特定のカードを揃える事を求められるコンボデッキでは、デッキの枚数を増やす事はデメリットを生んでしまう。


入るデッキこそ選ぶが、デュエル・マスターズのデッキ構築において、革命的に大きな影響を与える事は間違いないだろう。


そして、このカードの特筆すべき点は、その裏面にもある。

《サファイア・ミスティ》


自分のターンの終わりに、バトルゾーンとマナゾーンに合計40枚以上のカードがあれば、ゲームに勝利してしまうのである。

この能力のおかげで、コントロールの〆も万全である。


ただ、バトルゾーンとマナゾーンを増やして、《サファイア・ミスティ》を立てれば勝てるのである。

デュエル・マスターズでは、相手を攻撃する=相手に反撃の余地を与えるという面が非常に大きい。

そこを考えると、攻撃することなくゲームに勝てるこの能力は、まさにコントロールの理想と言えるだろう。


さて、こんなカードを見せられたら、体が疼くのがビルダーというものだ。


とはいえ、前代未聞のこのカード、どう使ったら良いのか判断に迷う一枚でもある。


迷ったときは、頭を働かせるより、まずはデッキを作って回してみるのが一番だ。

という訳で、早速デッキの形を探しにいこう。

答えを求めて

まずは、無難に使えるデッキを組み上げ、そこから得たヒントを元にアイデアを膨らませる事にした。


このカードを使う上で注意したいポイントは、前述した通り、キーカードを引く確率が低いという事である。

逆に言えば、デッキを掘り下げるカードが多ければ、安定性の低下をある程度抑えながらの構築も可能という事だ。


今の環境には、デッキを掘り下げるカードが大量に搭載された、アナカラーダークネスと呼ばれるデッキが存在している。

《天災デドダム》《終末王秘伝オリジナル・フィナーレ》《地龍神の魔陣》といった、一度に3枚もデッキを掘り下げるカードがそれぞれ4枚ずつ搭載される。

《地龍神の魔陣》は、構築によっては枚数が変動する)


このデッキであれば、安定性を損ねることなく、60枚にチューニングが可能だろうと思い、早速組んでみる事にした。

【メインデッキ:60枚】

4

4

4

1

4

3

1

4

4

4

4

4

2

3

3

4

4

1

2

【超次元ゾーン:8枚】

4

1

1

1

1

【超GRゾーン:12枚】

2

2

2

2

2

2

【その他:5枚】

1

実際に使用してみたが、安定性は悪くなかった。


勝ち筋は、従来のアナカラーダークネスが《S級宇宙アダムスキー》に対し、こちらは《サファイア・ミスティ》にしている。

バトルゾーンとマナゾーンの枚数を少しでも増やすため、最終禁断フィールドを採用。

しかし、これによりコマンド、イニシャルズ、あるいは名前に《禁断》とあるクリーチャーで攻撃することも不可能になっている。


回した感想としては、制圧の安定性は相変わらずだが、勝ちまでが非常に遠いと感じられた。

もし、最終禁断フィールドが無ければ、そのまま殴り勝てたのではないか? と思ってしまうほどである。


つまり、普通のコントロールを60枚デッキにしたとして、この《サファイア・ミスティ》をフィニッシャーにするのは少々難があるという結論になる。


では、《サファイア・ミスティ》を十二分に活かすには、どうしたら良いのだろうか。

見えた道は、コンボによりマナゾーンやバトルゾーンにカードを大量に増やし、一気に勝利条件を満たす事である。


ここで、60枚デッキという問題点が立ちはだかる。

何度も言うようにデッキの枚数が多ければ、コンボパーツを引ける確率が低くなってしまうという点だ。


しかし、このアナカラーダークネスを基盤とした構築では、キーカードが引けないという欠点は幾分か改善されているようにも感じられた。

デッキを掘り下げるカードの採用枚数が、キーカードを無理やり手札に加える事を可能にしているのだ。

よって、このデッキを基盤にした構築にすれば、コンボデッキでも十分に機能するだろう。


では、このカラーリングでマナを大量に増やせるコンボとは、何があるか考えてみよう。


まず思いついたのは、最近発見された、このコンボだ。

《式神シャーマン》《ミロクの弟子ニョライ》のコンボである。


軽く解説しておこう。

《式神シャーマン》にクロスギアがクロスする時、山札の上から1枚目をマナゾーンに置く能力を有している。

そして《ミロクの弟子ニョライ》は、クロスギアをコストを支払わずにクロスすることが出来る。

これらを組み合わせると、実質的に0コストでクロスギアを《式神シャーマン》に着け外しすることで、《式神シャーマン》の能力で無限にマナを増やす事が可能になるのだ。


一見すると非常に強力なコンボであり、一時は少しだけ騒がれたコンボだが、構築戦では全く見る事は無い。

このコンボの問題点は、クリーチャー2枚を盤面に揃えたうえで、さらにクロスギアも必要とする点である。

特に、この2体のクリーチャーは、単体では明確な強みを持たないクリーチャーである。


故に、デッキ全体のパワーが落ちてしまい、コンボこそ強力なものの、成立までの道のりが遠いのだ。

また、成立後に《サファイア・ミスティ》へとつなげるルートが無い事からも、このデッキへの採用は難しいといえよう。


よって、他の道筋を探す必要がある。


次に考えるべきは、この組み合わせ。

《沈黙するバックラー・ホーン》《アクア鳥人ロココ》《夢幻なる零龍》

この3枚である。


こちらも軽く解説しておこう。

まず、バトルゾーンに《バックラー・ホーン》《ロココ》を出す。

その状態で《夢幻なる零龍》を召喚すると、パワーが0のため破壊される。

《ロココ》の能力で《夢幻なる零龍》は手札に戻り、そして《夢幻なる零龍》(ドラゴン)が出たため、《バックラー・ホーン》で山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。

