はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は光水【ヘブンズ・ゲート】
光のブロッカーや優秀なドローソースが追加されて定期的にデッキの内容を更新してきた【ヘブンズ・ゲート】ですが、ここ最近は一気に細部がアップデート。様々なカードを取り込んで強化の一途を辿っています。
今回はそんな光水【ヘブンズ・ゲート】について、基礎から解説していきたいと思います!
光水【ヘブンズ・ゲート】のサンプル構築
光水【ヘブンズ・ゲート】ってどんなデッキ?
光のブロッカーを踏み倒す《ヘブンズ・ゲート》を起点に大量の大型クリーチャーを踏み倒すギミックを中心とした、カウンター性能に優れるボードコントロールデッキです。
序盤はメタカードで苦手なコンボデッキの動きを妨害しながら手札を整え、5〜6ターン前後で踏み倒しクリーチャーを駆使してロック能力を持つ大型ブロッカーで相手の行動を制圧、そのまま大型クリーチャーの余りある打点で相手を押し潰すのが基本的な方針です。
【ヘブンズ・ゲート】の歴史はそのまま光の大型ブロッカーの歴史と言っても過言ではありませんが、その最前線に立つのが《闘門の精霊ウェルキウス》。登場時か味方のバトル勝利時に1ドローしてブロッカーを持つクリーチャーを踏み倒す、展開力の権化です。
このクリーチャーは踏み倒し先に文明指定がないため、これまで光を含むカードしか使えなかった【ヘブンズ・ゲート】界に大きな革新をもたらしました。
特に代表的なものが《∞龍 ゲンムエンペラー》の起用。自身のデッキはコスト6以下のカードが主役となっているためそれほど影響を受けず、相手には一方的にコスト5以下無効の猛威を押し付けられます。
カウンター性能には優れるものの、実は受け札自体は乏しめ。一時期は「《ヘブンズ・ゲート》さえなければ実は防御力が低い」と言われるほどトリガーの数が限られていましたが、ここ最近は無理なく採用できるトリガーが増えてきて徐々に改善。
明確にビートダウンと戦えるデッキとしての地位を築きはじめています。
光水【ヘブンズ・ゲート】に採用されるカードについて
【サガループ】のわかりやすい対策カードとして、現在最も主流なカードの1枚。
除去されづらいフィールド式のメタで相手がカード・エレメント除去を引くまでガッツリと時間を稼げ、登場時に1枚ドローさせてくれるためアドバンテージ面での損失もありません。
呪文・クリーチャーともに3枚までしか使えなくなる制限も絶妙で、メインの動きには関与せずとも意外なところで制限を喰らってしまうデッキは多数存在します。相手のデッキ次第ではありますが、何気なく置いた《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》が相手の逆転の目を潰すことも。
ただし、制限はお互いに掛かるため自分の《闘門の精霊ウェルキウス》絡みの連鎖展開も阻害されることがある点には要注意です。気軽に置けてしまうカードなだけに、必要な対面かどうかはよく検討しましょう。
どちらも墓地リセット付きのドロー呪文。置物式のメタカード=《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》と墓地リセットの二段構えが【サガループ】対策の基本です。
「山札を掘り進められる墓地メタ」という点では共通していますが、特に《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》は純粋に手札の枚数が+1枚されるため、動きの中に組み込みやすい強力なカードです。
そもそも【ヘブンズ・ゲート】というデッキタイプが手札コンボ要素を多分に含むこともあり、ドローソースはどれだけあっても困りません。まずはこちらを4枚採用するところからスタートしたいところです。
《堕呪 ブラッドゥ》は手札枚数を増やせないためやや優先度が下がるものの、2マナでプレイできる軽さと上面にブロッカーがくっついていることは利点になりえます。
いざという時には《闘門の精霊ウェルキウス》から1面ブロッカーを追加できるカードであることは覚えておいた方が良いでしょう。
このクリーチャーを含む自分のクリーチャー登場時に相手のクリーチャーを1体タップ。S・トリガー・プラスが発動していれば光のブロッカーを手札から踏み倒せる生きた《ヘブンズ・ゲート》とも言うべきトリガー・クリーチャーです。
これまで呪文ロックされてしまうとほとんど詰んでいた【ヘブンズ・ゲート】ですが、ついにクリーチャーでの踏み倒し手段を確保。特に《「光魔の鎧」》との相性は抜群で、トリガーした《「光魔の鎧」》で手札からシールド化すればそのターン中は確実にS・トリガー・プラスが発動できるうえ、クリーチャーのみで展開が完結します。
また、タッパーとしての性能も及第点以上。最低でも1体タップ、S・トリガー・プラスが発動すれば2面を止められる防御性能に加えて、《闘門の精霊ウェルキウス》の「バトルに勝った時」能力までサポートできます。
単純にトリガーの枚数を稼げる点も、意外にも防御力が高いとは言えなかった【ヘブンズ・ゲート】からすれば朗報でしょう。本体がブロッカーでないこと、タップ能力が強制能力であることを除けば非の打ち所がない1枚です。
一挙に2体のブロッカーを展開して強烈なカウンターパンチを放つ、光文明伝統のS・トリガー呪文。ビートダウンデッキに対しては「踏ませれば勝ち」クラスの破壊力を有しています。
能動的な仕掛けとしては1ターン早い《スターゲイズ・ゲート》に一歩譲りますが、同時に2体、コストに換算すれば合計15を悠に超えるだけの踏み倒しを6マナで行えるパワーは初出の古さを感じさせません。
