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2024.7.27

サーナイトexの今昔 | ミナナセポケカレポート

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サーナイトexの今昔 | ミナナセポケカレポート
目次

はじめに

はじめましての方もそうでない方もこのコラムを読んでくれてありがとうございます。


サーナイトexとサーナイトとサーナイトとかがやくサーナイトとサナを組み合わせた『サナサナサナサナサナ』というデッキを組んだことがあります。TCG大好きバーチャルYouTuberの三七瀬なくりです。


突然ですが、ミナナセは普段3,4種類くらいのデッキを持ち歩いています。

この3,4種類のデッキは環境の変化や新弾の発売がある度にちょくちょく入れ替わるのですが、1月のスタンダードレギュレーション変更も乗り越えてかれこれ1年近くレギュラーメンバーとなっているデッキがあります。


そうだね、《サーナイトex》デッキだね。


というわけで、新弾「ステラミラクル」の登場で激動の時代を迎えている環境の中では珍しく安定した基盤を維持し続けているサーナイトデッキについて書いていこうと思います。

対戦よろしくおねがいします。

最近のサーナイトex

ちなみにサナexは同名カードでRR・SR・SSR・SAR・SARと5種類のイラスト違いがあります。

多いなと思ったけど、調べてみたら悪リザとパオジアンexには7種類のイラスト違いがあり、上には上がいるものですね。


《サーナイトex》というデッキを説明するのは実はとても困難です。


このデッキは基本的に相手にペースを譲りながら後半にかけて逆転していく、いわゆる受けが強いデッキと言われています。

そのため、相手のデッキタイプはもちろん、その時々の手札や盤面の状況によってプレイングが大きく変わってきます。


残念ながらその全てのプレイングを事細かに説明するのは不可能に近いので、今回のコラムでは大まかな傾向を書いていこうと思います。

そういうわけなので、これから書く内容は全ての文末に(※ただし特定の条件下ではこの限りではない)という注釈が入っているものと思ってください。


さて、ステラミラクル環境のサーナイトデッキについてですが、ジムバトルなどで活躍しているデッキリストの多くは実はナイトワンダラー環境からほとんど変わっていません。

もちろん環境に合わせた微調整は繰り返されていますが、現在も変幻の仮面環境で登場した《マシマシラ》入りのデッキがまだまだ第一線を走っています。


何ならそのマシマシラサーナイトですら、それ以前のサーナイトデッキに《マシマシラ》《基本悪エネルギー》を積んだだけの形が一般的であり、全体的なデッキの基盤は約半年ほど大きく変わっていません。

ということで、これを遡っていくと2024年1月のレギュレーション変更時期にまで行き着くので、今回はそこから話し始めましょう。

サーナイトexの今昔

かつてのサーナイトex

まずは過去のサーナイトexデッキについて。


2024年1月以前のスタンダード環境におけるサーナイトデッキは、特性「アルカナシャイン」を持った《サーナイト》がメインアタッカーとして搭載されていました。

また、サブアタッカーには《クレセリア》《サケブシッポ》《ザシアンV》といった超タイプのたねポケモンが採用されているのが一般的な形でした。


この当時のサーナイトデッキのリストは概ねこのような内容です。

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10

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大きな特徴としては、現在のサーナイトよりも展開力に優れ、より攻撃的なゲームメイクが可能なデッキだったと言えます。


・「ミラージュステップ」の《キルリア》で「リファイン」キルリアを安定して展開可能

《サーナイト》《リバーサルエネルギー》を組み合わせた「ブレインウェーブ」による大火力は対面のポケモンをほぼ全てきぜつさせることが可能

《クレセリア》《サケブシッポ》の優秀なベンチ狙撃ワザを撃ち分けが可能


特にメインアタッカーとなる《サーナイト》が非常に強力なポケモンで、倒されてもサイドを1枚しか取られない非ルールのポケモンでありながら240~330という大火力を叩き出すことができ、更には特性によるドローも可能、オマケに進化前の《キルリア》も「リファイン」という優秀なドロー特性を持っており、《サーナイトex》と進化元も共有できるという、どこから見ても優秀としか言いようがない性能だったんですよね。


