疾風迅雷・最速の『G2 速攻なるかみ』デッキ
はじめに
皆さまこんにちは、宮浦⑨と申します。
私のコラムでは主に、これからヴァンガードをはじめてみたい、あるいは始めたばかりでまだわからないことが多い。
そんな方がもっと楽しくもっと強くなれるような記事をお伝えしていきたいと思っています。
さて今回のテーマに入る前に、突然ですが皆様はヴァンガードのアニメに登場する「鹿足ヒマリ」というキャラクターをご存じでしょうか。
彼女は「ディバインズ」シリーズの一つ前、「Dress」シリーズに登場したキャラクターです。
公式からのキャラ紹介を以下に抜粋しました。
引用元:カードファイト!! ヴァンガード公式Xより
もちろん、カードゲームは対戦競技。
勝利を目指すのが主な楽しみ方なのは事実です。
しかし、彼女のようにデッキという作品を通して相手を驚かせ、勝ち負け以外のコミュニケーションを交わすこと。
そして、理想を追求して自己満足のゴールを求めること。
それもまたカードゲームの楽しみ方の一つと言えるでしょう。
たとえそれが対戦相手に『地雷』と恐れられることになるとしても……
「初心者の方がもっと強くなれるような記事」と言ったな。すまん、ありゃ嘘だ。
というわけで、今回紹介するのは「地雷デッキ」です!
改めまして、ようこそ。「先導者の横道」へ。
タイトルの通り、普段の初心者向けコラムから横道に逸れ、王道から外れた邪道のデッキレシピを紹介していきたいと思います。
「横道」では真面目さは一旦横に置き、ノリと勢いの軽い感じで行かせていただきます。
デッキレシピ
ライドデッキ
メインデッキ
デッキの概要
はい。「なんだこのデッキは」と思ってそこのあなた。
その感性は間違っていません。強くなるためにも大切にしてください。
「面白そうなデッキ」だなと思ったそこのあなた。
地雷師の素質があります。こちら側に来てください。
さて、このデッキのコンセプトは実は至ってシンプル。
「先攻2ターン目に連続攻撃を叩きこめ!」です
このデッキのキーカードとなるのがこの2枚。
まずこの2枚の能力とそのコンボについて解説していきたいと思います。
まず、一つ目のキーカード「《ライジング・フェニックス》」
このカードは邂逅カードと呼ばれるDスタンより以前『クラン』という枠でデッキが作られていた時代のカードのリメイクで、この霊鳥はドラゴンエンパイアの「なるかみ」というクランに所属していました。
その能力は「あなたのターン中、カードがバインドされた時、SB1でドロップのこのカードをRに登場させる」というもの。
敵でも味方でも構わないのでカードをバインド(バインドゾーンと呼ばれる領域に移動させること。退却とも除外とも異なる)した時に、ドロップから復活して盤面を整えることに一役買ってくれるカードです。
もう一つの起動効果はここではいったん割愛します。
そして、もう一つのカードがこのデッキを完成へと導いた「無幻双刻」の新カード「《インペルキャリッジ・ドラゴン》」です。
このカードが持つのは「アタック終了時、このユニットを裏向きでバインドすることで任意のユニットのパワーを+5000する」という能力。
もうお気づきになられましたね?
そうです。このカードを使うと、バトルフェイズ中にドロップにある《ライジング・フェニックス》をスタンド状態で場に出し、攻撃回数を増やすことが可能なのです。
もしもドロップに《ライジング・フェニックス》が2枚、ソウルが2枚の条件を満たせば、なんと2ターン目から怒涛の連続五回攻撃!
トリガーと相手の手札次第では2ターン目に6点のダメージを与えて勝利することも理論上可能なのです!
そして、この超スピードの速攻によって相手のダメージを4点以上にしたそのタイミングでライドデッキから「《無双の運命者 ヴァルガドラグレス》」にライドし、そのディバインスキルでトドメを刺す!
