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2024.2.7

【第55章】親子の絆 | プラズマの未開地探求録

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【第55章】親子の絆 | プラズマの未開地探求録
目次

継承

親から子へ。


2017年、デュエル・マスターズは一つの転換期を迎える。


主人公は切札勝太から切札ジョーへと、親から子へと移り変わった。


それに伴い、登場する種族や世界観も一新され、”新DM”と呼ぶに相応しいほどの、新たなデュエル・マスターズが幕を開けた。


同年に開かれたグランプリでは、新進気鋭のジョーカーズが決勝戦へと駒を進め、当時、爆発的な攻撃力を誇った《モルトNEXT》と互角の勝負を見せた。


それは奇しくも、前主人公の切札勝太の切札VS新主人公の切札ジョーの切札、という構図でもあった。


あれから7年。その親子の対面は、最も冒涜的な形で完成する事となる。

《頂上電融 ジョルト・ザ・ジョクスト4th》


グランプリ4thの優勝・準優勝のデッキのエースカードをディスペクターとして合体させて誕生した、異形のクリーチャーである。


その能力はというと、合体元のクリーチャー2体の能力を足して2で割ったと言って差し支えないもの。


注目すべきは、《ジョリー・ザ・ジョニー》と同じような、攻撃の終わりに相手のクリーチャーとシールドが無ければ勝利するという、特殊勝利能力だ。


一見、この状況に追い込めば勝ったも同然と思うかもしれない。


しかし、昨今では《百鬼の邪王門》《一王二命三眼槍》といったカードが存在するため、この状況で勝ちになるというのも、侮れない能力なのである。


この能力を補助するかのように、このクリーチャーはアタック時、相手のクリーチャー1体とバトルする能力を持っている。


そのうえ、《モルトNEXT》のように、条件を達成すれば2回アタックも可能だ。


しかし、そのまま使ってもシールドを4枚しかブレイクできないため、シールドが1枚残ってしまう。


それだけでなく、2回アタックをするためにはデッキ構築から寄せる必要があり、非常に扱いの難しいクリーチャーだ。


今回は、このクリーチャーを使ってデッキを考えてみよう。

引き金は2度引く

毎度のごとく、まずは能力などを確認しておこう。


今回は特殊セットに収録されていたという事もあり、他のカードとのシナジーより、単体としてのデザインを重視して作られたカードだ。


カードのスペックを読み解き、そこからデッキを組み上げるためには、ビルダーの腕が試される。

水・火・自然の3色で、コストは7。パワーは、ちょうど10000。

スピードアタッカーとW・ブレイカーを持ち、ブロックされないという、確実にアタックを通す親切設計。

その上、アタック時に相手クリーチャー1体とバトルし、ターン最初にタップされた際、ドラゴンかジョーカーズがマナに合計5枚以上あれば、アンタップする事ができる。

要するに、マナにドラゴンまたはジョーカーズが合計5枚以上あれば、ターン中2回アタック可能、という事である。

極めつけは、アタックの終わりに相手のシールドとクリーチャーが無ければ、そのまま勝利するという能力。

これを狙って達成できれば理想的だが、過去の《ジョリー・ザ・ジョニー》の例から考えるに、達成は難しい。

特殊勝利条件に関しては、相手のシールドとクリーチャー、両方を処理する必要がある。


あと一歩でとどめを刺せるという条件のため、狙って達成するというのはあまり現実的では無いだろう。


が、状況によっては勝利を狙える場面もあるので、プレイする際は覚えておくべき能力だ。


勝ち筋というのは、多い方が良いに決まっている。




さて、特殊勝利をメインに据えないとすると、このカードの運用としては、


・2回アタックが可能

・アタック時に相手クリーチャーとバトルが可能


という2点を軸に考えていく事になる。


この中で、2回のアタックが可能という点は他にもライバルが多く居るため、ここはアタック時に相手クリーチャーとバトルが可能、という点に注目してみよう。


と言いたいところだが、アタック時にバトルが可能なクリーチャーも、ライバルが多い。


こちらも激戦区と言って差し支え無いだろう。

そうなってくると、一体どういった強みを活かせば良いのか、分からなくなってくる。


2回アタックとアタック時にバトルというのは噛み合っているが、単に2回バトルするという点を見れば、《”乱振”舞神 G・W・D》《ボルシャック・ガラワルド》でも可能だ。