しかし、2024年1月のスタンダードレギュレーション変更によって、サーナイトデッキの中心的なカードの多くがエクストラレギュレーション入りしました。

ポケモンでは重要な火力要員である《サーナイト》《ザシアンV》が。

トレーナーズでは序盤の展開を支える《バトルVIPパス》《レベルボール》《霧の水晶》といったサーチカードが軒並みスタン環境を卒業したわけです。

レギュ変更後のサーナイトデッキ

さて、メインアタッカーに加えてポケモンをサーチする手段のほとんどを失ったサーナイトデッキでしたが、幸いなことに入れ替わりで登場した《なかよしポフィン》の恩恵を受けることができました。

しかし、残念ながらブレインウェーブ」のような大火力を出せるアタッカーは不在のまま新環境が始まります。


そこで新たに注目されたのが《フワンテ》《勇気のおまもり》《ゴージャスマント》を組み合わせ、ワザ「バルーンボム」によって瞬間的に大火力を叩き出す攻撃手段です。

「バルーンボム」は自身にのっているダメカンの数×30ダメージを相手に与えるワザで、70しかない《フワンテ》のHPをポケモンのどうぐで増強することにより、300点以上の打点を実現したんですね。

更にポケモンのどうぐをサーチするための《ペパー》を多投したことで、序盤の展開において無理なく《なかよしポフィン》《ワザマシン エヴォリューション》をサーチすることができるようになりました。


ところで、サーナイトデッキがこれほどまでに大火力を必要とした理由は一体何でしょうか。


ミナナセとしては、高耐久の代名詞であるポケモンVMAが環境から姿を消した現在のスタンダード環境においては、不動の環境トップである《リザードンex》に対抗するため、という理由が最も大きいと考えています。

おそらく今後もその構図が大きく変わることはなく、瞬間的に330ダメージを出すことができる手段は模索され続けると思います。


閑話休題。


ともかく大筋としてはそのような経緯で現在のサーナイトデッキのベースが一般化したんですね。

そのため、2024年1月から4月頃にかけてのサーナイトデッキのメインコンセプトは、《フワンテ》の耐久を上げて火力を出す、という攻撃手段を中心に、《サケブシッポ》《ハバタクカミ》といったサブアタッカーで脇を固めるようなものになりました。

エーススペック枠は《ヒーローマント》《ハイパーアロマ》《アンフェアスタンプ》等が選ばれることが多いですが、全体的にはアンフェアスタンプが多いような印象です。

カウンター型のデッキであるサーナイトとは相性が良いんですよね。


そして拡張パック「変幻の仮面」環境に入ります。

マシマシラサーナイト

変幻の仮面」で登場した《マシマシラ》の特性「アドレナブレイン」は、自身に悪エネルギーがついている時だけ使用可能なもので、自分の場のポケモン1匹に乗っているダメカンを最大30点分相手に乗せ換えることができる、という効果となっています。


この《マシマシラ》の特性が実はめちゃくちゃサーナイトexと相性が良かったんですよ。


サーナイトデッキはサーナイトexの特性「サイコエンブレイス」によってトラッシュからエネルギーを供給するため、「アドレナブレイン」の発動条件である悪エネをマシマシラに手貼りする余裕があります。これが好相性の理由1つ目。


好相性の理由2つ目は「サイコエンブレイス」のデメリット効果の方です。

「サイコエンブレイス」は無制限に近いエネ加速を可能とする非常に強力な特性ですが、デメリットとしてエネを加速する度に20点のダメージも受けてしまうという欠点があります。

このダメージを「アドレナブレイン」で相手に乗せ換えることで、実質的な火力アップにつなげることができるのです。


自分の場のポケモンにダメカンを乗せることが可能な特性は他にも《ユキメノコ》の「いてつくとばり」等がありますが、ポケモンチェック時にしか発動しない「いてつくとばり」と違って「サイコエンブレイス」は自分の番であれば何回でも使用可能なため、ほとんどいつでも自由に「アドレナブレイン」の打点を生み出すことができるわけですね。


そういうわけで、現在はこのマシマシラサーナイトがサーナイトexデッキの主流となっています。

一方、環境はどう変わったか

ここまでの流れの中で、サーナイト以外の環境はどう変わったのかにも触れておきましょう。


「変幻の仮面」において環境に最も大きな変化を与えたのは、何と言っても《ドラパルトex》、そして《レガシーエネルギー》を搭載した《ルギアVSTAR》でしょう。


どちらのデッキも《サーナイトex》に対して強く出る手段を持っており、特にほぼ対策不可能なダメカンばら撒き性能を持った《ドラパルトex》は、自分の場にダメカンののった《フワンテ》《サケブシッポ》といったポケモンを残しがちなサーナイトにとっては非常に対策しづらい相手です。


