はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は闇自然【アビス】
最新弾でフィーチャーされた新テーマが堂々の環境入り! これまでのアビスとはガラッと様相を変えつつも、どこか近しい雰囲気を残した面白い仕上がりになっています。
メクレイドと革命チェンジ、アビスレボリューションの2大ギミックを存分に楽しめる闇自然【アビス】について、基礎から解説していきたいと思います!
闇自然【アビス】のサンプル構築
闇自然【アビス】ってどんなデッキ?
「ビクトリーBEST」で顔見せ・「魔覇革命」で本格的に登場した自然文明のアビスを組み込み、全く異なる姿へと生まれ変わった最新の【アビス】デッキです。
基本となる動きは2→4の古典的な動き。
大前提として、デュエル・マスターズにおいてコスト4の動きはコスト5域と比べると大幅に劣る設計になっています。というのも、コスト4は2ターン目のマナブーストから安定して3ターン目にプレイできることから、あまり強くしすぎるとゲームの速度が一気に向上してしまうため、迂闊に強くしすぎると危険なマナ域です。
逆に、1ターン目にプレイできるマナ加速のないデュエル・マスターズではコスト5のカードがプレイできるのは基本的に4ターン目以降。それまでには妨害が間に合うこともあり、5マナ域からは急激にカードが強くなっていきます。
しかし、その抜け穴とも言えるのが4マナでメクレイド5できる呪文群。現時点では無条件で3ターン目にメクレイド5できる呪文はアビスとアーマードにしかありません。確実性が低いかわりに3ターン目から強力なカードの居並ぶ5マナ域にアクセスできるようになるのは、この2種族の特権とも言えるでしょう。
特にアビスは自然文明を取り込んだことでデッキの色バランスや構成を崩さずに2→4のための初動を8枚以上採用できるため頭ひとつ抜きん出た出力を有しています。
マナカーブ上強力な2→4マナメクレイドをブン回りに据えつつ、《ア:エヌ:マクア》や《邪幽 ジャガイスト》、《謀遠 テレスコ=テレス》などの強力なコスト5のアビスをふんだんに採用して中盤以降のゲーム展開を制圧。マッハファイターやアビスラッシュで召喚酔いしないアビスを用意して《アビスベル=覇=ロード》を着地させれば、バトルゾーンを巡る攻防はほとんど勝ったも同然です。
その性質上バトルゾーンで戦うデッキには非常に強力で、そうでない相手はやや苦手ですが、それでもハンデスや墓地リセットでリソースを奪い尽くしたり、早期に超過打点を押し付けたりとさまざまなルートで勝利を狙えます。
動き方やパーツに共通した部分はほとんどないにも関わらず、「強烈なビートダウン性能を持ちながらも盤面処理とハンデスに優れ、継戦能力も高いためコントロールとしても振る舞えるミッドレンジデッキ」という点で従来の闇単【アビス】のプレイフィールを受け継いでいるのが面白いところです。
闇自然【アビス】に採用されるカードについて
2ターン目にブーストを唱えられなかった場合でも3ターン目にコスト5のクリーチャーを展開できる、初動の追加枠。
基本的にはデッキのボリュームゾーンである5マナ域を3ターン目に繰り出すカードですが、場合によっては2ターン目に《フェアリー・ギフト》+《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》で2ターン目にピーピングハンデスを行ったり、5マナまで伸ばしてから《フェアリー・ギフト》+《アビスベル=覇=ロード》と展開してマッハファイターでコスト踏み倒しメタを倒したりといった芸当も。
相手の不意を突いて爆発的な展開を繰り出せる強力な1枚ではありますが、あくまで手札1枚消費して一時的にコストを軽減しているだけでマナなどは一切伸びず、適当に使っても後の展開が不自由になるだけに終わってしまいかねません。後々の展開を考慮して使いどころは慎重に選びましょう。
損耗したリソースを補填しつつマナを伸ばして次ターンの動きを確保し、《アビスベル=覇=ロード》への革命チェンジまでこなす《ア:エヌ:マクア》はベストパートナー。自然2マナの確保はそれなりに難しいですが、ぜひ狙っていきたいセットプレーです。
2コスブーストかつコスト5アビスという唯一無二のスペックを宿した闇/自然のツインパクトアビス。
絶対に外せない2→4初動を担いつつ、《邪幽 ジャガイスト》でメクレイドした際にコスト5としてバトルゾーンに出して墓地の強力なコスト5アビスを蘇生させるトリガーになってくれるのが非常に優秀。仮に目当てのカードが墓地になかったとしても登場時能力で墓地肥やしもこなせるため、自前で選択肢を広げられます。
