はじめに
みなさんこんにちは、せるぷーです。
今回のコラムはコラボパック「カードファイト!! ヴァンガード」の考察回となります。
過去のコラボの限定構築と違って今回は
「トリガーを持つカードは、リーダーと同じクラスしか入れられない」
という制約があるため、6クラスそれぞれのデッキが限定構築に存在することになります。
そしてクラスごとに設定されたカードタイプ(クラン)によって相互関係が発生するため
デッキの動きに関してはほぼクラスによって決まると言えます。
この環境の大きな大会は2つありますが、まず先に行われるGCS静岡は3人チーム戦になるため
ヴァンガード限定構築以外に2名は既存6クラスを使う必要があります。
限定構築での各クラスで想定している動きについては公式のほうでサンプルデッキの紹介がありましたので
今回のコラムでは「クラス構築(エルフなど)は成立するのか」など、ちょっと軸足をずらしたところを中心に考察していきます。
クラス構築が成立する条件
主力となるカードにノイズ(特定タイプ以外のカード)が混ざっても大丈夫かどうか、という点が大事になります。
ですので、以下のカードが主力になっているクラスは避けたいです。
・カードタイプの枚数をカウントする(墓場のカードがX枚以上など)
・トリガーを多用する、トリガー誘発能力が関係する
各クラスカード考察
エルフ(アクアフォース)
クラスのテーマ
・アクアフォース・フォロワーが3回攻撃を行うとボーナスを得られる
・1コストのアクアフォース・フォロワーを参照する
・【疾走】持ちが多い
・除去能力にやや不足を感じるので《ハイドロハリケーン・ドラゴン》までは必須
色々書きましたが《蒼嵐竜 メイルストローム》をいかに早いタイミングで進化させられるかを競うことになります。
《ストームライダー バシル》も絡んで最速3ターン目に進化攻撃してきます。
トリガーもヒットすると大惨事ですが、トリガーカードのスタッツがやや物足りないこともあり、手札に入るとしかめっ面になりがち。
クラス構築への応用
ロイヤル(ロイヤルパラディン)
クラスのテーマ
・中盤以降はフォロワーを一度に複数枚出すカードが中心
・墓場を参照するカードもあるためか、ドローして捨てるカードも多い
・6コスト域から大型疾走フィニッシャーが登場する
まとめるとデレマスのクールと自然ロイヤルを足して2で割ったような感じ。
スターターデッキを含めると通常カードが29種と一番枚数が多いクラスなので
デッキの組み方でそれなりに幅を出すことはできます。
《爆炎の剣士 バロミデス》は「墓場にロイヤルパラディン・カードを15枚以上」が条件なこともあり
トリガーを当ててでも墓場に落としていくことを要求されます。
またやってることが既存デッキと大きく差があるわけではないので、このクラスに関しては通常クラス構築の出番はなさそうです。
ウィッチ(ペイルムーン)
クラスのテーマ
・消滅領域を経由してギミックするデッキ
消滅領域からペイルムーンのカードを場に出す、5枚以上あるとボーナスなど
・ドローやフォロワー除去などを行いながら消滅領域を整えていって
《銀の茨の竜使い ルキエ》からの一気展開で相手の体力を刈り取る
・フォロワーを展開しながらの盤面整理なので、たまに殴り勝つことも
・全体除去がクラスにはないので、横並び展開についていくのが厳しい
・ルキエの特性もあって(《島村卯月》に近い)
回復量が減ってドローが強くなったデレマスのキュートっぽい感じがある
消滅領域の枚数はペイルムーンの指定がないものの、細かいところで全てペイルムーンのカードを要求されること
盤面処理して7ターン目に一撃必殺を狙う構成というならそもそも超越デッキがあるということで
ペイルムーンデッキもクラス構築にはならなさそうな雰囲気です。
他クラスに出張しそうなカードも特に見当たりませんでした。
ドラゴン(かげろう)
クラスのテーマ
・かげろうカードが場にあったり墓場にあるとボーナス
ロイパラなどに比べると、条件を満たすのに必要な枚数は多くない
・除去能力は相当高い。全体除去はこのクラスが特に優れている印象
・大型のフィニッシャーには困らない
・トリガーに反応するカードが散見される
ようやくタイプやクラスへの縛りが少ないクラスが登場。
もちろんかげろう軸で組んでもいいのですが
他クラスに混ぜたりクラス構築にすることで生きてくるカードも多いので、やりがいがあるクランと言えます。