しかも、あちらはバトルに勝つとドローまで出来るうえ、コスト軽減まで持っている。


どこからどう見ても、正面から戦って勝てる見込みは無い。


そのため、全く違う視点から、相性の良いカードを探す必要があるのだ。




このカードの注目すべき点は、ある。


それは種族だ。


このクリーチャーは、グランプリの優勝・準優勝をモチーフにしたディスペクターだ。


そう、ディスペクターなのだ。


ディスペクターといえば、それぞれに必殺技であるアタック・チャンス呪文が実装されている。

《ジョルト・ザ・ジョクスト》は、電融のディスペクター、すなわち自然の3色。


このディスペクターに用意されたアタック・チャンス呪文といえば

《禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ》だ。


条件は、水・火・自然の3色全てを持つディスペクターがアタックする時、と少々厳しい条件になっている。


が、マナからの踏み倒しとマナ加速、相手クリーチャーとのバトル、自分のクリーチャーがブロックされなくなる、という至れり尽くせりな呪文だ。


もしや、このカードで何か相性の良いクリーチャーを出す事で、ライバル達と差をつけられるのではないだろうか?


突破口が見えたところで、相性の良いカードを探してみよう。

戦闘狂を探し出す

《エターナルプレミアムズ》で相性の良いクリーチャーを踏み倒す、という点は決まった。


次の問題は、何を踏み倒すか、だ。


このカードと相性の良いクリーチャーとは、要するに、他のディスペクターとの組み合わせでは実現できないコンボが可能なカード、という事だ。


もちろん、他のディスペクターとの組み合わせでも実現できて良いが、《ジョルト・ザ・ジョクスト》を使う意味を薄めてしまうようであれば、それは最適解とは言えない。


このカードの強みを活かせるとすれば、それはバトルに関係した能力を持つクリーチャーになるだろう。


バトルを補助するカードか、あるいはバトルに勝つ事で何かが起こるクリーチャーであれば、このカードと相性が良いと言える。


《エターナルプレミアムズ》にもバトルさせる効果があるので、それも相まって効果は2倍になるのだ。


自身のクリーチャーがバトルに勝った事でトリガーする能力を持つクリーチャー。


この条件を満たすクリーチャーを探したところ、かなり数が少ない。


というのも、バトルに勝った時にトリガーする能力は、大抵の場合、そのクリーチャー自身がバトルに勝った時にトリガーする事が多いのだ。


自分の他のクリーチャーがバトルに勝った時にもトリガーするカードは、実に少ない。


その中で最初に思いついたのは、《爆打者 猛トラック》だ。

自分の火のクリーチャーがバトルに勝つたび、カードを1枚引く事ができる。


要するに《ジョルト・ザ・ジョクスト》で攻撃すれば、1ドローが可能、ということだ。


確かに相性は良い。


だが、やっている事は《”乱振”舞神G・W・D》と大差ない。


むしろ、使っているカードの枚数が多い分、こちらの方がハードルが上がってしまっている。


それに《爆打者 猛トラック》自身のパワーは3000と非常に低く、単体での運用が求められる状況に陥った際、弱点にもなりうる。




単体でも戦えるスペックを誇り、《ジョルト・ザ・ジョクスト》+《エターナル・プレミアムズ》で輝けるカードは無いのか?


実は、そんな難題にも見える条件を解決するカードが、最近登場していたのだった。

そんな凄いカードが、《サケビ・ポエムシャウター》だ。


ツインパクト・クリーチャーであるこのカードは、自分のクリーチャーがバトルに勝つと、バトルゾーンに置いた状態で呪文側を唱える事ができる。


そして、この呪文側の効果は、バトルゾーンにあるクリーチャー1体をアンタップし、シールド1つをブレイクできる、というものだ。


簡潔に言ってしまえば、コストが重い代わりに範囲が広くなってオマケが付いた《無限掌》である。


このカード、自身のパワーもバトル中は9000まで上昇するため、最悪自分で相手のクリーチャーをなぎ倒し、相手のシールドを次々に割っていく事も可能だ。


そのうえ、《ジョルト・ザ・ジョクスト》と組み合わせると、瞬く間に相手のバトルゾーンを壊滅させつつ、シールドをブレイクしていく事ができる。


という事は、条件の達成が難しく思えた特殊勝利も、十分に視野に入れる事が可能になるだろう。


相手に特殊勝利をチラつかせ、除去を《ジョルト・ザ・ジョクスト》に向けさせたとしても、《サケビ・ポエムシャウター》自身もスピードアタッカーであるため、追撃が可能だ。


