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2023.6.27

Vol.62「『忍邪乱武』発売! 最新カードデッキ紹介」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!

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Vol.62「『忍邪乱武』発売! 最新カードデッキ紹介」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!
目次

はじめに

 初めましての方は初めまして、『yk800』です。


 このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していく……のですが、今回はつい先日発売された最新弾「忍邪乱武」の特集回です!


 新セット特集は随分と久々ですが、今弾では種族をテーマにしたデッキの基盤カードとして、単体でも優秀なカードが多数収録。突き抜けて強いカードというわけではないものの、様々なデッキの選択肢が広がった印象です。


 今週はさっそく大会で活躍している新カードやそれらを採用したデッキについて、速度重視で紹介していきたいと思います!

 まずは水文明のSRから、《Kl'avia Tune》


 登場時にコスト7以下の相手クリーチャーの攻撃・ブロックを1ターンロック、相手のコスト7以下の非クリーチャーカードのコストを8に固定、コスト7以下のエレメントの能力・呪文に選ばれないなど、徹底的に「コスト7以下」の制圧にこだわったクリーチャーです。やたら8以上に甘いのは1オクターブを意識しているんでしょうか。


 コスト6でも「重い」と言われる現代デュエル・マスターズにおいて、コスト7以下という制約はほとんどないようなもの。もちろん例外はありますが、ほとんどの状況では実質的に「登場時に相手クリーチャーすべての攻撃・ブロックを1ターンロック」・「相手は非クリーチャーカードをコストを支払って使えない」・「選ばれない」能力だと読み替えられるでしょう。


 特に目玉となるのは非クリーチャーカードのコスト8固定。


 コスト踏み倒しやトリガーで呪文やタマシードを使う分には止められないため、このクリーチャーだけをもってフィニッシャーとするにはやや物足りませんが、相手の行動を制限して盤面を停滞させるカードとしてはピカイチの性能を持っています。【青魔導具】のような軽量呪文に強く依存したデッキには特にクリティカルですね。


 また、単純に「実質的に選ばれないパワー12000のブロッカーかつT・ブレイカー」というフィジカルの高さも強力。


 《灰燼と天門の儀式》《ブレイン・スラッシュ》で釣れるコスト8、メクレイドはもちろん侵略や革命チェンジなど無数のシナジーが期待できる種族:マジック・コマンド・ドラゴン、踏み倒し手段が豊富なブロッカーに一時期自然文明のテーマになっていたパワー12000と、とにかく幅広いサポートを受けられるカタログスペックの良さのおかげで様々なデッキでの活躍が期待できます。


 現時点では【ヘブンズ・ゲート】系のデッキや5c【ザーディクリカ】での採用が試されています。

光水闇【ヘブンズ・ゲート】

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3

3

1

3

1

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3

 今弾SR勢の中でも最も注目されていた自然のSR、《超球の超人/父なるタッチダウン》


 ジャイアントデッキのフィニッシャーとして登場しつつも、能力自体は全くジャイアントに依存しないためマナ加速や踏み倒しを得意とするデッキであればフィニッシャーとして汎用的に採用できるスペック。特にコスト8が重要で、主流なリアニメイト呪文である《灰燼と天門の儀式》《ブレイン・スラッシュ》で蘇生可能な範囲に収まっています。


 肝心の能力としては、主に「相手はコスト5以下の、クリーチャーではないカードを使えない」ロック性能がメインの役割となってくるでしょう。呪文はもちろんタマシードやフィールドに至るまで対処できるため、ロック範囲はかなり広範です。


 タマシードに干渉できるのは《十番龍 オービーメイカー Par100》などごく一部のカードに限られており、ここまで汎用性の高いものは希少。今後は更なるカードタイプの追加もありうるため、将来性の面でも期待できるロック能力です。


 確定除去を飛ばしつつあわよくば展開まで視野に入る呪文面も悪いスペックではありません。


 《龍風混成 ザーディクリカ》などの呪文使い回しギミックとの相性も良好ですが、《大地門ライフ・ゲート》と違ってトリガーがついておらず、メクレイドとの兼ね合いからかコストが5に抑えられているため《∞龍 ゲンムエンペラー》を除去できないのは玉にキズでしょうか。


