はじめに
みなさん、こんにちは。BIG MAGIC ELDERの黒田です。
とうとうスタンダードが新環境になりましたね!
これまでお世話になった『神河』や『ニューカペナ』のたくさんのカードにお疲れ様を言いつつ
『ブルームバロウ』の新メンバーを楽しむ最高の時期になりました。
去ってしまったカードの中で、一番思い入れが強いのは《放浪皇》です。
彼女は【青白コントロール】や【エスパー・ミッドレンジ】など、本当に多くのデッキにおいて中核的な存在でした。
そしてメインストーリーの主人公であり、神河のPVで突然登場した稲葉さんの歌声。
PWFMの賞品である特別バージョンと、ありとあらゆるエンタメ要素が詰まっていたと思います。
そんな彼女に敬意を表して、パイオニアなどの下環境でも引き続き使っていきたいと思います。
さて、それではいよいよ本題に入りましょう。
今回は、先日開催されたジャパンオープン2024を制した
【ボロス・ミッドレンジ】を紹介したいと思います。
メインデッキ
サイドボード
ボロス・ミッドレンジの基本的な動き
【ボロス・ミッドレンジ】はクリーチャー主体のデッキにめっぽう強いデッキです。
一般的に、環境初期はコントロールよりもアグロの方が構築しやすく、勝率も高くなります。
そのため【赤単アグロ】のような前のめりなデッキに耐性を付けておくことが必須条件です。
基本的な戦略は、序盤こそ「いのちをだいじに」ですが、中盤のどこかで「ガンガンいこうぜ」に切り替わります。
序盤は耐え凌ぎ、力を溜めるイメージです。
この攻勢に転じるタイミングが一番難しく、また面白いポイントでもあると思います。
このデッキには《塔の点火》、《稲妻のらせん》、《失せろ》といった低マナのインスタント除去が多数採用されており
後手番でも相手の攻勢に対処できるよう作られています。
新しいスタンダードの環境は始まったばかりですが、有力候補である【ゴルガリ・ミッドレンジ】や【赤単アグロ】は強く意識しておく必要があります。
先ほど紹介した《塔の点火》は序盤のやっかいな《苔森の戦慄騎士》に対して、《稲妻のらせん》は《グリッサ・サンスレイヤー》にちょうどヒットする良い呪文です。
もちろん、これらのカードは赤いアグロデッキに対しても大活躍します。
単体除去だけでは撃ち漏らすこともありますので、複数の脅威にさらされたときは《一時的封鎖》や《太陽降下》を使いましょう。
何にしても、盤面をできるだけ平和な状態に保つのが第一ステップです。
中盤以降、息切れをする前にカードを補充するエンジンを用意する必要があります。
そのカギになるのが、ブルームバロウで登場した《世話人の才能》です。
まさかこのカードがこんなに強いとは・・・想像していませんでした。
《世話人の才能》とコンボになるのは、《人参ケーキ》や《ウラブラスクの溶鉱炉》などトークンを生み出すカードです。
また、《噴水港》や《ミレックス》といった土地も大活躍します。
赤白というカラーリングは、通常それほど上手に手札を増やせるわけではないのですが
《世話人の才能》が機能し始めると使いきれないぐらい手札が増えていきます。
あとは、盤面を構築して序盤に失ったライフを《稲妻のらせん》で増やすことができれば、おおむね勝つことができるでしょう。
《世話人の才能》と《ウラブラスクの溶鉱炉》、この2枚は非常に強力なカードですが
貼ったターンは盤面に何の変化ももたらさないため、いつプレイするか? がとても重要です。
そのタイミングを見極めるのが、このデッキを使いこなす上で一番大事なポイントかもしれません。
それと、【ボロス・ミッドレンジ】は能力を持った土地が山ほど使われている点が非常に特徴的です。
《沈んだ城塞》をフル活用してもマナが足りず、終盤になってもやりたいことが全部できません。
いつまでたってもフラッドしている感がなく、マナが余らないのは画期的な構築だと思います。
これはロングゲームになったとき、大きな強みになります。だからこそ序盤は「いのちだいじに」です。
そうそう、もう一つ大事なカードを忘れていました。《跳ねる春、ベーザ》です。
耐えるデッキに入っていると驚くほど強力で、この一枚で何点のライフを軽減しているかわからないぐらいです。
オリジナルのメインデッキには《大天使、エルズペス》が入っていましたが
いつもサイドボード後に《ベーザ》と入れ替わっていたのでメインでもいい気がします笑
正直、リストを見たときには全く意識していませんでした。まだまだ選球眼が甘いですね・・・
デッキ相性
まだ環境が切り替わったばかりであり、試合回数も足りていませんのでデッキ個別の相性まで言及できませんが
500人以上が参加した大きなトーナメントで結果を残したというのは、素晴らしい成績です。
「使ってみたい!」と思える楽しさも持ち合わせており、おすすめのデッキです。
しかし、赤白というカラーリングは決して万能ではありません。
そのため、この色の得意、不得意を理解しておくことが大事です。
赤白はいわゆる「ボードコントロール」に長けており、盤面に出たパーマネントに対処するのが上手です。
そのため、大半のアグロデッキや素直なミッドレンジデッキに対して有利な戦いができるでしょう。
しかし、相手の手札や相手が唱えてくる呪文に干渉することができず、無防備です。
どんなに大振りな呪文を唱えられても邪魔できませんし、手札から落とすこともできません。
そのため、赤白側よりも重くて強い呪文を連打されると一瞬で崩れてしまうことがあります。
具体例を挙げると
【ゴルガリ・ミッドレンジ】が《ヴェールのリリアナ》、《裏切りの棘、ヴラスカ》、《向上した精霊信者、ニッサ》と
プレインズウォーカーを連打(相手は打ち消されないと安心しながら)してきた場合、相当な苦戦が予想されます。
《太陽降下》ではダメなのです。
他にも、【青白メンター】のように軽くて強い脅威を連打しながら
要所要所にカウンターを挟んでくる相手との対戦も難しいものになります。
また、【青白コントロール】の場合はクリーチャー除去が無駄になってしまう可能性も高く、苦戦することでしょう。
さいごに
さて、今回の紹介記事は以上になります。
スタンダードの新環境は始まったばかりです。
これからどんなデッキがメジャーになっていくのか、非常に楽しみです。
もし素直なミッドレンジが一番人気を継続するなら、この【ボロス・ミッドレンジ】は対抗馬として大いに期待がかかることでしょう。
ただ、環境の理解が進んで【青白コントロール】や、(青白に相性の良い)【青黒コントロール】が主流になるなら、他のアプローチが良いかもしれません。
ストアチャンピオンシップも目前に控え、スタンダードがとにかく熱いです。
是非、この最高のタイミングで遊んでみてください!