全てを奪えたら
デュエル・マスターズにおいて、手札とマナは非常に重要なリソースだ。
それらを全て奪い去れるカードは、もちろん非常に強力だ。
特にマナを奪い去ってしまう戦術は、相手の手札すら使い物ならなくしてしまうという点において、非常に危険視されている印象だ。
クロスギアというタイプを含め、今の環境では活躍が難しいと思われる《バジュラズ・ソウル》ですら、未だに殿堂入りしたままである点を考えると、どれだけ注視されているかが分かるだろう。
手札破壊に関しては、マナさえ残っていればある程度のリカバリーが効くためか、比較的、許容されているイメージだ。
しかし、手札を全て捨てさせるという行為は、相手の選択肢を一気に狭めてしまうという点において、強力である事に変わりは無い。
早期に叩き込む事が出来れば、相手はマナというリソースを確保する事にも注力する必要があるため、大きな遅れをとることになる。
それでは、マナと手札を同時に吹き飛ばす事が出来れば、どうだろうか?
答えは簡単で、相手は逆転の道を閉ざされてしまう。
手札も無く、マナも無ければ、デュエル・マスターズは出来ないのである。
さて、そんな事が可能なのか?
そんな無茶苦茶を可能にするのが、この《呪烏竜 ACE-Curase》だ。
完全に全てを吹き飛ばせるわけではないが、なんと、お互いの手札を全て超次元ゾーンに封じ込めたうえ、お互いのマナからクリーチャー全てを手札に回収してしまう。
物凄く豪快な能力だが、なんとパワーも驚愕の3万。
それだけではない。そのコストも圧倒的で、なんと《引き裂かれし永劫、エムラクール》と同じ15だ。
もう何もかもが無茶苦茶なのだが、呪文面は非常に堅実で、中盤のリソース確保として活躍してくれるカードでもある。
とんでもないスペックのクリーチャー面に対し、真逆とも言える堅実な呪文面。
そんな2面性を持つこのクリーチャーだが、どうやって使えば良いのかが見えてこない。
ある人曰く
《神歌の悪夢 ナイトメア・キリコ》と組み合わせ、デッキの中にある呪文の比率を下げるために使われるカード
だという。
種族にオリジンも含まれているため、この説が有力だと思われる。
が、その使い方以外にも、闇文明特有のリアニメイト(墓地からバトルゾーンへ直接踏み倒すこと)戦術で出す方法もあるだろう。
という訳で今回は《呪烏竜 ACE-Curase》を使ったデッキを3つご紹介しよう。
その1
先にも述べたように、《ACE-Curase》は呪文側で唱える事で簡単に墓地に落とす事ができるうえ、マナカーブも綺麗に繋がるため、非常に相性が良いのだ。
これであれば、そこそこ安定して4ターン目に踏み倒す事が可能であり、そうなれば、相手の戦略をガタガタにする事も出来る。
そのうえ、バトルゾーンに残るのはパワー3万のワールドブレイカー。
そう簡単には対処できないだろう。
デッキの基盤は、俗に言うアナカラーマルルと同じものを採用している。
故に、弱点も一緒であるという点は理解しておこう。
あちらがビッグマナ戦略をとっているのに対し、こちらはリアニメイトに寄せている。
「とりあえず大型を踏み倒して圧倒したい」という人にはオススメだ。
その2
その3
他に《ACE-Curase》を踏み倒す方法が無いかを検討したところ、《夢幻の無》というカードを思い出した。
相手の選択による不確定な要素に加え、唱えるためのコストが非常に重いものの、決まってしまえば一撃必殺級の破壊力を誇るカードだ。
さらにこの呪文は連続して唱え続けると、相手の選択次第では踏み倒しが出来ずとも延々とターンを取り続ける事が出来る。
それを何とかして可能にするためにも、《バブル・ボール》 《ツイン・シックス》といった、継続的なドローを可能にする軽量クリーチャーを採用している。
ターンを取り続けるという事はマナが増えるという事であり、結果的に追加ターンを獲得しながら攻撃していく事が可能になるのだ。
しかし、それを危惧して相手が踏み倒しを許そうとすると、いきなり《ACE-Curase》という超大型クリーチャーが登場する、という事になる。
これでは、追加ターンなど無くとも敗北は目前になってしまう。
素晴らしい事に、このデッキで《ACE-Curase》を出すと、自分のマナも消し飛んでしまう。
自分まで追い込まれるのだ。
こうなったら仕方ないので、パワー3万のフィニッシャーで一気に攻め込もう。
打点は足りてるので、あとは何とでもなれの精神で突っ込むのだ。
終わりに
最後のデッキは無茶苦茶だが、やっている事は強力な事に変わりないので、とりあえず形にしてみたものだ。
確かに、《ACE-Curase》を踏み倒した瞬間に自分まで追い込まれるという点だけ見ると、そもそもデッキにする必要があるのか? と思ってしまうほどの諸刃の剣だ。
しかし、ダメもとでデッキを組んでみる事で、見えてこなかった新たな可能性を見つける事にもなるのだ。
実際、このデッキを組み上げていくなかで、《夢幻の無》を使い回すためのドローソースが大幅に増えている事にも気付く事ができた。
《ACE-Curase》に執着せず《夢幻の無》を軸にしてデッキを組めば、更に良い何かが作れるかもしれないのである。
他のデッキの中では、一番最初に紹介したものが、一番無難な使い方かもしれない。
2番目のデッキについては、このコンボをつかって他のドラゴンを踏み倒すアプローチもある。
また、自壊する事で踏み倒しが可能なクリーチャーと組み合わせるという点も応用が効くだろう。
いずれにしても、まず形にしてみて、そこから新しいインスピレーションを受けるというのは大切だ。
この記事を見ている人も、形にしていないアイデアがあるなら、一度形にしてみると良いだろう。