はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は水火【マジック】
「魔覇革命」でのデッキ成立以降環境の速攻デッキ筆頭としてトップをひた走るデッキタイプで、12月に発売された最新弾「竜皇神爆輝」でも順当な強化を受けました。
強力なドローソースを獲得して構築の常識が変わりつつある水火【マジック】について、基礎から解説していきたいと思います!
水火【マジック】のサンプル構築
水火【マジック】ってどんなデッキ?
軽量のマジッククリーチャーから《芸魔陰狐 カラクリバーシ》へ、《芸魔陰狐 カラクリバーシ》から《芸魔王将 カクメイジン》へと流れるように革命チェンジ。呪文踏み倒し能力を駆使して素早くゲームを決める、現環境におけるビートダウンデッキの最高峰です。
《芸魔陰狐 カラクリバーシ》と《芸魔王将 カクメイジン》のどちらも《瞬閃と疾駆と双撃の決断》をノーコストで唱えられるため、攻撃中のクリーチャーをアンタップさせたり軽量クリーチャーを踏み倒したりが自由自在に。
3ターン目に《芸魔陰狐 カラクリバーシ》を革命チェンジで出して、登場時能力で《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱えて攻撃終了後にアンタップさせて、アンタップした《芸魔陰狐 カラクリバーシ》の攻撃時に《芸魔王将 カクメイジン》へとチェンジして、ブレイク前の能力で墓地の《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱えて攻撃終了時にアンタップさせて……と流れるように革命チェンジを連打しつつ、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の余ったモードで手札の軽量マジックを踏み倒して打点を形成する流れが鉄板です。
《芸魔王将 カクメイジン》は味方マジック全体へのスピードアタッカー付与能力も持っており、攻撃できるクリーチャーが1体しかバトルゾーンにいない状況からでも手札さえ整っていれば瞬く間にリーサル打点が組み上がります。《芸魔陰狐 カラクリバーシ》にさえ革命チェンジできればそのまま相手を倒せるため、順当に回れば3〜4ターン目にはゲームを決着させられる火力を有するデッキです。
単に速度を出すだけであれば他にも張り合えるデッキはありますが、【水火マジック】はアグロデッキながら手札を整えるアクションが多く、山札の回転効率やハンドリソース確保にも長けているのが最大の武器だと言えるでしょう。
3枚コンボではあるものの、2ターン目・3ターン目と続けて山札を掘り進めるアクションを取れることもザラにあるため、3ターンリーサル発生率は十分に現実的。そうでなくとも豊富な手札調整で状況に合わせたカードを持ってきたり、除去札で相手の出方を遅らせてから4ターン目に走ったりといった柔軟な動きに切り替えられます。
手札コンボ気味に動くメインプランの再現性向上に繋がるのはもちろんのこと、手札を減らさないおかげで消耗戦もある程度まではこなせ、デッキを掘り進めやすいが高いために1枚挿しのカードも活かしやすいので構築の幅が見た目以上に広いデッキです。
《芸魔王将 カクメイジン》の「ブレイク前」という能力誘発条件の都合上ブロッカーにあまり強くなかったり、そもそも革命チェンジできなくなる踏み倒しメタに足止めを喰らったり、トリガーを割り切ってシールドを踏みに行かなければならない状況も多々あったり……弱点も多いデッキではあるものの、それを補ってあまりある速度・突破力と豊富なドローソースに裏打ちされた継戦能力・対応力を有しているのが【水火マジック】の強さの秘訣と言えるでしょう。
前環境からの変更点
第4弾「竜皇神爆輝」の発売によって大きく変わった部分といえば、やはり《氷柱と炎弧の決断》の加入でしょう。
水/火の多色パーフェクト呪文として新たに登場したこのカードは下馬評通り、どころかそれ以上に【水火マジック】との強い噛み合いを発揮しています。
何よりも優秀なのは、「1枚捨てて2枚引く」モードを2回使うことで3マナで4枚もの山札を掘り進めつつ手札を1枚増やせる点。差し引きの手札枚数だけで見れば単なる3マナ2ドローとさして変わらないものの、3マナで4枚を公開領域に落とせるデッキの掘削効率は殿堂カードの《ストリーミング・シェイパー》にも匹敵するスペック。必要に応じて火文明単色のカードを抱え込める柔軟性や不要牌を処理できる効率の良さを加味すれば、「手札の質を高く保つこと」に非常に長けたカードだと言えるでしょう。
