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2022.9.1

世界大会までの取り組み方 | サーニーゴのポケモン通信

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世界大会までの取り組み方 | サーニーゴのポケモン通信
目次

世界大会までの取り組み方 | サーニーゴのポケモン通信

 こんにちは サーニーゴことシマダダイチです。


 今回はWCS2022に向けた準備とデッキ選択の経緯に関して話していきます。


 何度かコラムでもふれていますが、日本と海外ではカードプールが多少異なり、大会形式はBO3です。

 海外のカードプールや強かったデッキについて、詳しくは以前書いたコラムをご覧ください。


 世界大会ってどんな形式? 日本代表が今年活躍できる理由 | サーニーゴのポケモン通信


 【WCS2022観戦をもっと楽しむために!】環境デッキ解説 | サーニーゴのポケモン通信

短期間での目標の設定

 世界大会までの準備期間はシーズン最後の大会を6月上旬のJAPAN Champion Shipとすれば、約2ヶ月あることになります。


 国内のシティリーグやチャンピオンズリーグに向けた準備期間と比べるとはるかに長く、カードプールが大きく変わらない点が特徴です。


 僕が前回世界大会に参加した2019年もそれは変わらずでした。

 しかし、当時は世界大会初参戦だったということもあり、この長い期間を上手く使えていなかったと思います。

 簡単に言えば、長過ぎてダレてしまっていたわけです。


 そこで今回はなるべく短いスパンで目標設定を行い、練習の結果や感想は簡易的にメモに残すということを行いました。

 国内の大会でも似たようなことをやっていますが、カードプールを含めた環境の移り変わりが早いのでだいたい思った通りにはいきません。

6月

一通りデッキを作る

 6月から7月中旬ぐらいまでは海外の公式大会を参考に一通りのデッキを触って評価する作業から始めます。


 海外公式大会は拡張パックタイムゲイザーとスペースジャグラー以前に発売したカードから、強化拡張パックダークファンタズマを引いたカードのみが使用可能でした。

 世界大会はそこに強化拡張パックポケモンGOのカードが追加されます。


 強化拡張パックポケモンGOにはデッキのメインとなるシステムポケモンやポケモンVは居ないものの、それぞれのデッキをほんの少し強化することとなり、その差でデッキの評価が大きく変わります。


 その結果、特性「うらこうさく」を持つ《インテレオン》軸のデッキが安定することが再確認できました。

Internationalで突如登場した2デッキの存在

 Internationalは日本で例えるとJCS(Japan Champion Ships)のような位置づけです。


 ここで優勝した《アルセウスVSTAR》+《そらをとぶピカチュウVMAX》とベスト4に入賞した《ミュウツーVUNION》コントロールの2デッキが強力でした。

アルセウスVSTAR+そらをとぶピカチュウVMAX

 先攻であれば《オリジンパルキアVSTAR》に有利であることはもちろん、後攻であっても2回に1回は勝てそうに作られていました。

 たねポケモン軸のデッキに対しても強く出られるので、意外と有利を取れるデッキが多い印象でした。


 しかし、《アルセウスVSTAR》+《インテレオン》のデッキはかなり苦手で、《チェレンのきくばり》によるダメージレースで不利になってしまいます。


 《アルセウスVSTAR》がやや流行り始めてたところだったので、このデッキは流行るか流行らないか難しいラインでした。

ミュウツーVUNION

 このデッキを見た時は衝撃でした。


 基本的にHPの低いポケモンは《オリジンパルキアVSTAR》に不利となることから環境的に立ち位置が悪く、結局ポケモンVを主軸にベンチを絞るデッキを使わざるを得ません。


 ベンチを絞るデッキのほとんどは中打点で《ミュウツーVUNION》の突破が難しく、仮に突破できたとしても今度は《ミルタンク》を突破できないため、このデッキには最後まで頭を抱えることになります。

7月

自主大会に参戦する

 7月はBO3の大会に多く出場する予定があったので、プレイが難しく時間のかかる「うらこうさく」軸のデッキを中心に使うことにしました。


 僕はDay2から参加予定で、少なくとも8〜9戦は行うため少しでも慣れておく必要があると考えていたからです。

 合計2大会で使ってみて思った通り、時間やプレイはシビアに感じます。


 しかし、世界大会はメモを取ってもいいためサイド落ちの確認がかなり楽だったり

 多少プレイングが雑になったとしても、3本目を終わらせるために早くプレイする必要があったりする面は自分に合っている。

 これらがわかったことは収穫です。


 この時点ではいいデッキがなければ、対応力の高い《オリジンパルキアVSTAR》、もしくは《かがやくリザードン》軸のデッキを使うことを想定していました。

 《オリジンパルキアVSTAR》に関してはある程度デッキとしての原型が出来上がっていたので、《かがやくリザードン》の調整に2週間ぐらい時間を使うことにします。

サンダース入りアルセウスVSTARの存在を知る

 関東の自主大会に参加した時、2017年の世界大会ファイナリストが今回僕が世界大会で使用するデッキの原案となるデッキを使っていました。


 その大会での僕のデッキは《オリジンパルキアVSTAR》

 決勝戦は彼の《サンダース》と対戦することとなり、なんとか2勝1敗で勝ち切れたのですがもう一度対戦して勝てる気がしなかったし、運良く先攻で2回プレイできたのも大きかったです。


