はじめに
《ヴァージルア》は月刊コロコロコミックで連載中の『カードファイト!! ヴァンガード スカイライド』の主人公、天導ゼロの使用するユニット。
コロコロコミックのふろくで登場する前に「無幻双刻」で先行収録されていました。
そして、2024年6月15日発売のコロコロコミック7月号にてこの《ヴァージルア》を主軸にしたスタートデッキが付属し、一気に大量のサポートカードを手に入れたのです。
このスタートデッキがまた凄くて、雑誌付録とは思えないほどの完成度。
必要なカードはしっかり4枚収録されており、エネルギージェネレーターも完備。ブシロードと小学館の本気を感じる一品です。
というわけで、今回はこのコロコロコミック付属の「クイックスタートデッキ ゼロVer」をベースに実戦仕様に改造した《ヴァージルア》デッキをご紹介させていただきます。
デッキレシピ
ライドデッキ
メインデッキ
デッキの概要
では早速、デッキレシピを紹介させていただきます。
とは言っても、先ほども言った通り、改造自体はトリガーの配分やちょっとしたものだけで、ほとんどスタートデッキ収録のカードを活かした構築になっています。
このデッキのメインヴァンガード《リライトザスター・ヴァージルア》の能力を紹介しながら、このデッキのコンセプトを解説していきましょう。
(以後、本コラムでは《ヴァージルア》とのみ表記する場合は全てG3の《リライトザスター・ヴァージルア》のことを指すものとさせていただきます)
《ヴァージルア》の能力は2つあり、その両方がG2のリアガードに関するものとなっています。
一つ目はメインフェイズの起動能力。EB3のコストで相手リアガードを1枚選びバインドし、その後ドロップゾーンのG2のユニットをリアガードにコールするという能力。
一つの能力で「除去」と「展開」を両立した器用な能力で、単純計算で2枚分のアドバンテージを得ることができます。
しかもこの除去が退却ではなくバインドなのもミソで、これにより相手にはドロップゾーンからの復活を許しません。
相手のキーカードを見抜き、排除することで試合を有利に進めていきましょう。
もう一つの能力はアタック時の自動能力。CB1のコストでG2のリアガードを一体スタンドさせることができます。
非常にシンプルな連続攻撃能力で、少し物足りなさを感じるかもしれません。
ですが、そこをリアガードの能力で補っていくのがこのデッキの戦い方になります。
そして、《ヴァージルア》のカードには記されていない、隠された第三の能力があります。
それを解放するのが必殺技オーダー《スターダストブレード》
このオーダーカードはまずプレイした時、山札の上から5枚見てヴァンガードのグレード以下のユニットをリアガードにコールできます。
ランダム性はありますが、それでも質の良いリアガードを揃えやすくなるでしょう。
そしてその後、ヴァンガードの《ヴァージルア》に「リアガードサークルとドロップゾーンのノーマルユニット、全ての合計×3000のパワーを得る」永続能力を付与します。
これこそが、《ヴァージルア》の実質第三の能力。中盤から20000~30000。終盤はそれ以上のパワーを獲得し、守護者でのガードを強要することができます。
スターダストブレードが与えるもう一つの能力につきましては、現在のスタンダードではほぼほぼ発動できないのでここでは説明を省かせていただきます。
原作漫画を再現したちょっとしたフレーバーのようなものですので、気になった方は「ヴァンガード スカイライド」第一話をぜひご一読ください。
採用カード解説
メインデッキ
クイックスタートデッキ収録カード
このデッキの第二のキーカードとなるユニット。
「メイトユニット」という独自の能力を持ち、『ヴァージルア』の名を持つヴァンガードの時しか使うことができません。
一見すると何も能力を持たない地味なユニットに見えますが元々のパワーとシールド値が共に15000となっており、『状況を一切問わない一つ抜けた基礎スペック』こそが《エゼルヴァ》の固有能力と言ってもいいかもしれません。