アビスラッシュを持っている点も非常に優秀で、2ターン目にブースト→3ターン目に他のアクション→4ターン目にアビスラッシュして《アビスベル=覇=ロード》に革命チェンジ、という流れを1体でこなせます。
ありとあらゆる要素が過不足なくデッキと噛み合っている文句なしの最強初動です。
追加の2コスブースト初動。とにかく2→4の動きが大事な闇自然【アビス】では最低でも合計9枚の2コスブーストを採用したいところです。
使い勝手が良く追加の受け札にもなる《フェアリー・Re:ライフ》4枚からスタートするのが定番ですが、他の2コスブーストでもデッキの動きに大きな影響はありません。
闇/自然の2色デッキということで後半にトップデックでハンデスになり《謀遠 テレスコ=テレス》とシナジーする《悪魔妖精ベラドンナ》や墓地を増やせる《ダーク・ライフ》あたりの採用も十分に検討できますが、2→4→5と3連続でマナをアンタップインさせたいデッキなので、多色枚数は多くしすぎないのがオススメです。
登場時に相手の手札を見てクリーチャーを捨てさせるシンプルな妨害性能が主体のクリーチャー。
手札を起点に攻めてくる革命チェンジ環境との相性がいいのはもちろんですが、ピーピングハンデス系に共通する情報アドバンテージの大きさもバカになりません。
4ターン目にメクレイドができなかった場合の次善策として優秀そのもので、相手の動き出しを咎めて安全に主戦力の揃う5マナ域を迎えさせてくれます。
攻撃時能力とスレイヤーは《アビスベル=覇=ロード》のマッハファイター付与と極めて相性が良く、相手の手札を覗いて登場時能力が強いクリーチャーを捨てさせる→スレイヤーマッハファイターで相手のクリーチャーに突撃しつつシールドブレイクのリスクなく登場時能力をコピーする、といういやらしい動きも。
同じコスト4ハンデス枠として、攻撃時能力がよりアグレッシブな《ノラディ:ド:スルーザ》も採用候補です。
ヴェールアビスを代表する本デッキのエースクリーチャーその①。
革命チェンジ元として最適なコスト5マッハファイターに加えて、シンプルにアドバンテージ量が大きく柔軟に立ち回れる2ブースト1回収・墓地利用デッキに対して痛烈に刺さる墓地リセット・クロスギアやフィールド、タマシードを多用する相手に有効な非クリーチャーエレメント限定の全体除去と、選べる3つの能力で器用に立ち回れます。
序盤に自然マナ源として置いた《アビスベル=覇=ロード》を回収して即座に走り出す動きはわかりやすいデザイナーズコンボながら十分以上に強力。もっとも使いやすい能動的な選択肢が常に安定して強いため、他2つの能力が多少ピンポイント気味でも役割を失うことなく立ち回れるカードデザインになっています。
2マナブースト→「力が欲しいか?」から《ア:エヌ:マクア》が決まればそれだけでゲームが終わりかねないほどの破壊力!
本デッキのエースクリーチャーその②。パワー9000のブロッカー、登場時に手札をコストにメクレイド5、山札からクリーチャーが出た時に墓地から同コストかそれ以下のクリーチャーをノーコストで擬似アビスラッシュと、スペックが盛りに盛られたアビス唯一のビクトリーレアです。
手札のアビスを捨てつつメクレイドで5マナ帯を引き当てればそのまま強力なアビスが一気に3面も並んでしまう展開力は、圧巻の一言に尽きます。《謀遠 テレスコ=テレス》を同時に2体並べて2ハンデ4ドローで一気にリソースを爆発させたり、《ア:エヌ:マクア》でマナの《アビスベル=覇=ロード》を回収して即チェンジしつつ大量の高パワーマッハファイターで相手の盤面をズタボロにしたり。
もちろん2体目の《邪幽 ジャガイスト》を出すのも鉄板。「山札からクリーチャーが出た時」の能力はこのクリーチャー自身が山札から出た場合にも誘発するため、十分に墓地があれば先に《ア:エヌ:マクア》を蘇生させて手札を増やしてから捨てるカードを選ぶ、なんて立ち回りも可能です。
蘇生効果で出たアビスは相手プレイヤーをアタックすると山札の下に帰ってしまいますが、逆に攻撃しなければバトルゾーンに残り続ける親切設計。出したアビスを革命チェンジさせてデメリットを踏み倒してもよく、デッキと極めて強固に噛み合っています。
《ア:エヌ:マクア》が安定性を武器とするなら、《邪幽 ジャガイスト》の強みはその圧倒的な爆発力。闇自然【アビス】のデッキパワーを支える2枚看板です。
ハンデスとドロー、リソースゲームを戦ううえでは欠かせない能力を兼ね備えたシステムクリーチャー。
盤面で戦う力は《アビスベル=覇=ロード》や《ア:エヌ:マクア》、《邪幽 ジャガイスト》で担保されている分、このカードが担うのはそれ以外の部分。相手の手札を常に絞り続けて、一発逆転を許さない体勢を作り上げるのが《謀遠 テレスコ=テレス》の重要な役割です。
