はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます。今回は先日発売された最新弾「大感謝祭 ビクトリーBEST」の特集回です!
今回はとにかくテーマ推しがすごい! ゴッド・ノヴァOMG、アウトレイジ、ハンター、サムライとかなり懐かしい面々が勢揃いしましたが、強力な新規カードと充実の再録カードで、今回の弾だけでも十分楽しい・過去のカードも組み合わせればさらに楽しいデッキに仕上がるようになっていました。
……が、この記事では楽しいテーマデッキはひとまず置いておいて、競技視点で早くも活躍している新カードやそれらを採用したデッキについて紹介していきたいと思います!
今弾最注目のトップレア。
敵味方問わずバトルゾーンにあるクリーチャーの数だけコストが軽減され、登場時に相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて手札に戻した上で、次の相手のターン中は相手がパワー5000以下のクリーチャーを出せなくなります。
強烈なメタクリーチャーが多数存在する現代デュエル・マスターズに一石を投じる強烈な面処理要員。
小型クリーチャーを主体としたデッキはこれを出された瞬間次のターンにはほとんど何も出来なくなるため、ちょっとした追加ターンのように機能することも珍しくありません。
ジャストダイバーによる場持ちの良さとT・ブレイカーの打点もよく噛み合っており、新時代のフィニッシャー候補としても極めて有力です。
水文明の入るデッキであればほとんど全てのデッキに入る可能性を秘めていますが、中でも
・メタクリーチャーを1ターン止めれば簡単に勝利できる【サガループ】
・自分から横展開を作るためコスト軽減を活かしやすく、サブフィニッシャーとして活用しやすい水闇自然【CRYMAX ジャオウガ】
の2デッキで早速大活躍中。
逆にこのカードを対策したいのであれば、コスト軽減を防止する《煌キノ裁徒 ダイヤモン星》やマナゾーンのカードより多いクリーチャーの着地を置換で防ぐ《キャディ・ビートル》など、最近のトレンドから外れていたメタクリーチャーが有効。
小型を主体としたデッキはこれらのクリーチャーを取り込みながら生き残りを狙っていくことになりそうです。
水闇【サガループ】
水闇自然【CRYMAX ジャオウガ】
《飛翔龍 5000VT》と同じく小型処理に長けた呪文面が強みのツインパクトカード。
相手クリーチャーの数しか参照できないものの素のコストが6とやや軽く、クリーチャーと比べて呪文はメタを張られる機会が圧倒的に少ないこともあり、パワー4000以下のクリーチャーへの役割遂行力は《飛翔龍 5000VT》以上です。
上面にG・ストライクが付いているため気持ち程度ですが受け札としても換算できます。
クリーチャー側は味方全員へのスピードアタッカー付与と、自軍ハンターを破壊して1回限りの敗北回避。《永遠のリュウセイ・カイザー》と《不敗のダイハード・リュウセイ》を足して2で割ったような能力です。
コストが重いため有効に使えるデッキは限られますが、踏み倒しに苦慮しないデッキでは全体SA付与を活かしたフィニッシュ要員としての役割も果たします。
使い道は大きく2つあり、ひとつは純粋に軽量全体火力呪文としてメタクリーチャー処理を担うパターン。ツインパクト呪文なので唱えたあとは自動的に墓地に行き、墓地でクリーチャー・呪文のカウント両方を増やせるのが強みです。
もうひとつは先述した大型踏み倒しを活用するデッキのメタ処理要員兼フィニッシャー。【モルトNEXT】や火自然【NEXT.Star】、【刃鬼】などで活躍しています。
後者のうち【刃鬼】は後ほどピックアップするので、この項では前者の代表選手・水闇火【サガループ】をサンプルリストに掲載しています。
水闇火【サガループ】
今ひとつパンチに欠けていたメクレイド主体のアビスのデッキパワーを大きく底上げする新戦力。
手札2枚を捨ててのアビス・メクレイド5と、山札からクリーチャーが出た際にそのコスト以下のアビスを墓地から出す能力、2つのコスト踏み倒し能力がこのクリーチャーの主軸です。
1体から盤面を形成する能力が非常に高く、適切な構築であれば瞬く間にアビスが盤面を制圧していきます。
コスト5以下というと若干頼りなく見えますが、アビスに限ればそんな心配は無用。
《アビスベル・ジャシン帝》や《邪龍 ジャブラッド》などのコスト比打点の高いクリーチャーがよりどりみどりで、打点形成に困ることはほとんどありません。
