はじめに
みなさんこんにちは、せるぷーです。
第10弾『Gods of the Arcana』発売から2週間ですが、もうグランプリを迎えますね。
そしてその翌日にはオープン8マスターズも開催されます。
今回のコラムでは大会直前ではありますが、オープン8のデッキの組み方も併せて、第10弾環境を紐解いていこうと思います。
凡例
フォロワーのスタッツは「コスト/攻撃力/体力」と表記しています。
例 2/3/1:コスト2、攻撃力3、体力1のフォロワー
(F):ファンファーレ (L):ラストワード
デッキ構築の基本手順
オープン8ではメインデッキを30枚以上で組む必要があります。
8パックを剥いた場合、メインデッキに入るカードは最大でも48枚。
(プレミアムやアドバンスなどによって少し減ることがあります)
全カードの60%を入れる必要があることから、基本的には「オープン8において不要なカードを18枚減らす」ことでデッキを完成させます。
デッキは基本的に30枚で作成します。
デッキを大きく減らすカード(《真偽の逆転》など)があり、デッキ切れが考えられる場合は+1~3枚。
オープン8における不要なカードについて
・同じパックからは出ないカードを参照している
《デュアルレイジ》など違うセットのカード指定があるもの。
今回のセットはGR以上に多いです。
・特定のカードや条件を参照するが、パックから出てこなく、かつスタッツが低い
《マドロスエルフ》が代表例。
『傭兵』に対して修正を与えますが、『傭兵』がかなり多くないと強化先がない2/1/1となってしまいます。
また、このセットにおいて、傭兵は多くないです。
・特定のクラスなどを参照しているが、デッキ内に少なくて条件を満たさない
《竜の誕生》などのサーチ系、《決意の予言者・ルーニィ》などのスペルチェイン系がこれに該当します。
セットによりますが、特定のクラスやスペルだらけの構築はかなり難しいです。
《ソウルボックス》などの「スペル」「アミュレット」のような汎用的な種類を参照するカードについては後程取捨選択します。
ここまでやったら一度コスト順に並べます。
このときフォロワーとスペル・アミュレットは分けておきます。
カードの取捨選択
・進化先があるカードは残す
他のエボルヴカードは【突進】を付与する効果をもたせられますが、サイズが大きくなる進化はそれだけでアドバンテージです。
とはいえ《魔導の君臨者》みたく進化しても効果が活かしきれない場合は除きます。
(Shadowverse EVOLVE総合ルール内付録B:「オープン8」関連ルールより)
・除去カードは残す
フォロワーにダメージを与える効果を持つカードは残します。
ただコストに対してダメージが小さすぎるなど使い勝手が良くないものは除外します。
・スタッツが基準を満たしていない、そのコスト帯に他のカードがいっぱいあるカードを外す
エキスパンションごとにコストごとのフォロワーの大きさや枚数に差異があるため、基準値は毎回変わります。
但し、上にある通り進化があるカードは残します。
・効果の低いカード、または対象が少ないカードを外す
ほぼ上に同じ。エキスパンションによって使う使わないが分かれます。
コストに対して盤面に影響が小さい《フェアリーアサルト》などが外れる候補となります。
第10弾の特徴
総論
・GR,LGにアンプレイアブル(効果が特徴的でオープン8に向かないもの)も多いが、代わりにSR以下はプレイアブルが多い。
コスト分布もまんべんなく設定されているので、本当にシビアなデッキになる確率は低い。
・ドロー関係のカードはEXエリアに置くものも含め、思ったより多い。
低コストに寄らない構成になることもあって、リソースが完全に尽きるターンはかなり後ろになる。
・除去は平均的だが、少し重く設定されている。