コスト2以下のエレメントを踏み倒すモードや相手クリーチャーの攻撃・ブロックを封じるいわゆる「プリン効果」のモードで盤面に干渉する力もかなり高く、さらには墓地に呪文2枚(もちろんツインパクトも可)という非常にゆるい条件でS・トリガーを得られるため受け札としても非常に有用。
まさに走攻守揃った万能選手です。
コスト2以下のクリーチャーを踏み倒せることに加えて、「2ターン目にクリーチャーを出してから3ターン目に《氷柱と炎弧の決断》で4ドローして革命チェンジ開始」という流れが極めて強力なため、この呪文の登場以降【水火マジック】におけるコスト2以下のクリーチャーの価値は大幅に向上。
反面、コスト3のクリーチャーは立場を追いやられる形に。これまで不動の4枚採用だった《ボン・キゴマイム》や《灼熱の演奏 テスタロッサ》の枚数を削るのが一般的になってきています。
また、その流れを受けて発売直後から評価が上がったのが《イシカワ・ハンドシーカー/♪聞くだけで 才能バレる このチューン》。《AQvibrato》・《歌舞音愛 ヒメカット》の鉄板2コス域に加えて採用する9、10枚目のコスト2クリーチャーとして最も有力なカードです。
メガ・ラスト・バーストで手札を入れ替えられるため革命チェンジのタネとしてシンプルに優秀。さらにはブロッカーまで持っているため、ミラーマッチをはじめとした攻めてくる相手に対してはリソース・テンポを損失せずに打点を受け止める壁として機能します。
個々の仕事量自体は決して大きくないものの、やれることの多さと噛み合わせの良さで戦力に寄与するいぶし銀の1枚です。
水火【マジック】に採用されるカードについて
【水火マジック】に欠かせない1ドロー付き小型クリーチャー。
際立った仕事があるわけではありませんが、コスト2と軽いうえに登場するだけで即座に仕事を行えるので特に何も難しく考えずに気軽に置いていけるのは唯一無二のメリットです。
マジック・フレンド・バーストでテンポよく使える呪文面が光る2マナマジッククリーチャー。
他のクリーチャーをタップするコスト自体は決して安くないものの、わずか2マナで相手のエレメントを2面バウンスできるのはコストパフォーマンス◎。メタクリーチャーの一時対処から踏み倒して出てきた大型クリーチャー、果てはフィールドやタマシードなどの置物までカードタイプ・コストを問わずにバウンスできるので、幅広い場面を対処できるのが最大の魅力です。
新戦力の《氷柱と炎弧の決断》との相性は極めて良く、2マナ→3マナの流れはもちろん、トリガーでこのクリーチャーを踏み倒してフレンド・バーストで一気に2面を返す流れが受けとしてなかなかに凶悪。
ドロー能力は能動的には使いづらいものの、お互いにルーターを多用するミラーマッチ等では置いておくだけで圧がかかる厄介な存在になります。
9枚目以降の追加2マナ域として採用される「竜皇神爆輝」収録のニューフェイス。
能動的にバトルゾーンを離れやすいブロッカーとメガ・ラスト・バーストとの相性の良さは言わずもがな、さらには攻撃までできるので革命チェンジでも誘発可能。
唱える呪文も2枚ドロー1枚捨てとハデさには欠けるものの状況を選ばず、初動で置いた返しに除去されてもアドバンテージを得られるなど、トータルスペックと合わせてクセなく使える優秀さが何よりの魅力でしょう。
個々の仕事量は小さくとも、優秀な要素が詰め込まれていればカードとして強く使える好例とも言える1枚です。
詰めの場面で横に添えておくことで、除去やG・ストライクを吸い込んでくれる優秀なフィニッシュ補助要員。
シールドに埋まっていてもアドバンテージの減らない受け札として使えるため、防御力の底上げにも寄与してくれます。
《氷柱と炎弧の決断》の追加で2マナ域の取り回しがよくなったことや、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》の枚数が減ってマジックでないデメリットが相対的に薄くなったのが追い風となって扱いやすさはさらに増しています。
【水火マジック】の根幹を為す《芸魔陰狐 カラクリバーシ》→《芸魔王将 カクメイジン》ラインを密接に繋げるキースペル。
踏み倒し・スピードアタッカー付与・味方1体への攻撃終了時アンタップ付与の全てがデッキの方向性と噛み合っており、火力を出すことに置いては3マナの呪文とは思えないほどの圧倒的な優位性を持っています。
特にアンタップ付与は「攻撃終了時」をトリガーとする遅延誘発型能力なので、クリーチャーの攻撃中にこの呪文を唱えれば攻撃が終了した後にそのクリーチャーをアンタップできます。《芸魔陰狐 カラクリバーシ》・《芸魔王将 カクメイジン》は言うまでもなくともに攻撃中に呪文を唱えられるクリーチャーなので、流れるようにアンタップと革命チェンジを繰り返して打点を伸ばしていけます。
