はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は水火【テスタ・ロッサ】
歴史を遡れば10年前のE3期に登場した《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》が登場した頃からギミック自体は存在するデッキでしたが、2021年の王来篇期にクロニクルデッキや特殊パックで多数の強化パーツを獲得し、躍進。
「ビクトリーBEST」でも新たに相性抜群のアウトレイジを多数獲得して、環境でたびたび見るデッキタイプとなりました。
今回は強力なテーマデッキとして名を馳せる水火【テスタ・ロッサ】について、基礎から解説していきたいと思います!
水火【テスタ・ロッサ】のサンプル構築
水火【テスタ・ロッサ】ってどんなデッキ?
《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》の「灼熱ドロン・ゴー」で墓地・バトルゾーンのアドバンテージを確保し、様々な条件でコスト軽減される大型クリーチャーを絡めて打点を叩き付ける、コンボ要素の強いビートダウンデッキです。
「灼熱ドロン・ゴー」とは、自分の《テスタ・ロッサ》の名称カテゴリを持つクリーチャーが破壊された際に手札から公開して誘発する能力。
「灼熱ドロン・ゴー」を持つクリーチャーをバトルゾーンに出すとともに、デッキの上5枚を墓地に置いてからその中の《テスタ・ロッサ》を好きなだけバトルゾーンに出し、墓地から踏み倒したクリーチャーすべてにスピードアタッカーを付与する能力です。
この能力のおかげで打点を一気に伸ばせるのはもちろんのこと、ハズれたカードが墓地に残ることから墓地肥やしとしても非常に高効率です。
自壊手段さえ用意できれば2ターン目に出した《テスタ・ロッサ》を次のターンに破壊して3ターン目から仕掛けられる速度がデッキとしての強みのひとつで、相手にメタを張られる前に展開しきれることも多々。起点となる《テスタ・ロッサ》が破壊されれば手段は問わないため、除去での対処がされづらいところも面白いポイントです。
《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》への依存が高い部分は否めませんが、手札入れ替えを駆使して引き込んだり、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》で相手の行動を妨害したりと、優秀な軽量《テスタ・ロッサ》のおかげで大きくつまずかずにゲームを進行できます。
特殊パックごとに少しずつ強化されてきた水火【テスタ・ロッサ】ですが、ビクトリーBESTで水/火のマジック・アウトレイジが大量収録されて大幅にアップデート。
《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》はコスト3ながらついに登場した手札を減らさずに展開できる《テスタ・ロッサ》。スピードアタッカーを素で持っているため削りを入れられるほか、タップクリーチャーを攻撃して自壊カードを使わずに「灼熱ドロン・ゴー」することも。
《弾丸超邪 クロスファイア》・《飛翔龍 5000VT》はバトルゾーンのクリーチャーを参照するため「灼熱ドロン・ゴー」による横展開との相性が抜群。《テスタ・ロッサ》たちの持つ手札入れ替えでこの2枚をセットで引き込めば合計1マナで即時5打点を形成できるのはやはりとんでもない打点形成能力です。
《飛翔龍 5000VT》に関しては単体スペックの高さも言わずもがな。踏み倒しメタがどうしても厳しい「灼熱ドロン・ゴー」をサポートする手段としても優秀です。
水火【テスタ・ロッサ】に採用されるカードについて
超軽量なコスト、十分な範囲の火力除去、トリガー付きと文句なしのスペックを有する自壊手段の筆頭候補。
「灼熱ドロン・ゴー」はメタカードの刺さりやすい能力なので、軽量除去と自壊手段を1枚で賄えるこのカードの存在はかなりありがたいものです。
基本的には1マナで「灼熱ドロン・ゴー」を起動するためのカードですが、小型クリーチャーまでは破壊できる範囲の火力を持っているので受け手段としてもなかなかに強力です。もちろん、相手ターン中にトリガーしたこのカードで《テスタ・ロッサ》を破壊して「灼熱ドロン・ゴー」を起動させるのもOK。
汎用性の極めて高い軽量メタクリーチャー。
最近は小型クリーチャーを除去する手段が多くメタクリーチャーが稼げる時間が以前よりも限られてきましたが、水火【テスタ・ロッサ】では少々事情が別。
このカードを破壊すると「灼熱ドロン・ゴー」が飛んでくる危険性があるため、相手からすれば迂闊に破壊しづらく、間接的に除去耐性を持つカードとして機能します。
「灼熱ドロン・ゴー」で出たカードは相手のターン終了時まで残らないため踏み倒し先としては微妙なものの、頭数を稼いでくれるだけでも十分に強力でしょう。
2枚までの範囲で枚数を自在に調整できる、「引いて捨てる」タイプの手札入れ替え手段。
これといって特筆すべき点はありませんが、2マナの《テスタ・ロッサ》の中ではもっとも山札を掘れる枚数が多いため、手札に《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》を確保できていない場合は最優先でプレイしたいカードです。
手札入れ替えクリーチャーと除去トリガーのツインパクト。
クリーチャー面は山札は1枚しか掘れないため火マナを必要としない点を除けばほぼ《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》の下位種。
