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2023.9.9

Vol.71「5c【ロマノフ】」|yk800のWeekly Pick Up Deck!!

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Vol.71「5c【ロマノフ】」|yk800のWeekly Pick Up Deck!!

はじめに

 初めましての方は初めまして、『yk800』です。


 このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!


 今回の特集は5c【ロマノフ】


 かつて流行した【ロマノフワンショット】と現代の5c【ザーディクリカ】を融合させたような構築で、サムネイルにもなっている《ブレイン・スラッシュ》を最大限活用することに重きが置かれています。


 ひとたび回り始めれば止まらない爆発的なチェインコンボをメインとしながらも、大量のコスト踏み倒しトリガーのおかげで受け性能が非常に高いのが特徴です。


 破壊力と防御力を兼ね備えた新たなコンボデッキについて、基礎から解説していきたいと思います!

5c【ロマノフ】のサンプル構築

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5c【ロマノフ】ってどんなデッキ?

 一見すると5c【ザーディクリカ】によく似た構成ですが、内実は4ターン〜5ターンで無限EXターンを取って勝利できるチェインコンボデッキ。


 デッキトップ数枚を参照してコンボを繋げるカードがあるため確実性ではループにやや劣るものの、採用されているカード1枚1枚が強く踏み倒し効果を持つトリガー呪文を起点に展開を作成していくため、デッキのほとんどが攻守の両面で役割のあるカードで構成されているのが最大の特徴と言えるでしょう。


 とにもかくにも味方のコストを踏み倒すシールドトリガーが盛りだくさん! コンボデッキでありながら非常に防御力が高く、トリガーケアせずに殴ってくるデッキであればほとんどが有利と言えるほどにカウンター性能に優れています。


 相手への干渉手段は最小限に抑えられているため自分より早いアンフェアデッキはやや苦手。盤面除去の手段もお世辞にも多いとは言えないため、墓地利用やコスト踏み倒しを咎めてくるメタクリーチャーを主体としたビートダウンもやや苦手でしょう。


 しかし、直近のメタゲームではこういったデッキタイプがあまり活躍できておらず、素直にビートダウンで決着を狙うデッキが環境上位に多いのも追い風になっていると考えられます。




 コンボの主役となるのは、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》《龍風混成 ザーディクリカ》といった呪文を踏み倒せるクリーチャーと、《ナウ・オア・ネバー》《ブレイン・スラッシュ》といった展開を作成できる呪文の組み合わせ。


 呪文を踏み倒せるクリーチャーから展開呪文を踏み倒し、展開呪文から呪文を踏み倒せるクリーチャーを踏み倒してまた蘇生呪文を……と呪文・クリーチャーを相互に踏み倒して踏み倒しを連鎖させていきます。


 この過程で《邪眼教皇ロマノフⅡ世》の墓地肥やしや《ブレイン・スラッシュ》のドローがどんどん積み重なって山札がギリギリまで薄くなったところに、《神の試練》を唱えてEXターンを取るのがまず最初の目標です。

 その後、EXライフが剥がれてバトルゾーンに残った《龍風混成 ザーディクリカ》《フォース・アゲイン》で出し直しが効くため、山札0・《神の試練》での敗北回避状態を満たしていれば


 《フォース・アゲイン》《龍風混成 ザーディクリカ》出し入れ(山札0なのでEXライフなし)
 →墓地から《フォース・アゲイン》唱えて《龍風混成 ザーディクリカ》出し入れ
 →《神の試練》で山札に戻った《フォース・アゲイン》を手札に加えて追加ターン獲得、《神の試練》は次のターン開始時にドロー


 という流れで毎ターン4マナでEXターンをひとつ獲得できます。


 この追加ターンを活かして絶対に逆転されない状況を整え、安全に殴り勝つのがこのデッキの基本パターンです。


 コンボ自体は5c【ザーディクリカ】というデッキタイプが成立した王来篇期には確立されていましたが、あくまでもコントロールのサブ勝ち筋のひとつとして扱われていました。