一方、単体で盤面やリソースに干渉することはなく、打点を爆発的に伸ばすこと以外はできないカードであるため、後生大事に抱えていると時として邪魔になってしまう点には留意しておきましょう。
軽量クリーチャーから《芸魔陰狐 カラクリバーシ》にチェンジする展開にならなさそうなら無理に抱えておかず、《Napo獅子-Vi無粋》や素出しした《芸魔陰狐 カラクリバーシ》から直接《芸魔王将 カクメイジン》にチェンジして墓地から唱えていくのもひとつの選択肢です。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》とはうってかわって、ドローから盤面干渉、コスト踏み倒しと柔軟性に富んだ対応力が武器の《氷柱と炎弧の決断》。
特に1枚捨てて2枚引くルーティングモードの存在が非常に大きく、このおかげでどんな状況であっても最低限アドバンテージを稼げるカードとして機能することで役割を失う場面はほとんどありません。
立ち上がりに2マナクリーチャーをバトルゾーンに出したあと3マナでルーティングを2回使うだけでも、手札2枚を整理しながら4枚山札を掘り進めてくれるうえ、手札の枚数もしっかり増えているため質・量ともに文句なし。
十分に手札が確保できていたり、《芸魔王将 カクメイジン》の能力で唱えたりする場合は手札のクリーチャーを打点に変換もできますし、逆に《芸魔陰狐 カラクリバーシ》を手出しした際に登場時能力で唱えれば相手のブロッカーを止めて《芸魔王将 カクメイジン》を通しにいけるなど、状況に応じて使い方を変えられる、かゆいところに手が届くパーフェクト呪文です。
多色パーフェクト呪文特有の自己踏み倒し・軽減能力は墓地の呪文枚数に紐づいたS・トリガー付与。2枚という非常に軽い条件でトリガーになり、攻撃を止める効果や踏み倒し効果と組み合わせて受け札として機能します。もちろん相手の打点を無理に止める必要がない場面ではルーティングモードで使って返しのコンボを確実なものにする選択肢もあり。
多色がやや重くはあるものの、それでも4枚採用するだけの価値があるカードです。
手札を減らさずにデッキを回転させつつ、出たターンに走って革命チェンジコンボを決められる唯一無二のスピードアタッカー。
以前の構築では間違いなくデッキの中核を担うキーパーツの1枚でしたが、《氷柱と炎弧の決断》の採用でメインの動きが2マナクリーチャーからのチェンジに変わったほか、デッキ内の非マジック比率が高まったこともあって採用率がやや低下中です。
とはいえこのクリーチャー1体からお願いダッシュができる場面が多いことには変わりなく、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》でアンタップを付与するついでに出すカードとしてはなんだかんだで最高峰。
元からスピードアタッカーを持っているため、《芸魔王将 カクメイジン》が除去されても手札に戻ってきているはずの《芸魔陰狐 カラクリバーシ》にこのクリーチャーからチェンジするだけで再展開に持ち込みやすいのは、ほとんど変えが効かない明確な強みです。
枚数自体は2〜3枚まで減ってデッキのコアパーツとは言いがたくなったものの、やはり重要なカードであることには変わりないでしょう。
フィニッシュに向かう革命チェンジの起点となるキーパーツその①。
どうしてもワンショットコンボに意識が向いてしまいますが、2コス域のマジック・クリーチャーから3ターン目に革命チェンジして1ドロー+コスト3相当の呪文をタダ撃ちできるのは《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が絡まずとも十二分に優秀です。
アドバンテージ源としての《芸魔陰狐 カラクリバーシ》の強さは、強力なドローソースである《氷柱と炎弧の決断》の加入でさらに加速。返すターンでの除去を強要しつつ一気に山札を掘り進めて二の矢、三の矢をつがえれば、相手にかかるプレッシャーは尋常ではありません。
きちんと素でスピードアタッカーを持っているため、バウンスや《氷柱と炎弧の決断》で相手の盤面を止めて5マナ払って召喚・即革命チェンジして手札に《瞬閃と疾駆と双撃の決断》がない状態からワンショットに向かうパターンもあるなど、最速展開プランからロングレンジまで多角的に使える1枚です。
ザ・フィニッシャーと呼ぶほかない強烈なゲームエンド能力を携える、本デッキのキーパーツその②。
自軍のマジック・クリーチャーへのスピードアタッカー付与にシールドブレイク前の呪文踏み倒しと、要素を抜き出してみれば意外とシンプルながら、揃ってゲームを終わらせる方向を向いているのが非常に強烈。