この一連の流れがこのデッキの理想的な試合展開になります。
採用カード解説
メインデッキ
さて、このデッキの根幹を成しているのは先ほど紹介した2種類のカードですが、ここからはその周囲を固めるカードについても順番に紹介していきましょう。
まず、このデッキのトリガー以外のカードはその役割に応じて大きく三つのグループにわけることができます。
◆1 キーカードを盤面に揃えるためのカード
◆2 連続攻撃の出力を更に高めるためのカード
◆3 《ヴァルガ・ドラグレス》のパワーを高め、フィニッシュ力を与えるためのカード
それぞれのグループごとにカードを紹介していきましょう。
グループ1 キーカードを盤面に揃えるためのカード
この二枚はどちらも「山札の上から複数枚のカードを確認し、ヴァンガードのグレード以下のユニットをコールする能力」があり、これによって山札に眠る《インペルキャリッジ・ドラゴン》を探していきます。
このデッキのカードはG3のカードは2枚しか入っていないため、必ず何かしらのユニットを呼び出すことが可能です。
既に手札に《インペルキャリッジ》があるのなら、後述するグループ2のユニットをコールし、盤面を埋めていきましょう。
また、《ラティーファ》はコストのSBでライドラインに採用している《ライジング・フェニックス》をドロップにおくことができます。
登場時、手札から1枚捨てることで山札から好きなオーダーカードをドロップに置き、ドロップから使用できる効果を与える新規カード。
言い換えると手札の不要な1枚を山札の好きなオーダーカードに変換するカードであり、このカードによって《山岳焼き》を実質8枚体制にすることが可能となりました。
使用したオーダーは山札の下に戻るのですが、《山岳焼き》を使用した場合は「山札からスペリオルコール→シャッフル→オーダーを山札の下に置く→ユニットの登場時能力」の順番なので気をつけましょう。
最終盤はこの能力で山札の《竜魂共鳴》を発動し、《ヴァルガ・ドラグレス》を超強化して行きましょう。
ライドコストとして捨てられた時、SB1で1ドローする能力を持つサイクルカード。
G2ライド時に捨てて《ライジング・フェニックス》をドロップに落としつつドローしていきましょう。
1ターン目に使うと連続攻撃用のソウルが足りなくなるので注意。
グループ2 連続攻撃の出力を更に高めるためのカード
同じ縦列に登場したリアガードのパワーを+5000するG1のユニット。
このカードがあれば後攻になったとしても《ライジング・フェニックス》のパワーが13000となり、攻撃が相手のG2、G3ヴァンガードに届くようになります。
リアガードに登場時、SC1しつつ自身のパワーを+5000するユニット。
単体でのアタッカーとなりつつ、ソウルを増やすことで《ライジング・フェニックス》の蘇生効果の発動回数を増やす役割があります。
《スタティクラック》と組み合わせると更にパワーが上がり、ダメージを与えやすくなるでしょう。
オーダーを使用しているターンはパワー+5000される能力を得るG1。
このデッキは展開の要がオーダーカードなので条件は基本的には満たされているはず。
《ライジング・フェニックス》をブーストした時の合計パワーは21000になり、G2のヴァンガードにダメージトリガーが乗っても攻撃を届かせることが可能になります。
グループ3 ヴァルガドラグレスのパワーを高め、フィニッシュ力を与えるためのカード
ヴァンガードに「スタンドした時、1度だけ前列のパワーを+10000する」能力を与えるオーダーカード。
能力の対象になるのは《ヴァルガ・ドラグレス》だけ、そして《ヴァルガ》の能力の関係上、このデッキではリアガードのパワーを上げることはできません。
ですが、そんなものは関係ありません。
パワー33000となった《ヴァルガ》のディヴァインスキルに全てを託しましょう。
ライドデッキ
このデッキのキーカード。
Vサークルで発揮される能力は一つもありませんが、ライドデッキに採用することで確実にドロップゾーンに用意することが出来ます。
《ライジング・フェニックス》の復活能力はヴァンガードが「なるかみ」のクランを所持していなければいけないため、採用です。
このデッキのG3はなるかみではなく、《ヴァルガ》なのでやはりVサークルで能力は発揮されませんが、諦めましょう。
ロマンには代償がつきものです。
そして、なるかみのライドラインから現れる後詰めの一手。