 一直線にこのパターンでの勝利を狙えるようになったのは、まず間違いなく《ブレイン・スラッシュ》がリソース確保・山札圧縮・蘇生の全てを1枚でこなしてくれるおかげだと言えるでしょう。

5c【ロマノフ】に採用されるカードについて

 安心と信頼の初動枠。


 デュエル・マスターズのカードプールすべてを見渡してもトップクラスの初動ですが、《ブレイン・スラッシュ》を活用するデッキでは単なる「手札の減らないマナブースト」にとどまらないシナジーを発揮します。


 今回のデッキや5c【ザーディクリカ】など、《ブレイン・スラッシュ》を存分に活かすデッキを相手取る場合はバトルゾーンの《天災 デドダム》をきっちり除去することを心がけると少しやりやすくなるでしょう。

 《絶望神サガ》殿堂入り後も結局手放せない墓地メタの決定版。【アビス】、【魔導具】系デッキ、5c【ザーディクリカ】など、墓地を活用するデッキはいつの時代も強力です。


 墓地対策カードとしても重要ですが、このデッキにおいては《神の試練》ループ後に墓地のカードを山札に戻して再利用する使い方がメインの勝ち筋のひとつなっています。


 《ナウ・オア・ネバー》+《龍風混成 ザーディクリカ》を使ういわゆる5c【ザーディクリカ】ベースのコントロールデッキは3→5の動きを主体としており、役割の広いコスト3ブーストカードとして《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》の起用は一般的。


 ここに《神の試練》を入れるとそれだけでフィニッシュプランが増えるのは以前から知られていましたが、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》《ブレイン・スラッシュ》のパッケージを採用したことで山札を掘り進める力が大幅に増加したため、これまでとは比べ物にならないほど決まりやすく、それに合わせてこの勝ち筋の重要性も高まりました。

 マナから任意のカードを墓地に落とせる初動枠。墓地はもちろんマナの調整も効くため、あらゆる領域のカードにタッチしたいこのデッキの性質とよく噛み合っており、最終的に《神の試練》で勝ちたいデッキなので山札が2枚減るのもささやかながら嬉しいポイント。


 8マナまで伸びた終盤では、このカード+《インフェルノ・サイン》《ナウ・オア・ネバー》+《龍風混成 ザーディクリカ》でマナのカードにタッチできるため、初動以外の役割を持つところも便利です。

 主に《ナウ・オア・ネバー》が5マナで《邪眼教皇ロマノフⅡ世》《龍風混成 ザーディクリカ》にアクセスする、《ブレイン・スラッシュ》と並んでこのデッキのキーとなる踏み倒し呪文。


 《龍風混成 ザーディクリカ》に加えて《邪眼教皇ロマノフⅡ世》もセット運用先として強力な点、一度踏み倒し呪文が連鎖しはじめればそのままゲームを決めかねない点など、通常の5c【ザーディクリカ】と比べてもこのカードと踏み倒し先の2枚コンボがゲームに寄与する影響が圧倒的に大きいのが特徴です。


 《フォース・アゲイン》を使った《龍風混成 ザーディクリカ》の使い回しコンボではこのカードのおかげでEXライフが剥がれていることがメリットになるなど、よりこのカードの特性を活かせる構築になっています。


 上面に出番がないかというとそんなことは全くなく、トリガー踏み倒し呪文からの出し先として《天命龍装 ホーリーエンド》の相手クリーチャー全タップ能力が非常に強力なのは言うまでもありません。


 能動的に使う場面はやや少ないですが、上下ともにこのデッキの防御面を大きく支える1枚です。

 《Disアイ・チョイス》踏み倒し専用機。踏み倒せる対象がディスタスのみと非常に限られる分、手札・墓地・マナのどこからでもディスタスを踏み倒せる非常に柔軟性の高いカードです。


 このデッキの場合は5マナ時点での仕掛けを《ナウ・オア・ネバー》+7コスクリーチャー2種と《ディスタス・ゲート》+《Disアイ・チョイス》の2パターン用意して早期ターンでの仕掛けの再現性を高めるのが主な役割で、防御面でも実質トリガー付きのスレイヤーブロッカーとして運用できます。