 先週の段階では、様々な面で噛み合いのいい5c【ザーディクリカ】での採用例がいくつか見られました。


 もちろんジャイアントデッキとの相性も抜群! 上面がコスト8、下面がコスト5ということでメクレイドのコストに綺麗に噛み合っています。ジャイアントデッキのメクレイドは8が主流ですが、どちらでも使えるに越したことはありませんね。


 こちらも先週末に数件の大会入賞が確認されており、新弾の影響が伺えます。

5c【ザーディクリカ】

4

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2

4

4

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3

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2

1

1

 サイクル発表時から話題になっていたツインパクト7/3チャージャーサイクルも前評判通り早速の環境入り。


 《竹馬の超人/テイクバック・チャージャー》は自然文明にとっては待望とも言えるエレメント除去。これまで自然と闇はタマシードやフィールドに触れられる手段が非常に限られていましたが、自然はこのカードで、闇は《邪招待》で軽量フィールドに干渉できるようになりました。


 自然文明らしく対象のエレメントはマナ送り。除去としては若干取り回しが悪いですが、ポイントはこの除去を自分のエレメントにも当てられること。このカード自身のチャージャーと合わせて2ブーストが可能です。


 実例としては、3ターン目に《天災 デドダム》を召喚して4ターン目にこの呪文をプレイ、《天災 デドダム》をマナに送れば次のターンに8マナへ到達し、《Kl'avia Tune》《超球の超人》といった大型フィニッシャーを手札からも召喚できるようになります。


 また、自然文明のチャージャーということで、この呪文を唱えるだけで確実に自然のアンタップマナを1枚確保できます。《とこしえの超人》とセットで動かしやすいのは特筆すべき点ですね。


 上面は非常に淡白なスペックですが、《ナウ・オア・ネバー》と組み合わせる場合は5→8が可能なブーストカードとして活躍することもあるかも……?


 ブーストしながら邪魔なメタクリーチャーを排除するテンポの良いカードとしても、自分のマナを一気に伸ばす爆ブースト札としても使えるのはやはり強力。こちらも《超球の超人》と同じく、現在のところ5c【ザーディクリカ】や【ジャイアント】で採用されています。

自然単【ジャイアント】

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3

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 手札交換を行える水文明の3コストチャージャー。


 このカードはとにかく「実用的な水の3マナチャージャー」というだけで革命的。自分で手札確保に長けた水文明が自前でマナ加速できると強くなりすぎるためか、これまでは意図的にチャージャーのカードパワーが抑えられていた節がありましたが、いよいよこんなカードが出る時代になったか……と少し感慨深くなりました。


 とはいえスペック自体はあくまで手札入れ替え、基本的に手札は1枚減るチャージャーです。この1枚の消費はかなり軽視できず、「墓地にカードが行くこと」そのものを活用できるデッキでないと採用は少し難しいかもしれません。


 特に相性のいいカードとして挙げられるのは《ナウ・オア・ネバー》手札を調整しながら3→5へのジャンプアップに貢献するため、単純に噛み合い◎。《龍素記号 Sr スペルサイクリカ》《龍風混成 ザーディクリカ》などで唱えたい呪文をあらかじめ墓地に置いておくこともできるため、5c【ザーディクリカ】や【ネバーループ】で採用候補に挙がるでしょう。


 また、【サガループ】のチャージャー枠としても《コダマダンス・チャージャー》と差し替え・併用する形で採用できそうです。こちらは手札が減ってしまうもののマナを伸ばしながら墓地を確保できるため、2ターン目の手札入れ替えの返しに墓地リセットを喰らっても、3ターン目の《♪水面から 天掴まんと するチャージャー》→4ターン目の2マナツインパクト呪文+《絶望神サガ》からループに突入できるパターンがあります。


 現時点では、5c【ザーディクリカ】での採用を中心に、【サガループ】にも一部採用アリ。


 とはいえ、このカードについても「水文明に強い3マナのチャージャーがある」という事実自体がデュエル・マスターズにとっての大きなトピックです。今後は様々なデッキでこのカードを見ることになるかもしれませんね。

水闇【サガループ】

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4

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1

1

1

 基礎的なスペックの手札入れ替えに相手プレイヤーに直接「クリーチャーでの攻撃の禁止」を付与するS・トリガー・プラスが付いてきた《終末の時計 ザ・クロック》の派生カードです。