それが《ヴァルガ・ドラグレス》です。
序盤の連続攻撃によって、早急に相手のダメージを4点以上にし最速のディヴァインスキルで一気に押し込みます。
ちなみにメインデッキに《ヴァルガ》は入っていないのでペルソナライドは発動しませんが、ライドしたターンに勝てば関係ありません。
ファイトの流れ
先攻後攻・手札交換
このデッキは超速攻デッキですので、相手のヴァンガードのパワーは低ければ低いほどよいので、ジャンケンに勝った時は必ず先攻を選びます。
手札交換は基本的には下記の2枚組のどちらかを揃えることを目指します
・《ラティーファ》 + 《山岳焼き》(or《ジャスティーナ》)
・《インペルキャリッジ》 + 《山岳焼き》(or《ジャスティーナ》)
既にこのセットのどちらかが手札にある時はノーマルユニットは全て手札に残し、トリガーとオーダーは全て山札に戻します。
できる限り攻撃に参加できるユニットを多く手札に集めましょう。
ライド時の手札コスト
手札コストはシンプルです。
「基本的にトリガーユニットを最優先で捨てる」
「手札にコンボパーツが揃っていない場合、第2ターンに《カルガフラン》を捨てる」
このルールを遵守するだけです。
トリガーユニットが手札に1枚もない時は、どうすれば一番攻撃回数が増えるかを考えて捨てていきましょう。
序盤
先攻の時は1ターン目はライドだけして何もせずターンエンド。
後攻なら《ジャスティーナ》以外のG1はリアガードにコールして攻撃回数を増やします。
ダメージトリガーが出た時のことは切り捨ててVから攻撃し、トリガーのパワーをリアに与えましょう。
中盤
終盤
そして、3ターン目ですがこのターンは少々複雑です。
というのも、このデッキ『先攻3ターン目にG3にライドするメリット』がほとんどありません。
ライドされた時の能力なども発動しないため、ライドを放棄しても手札の総数は変わらず、違いと言えばドライブチェックの回数が1回多いくらいです。
むしろヴァンガードが「なるかみ」ではなくなるため、一部リアガードが能力を失ったりもしています。
そのため、「もう一度《ライジング・フェニックス》での連続攻撃が出来そうな手札」ならライドを放棄し、G2のままファイトを続けることも視野に入れていきます。
逆に、《インペルキャリッジ・ドラゴン》が手札にない時や、後攻の時は《ヴァルガ・ドラグレス》にライドしツインドライブの恩恵を受けましょう。
この時もケチケチせず、リアガードサークル全てを埋める勢いで展開し、出せる最大の攻撃を行い、ディヴァインスキルで更なる連続攻撃を重ねていきましょう。
相手の手札がどれだけ多くても、オーバートリガーの《ドラグヴェーダ》さえ発動すればワンチャンスがあります。
このデッキの弱点、苦手な相手
まるで短距離走のような通常のデッキを置き去りにするスピード感、それがこのデッキの最大の強みであり楽しいところです。
しかし、このデッキにもやはり明確な弱点、苦手な相手が存在します。
例えば「《レザエル》」や「《ゾルガ》」のようなドロップからユニットを呼び出して戦線を整えるデッキは手札を全て防御に使わせても、反撃を許すため非常に苦手です。
あるいは「《オーバーロード》」のようにヴァンガードの力だけで全てをひっくり返すことができるデッキもやはり押し返される可能性が高いでしょう。
そして、このデッキの最大の弱点。
それは「ダメージトリガーの影響が非常に大きい」ことです。
本来なら4,5ターン分の攻撃を3ターンに圧縮している弊害ですね。
ですが、対策は簡単です。天に祈りましょう。
ダメージトリガーが0なら勝利は目前です。
さいごに
ここまでお付き合いありがとうございました。
ぶっちゃけてしまうと「地雷デッキ」というのは安定して勝てるデッキとは言えません。
特にデッキの内容がほぼバレている友人とのフリーファイトは回数を重ねるごとに厳しくなるでしょう。
ですが、こんな風に誰も使わないコンボやカードを主軸にしたデッキで遊ぶのも気分転換になって楽しいものです。
たまーに、冗談のつもりが使ってみると実戦級のコンボだったなんてこともあります……百回に一回くらいは。
なにより「自分だけの最強デッキ」が完成した時の快感と高揚感は一度味わうともう抜け出せません。
今後も不定期に『地雷デッキ紹介』をしていきたいなと思っておりますので、皆様もぜひオリジナル地雷デッキを作ってみてください!
それではご拝読ありがとうございました。