これほど相性の良いカードは、他に無いだろう。これで、デッキのギミックは揃った。

デッキリスト

4

3

1

4

4

4

4

4

4

4

4

完成したリストが、こちらになる。


目指す事は、《ジョルト・ザ・ジョクスト》+《エターナル・プレミアムズ》《サケビ・ポエムシャウター》を踏み倒し、次々と相手クリーチャーとバトルしていく事だ。


バトルに勝つ事で《サケビ・ポエムシャウター》の呪文側《♪いつまでも オレ様の歌は 終わらねぇ》を唱え、アタックした《ジョルト・ザ・ジョクスト》をアンタップする事が可能になっている。


これにより、再び《ジョルト・ザ・ジョクスト》がアタック、アタック時の効果でバトル、バトルに勝ったのでアンタップ、という事が可能だ。


ついでに、《♪いつまでも オレ様の歌は 終わらねぇ》によって、相手のシールドも次々に割れていくので、相手のクリーチャーを制圧できるのであれば、《ジョルト・ザ・ジョクスト》による特殊勝利も狙っていく事が可能になっている。


特殊勝利を目指す意味合いは薄いように見えるが、例えば最後のシールドからG・ストライクが出てきてとどめを刺せない、という状況でも無理やり勝利する事が可能だ。


この点を忘れず意識しておくと、ケアしなければならないトリガーの種類を減らせるため、狙えるなら積極的に狙おう。




また、《ジョルト・ザ・ジョクスト》だけでなく、《真槍電融 ソウル・ヴァイラックス》も搭載している。


こちらでも《エターナルプレミアムズ》を唱える事が出来るうえ、2回アタックするだけで、相手のシールドを全て割り切る事が可能だ。


しかもマッハファイターを持っているため、相手の横並びしたクリーチャーに攻撃する事で、一気に盤面の制圧まで可能になっている。


加えて、パワーが《ジョルト・ザ・ジョクスト》より高いため、相手の打点が高い場合は、こちらを使うと良いだろう。




このデッキは大型クリーチャーをフィニッシャーにしているが、マナ加速は控えめだ。


その理由は、ササゲール能力を持ち、かつマナ加速ができる2種類のディスタスの存在にある。


《龍魂珠》《アジサイ-2》は、どちらもササゲール2を持つクリーチャー。


という事は、これら2種のクリーチャーを犠牲にする事で《ジョルト・ザ・ジョクスト》を5コストで召喚することが可能になる。


これら2種類が4コスト、しかもマナを1枚増やすという事で、次のターンにはマナチャージなしで《ジョルト・ザ・ジョクスト》へとつなげる事が可能になるのだ。


少し動きは遅いかもしれないが、そこは《オニカマス》による踏み倒しの牽制と、強力なシールド・トリガーで相手の攻撃を抑え込み、時間を稼ごう。


特に《爆殺!!覇悪怒楽苦》は、ディスペクターを一気に戦場へ引きずり出す事も可能だ。


ただし、破壊し過ぎるとバトル対象が居なくなってしまうので、破壊する数は考えるようにしよう。


このデッキは、相手のクリーチャーが並べば並ぶほど、その威力を増すと言ってもいい。


その戦い方はまさに、一撃で戦局をひっくり返すという、切札家の親子の戦い方を合体させたものになるだろう。

終わりに

デュエパーティのデッキが発売して間もないが、良い感じに出来てしまった構築があったので、とりあえず今回は、このデッキを紹介してみた。


普段はあまり使われていないカードであっても、他のカードと組み合わせる事で、あっと驚くようなコンボが形成できるという良い事例なのではないかと思う。


世の中には、こういう組み合わせが大量に眠っているはずなのだが、なかなか気づく事は難しいものだ。


しかし、気付ける人というものは少なからず居る。


特に、特定のデッキを愛用し続けているプレイヤーなどは、そういったカードに気付く事が多い。


そのデッキと相性の良いカードに限定されるが、時にはその発見が、大きな潮流となる事もあるのだ。


好きなカードを忘れないでいる事も、時には大事なのだろう。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