非ルールアタッカーを押し付けることで相手に取らせるサイド枚数をコントロールすることが重要な意味を持つサーナイトデッキにとって、一度の攻撃でサイドを複数取りに来る《ドラパルトex》《テツノカイナex》は数少ない天敵と言ってもいいでしょう。


その後は「ナイトワンダラー」で登場した《キュレム》によって強力なベンチ狙撃能力を手に入れた《レジドラゴVSTAR》も台頭してきた他、ドラパルトexの流行に押されて一時的にシェアを減らしていた《リザードンex》デッキのシェアが回復します。

《サマヨール》《ヨノワール》によってサイドコントロールと打点補助が可能になった《リザードンex》デッキは、特に強力ですね。


そして現在のステラミラクル環境では、《テラパゴスex》《ヨルノズク》《スピンロトム》《ゼロの大空洞》といった強力なカードの登場により《パルキアVSTAR》が再流行するなど、環境はより高度化・複雑化してきています。


かつてこれほどまでにポケカが難しい時期があっただろうか……。

そして現在のサーナイトex

さて、話を戻して現在のサーナイトデッキです。

ミナナセが今使っているデッキはこんな感じになっています。

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現在のサーナイトexは過去のサーナイトexではない

何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、この意識は実はめちゃくちゃ重要です。


「ブレインウェーブ」が現役だった頃のサーナイトの感覚で今のサーナイトデッキを使うと、どうしても《フワンテ》《サケブシッポ》《勇気のおまもり》を貼って大火力を出す、という攻撃手段をメインに考えてしまいますが、現在の環境で火力一辺倒の動きはデメリットの方が大きいかもしれません。


《フワンテ》にしろ《サケブシッポ》にしろ、火力を出すには自分自身にダメカンが乗っている必要があるので、《マシマシラ》の「アドレナブレイン」や《サマヨール》の「カースドボム」といった特性によるダメージが飛び交う今の環境で多用すると思わぬところで相手にサイドを渡すことになります。

ダメカンののったポケモンを場に残す際は慎重にダメージを計算しましょう。

現在のサーナイトは言わば「超バレット&コントロール」

では現在のサーナイトはどういうデッキなのか。


一言で表すと「超バレ&コントロール」かなあとミナナセは思うわけです。


原義的には「超ツールボックス&コントロール」の方が意味合いは近いんですけど、ひとまずここでは「超バレット」の慣例に倣います。超バレって5年ぶりくらいに書いたかもしれない。


どういうことかというと、現在主流のサーナイトデッキではほとんどのアタッカーが1枚しか採用されておらず、状況や対面に応じて最適なアタッカーを選択して使い分けるプレイングが重要になっています。

これはもうバレットでありツールボックスでありウィニーなわけです。


そして、現在のサーナイトに搭載されているアタッカーのほとんどには多かれ少なかれ盤面をコントロールする能力があります。

自分の場のダメカンを移し替える《マシマシラ》《クレセリア》相手の特性を消す《クレッフィ》《ハバタクカミ》ポケモンVとexからのダメージを無効化する《ミミッキュ》と、これだけ見ると対応力の塊みたいな選出ですよね。


現在のサーナイトデッキでは、これらのアタッカーを状況に応じて使い分け、盤面全体をコントロールするプレイングが求められます。

例えば《オーガポン みどりのめんex》をメインエンジンとするデッキに対しては《クレッフィ》を押しつけて時間を稼いだり、相手を倒せる状況でもあえて倒さずにカウンター状態を維持しながら「アドレナブレイン」を絡めて逆転を狙ったり……。


正直簡単なデッキとは言い難いですが、だからこそ使い込むほど面白くなってくる、実に奥が深いデッキだと思います。

おわりに

というわけで、今回はサーナイトデッキについて書かせてもらいました。


非常に複雑で難しいデッキではありますが、サナは今後超タイプのポケモンが増える度に立ち戻ることになるデッキだと思います。

リストの変化が穏やかな今の時期にこそ是非触ってみてほしいです!


それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

対戦ありがとうございました。

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このコラムのライター

三七瀬
なくり

三七瀬<br />なくり