呪文面はパワー7000とかなりの範囲を射程に収められる除去トリガーで、これらが一つにくっついているため、ある程度の受け性能に貢献してくれるのがこのカードの強みです。
《バッドドッグ・マニアクス》と合わせて、小粒なクリーチャーで詰めてくるタイプのデッキに対してはそれなりの受けの堅さを発揮できます。
コスト3、パワー1000のスピードアタッカーに手札入れ替えまでついてきた最新版《テスタ・ロッサ》。
火文明らしく先にカードを捨てる必要があったり、マジックかアウトレイジしかそもそも捨てられなかったりといくつか融通の効かない部分はありますが、1枚切って2枚引いているため手札枚数を減らさないのはこのクリーチャーの大きな特徴です。何らかの手段で踏み倒した場合には手札のカウントを1枚増やすこともできます。
素のスピードアタッカーも早期の削りから返された後の詰めまで何かと優秀です。
「灼熱ドロン・ゴー」で一気に盤面を形成するデッキのキーパーツ。《テスタ・ロッサ》を爆破してこのクリーチャーを着地させるのがデッキの第一目標です。
ルール上重要な点として、何らかの手段で「灼熱ドロン・ゴー」を宣言したがこのクリーチャーを出せない・置換効果などで結果的に出なかったとしても、宣言した「灼熱ドロン・ゴー」の能力のうち「山札の上5枚を墓地に置いて、その中から《テスタ・ロッサ》を好きなだけバトルゾーンに出す」処理は解決されます。
1体の《テスタ・ロッサ》が破壊された時に複数の「灼熱ドロン・ゴー」を宣言しても問題ないため、手札に2体以上抱えられれば一気に10枚も山札を掘り進められる計算です。
一方で注意点もあり、踏み倒した《テスタ・ロッサ》はスピードアタッカーを得ますが《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》自体はスピードアタッカーを持たないため単体では攻撃できません。
《弾丸超邪 クロスファイア》や《我我我ガイアール・ブランド》でスピードアタッカーを付与してあげましょう。
頭数さえ揃っていればノーコストで飛び出し、攻撃時には自分のクリーチャー1体にスピードアタッカーを付与する強烈なパンチャーです。
《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》がいるなら能力の当て先には困りませんし、《飛翔龍 5000VT》とのタッグの強さも文句なし。ノーコストで「召喚」できるため《我我我ガイアール・ブランド》とのくっつきもよく、総じて他のフィニッシャーとの噛み合わせに優れています。
ハンドキープの難しいデッキではありますが、できれば必ず使えるよう仕掛ける前に手札に確保しておきたい1枚です。
誇張なく「あらゆる水文明デッキに入る」、異次元の強力さを持った「ビクトリーBEST」のトップレアです。
他のデッキでも活躍が止まらない1枚ですが、もちろんアウトレイジデッキでもその実力は存分に発揮。「灼熱ドロン・ゴー」による横並びギミックや《弾丸超邪 クロスファイア》との2枚5打点コンボとの相性は抜群です。
「灼熱ドロン・ゴー」を妨げるメタクリーチャーにも強いほか、単体性能がべらぼうに高いため「ひたすら小型《テスタ・ロッサ》を並べて《飛翔龍 5000VT》+《弾丸超邪 クロスファイア》でビートダウンフィニッシュ」、というサブプランも十分視野に入ります。
大量展開された《テスタ・ロッサ》の打点を倍加する、ビートダウンきってのフィニッシャー。
シンプルに受け切れない過剰打点を形成することに長けていますが、コスト軽減の条件が「火のクリーチャーを召喚する」ことである点には注意。「灼熱ドロン・ゴー」やそこから出たクリーチャーはもちろん、《熱血武闘 カツキング》などをターン開始時に蘇生した場合も特にコストは軽減されません。
G・ゼロはコストを支払わずに召喚する能力であるため、《弾丸超邪 クロスファイア》とセット運用するのが最も強い使い方になるでしょう。サンプル構築には採用していませんが、《無重力 ナイン》を使って《我我我ガイアール・ブランド》を使いやすくする構築も確認されています。
2ターン目の手札入れ替え《テスタ・ロッサ》から捨てることで次のターンの開始時に《テスタ・ロッサ》を破壊できる、ノーコスト「灼熱ドロン・ゴー」起動要員。
出てくるこのクリーチャー自体がスピードアタッカーの2打点で打点を出しやすいこと、バトルに関する多数の能力のおかげでボードコントロールにも長けていることなどから、ゲーム最序盤のうちに捨てられるとプレイの幅が広がる1枚です。
2枚引いても1枚はマナ基盤として使えるため腐りづらく、4枚採用も視野に入るカードです。
おわりに
というわけで今回は水火【テスタ・ロッサ】について解説していきました。
コンセプト自体は遥か昔からあったデッキではあるのですが、王来篇で強化が来るまではコスト2はおろかコスト3の《テスタ・ロッサ》すら存在しなかったため非常に安定性に難がありました。やはりコンセプトを邪魔しない初動の充実は本当にデッキの強さを180度変えるな、という印象です。
この記事ではオーソドックスなビートダウンデッキとしての水火【テスタ・ロッサ】を紹介しましたが、「灼熱ドロン・ゴー」の墓地肥やし性能に着目して《超神星DOOM・ドラゲリオン》をメインフィニッシャーに据えた水闇火【DOOMテスタ・ロッサ】も人気が急上昇しているとか……?
現時点では情報が少ないため軽い言及に留めますが、新殿堂後の環境で目が離せないデッキタイプのひとつになりそうですね。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!