《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》や《謀遠 テレスコ=テレス》、《ノラディ:ド:スルーザ》のようにハンデスでテンポを取れるアビス、《ハンマ=ダンマ》や《漆黒の深淵 ジャシン帝》のように盤面に干渉できるアビスなど、カードプールの増加に伴ってどんどんできることが広がってきており、構築の方向性に合わせて採用カードをカスタムするのもそれほど難しい話ではなくなってきています。
なぜかコスト5でパワー9000のブロッカーであることも嬉しく、単に《邪幽 ジャガイスト》が並ぶだけでも半端なビートダウンぐらいなら抑え込んでしまいます。
純粋なメクレイド軸の闇単【アビス】はもちろん、闇火【テレスコ邪王門】でも活躍中。
従来と比べて《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》を筆頭に優秀なアビスを多めに採用し、《邪幽 ジャガイスト》の出力を高める構築が人気です。
火闇【テレスコ邪王門】
サムライ
光火【サムライメクレイド】
根強い人気のビッグマナデッキ・【刃鬼】にも新たなフィニッシャー格が登場。
《「勝利」の頂 カイザー「刃鬼」》は登場時と攻撃時に「ハンター・W・メクレイド10」を行い爆発的に打点を形成する新たな《「刃鬼」》。相手のシールドが5枚以上あれば自前でスピードアタッカーを持てるため、出て殴るだけでデッキトップ12枚からコスト10以下のハンターを4体踏み倒します。
同時に登場したコスト10のツインパクトハンター軍団や《超神龍 バイラス・カースド》、《勝利宣言 鬼丸「覇」》などの歴代の強力なハンターフィニッシャーを山札から次々に繰り出していく様は圧巻。
自前でコスト軽減を持っていることからも分かるとおり、《「刃鬼」》としては早期に出しても公開領域の枚数で出力が下がらないのが強みでしょう。
《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》は墓地・マナ・手札といった公開領域の枚数に出力が依存するためとにかくたくさんマナを伸ばしてから出すのが強いカードでした。これはこれでビッグマナの方針とは噛み合っているのですが、反面《流星のガイアッシュ・カイザー》の軽減との噛み合わせはそれほど良くないのが事実です。
その隙を埋めてくれるのが《「勝利」の頂 カイザー「刃鬼」》。早期に出せそうな場合はこちらでメクレイドを押し付けることを優先し、終盤になってマナや墓地からの出力が安定してきたら《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》で安定フィニッシュと、うまく棲み分けができている印象。どちらか片方だけでもデッキが組めますが、両方採用すればより楽しくなりそうです。
多色はマナ基盤になる点と革命チェンジできる点が強力で、基本的にはメリットです。ここでも「ラフルルダンテ」は大活躍!
4c【ドラゴン刃鬼】
【水魔導具】の新たな選択肢、《堕呪 ボックドゥ》。
《堕呪 ブラッドゥ》や《「無月」の頂 $スザーク$》ほどインパクトのある新カードではありませんが、S・トリガー・プラスで2面を止められる受け札が追加されたのは小さくないトピックスです。
そもそも《堕呪 シュノドゥ》相当の呪文がついているためスペックは保証済み。盤面のクリーチャーを手撃ちで止められるなど最低限の働きは見込めます。
コスト2の魔導具呪文としては1ドローこそついていませんが、場合によっては山札が減らないことが嬉しい展開もありえますし、そもそもこのカードの代わりに抜けるであろう《堕呪 カージグリ》にもドローが付いていないため影響はあまりありません。
一部のデッキにはあまり効かないものの、多くのデッキにとって1面ストップと2面ストップの差はかなりのもの。常に入るカードかと言われれば怪しいものの、今後も定期的に環境で見ることになりそうです。
【水魔導具】
おわりに
というわけで「大感謝祭 ビクトリーBEST」の新カードから注目のカードをピックアップしていきました。
そもそも事前評価の高い弾でしたが、予想以上の盛り上がりを見せたカードがたくさんあって驚きでした! 特にサムライは「まあそこそこ」ぐらいの強さだと思っていたので完全に目が節穴でしたね。
今回は再録が熱く、新録・再録カードだけでほとんどのテーマデッキを組める内容になっているのも嬉しかったですね。僕も4ボックス購入してノーマルカードは一通り揃えたので、高レア帯をチョイ足ししてテーマデッキを構築して遊んでいます。
環境目線でもカジュアル目線でも楽しめる大満足の新弾でした! 皆さんもぜひ新カードの強さを体感してみてくださいね!
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!