特にW・ブレイカーということで都合2回誘発する呪文踏み倒し能力は、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を使った打点増強と《「本日のラッキーナンバー!」》を絡めた封殺プランのどちらにも絡むため、相手に止める手立てがなければ一瞬でゲームを決着させるほどの瞬間火力を弾き出すこのクリーチャーの強さの根源。
とはいえ攻撃一辺倒かといえばそんなこともなく、唱える呪文の組み合わせを変えればリソースを拡充したり相手の盤面に干渉して返しでのリーサルを止めたりといった立ち回りも可能で、詰め切れない局面にも対応していく柔軟性の高さを秘めています。
マジック・クリーチャーへのスピードアタッカー付与も言うまでもなく超強力。《瞬閃と疾駆と双撃の決断》や《氷柱と炎弧の決断》で踏み倒したクリーチャーが即座に走り出すため簡単に打点を追加できます。G・ストライクなどで止められるだけなら横のクリーチャーを起点に革命チェンジできる点が嬉しいですね。
ブロッカーやメタクリーチャーに弱い点は相変わらずですが、決定力が一級品であることもまた同じ……どころか《氷柱と炎弧の決断》が追加されて拍車がかかったとさえ言えるでしょう。うまくバックアップして通すだけの価値は十分以上にあるフィニッシャーです。
4マナ貯める必要はあるものの、手札2枚と引き換えにコストを支払わずに召喚できるスピードアタッカーのマジック・アウトレイジMAX。
特にメタクリーチャーやブロッカーを早期に出されて一直線なメインプランを潰される展開で、2ターン目・3ターン目・4ターン目と立て続けにドローソースを使って十分な手札を確保してから代替コストで召喚し、相手の妨害要員を除去しながら革命チェンジの起点になる流れが想定される使い方。最低限除去とスピードアタッカーは持っているため、4マナ払って動き出す展開でも十分な仕事量だといえます。
従来も汎用性の高い除去札として採用されることはありましたが、手札コストが大きなネックとなっていたため見た目以上に取り回しに難のある1枚でした。しかし、3コスト域に《氷柱と炎弧の決断》という強力なドローソースが追加されたことで手札確保がこれまで以上に容易になり、このカードの評価もやにわに上がっています。
貴重な呪文ではない確定除去手段ということで、呪文ロックを仕掛けてくるクリーチャーに対しては明確にして唯一の回答となりがちです。相手次第ではしっかり手札に抱えておいて、狙いすまして出すのが良いでしょう。
いまだに強力であることには変わりないものの、デッキの速度感の変化に合わせて採用数が絞られてきた現代デュエル・マスターズを代表するメタクリーチャー。
デッキの動きの軸が2ターン目クリーチャー着地→3ターン目ドロー+革命チェンジに移ったことで3マナでメタクリーチャーを置いて展開を落ち着ける必要性が薄まったことが、枚数が減りつつある最大の要因だと考えられます。
また、環境上最速の立ち位置にいるのがこのデッキ自身ということもあり、どちらかといえば対応志向のカードを採用するよりも攻めの面で活躍するカードをより多く採用したい、ということも理由のひとつとして挙げられそうです。
攻撃・ブロックを止める下面の呪文に関しても、《氷柱と炎弧の決断》が同じ役割を持つカードとして綺麗に収まっています。
もっとも、上も下も強力なカードであることには間違いありません。
上面はスピードアタッカー・進化クリーチャー・マッハファイターを十把一絡げに対策できる強力無比なメタクリーチャーですし、下面も近しい役割のカードこそ登場しましたが、厄介なブロッカー多面展開に対して非常に有効ですし、クリーチャーを選ばないため《同期の妖精》に吸われずに狙った相手の攻撃・ブロックを止められます。
現状では採用枚数が減少傾向にありつつあるものの、環境の変化に合わせて枚数を検討したい1枚です。
「マジック・クリーチャーがバトルゾーンにあれば」の但し書きは付いてしまうものの、最速で4ターン目に手札から召喚して《芸魔王将 カクメイジン》に直接チェンジできる唯一のクリーチャー。
5ターン目以降も素のパワー6000のおかげで《飛翔龍 5000VT》の影響を受けなかったり、呪文面が小型獣をまとめて除去するのに優秀だったりと、何かと独自性の高い強みを有するクリーチャーです。
メガ・ラスト・バーストはややクセが強いものの、特に小型ブロッカーが数多く並ぶ状況ではかなり有用。エレメント対象なので【水魔導具】などのフィールド、火自然【アポロヌス】のタマシードなどを革命チェンジしながら除去して返しのリーサルを限りなく牽制できる点は優秀だと言えそうです。