限定構築で他クラスで使いそうなカード
・《臥竜 ストライケン》
2/5/5と破格のスペックですが、攻撃するには(基本的には)トリガーを当てる必要があります。
トリガーを当てるといえばオラクルシンクタンク(ビショップ)で輝く能力ですが
かげろう側にオラクルのデッキ操作を組み込んで、他のトリガー誘発系と合わせて使っても良さそうです。
・《魔竜導師 キンナラ》
条件のない3コストスペルで、クイック6点ダメージ。
ダメージ量が多く一部を除き、大体のフィニッシャーに対応できるので
限定構築の状況によっては他クラスにも出張で採用される可能性あり。
・《ベリコウスティドラゴン》
カードアドバンテージ、リーダー回復、フォロワー除去全部をこなす万能役。
3面除去が出来る稀有な存在のため、ミッドレンジデッキなら採用したい。
・《連撃のサザーランド》
3コスト5点除去と2点除去+攻撃力3アップの23モードで使える。
そしてファンファーレ効果がヴァンガード・フォロワーなので使える範囲は広い。
クラス構築への応用
ナイトメア(シャドウパラディン)
クラスのテーマ
・シャドウパラディンカードに限定した墓場利用
とにかく10枚のシャドウパラディンを墓場に送ってからが本番
・【疾走】持ちが他クラスに比べ少ないので、盤面を作っていかないといけない
・単体の除去能力は高く、ダメージではなく確定で破壊するカードが多い
1つ目の特性もあって、ペイルムーン以上に構築幅が厳しくなってしまっているのがこのクラス。
そのため今回のコラムの方針だと触れられるカードがないです……。
方針は分かりやすいので使いやすそうなクラスではあります。
1コスト2/2が3種類いることもあり、アグロも仕掛けたいところではあるのですが
この環境、ドライブ獲得で2点与えるフォロワーが全クラスにいるのでどうしても躊躇させられます。
ビショップ(オラクルシンクタンク)
クラスのテーマ
・なにはなくともデッキ操作。デッキの上下にカードを送れる
・併せてドライブやトリガーによって誘発する能力持ちが多い
・【疾走】枠がほぼ《満月の女神 ツクヨミ》しかなく、直接ダメージを与える方法に乏しい
ドライブチェックと密接に関係することから、限定構築以外での出番が限られてしまっているクラス。
ただ、デッキ操作をするカードに関してはオラクルシンクタンクを指定しないことが多く
他のクラスでデッキ操作をしたい場合はこのクラスの力を借りることになる。
逆に他クラスのカードを使えるので、打点が足りなくなりがちなところをどう補うか、構築やプレイングの腕の見せ所とも言えます。
とりあえず《臥竜 ストライケン》は入れたいところ。
限定構築の他クラスで使いそうなカード
・《戦巫女 タギツヒメ》
2/2/2のドライブ獲得で2点ダメージ枠。この子はおまけでデッキ操作ができる。
他のクラスの同族でおまけ効果が合わない場合など、出張していくことになりそう。
・《メイデン・オブ・ライブラ》
ファンファーレで5枚見て操作した上でアクトして1ドロー、本体は3/3/3【守護】なのでアクトした分も無駄にならない。つよい。
これだけの枚数のデッキ上を操作できるカードは初めてで、クラス構築でも《ゴールドシップ》など
今まで使いにくかったデッキトップを参照する系が日の目を見る可能性が出てきました。
・《邪眼の美姫 エウリュアレー》
能力自体はオラクルシンクタンク専用ではないので他のクラスでもOK。
【ツインドライブ】で12枚入れたトリガーがヒットする確率は約1/2。
デッキ操作なしでもコストから考えれば十分効果を発揮する機会はありそうです。
おわりに
いかがでしたでしょうか……。
もう少し既存クラスに入るカードがあるだろうと思ってリストを眺めていたのですが
今回はカードタイプで固められてしまっていることもあり、思った以上に少なかった結果に。
《お菓子の家》が殿堂入りするなど、既存の環境を少し動かしておきたい、というのもちょっとわかる感じですね。
代わりにと言ってはなんですが、限定構築の幅は過去一番広くなっていますので
ヴァンガード限定構築がどんな感じにデッキが練り上げられていくのか楽しみです。
限定構築内でも相性が発生しそうですし、そこは大会結果を注視して拾っていきたいと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。