また、コスト6は普通に使う分には重さがネックになるものの、自分から《∞龍 ゲンムエンペラー》を使うこのデッキではメリットとしての側面も。
手札から追加のトリガーを仕込めるトリガー・ブロッカー。
単体で最低でも2面が止まる受けトリガーでありながら、手札から《水雲の聖沌 5u170n》や《ヘブンズ・ゲート》をシールドに埋められるビートダウンにとっては悪夢のような受け札です。
《水雲の聖沌 5u170n》の登場前は《ヘブンズ・ゲート》との2種8枚でデッキの防御性能をどうにか確保していました。もちろん《水雲の聖沌 5u170n》との相性にも優れるため、新弾リリース後も活躍しています。
《ヘブンズ・ゲート》から大型ブロッカーのおまけとしてくっついて出てくるだけでも十分に仕事をでき、プレイヤーにも攻撃できるため詰めの局面で打点に換算できたりと総じて隙がありません。
昔はこの手の光のトリガーブロッカーは基本的に相手プレイヤーを攻撃できないのがデフォルトでしたが、最近はそうでもなくなってきていて時代を感じますね。
数々のカードで名前が登場した通り、現在の【ヘブンズ・ゲート】において中核的な役割を果たしている大型ブロッカー。
この手の踏み倒し能力を持ったカードはほとんどが「光の」という文明の制約を有していましたが、その障壁を破壊したのが《闘門の精霊ウェルキウス》。このクリーチャーを経由して他文明の大型ブロッカーにアクセスできるようになり、【ヘブンズ・ゲート】の構築は大きく自由度を増しました。
《∞龍 ゲンムエンペラー》はその代表例。前代未聞のコスト∞をムゲンクライムや様々なコスト踏み倒しで誤魔化して広く使われてきたカードですが、ブロッカーを持っているおかげで《闘門の精霊ウェルキウス》から踏み倒せてしまいます。
踏み倒し前にドローが入るためリソース補填能力も高く、登場時だけでなく自分のクリーチャーがバトルに勝った時にも誘発するため、システムクリーチャーとしてのスペック自体が歴代のブロッカーの中でも指折り。
まずはこのクリーチャーをなるべく早く着地させるところがこのデッキのスタート地点です。
指定したクリーチャーの能力を無視できる光のブロッカー。
《闘門の精霊ウェルキウス》を経由せずに直接《ヘブンズ・ゲート》から出せるロック能力持ちブロッカー、という点がこのカード最大のアイデンティティです。
早いうちにこのカードだけ出せるタイミングがあればとりあえず負けに直結しうるカードを制限して《∞龍 ゲンムエンペラー》到着までの時間を稼いだり、逆に《∞龍 ゲンムエンペラー》着地の目処が立っているのであればあちらでロックできないコスト6以上のキーカードをケアしたり。
クリーチャーしか止められないのはやや不安定ではあるものの、ケア範囲の補完としては十分以上の働きを期待できます。
低コストカードのインフレが著しい現代デュエル・マスターズに真っ向から反旗を翻す、コスト5以下のカードを全面的に封殺する大型フィニッシャー。
環境内にあるデッキのほとんどはこのカードが着地するだけで厳しい戦いを強いられます。
登場以来の様々なデッキで活躍してきた強力なフィニッシャーですが、ムゲンクライム要員や踏み倒しギミックにコスト5以下のカードを用いることがほとんどなので、自分のデッキにも甚大な被害をもたらす諸刃の剣でもありました。
しかし、【ヘブンズ・ゲート】は平均コストが重く、横に居並ぶクリーチャーのコストは概ね7以上。防御面も《ヘブンズ・ゲート》と《「光魔の鎧」》は問題なく機能するためデッキの強みを活かしたまま一方的に《∞龍 ゲンムエンペラー》のロック性能を押し付けられるのが非常に強力です。
直接《ヘブンズ・ゲート》から出られないカードにも関わらず、3〜4枚採用されることがほとんど。このカードに対する信頼の程が伺えます。
登場時にコスト7以下のクリーチャーの攻撃・ブロックを1ターン封じ、コスト7以下のクリーチャーでないカードのコストを8まで引き上げ、コスト7以下のカードに選ばれないコスト7以下に厳しいクリーチャー。
カードのコスト引き上げがこのクリーチャーのメインとなる能力。呪文はもちろんフィールドやタマシードのコストも大幅に引き上げるため、このクリーチャーに不自由な思いをさせられるデッキは少なくありません。
特に呪文とフィールドでデッキのほとんどが構成される【青魔導具】にはクリティカルヒット。着地すればほとんどゲームが終わります。
除去しようにもコスト7 以下のカードには選ばれないため、しぶとく盤面に残り続けるのも高評価点です。
おわりに
というわけで、今回は光水【ヘブンズ・ゲート】について解説していきました。
攻撃的なデッキが流行ったことでにわかに注目が集まっている防御的なデッキタイプ。基本的に《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》と墓地リセットの組み合わせで【サガループ】を見つつ、殴ってくるデッキには受けの強さで戦えるため環境的な立ち位置は悪くありません。
こと【ヘブンズ・ゲート】においては《水雲の聖沌 5u170n》の追加も大きなトピックです。呪文ロックを乗り越えて展開を作れるS・トリガー・プラスを持ちながら、タッパーとしても一級品。受け枚数の水増しにも貢献してくれる優秀な新規戦力です。
18年前の踏み倒しカードが今でも愛され環境で使われているのは、やはりカードゲームの醍醐味だと感じますね。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!