特に《ヴァージルア》の復活能力との相性は抜群で、インターセプトと復活を毎ターン繰り返すことで強固な防御を実現できます。
この後紹介するユニット達も《エゼルヴァ》をサポートする能力を持っており、このデッキはいかに《エゼルヴァ》を引き込むかに勝敗がかかっていると言っても過言ではありません。
リアガード専用のG3ユニット。
G3のため、《ヴァージルア》の持つ2つの能力の恩恵を受けることはできませんが、その代わりに登場時に自身とリアガードの《エゼルヴァ》のパワーを上昇させる能力を持っています。
この能力と《ヴァージルア》のアタック時能力を組み合わせることで、高パワーの《エゼルヴァ》で複数回攻撃ができるようになります。
このコンボがこのデッキの中心となる戦術なので、《エゼルヴァ》と同じく手札に引き込んだり、《スターダストブレード》で山札から呼び出したいユニット筆頭です。
必殺技オーダーを使用しているターン終了時に発動する、「ソウルに入れることで1枚引く」というもう一つの能力のおかげでフィールドで邪魔にならず、毎ターン新たな《ファンヴァーレ》をコールして登場時能力を使えるというのもありがたいですね。
こちらも《ファンヴァーレ》と同じく《エゼルヴァ》をサポートするユニット。
一つ目の能力であるEC1は非常に地味ではありますが、この+1によって《ヴァージルア》の起動能力を使いつつ、EB7の1ドローが可能になる重要な+1だったりします。
そして「後列にいれば《エゼルヴァ》がスタンドした時、このユニットもスタンドする」という能力がこのユニットのメイン能力と言えるでしょう。
単純な言い方をすれば『《エゼルヴァ》と同じ縦列ならその2回攻撃のパワーをさらに高められる』能力、といったところでしょうか。
基本的には《エゼルヴァ》《ファンヴァーレ》《コスモール》をそれぞれ1体ずつリアガードに並べることを目指していくことになります。
手札からリアガードとして登場した時、コストを支払って山札から必殺技オーダーを引き込むことができるユニット。
このデッキでは必殺技は2ターン目から毎ターン使いたいキーカードなので、序盤からコールして展開に繋げていきましょう。
前列が《エゼルヴァ》と《ファンヴァーレ》で埋まってしまう後半も、ブースト役として後列で仕事ができるのも器用な一枚です。
追加カード
ここからは、クイックスタートデッキに収録されていない改造用のカードを解説していきます。
まず一枚目はノーマルオーダーとのシナジーで展開を可能とするユニット。
このカードと必殺技《スターダスト・ブレード》を組み合わせることで、一気にリアガードを揃えていくのが理想的な試合の流れになります。
また、ユニットだけでなくノーマルオーダーカードを手札に加えることもできるため、次のターン用の必殺技を手札に用意することもできます。
最後に紹介するのはセットオーダーとユニットのセットになります。
セットオーダー《砂塵舞う灼熱の大地》は後列のユニットにブースト能力を付与するセットオーダー。
このデッキはブーストを持たないG2以上のユニットが大多数を占めるため、このカードを使うことでそれらを後列要員にすることが出来るようになります。
しかし、『オーダーカードは1ターンに1枚しかプレイできない』というルールがあるため、必殺技オーダーと同時に使うことが出来ません。
その欠点を補ってくれるのが《バートランド》。
このユニットがリアガードに登場した時、SB1で山札の《灼熱の大地》をオーダーゾーンに置くことが出来る能力を持っています。
この能力でセットオーダーを置く行為は『オーダーカードのプレイ』ではないため、必殺技オーダーを使用したターンでも発動可能ですし、逆の順番でも大丈夫です。
ライドデッキ
他のライドライン用ユニットのようなライドした時、ライドされた時の能力はありませんが、その代わりにSB1で手札コスト無しにG2にライドすることが出来るユニット。