・リーダーの体力回復手段は少なめ。逆に直接ダメージを与えるカードはそれなりにある。
・【疾走】持ちは(能力で得られるのを含め)進化前だと4体、疾走持ちトークン出すのが2枚。
・一部構築戦向けのカードなどはどうしてもオープン8に向かないものもある。
クイック持ちカード
とてもつよいカードの皆様
・《真偽の逆転》
オープン8での全破壊&5ドローは流石にやりすぎというもの。
とはいえ、このカードにも致命的ともいえる弱点はある。
詳しくはフォロワー除去カード一覧の最後の項にて。
・《静寂の元帥》進化前&進化後
4+1コストで10点のクロックが突如として並ぶ。
返すカードは《ドラゴンズタックル》だが、最速で打った場合は1ターン時差がある。
・《ゼルガネイア》通常(&ADVANCE)
揃ってなくてもただただ強い。体力5回復が本当に染みる。
・《深謀の獣人》
アルカナ・カードをサーチできる=デッキで一番強いカードを持って来られるという意味で神。
進化するとおかわりする上に5/5というサイズも強力。BRとは思えない。
コスト別分布
|
BR,SR
|
GR,LG
|
コスト |
フォロワー |
スペル |
アミュ |
フォロワー |
スペル |
アミュ
|
1 |
9 |
3 |
1 |
0 |
3 |
0 |
2 |
10 |
3 |
2 |
7 |
0 |
1 |
3 |
7 |
2 |
0 |
6 |
1 |
0 |
4 |
5 |
1 |
0 |
3 |
1 |
0 |
5 |
3 |
0 |
0 |
6 |
0 |
0 |
6 |
1 |
2 |
0 |
1 |
1 |
0 |
7 |
5 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
8+ |
0 |
0 |
0 |
2 |
1 |
0 |
・『森羅鋼鉄』に比べるとコストのバランスがよく、3コスト以上が足りないということもあまり起きない。
1コスト~2コスト10~12枚、3~4コスト10~12枚、5コスト以上7~10枚みたいな構成になる。
フォロワーのサイズについて
1コストに2/2が多いわりに、2~3コストが意外と小さい。
2コストは攻撃力3が1枚だし、3コストで体力4も1枚しかない。
4コストから4/4以上が多くなって普通のサイズになる。
なるべくなら入れたくないフォロワーのサイズのラインは以下の通り。
・1コスト:1/1
・2コスト:2/2
・3コスト:2/3
フォロワー除去
・BRの除去が1コスト2点、3~4コストに4点。つまり体力3と体力5に一つの壁がある
・ダメージ除去の最大は5点なので体力6以上は確定除去でなければ1枚では倒されない
・選ぶ確定除去は基本6コストから。ゼルガネイアは仕方ない。
1体だけ大きいのを残す展開は《スキュア》で狩られるので注意したい
・全体、複数除去も6コストから4点を警戒していればOK
・それはそうと全体的に除去の枚数は少ない。
遅いデッキにするなら小さいフォロワーも全部踏むなど、体力を守るように動くことを徹底したほうがいい。
フォロワー除去一覧
フォロワーの場合はスタッツも併記。フォロワーへのダメージや破壊があるものだけ記載。
記載がない場合は相手の場のカードを選んで対象とする。
☆は効果を発動させるのに特定の条件が必要であるもの。
★は全体除去(相手の場全体が対象のもの)。
[EVOLVE]は進化カードの効果。
各種ADVANCEカードと《リンクル》、《ルーニィ》、『ターミナルウェポン』は条件が厳しいので割愛。
1コスト
《エクステンドマジック》 BR
スペル フォロワーに2ダメージ 【土の秘術_2】代わりに4ダメージ、1枚引く
※『スタック』を場に出せるのは《猫の奇術師》が進化した時のみ。この時は2溜まるので条件は満たせる。