手札1枚から最大4枚のカードを生み出す、量的な最大アドバンテージではダントツでトップの殿堂カード。
質と量のバランスに優れ汎用性も高い《氷柱と炎弧の決断》が加入したため以前ほど必須の感はないものの、3マナドローソースが多い分には困らないため基本的には採用される場合が多いです。
多色が増えた分火文明単色カードの採用数が相対的に減っているため、アドバンテージ量を確保しやすいのも嬉しいところ。手札の枚数が要求される《強瀾怒闘 キューブリック》を運用しやすくなるのは明確なメリットと言えそうです。
特定の対面において詰めのキーカードとなる《単騎連射 マグナム》が落ちてしまうリスクにだけは要注意。
対面やタイミング次第で効果にムラがあるものの、プレイングや構築の段階から対策が必須になるという意味では間違いなく現在のオリジナル環境を定義している1枚。
非常に強力なことには間違いないのですが、乗り越えるプレイングや《DARK MATERIAL COMPLEX》の台頭によって、ただ入れるだけで確実な仕事ができるとは限らなくなってきました。
そもそも1枚積みのカードにアクセスしやすいデッキということもあって採用枚数自体は抑えられることが多いですが、相手の《飛翔龍 5000VT》の返しに出せるクリーチャーとして《Napo獅子-Vi無粋》と並んでわかりやすく、広範囲の除去+ロックで他のカードではどうにもならない局面を打開しうるカードなので、可能であれば1枚は採用しておきたいところです。
ピン採用の定番フィニッシュ補助パーツ2種。環境次第で《ファイナル・ストップ》が入ったり入らなかったりしますが、現環境ではこれら2種に《同期の妖精》を合わせた4枚で受け札をケアしながら詰めていくのが一般的です。
《「本日のラッキーナンバー!」》はコスト3以下の呪文ということで非常に取り回しがよく、《芸魔陰狐 カラクリバーシ》や《芸魔王将 カクメイジン》から気軽にキャスト可能なロックカード。
手札からも墓地からもアクセスできるため、ひとつ止めれば十分な相手ならルーティングで墓地に逃して手札の質を高め、ガッツリトリガーをケアしたい相手には手札から唱えた後に《芸魔王将 カクメイジン》の能力で墓地から唱える二重宣言プランも視野に入ります。
ひとまず手札から唱えて相手のキーカードを止めることでターンをもらい、次のターンに4〜5マナから走り出すプランもあるなど、トリガーケアとしてみればややクセが強いものの使い方次第で幅広いゲームプランを支えてくれる優秀な1枚です。
一方の《単騎連射 マグナム》はクリーチャーを用いた受け全般を1体でほぼ完封できるものの、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》経由で手札から出す以外にテンポ良くプレイする手段がない点がややネックでしょう。
墓地に落ちてしまうと基本的に拾い上げる手段がないため、必要な対面かどうか判断がつくまではルーティングで捨てづらく、墓地に落ちてしまうリスクのある《ストリーミング・シェイパー》も撃ちづらいのが正直なところです。
とはいえ、強力なトリガークリーチャーや踏み倒しトリガーの飛び交う現代デュエル・マスターズにおいては非常に頼れる1枚。取り扱いに注意して有効に使っていきましょう。
おわりに
というわけで今回は水火【マジック】について解説していきました。
情報公開時から《氷柱と炎弧の決断》は強いカードだとは思っていましたが、ここまで大きく構築が変化するのは完全に予想を上回ってきましたね!
新規のマジック革命チェンジを差し置いてデッキに入るのは流石パーフェクト呪文の系譜、というべき汎用性の賜物でしょう。とにかく状況を選ばず確実にアドバンテージを得られるルーティングモードの存在が非常に強く、このモードを2回使うだけでも使用実績のある《「伝説のサイバーパワー!」》を上回るドロースペル。
そこに状況に合わせて選べる盤面干渉モードが2つ付いてきて条件次第でS・トリガーまで、とあっては驚異的なスペックというほかありません。
効率のいいドローソースの追加で、メインコンボの再現性・メインが通らなかった際の継戦能力の両面からデッキとしてのパワーが底上げされ、水火【マジック】はいよいよ押しも押されもせぬTier1へと躍り出た印象です。使うにせよ対策するにせよ、是非ともマークしておきたいデッキの筆頭であることは間違いないでしょう。
それでは、また次回お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひX(旧Twitter)でのシェアをお願いします!