手札を温存することができ、この後に紹介するG2のヴァージルアの能力に繋げることが出来る優秀なG1ユニットです。
ライドされた時、山札の上から7枚見て好きなG2のカードを手札に加えることが出来るのですが、ライドしたG3が《ヴァージルア》を含むユニットならデッキ全てから選ぶことが出来るようになります。
必殺技オーダーや《エゼルヴァ》、《ラティーファ》等、手札の状況に合わせて柔軟なプレイができるようになるライドラインユニット。
そして、このカードはもう一つのヴァンガード用能力を持っています。
それは「リアガードが4体以上なら、ライドデッキのヴァージルアを公開することでクリティカル+1」という起動能力。
《スターダストブレード》を使って展開すれば、ヴァンガードが強大なパワーでクリティカル2の攻撃を行うことが可能となり、短期決着を目指しやすくなります。
とはいっても、この能力を発動するためにガード用のカードを無理やり場に出すと逆に相手の攻撃に追い詰めれれてしまうので、手札と相談して狙っていきたいですね。
ファイトの流れ
先攻後攻・手札交換
このデッキは先攻、後攻それぞれに強みがあり、必ずどちらか一方でなければならないということはありません。
先攻なら相手よりも先にペルソナライドの高パワーをぶつけることが出来ますし
後攻なら《ファンヴァーレ》のパンプ能力が+10000に引き上げられたり、後攻限定のライド時ドローやドライブチェックで増やした手札を使ってG2ヴァージルアのクリティカル増加能力の成功率が高まったりします。
何度か試してみて自分に合う方を見つけてみましょう。
手札交換は少々難しいですが、慣れるまでは必殺技オーダーと《ラティーファ》のセットを揃えることを目指しましょう。
ライド時の手札コスト
このデッキはヴァージルアがドロップからG2を呼び出すことが出来るので、捨てるのはG2のユニットを優先的に選んでいきましょう。
特に《バートランド》はどこから出てきてもオーダーをサーチする能力が使えるので優先的に捨てていきたいカードの一つです。
逆にG2でもラティーファはユニットの能力でコールしても能力が使えないので、手札に温存したいカードです。
序盤
中盤
終盤
このデッキは一気にダメージを与えるのは得意ではないので、相手のダメージが4点のタイミングで迎えたターンがフィニッシュターンの目安です。
ここでペルソナライドや《エゼルヴァ》と《ファンヴァーレ》のコンボ、《スターダスト・ブレード》のヴァンガードのパンプを重ね合わせて最後の「2点」を押し通しましょう。
ちなみに、《ファンヴァーレ》の登場時能力は重ねがけが可能なので、手札に複数枚ある時は《エゼルヴァ》のパワーを大幅に上げるというプレイングも覚えておくといざという時に役に立つかもしれません。
このデッキの弱点
このデッキは早い段階から守護者でないと守り切れない高いパワーで攻撃できるのが強みですが、逆に相手が守護者をしっかり手札に引き入れていると思うようにダメージを与えられない展開になってしまいがちです。
また、自分の手札を増やすことは非常に苦手なので、長期戦ではすぐにジリ貧になってしまうことが最大の弱点と言えるでしょう。
そのウィークポイントを補うため、このデッキでは常に盤面をフル展開するような前のめりなプレイングを心掛けていく必要があります。
さいごに
コロコロコミック付録のクイックスタートデッキを改造した《ヴァージルア》デッキの紹介は以上となります。
最初にもお話した通り、付録デッキ自体の完成度が非常に高いので、改造用カードを持っていなくてもとりあえずこのデッキとオーバートリガー《ドラグヴェーダ》だけ用意すれば、気軽にヴァンガードを楽しめると思います。
そして、まだヴァンガードをやったことはないけど、コロコロコミックを買ってデッキを手に入れた人も是非この《ヴァージルア》達と共にヴァンガードをはじめてみてはいかがでしょうか。
それでは最後までご清覧ありがとうございました。