 手札から唱える機会も多い呪文ですが、光マナの枚数がやや少なめかつ単色は1枚もないので、序盤は意識的に光多色をマナに置いておくのがオススメです。

 やや特殊な5コス踏み倒しのバリエーション。このカードが見えていると3ターン目に《天災 デドダム》《神秘の石柱》《邪眼教皇ロマノフⅡ世》《龍風混成 ザーディクリカ》を墓地に落とし、4ターン目に蘇生するパターンが発生します。


 殿堂カードなのでメインプランには組み込みづらいものの、ハンデスを受けてもトップ1枚から解決できたり、単純に《邪眼教皇ロマノフⅡ世》が動き出すと墓地リソースの方が確保しやすいため選択肢が広かったりと、軽い蘇生札の利点は多岐に渡ります。


 細かいところですが、《ナウ・オア・ネバー》と違って《邪眼教皇ロマノフⅡ世》がバトルゾーンに残るのもメリットのひとつ。とにかく《ブレイン・スラッシュ》の出力が重要なこのデッキでは、のちのち《龍風混成 ザーディクリカ》《マーシャル・クロウラー》を出した際に水/闇の2色を確保できることはなかなかあなどれません。


 S・トリガーを持っているおかげで《Disアイ・チョイス》《マーシャル・クロウラー》からの踏み倒しも効くなど、殿堂入りも納得の優秀な1枚です。

 本デッキのメインエンジン。この呪文の3ドロー1枚捨て+コスト8以下蘇生を何度も使い倒して山札を掘り進め、《神の試練》によるEXターンを目指すのがこのデッキのまず最初の目標です。


 チェインコンボに突入するためのキーカードとなるのはもちろんですが、単純にクリーチャー踏み倒しのおかげでテンポ損しないドローソースとして使っても非常に強力。なんにせようまく両方の能力を使えた時のカードパワーが非常に高く、単なるコンボパーツにとどまらない活躍が見込めます。


 山札を掘り進める効果とクリーチャーを蘇生する効果、どちらも使って初めてゲームが進む都合上、《天災 デドダム》《Disアイ・チョイス》で2色を揃えるのはこのデッキにとっての至上命題です。特に1枚で2色を埋めつつ《ブレイン・スラッシュ》自体を踏み倒せる《Disアイ・チョイス》はベストパートナーと言えるでしょう。

 山札を掘り進めることに非常に長けた、呪文踏み倒し能力持ちのコスト7クリーチャー。


 踏み倒し自体にはランダム要素を含む点にはやや不安がありますが、大量のコスト踏み倒し呪文のおかげで何もめくれないリスクは非常に低く抑えられていますし、何よりも「出せば確実に山札5枚を墓地に置ける」のはこのカードの明確な強みです。


 ブースト呪文を唱えて次のターンに出来ることを増やしつつ墓地利用カードの選択肢を広げるだけでも最低限の仕事は果たせています。《神の試練》を唱えておいてリソースを増やすのも一興です。


 また、山札が削れてくれればワンショット気味にチェインコンボを回さずとも後半に《龍風混成 ザーディクリカ》の呪文踏み倒しや手撃ちから《神の試練》達成を狙いやすくなるのも意識しておきたいですね。

 デッキの形は違えどスーパーカードであることには変わりないハイスペッククリーチャー。


 《ナウ・オア・ネバー》《ブレイン・スラッシュ》の連鎖は言うに及ばず、なにか呪文を唱えるだけでもターン終了時には除去とドローでアドバンテージを稼いでくれるためあらゆるゲームレンジで大活躍できます。


 また、このデッキにおいてはこのクリーチャーの「唱えた呪文が常に山札の下に戻る」点を活かして山札を作り直し、《神の試練》の追加ターンを何度も獲得するループがメインの勝ち筋に据えられるなど、ゲーム全体を通して貢献度の高いクリーチャーです。