☆《ブロッサムアーチャー》 BR
1/2/2 (F)EXエリアに3種類以上コストの違うカードがあるなら3ダメージ
※最短でも3ターン目以降ではあるが、後半になると意外と条件を満たすことがある。
《エアリアルスラッシュ》 GR
スペル フォロワーに2ダメージ
☆《フォーリンショット》 GR
自分の墓場の天使・フォロワー1枚と相手の場のフォロワー1体をEXエリアに置く
※条件を満たす天使が少ないので使えるようになるのはだいぶ後
[EVOLVE]《月下の人狼》 BR
1/2/2+進化1PP 【進化時】【真紅】状態ならフォロワー1体に3ダメージ
※サイズが小さく入れたくない寄りではあるものの、真紅を満たせるカードはSR以下に2枚あるので狙えるようなら。
2コスト
☆《惨禍の円環》 SR
アクト、墓場に置く:乗っている災いカウンターと同じコストの相手の場のフォロワー全てを破壊。
※災いカウンターはアクト効果で1ターンに1個載せられる。なるべく早く出して2~3個で止めておくとよい
☆★《≪運命の輪≫・スロース》 LG
自分のEXエリアにカードが置かれたとき、これをアクト:フォロワー1体破壊
※EXエリアにカードを置けるカードは多く、意外と条件を満たす。《惨禍の円環》でなくてもよいことには注意。
3コスト
《スキュア》 BR
下記から1つチョイスする。自分の墓場のチェス・カードが5枚以上なら、代わりに2つまで。
【1】相手プレイヤーは自身のフォロワー1体を墓場に置く。【2】自分のリーダーは体力+3する。【3】2枚引く。
※2枚引けるのが偉いので、2枚までなら入れておいて問題ない。チェス条件を満たすことはまずない。
《動乱商人・イルミスナ》 GR
3/3/3 アクト:フォロワー1体に3ダメージ。自分の場に「これと同名を除く商人・フォロワー」がいるなら、代わりに5ダメージ
※条件を満たす商人は《エルネスタ》《アルヤスカ》のみ。とはいえ3ダメージで十二分に強い。
☆★《チェックメイト》 GR
スペル 相手フォロワー全体に「自分の墓場のチェス・カードの枚数」と同じダメージ
※チェスのスペル自体は優秀。とはいえ種類が少なすぎてダメージは安定しないので基本入れない寄り。
☆★《タンザナイトコンヴィクター》 GR
3/2/4 (F)自分の場に体力7以上のフォロワーがいるなら、相手の場のフォロワーすべてに4ダメージ
※条件を満たすには基本7コスト以上のフォロワーが必要。あんまり期待しない
[EVOLVE]《水呼びの竜使い》 BR
3/4/4+進化1PP 【進化時】手札1枚を捨てる:フォロワー1体に4ダメージ。アルカナ・カードを捨てたなら、1枚引く。
※BRなので上下揃いやすくよく見ることになるであろうカード。捨てるのはアルカナである必要はないが、できればアルカナを捨てたい。
[EVOLVE]《サルビアパンサー》 SR
3/4/3+進化1PP 【進化時】元のコスト3以下のフォロワー1体を手札に戻す。
[EVOLVE]《トパーズソーディアン》 SR
3/3/4+進化1PP 【進化時】体力3以下のフォロワー1体を破壊。
☆★[EVOLVE]《虐殺のドラゴニュート》 GR
3/4/6+進化3PP 【進化時】自分の消滅領域のカード5枚につき、相手のリーダーすべてと相手の場のフォロワーすべてに2ダメージ。
※進化前のファンファーレで5枚消滅させる以外で増やす手段が皆無。デッキがなくなるので使いたくない寄り。
4コスト
《巨大なる怨念》 BR
スペル 自分のEXエリアに「カード名に『ゴースト』を含むフォロワー」があるなら、コストを-3
フォロワー1体に4ダメージ。それのリーダーに2ダメージ。
※基本除去。コスト軽減効果が入ると《魔導書の書き手》などで使いまわしやすくなり超凶悪。