これにより、好きなだけマナを増やせる、というコンボである。


こちらも同じく無限マナ加速のコンボであるし、先ほどのカードよりも、ある程度の汎用性も有している。

しかし、それでも構築戦で見ないという事は、やはりカード単体のカードパワーが足りていないのだろう。

何より、《夢幻なる零龍》が無色であることが、マナ基盤の不安定さをもたらしてしまう。


なお、《バックラー・ホーン》《リップ・ウォッピー》にすると、無限ドローになる。

このコンボは、水単色でも可能なため、覚えておこう。


このコンボも採用には及ばないものであったが、このコンボはヒントであった。

つまり

「クリーチャーが出たらマナを増やすシステム」

「クリーチャーを踏み倒すシステム」

「クリーチャーを元の場所に戻すシステム」

これらが揃った時、永久機関が完成するのだ。


これに気付いた時、過去に思い描いていた、あるコンボが頭に浮かんだ。

《Dの花道ズンドコ晴れ舞台》《龍装30号シグルネ》《百発人形マグナム》である。


説明しよう。

まず、バトルゾーンに《Dの花道ズンドコ晴れ舞台》《百発人形マグナム》を出しておく。

この状態で《龍装30号シグルネ》を踏み倒すと、《百発人形マグナム》の効果で破壊され、《シグルネ》の効果で墓地から戻ってくる。

これにより《シグルネ》が墓地とバトルゾーンを反復横跳びし始めるので、《ズンドコ晴れ舞台》の効果で好きなだけマナゾーンにカードを置ける、という仕組みだ。

ループを止める際は、先に《シグルネ》の効果を処理してから《百発人形マグナム》の効果を処理すればよい。


このコンボも準備が必要だが、コンボパーツの《百発人形マグナム》《シグルネ》の2枚を、《絶望と反魂と滅殺の決断》1枚でそろえる事が出来るという、非常に強力なメリットを持っている。

また、《シグルネ》は呪文側の《グール・チューン》によって自発的に墓地に落ちる事が出来、《百発人形マグナム》も、踏み倒しメタとして単体で十分に機能するという強みもある。


この組み合わせであれば、何とかデッキに組み込むことが可能だろう。

特に、コンボの始点が《絶望と反魂と滅殺の決断》で補えるため、コンボデッキが苦手とする手札破壊にも耐性を持つ事が出来る。

さらに言えば、コンボパーツの内1枚がD2フィールドのため、除去への耐性も高い。


さて、最適解のような組み合わせが見つかったところで、形にしてみよう。

ループの先の答え

【メインデッキ:60枚】

4

4

4

4

4

2

4

4

3

3

3

1

4

4

3

4

4

1

【超次元ゾーン:8枚】

4

1

1

1

1

【超GRゾーン:12枚】

2

2

2

2

2

2

【その他:5枚】

1

というわけで、出来上がったのが、このデッキである。


メインの狙い目は、先ほど紹介した無限マナ加速コンボである。

《絶望と反魂と滅殺の決断》だけでなく、《生命と大地と轟破の決断》でもループ始動が可能になっている。


また、《ズンドコ晴れ舞台》のDスイッチ能力を使って《シンカイ・サーチャー》を出す事で、《サファイア・ミスティ》を呼び出す体制も万全にすることが出来る。

もちろん、最初から手札に握っておけば良いのだが、必ずしもそうとは限らないだろう。


その《サファイア・ミスティ》を呼び出す手段は、《ガロウズ・ホール》から《ジェイシーエイ・ホール》へと変更している。

《ガロウズ・ホール》《サイバーダイスベガス》との相性が抜群であったが、今回《ズンドコ晴れ舞台》を採用するにあたって《サイバーダイスベガス》がデッキから抜けてしまった。

それに伴い、単体で受け札としても機能出来る《ジェイシーエイ・ホール》の方を採用するに至った。

超次元ゾーンも、その変更によって2枚入れ替わっている。


主な回し方は、《Dの花道ズンドコ晴れ舞台》を設置した状態で、《百発人形マグナム》《龍装30号シグルネ》のコンボを起動する事である。

その際、《ジェイシーエイ・ホール》を握っておかないと全てが無意味になるので、要注意である。


このコンボでマナを大量に増やし、バトルゾーンとマナゾーンの合計が40枚になっていたら、《サファイア・ミスティ》を呼び出してゲームを終わらせよう。


背景ストーリーでは《サファイア・ミスティ》は”監視者”であったが、この対戦においては、対戦相手が監視者になるだろう。

主に、ループするこちらの動きを見ている人、という意味であるが。

終わりに

実は、超次元ゾーンを使ったデッキを紹介するのは、今回が初めてである。


最近は私がオリジナルを主戦場にしている事もあり、アドバンス環境のデッキを考える機会が少なかったことが主要因である。


しかし、久しぶりにアドバンスのデッキを考え、普段使わないカードに触れる事で、見落としていた色々な事に気付くきっかけとなった。


特に、以前から使い道を模索していた《百発人形マグナム》《龍装30号シグルネ》の組み合わせを昇華できたことは、非常に感慨深い。


冒頭でも述べたが、カードゲームでは、カードの効果でいかにルールを崩せるか、という考え方もある。

実際、私もその通りだと思うし、ある意味これは真理なのではないかとも思っている。


決められたルールの中で、どうやってその抜け道となるカードを見つけ出し、風穴を開ける事が出来るのか。

それを模索する事も、地雷デッキを生み出す重要な観点である。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