 単に「受け札」としての性能を求めるなら《終末の時計 ザ・クロック》の方が確実なため、ルーター能力をどれだけ活用できるかがこのカードの評価の分かれ目でしょう。


 高確率で1ターンをもらえるトリガーにとりあえず役割を失いづらく手札の減らないルーティングが付いてくるため、「デッキの動きは弱くしたくないけど防御力を底上げしたい」といったシチュエーションでは比較的手軽に採用できます。特定のパーツを引きに行く役割を担えるコンボデッキや、手札リソースが重要になるメタビートなどでは特に採用候補に挙がりやすいと考えられます。


 先週時点で確認できたのは、水/闇/自然基盤の【サガループ】や【CRYMAX ジャオウガ】で、《Dis ジルコン》を数枚こちらに差し替えた形です。


 《キユリのASMラジオ》から出してもリソースを回収できる受けトリガーは確かに貴重。【サガループ】では単に山札を掘り進めてコンボを揃えるスペックが高い点も評価できます。


 また、【水魔導具】についても一部採用例が。こちらは《終末の時計 ザ・クロック》を採用するリストもあったため、その枠がそのまま入れ替わったとも考えられます。


 【アポロヌス】が多い環境で扱いづらいことは難点ですが、自分の動きと防御の中間を取れる選択肢として有力なのは間違いないでしょう。今後も長く環境で顔を見るカードだと思います。

水闇自然【CRYMAX ジャオウガ】

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 【サガ】メタ界期待の新星現る。


 3マナ2ドローという《エナジー・ライト》のスペックに墓地リセットが付いただけの代物ですが、「妨害行動を取りながらリソースを増やせる」ことの威力は見た目以上です。


 これまでも《お清めシャラップ》などの「自分の動きを進めながら対策するカード」、《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》《堕呪 ブラッドゥ》などの「手札を減らさずに対策するカード」というのはいくつか存在していました。


 ある意味では《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》もこの系譜ですが、これらはいずれも1:1交換をするだけで、決してアドバンテージがプラスに傾くことはありませんでした。そもそも単体では機能しづらいため他のメタ手段と併用することになりますが、そうなるとアドバンテージは他のメタ手段分で-1。結局リソース面では損をしながら【サガループ】を対処する必要がありました。


 そうすると【サガループ】側は長期戦モードに切り替え、ハンデスや除去などの妨害を駆使してメタする側のリソースを着々と削り取って揺さぶりをかけ、強引にループを捩じ込む隙を作り出してきます。


 しかし、《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》は手札を増やしながら墓地リセットを放てるため、メタクリーチャーや他の妨害手段と併用して対処されてもリソース面ではトントン。連打でもしようものならそれだけアドバンテージ差が重なっていきます。


 また、コスト3の呪文というのも絶妙。《蒼狼の大王 イザナギテラス》《龍素記号 wD サイクルペディア》といった呪文サポートとは大方シナジーを形成できます。


 単純にコスト相応のドロー呪文として使用できるため、水文明を含むデッキであればほぼ全てに採用できる汎用性の高さが最大の強み。既にデッキタイプの垣根を超えて、多くの構築で採用されはじめています。

光水火【鬼羅.Star】

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おわりに

 というわけで最新弾の注目カードとそれを使ったデッキを紹介していきました。


 環境的にはグッドスタッフとして使えるフィニッシャーやエレメント除去、チャージャーなどが一気に投入されて選択肢が一気に広がった印象です。


 これまでは(一部の例外はありますが)ほぼ火文明の専売特許だったカード除去がエレメント除去に拡張され、自然・闇にも配られたり、各文明に強いチャージャーが追加されて自然を含まない構築でも3→5の動きを狙いやすくなったりと、環境デッキ・ファンデッキ問わずデッキ構築がより自由になった良いパックだったと思います。


 もちろん、足回りが強化されたということは五文明五種族それぞれのデッキも大幅に強化されたということ。僕はマジック・メクレイドがいよいよデッキとしてちゃんと遊べるようになってきたので、グルグル回して楽しんでます!


 非常に「デッキを組むのが楽しくなる」セットなので、今回の記事を参考にしつつも、よければ皆さん自身でデッキを組んでみていただければ幸いです。


 それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!

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このコラムのライター

yk800

yk800