《喝采の獣使い》 SR
4/3/3 自分のデッキの上3枚を見る。その中から、1枚をEXエリアに置いてよい。残りを好きな順にデッキの下に置く。
これをアクト:フォロワー1体に「自分のEXエリアにあるカードの元のコストの種類数」と同じダメージ
※自分の効果などを合わせてだいたい2~3点は入る。
《天覇風神・フェイラン》 GR
4/2/2 EXエリアからプレイする際、コストを-3する。自分のエンドフェイズに自分の場の他のフォロワーすべては攻撃力+1。
(F)フォロワー1体に4ダメージ
※《森林の狼》とのお手軽コンボが凶悪
5コスト
《ピアッシングエンジェル》 BR
5/5/5 フォロワー1体に3ダメージ
[EVOLVE]《ピアッシングエンジェル》 BR
5/6/6+進化1PP フォロワー1体とそれのリーダーに3ダメージ
※サイズも大きくアドバンテージも取りやすいのですごくよく見ることになるカード。
☆《≪世界≫・ゼルガネイア》 LG
5/5/5 自分の場に他フォロワーがいない場合フォロワー1体破壊、1枚引く
☆[EVOLVE]《ポーションウィザード》 BR
5/5/5+進化1PP【進化時】1つチョイス【1】手札のウィッチカード1枚を捨てる:リーダー体力+5
【2】手札の「ウィッチでないカード」1枚を捨てる:フォロワー1体に5ダメージ
※構築とは違いウィッチカード以外を捨てることのほうが多い
★[EVOLVE]《≪恋人≫・ミルティオ》 LG
5/6/6 【ネクロチャージ_20】でターン終了時に進化
【進化時】コスト2:相手の場のフォロワーすべてを破壊する。相手のリーダーすべての体力を6にする。
※30枚デッキでこの条件を満たすのはしんどいので、使う場合はデッキ枚数を少し増やしておくこと。
6コスト
《エンジェルブレイク》 SR
スペル フォロワー2体まで破壊。自分の墓場に堕天使・カードがあるならリーダー体力+2
★《ドラゴンズタックル》 SR
スペル 相手の場のフォロワーすべてに4ダメージ。自分のデッキの上1枚をEXエリアに置く
※この2枚はSRの複数除去としてよく見ることになるので頭に入れておきたい
7コスト
《無私の貴族》 BR
7/7/6 フォロワー1体破壊。自分の手札をすべて捨て3枚引く。
☆《ソウルボックス》 BR
7/5/4 自分の墓場にスペルがあればフォロワー1体破壊。アミュレットがあるなら相手リーダーに5ダメージ。
[EVOLVE]《先見の神官》 BR
7/4/7+進化1PP 【進化時】フォロワー2体までを破壊。
※見ての通りBR7コストに除去を兼ねたフォロワーが固まっている
8コスト
《デスブリンガー》 GR
8/7/7 フォロワー1体破壊、1枚引く、相手リーダーに2ダメージ
[EVOLVE]《デスブリンガー》 GR
8/8/8+進化1PP フォロワー1体破壊、1枚引く、相手リーダーに2ダメージ
★《真偽の逆転》 GR
スペル 場のカードすべてを破壊する。EXエリアのカードすべてを墓場に置く。自分の手札すべてを捨てる。自分のデッキの上5枚を見る。その中から、好きな枚数EXエリアに置いてよい。残りを墓場に置く。
※GRはパックから8枚出てくるので、特定のGRを持っている確率は大雑把に1/3。つまり3人に一人は打ってくる。
このカードの特性上、お互い持っていた場合は後から打ったほうの勝ちになりやすいのが凄く悩ましいところ。
おわりに
いかかでしたでしょうか。
最初にカードリストを見たときにはどうかと思いましたが、全部を解析してみるとSR以下がオープン8向けに調整されていて、かなり腕も必要な環境になっていると思いました。
参加される方の賞品が1枚でも多くなれば幸いです。
次回コラムはグランプリの結果まとめを予定しています。
それでは、また次回もよろしくお願いいたします。