シンプルに盤面を固めてビートダウンすればそれだけで勝てる対面ばかりではないのがデュエル・マスターズ。なんらかのトリガー封殺手段を持たないこのデッキにとって、そうした相手への勝ち方は重要な命題です。
バトルゾーンを固め切った最終盤にはシールドを1枚ブレイクしてエンド→相手のターン開始時に手札を捨てさせる、という流れでフィニッシュに貢献してくれます。仮にトリガーに止められたとしても、返しに負けず、手札に再展開できるリソースが確保できていれば問題なし。
もちろん、中盤戦においてリソース差をつけて優位を確実なものにしてくれるのも強力。突き抜けたカードパワーを持つわけではないものの、デッキの動きを阻害せずに対応範囲を広げる1枚として優秀なカードです。
登場時に山札の上から4枚を公開し、1枚を手札かマナに。残りを墓地に落とす革命チェンジ:アビスを持つクリーチャー。革命チェンジはもちろん自前のアビスラッシュ、もちろんメクレイド5からも出せるのであらゆる手段でバトルゾーンに登場するチャンスがあるクリーチャーです。
やること自体はシンプルなリソース補填ですが、墓地も《邪幽 ジャガイスト》や《アビスベル=覇=ロード》でリソースに変換できることを考えれば1枚で稼げるアドバンテージ量は莫大。
「どうしてもこのカードでしかできない仕事」というのはそれほどありませんが非常にゲームに関わりやすく、手札を減らさずに墓地を肥やしたりマナを伸ばして7マナ《アビスベル=覇=ロード》召喚を達成しやすくなったりと、柔軟に立ち回れるのが強みと言えるでしょう。
闇自然アビスの御大将。革命チェンジでテンポ良くバトルゾーンに登場しつつ、味方全体へのマッハファイター付与に加えてターン終了時に墓地・マナからのコスト6以下のアビスを踏み倒し、相手の各ターン最初の攻撃を自身に誘導します。
メインとなるマッハファイター付与・アビス踏み倒しの2つの能力がどちらも味方のスペックを活かすベクトルを向いている点は、まさにアビス達のリーダー。この辺りのデザインは前身となる《アビスベル=ジャシン帝》との共通項も感じますね。
打点としての性能はそれほど高くないものの、盤面を制圧する力は現環境でもトップクラス。コストに比してパワーの高いアビス達がマッハファイターでバトルゾーンを蹂躙する傍らでアビスを続々と踏み倒し、あっという間に堅固なアビスの帝国を築き上げます。
さほどS・トリガーを入れずとも攻撃誘導と豊富なブロッカーで防御力は十分に確保でき、盤面デッキにありがちな「無視して全部シールドに行かれて貫通」といったリスクも最低限まで抑え込めます。メクレイドの邪魔になる不純物を最小限まで抑え込めるのは嬉しい限りですね。
総じて、単体でゲームを決め切れるわけではないものの、マッハファイター・展開作成・攻撃誘導というバトルゾーンに特化した3つの能力で「ボードアドバンテージの強さ」というデッキの方向性を打ち出しつつ、融通の効く踏み倒し能力でゲームの組み立てを柔軟に切り替えられる、本デッキのキーカードに相応しいオーバーレアだと言えるでしょう。
おわりに
というわけで今回は闇自然【アビス】について解説していきました。
筆者も実際に構築して回してみましたが、このデッキはとにかくメクレイドが楽しい! これまでにない速度感で次から次へと強力なアビスを叩きつけられるため、爽快感バツグンです。以前のギミックと組み合わせるのが好きなので《アビスベル=ジャシン帝》や《邪龍 ジャブラッド》を入れて遊んでみましたが、2コスブーストから《アビスベル=ジャシン帝》を出す動きがシンプルに強くてとても楽しかったです。
環境ではメクレイドと中コスト域を組み合わせたミッドレンジ気味の構築が主流ですが、逆にもっと軽量アビスを入れて《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》や《フォーク=フォック》で手札を整えて早期から革命チェンジを繰り返す「成長覇=ロード」とも言うべき構築や、逆にしっかりマナ加速とメクレイド8に寄せて《深淵の螺旋 ラゼル=ズバイラル》や《深淵の襲傘 アンブレラ=イザベラ》をマッハファイターで走らせてアドバンテージを取る「アビスランプ」のような構築も組めたり、文明とギミックが増えたことでかなり遊びの幅が広がっている印象です。
ぜひ好きなアビスを組んで遊んでみてほしいですね!
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひX(旧Twitter)でのシェアをお願いします!