 《絶望神サガ》の殿堂以降、《ブレイン・スラッシュ》とのタッグが高い評価を受けているディスタス。


 このクリーチャーを着地させれば以降は《ブレイン・スラッシュ》をフルパワーでブン回せるため、起点要員としてはダントツに強力です。やや重い部分は《ディスタス・ゲート》がカバーしてくれます。


 初手に《ナウ・オア・ネバー》とこのカードがあれば、横のカード次第ですがまずは《ナウ・オア・ネバー》から置いてしまう方が良いでしょう。《ディスタス・ゲート》を唱えるための光マナを確保できますし、最悪《Disアイ・チョイス》から《ナウ・オア・ネバー》を唱えることもできます。


 防御面でも非常に優秀で、登場時能力を抜きにしても《ディスタス・ゲート》から飛び出す選択肢になり、スレイヤーブロッカーとしてガッチリ盤面を守ります。


 マナのトリガー踏み倒し呪文を連鎖させて盤面を固められるのが非常に凶悪なのはもちろんですが、《天命龍装 ホーリーエンド》をマナから直接踏み倒せることも覚えておきましょう。受けの選択肢としては非常に有力です。

 毛色は違いますが、どちらもキーカードのシールド落ちを防いでくれるフィニッシュ補助パーツであり、大量のトリガーを同時に踏み倒せる爆発的なアドバンテージ要員。


 《黒神龍ブライゼナーガ》はシールドに埋まったカードを拾い上げるカードとしては最強格で、コスト6なので《ナウ・オア・ネバー》からの踏み倒し先としても優秀。ここから踏み倒し呪文に繋げて《龍風混成 ザーディクリカ》にアクセスできれば水/闇が揃います。


 《マーシャル・クロウラー》はシールド回収要員としてはややクセがありますが、手札に抱え込んだ踏み倒し呪文をまとめて射出できる点で《黒神龍ブライゼナーガ》に勝ります。コスト8ということでそう気軽には出せませんが、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》から《ブレイン・スラッシュ》を唱えて蘇生モードでこのカードを出す流れは有力です。


 文明も申し分なく優秀なので、合わせて2〜3枚は採用したいところです。

 単体ではただクリーチャーを出し入れするだけのカードですが、強力な登場時能力を持つクリーチャーと組み合わせることで大量のアドバンテージを獲得できるコンボデッキの友。


 このデッキでの当て先は主に《龍風混成 ザーディクリカ》《邪眼教皇ロマノフⅡ世》《マーシャル・クロウラー》あたりになるでしょうか。


 フィニッシュループに絡むのはもちろんのこと、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》を使い回して山札を一気に掘り進める動きはとにかく《神の試練》達成に辿り着かなければ始まらないこのデッキにとってとても重要です。単体で大きくカードを動かせるわけではありませんが、補ってあまりある役割を持ったカードだと言えるでしょう。

 このデッキ唯一にして絶対のフィニッシャー。山札を掘り進めてしまえばあらゆる領域のカードに触れるこのデッキにとっては、踏み倒しをチェインしてこのカードのEXターンまで辿り着けばほぼ確実に勝てると言っていいでしょう。


 逆に言えば、他にこれといった勝ち筋がないため《神の試練》にうまくアクセスできなければそのまま一気に苦境に立たされます。


 打点を並べること自体はできるため最悪殴り勝ちも狙えなくはないですが、特にトリガーケア手段などもない以上分の悪い賭けになることは否めません。


 墓地に落ちる分にはいくらでもリカバリが効きますが、迂闊にマナに置いてみたら《神秘の石柱》を挟む余裕がなくて負ける、なんてことも考えられますので、扱いはくれぐれも慎重に。

おわりに

 というわけで、今回は5c【ロマノフ】について解説していきました。《ブレイン・スラッシュ》、無限の可能性。


 こういったガチャガチャ系のコンボデッキは個人的に非常に好みなので、リストを見た瞬間からワクワクが止まりませんでした! どこを起点にしてもコンボを始められる可換性の高さと大量のトリガーによる防御力は環境でも独自の強みだと思うので、今後の活躍にも期待できるデッキだと思っています。


 それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!

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このコラムのライター

yk800

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