 「うらこうさく」軸のデッキが流行ることは明確だったので、魅力的なデッキに感じました。

意外に対策されてないコントロール

 強力なデッキだと考えていましたが、たくさん自主大会に出てみると意外に対策されていないことに気がつきました。


 強化拡張パックポケモンGOで《ポケストップ》が収録されたことでかなり安定感が上がったと考えていたので、本番使う可能性があると思い直し、《かがやくリザードン》と並行して練習を開始します。


 すでに認知されてるデッキではありますが、強力なデッキだったので他にいいデッキがなければ使ってもいいと思っていました。

8月

プレイ難易度を下げる

 8月に入ってからは本格的に候補デッキの調整に入ります。

 上に記した《オリジンパルキアVSTAR》《かがやくリザードン》《アルセウスVSTAR》+《サンダース》《ミュウツーVUNION》が有力でした。


 これらのデッキを比較してみると【《アルセウスVSTAR》+《サンダース》】だけ良くも悪くもあっさりゲームが終わることが多く、3本目まで完遂することができるデッキでした。


 長丁場であることからプレイ難易度が低く、試合展開が早いことが重要なのはこの2ヶ月+今までの経験上感じていたので第一候補デッキとなります。

マリィが強い

 もう一つ重要なのが《マリィ》が強力な環境だったこと。


 ほとんどの環境デッキが手札を溜め込む傾向にあるので、《マリィ》によるプレッシャーは強力でした。


 InternationalでもJCSでも《マリィ》《頂への雪道》を多く採用したデッキが勝ち上がっており、これは偶然ではないと感じていました。

大会直前

デッキリスト

4

3

2

2

1

1

1

1

2

1

1

1

1

4

4

3

4

4

1

3

1

3

4

2

2

2

2

クロバットVMAX

 リストを見ていただければわかる通り《ミュウVMAX》には非常に弱くなっています。

 それと同時に《ミュウツーVUNION》コントロールにも強くはなかったので、両方を対策するために《クロバットVMAX》の採用を検討していました。


 しかし、《ミュウVMAX》対面に関しては《クロバットVMAX》を強く使えるのは先攻のみで、2枚目の《クロバットV》がなければ上手く進化できません。

 《ネオラントV》を減らしてもいいと考えていましたが、対戦回数をこなすと安定感が段違いであることがわかりました。


 このデータは最初に書いた通り、対戦結果を全てメモしていたので最後の最後で悩んだ時の判断基準として信頼できました。


 話を元に戻します。

 《クロバットVMAX》の欠点はもう1つあって、基本悪エネルギーが2枚必要であるというところ。


 《ふつうのつりざお》を採用しているので問題ないのでは? と思ってしまいますが、《ミュウツーVUNION》から《クラッシュハンマー》《おうえんYホーン》が飛んでくると《ヒスイジュナイパーVSTAR》に付ける闘エネルギーも必要となるため、エネルギーが足りなくなってしまいます。


 これらのことから《クロバットVMAX》《ミュウVMAX》に対して先攻の場合1~2割程度勝率を上げてくれ、《ミュウツーVUNION》には理論上勝てるが実際はベストではないカードといった評価に落ち着きました。

安定か対応力か

 さらにもう一つ頭を悩ませる問題がデッキの安定性です。


 これだけ様々な対策カードを入れていると当然全てのマッチアップで60枚が機能することは少なく、不要なカードばかり引いてコンセプト通りにプレイできなくなってしまいます。


 これは大会前日までずっと課題としていて、具体的な改善策が思いつなかったところです。

 純粋に《しんかのおこう》やサポートを多めに入れる方法も考えはしましたが、効果を感じられません。


 そこで《キャプチャーエネルギー》を採用することにします。

 元々1枚入れて試してはいたのですが、「トリニティノヴァ」で付けられない部分にばかり目がいってました。


 しかし、だいたい序盤で盤面を作ってしまえばそのまま勝ちきれるパターンが多いので1〜2ターン目を強くすることは理にかなっていましたし、中盤以降に引いてもエネルギーとして最低限の役割があります。

 こうなると基本エネルギーにあまり多く枠を避けなくなり、さらに《クロバットVMAX》が入れにくくなってしまいます。


 そこで代わりに《ガラルファイヤーV》を採用することにします。

 《ミュウVMAX》に対してはほぼ使えませんが、勝つ試合は《頂への雪道》で相手が止まっているパターンが多く、勝ち筋となるだけ上々といった考えです。


 こうして《ガラルファイヤーV》は完全に《ミュウツーVUNION》コントロール専用の対策と相成ります。


 《ミュウツーVUNION》コントロールは最後まで選択肢に入っていたほど自分の中では評価が高く、優勝するためには対策を怠りたくないデッキでした。

 実際上位には残ってこなかったものの、ベスト16に入賞したデッキの多くは《ミュウツーVUNION》コントロールを対策しています。


 ちなみに《ガラルファイヤーV》も基本悪エネルギーが2枚必要ですが、《ミュウツーVUNION》が出てくるのは最終盤なのでそれまでにサイドから基本悪エネルギーを2枚回収すれば十分間に合うと考えていました。

 エネルギーは《クラッシュハンマー》でトラッシュされても、特性「じゃえんのつばさ」で付け直すことが可能です。

Day2は魔境

 これは前回の2019年に参加したときにも思っていたことです。


 海外の有名プレイヤーがたくさんいますし、風変わりなデッキも多くあります。

 思い切ったデッキ選択や自分の持ち味を活かした構築にしなければ渡り合えないと感じました。


 当然その結果失敗してしまうリスクはありますが、失敗しても経験をまた来年活かせればいいと考えていました。

 それが今回はたまたま上手くいって勝ち上がることができました。


 思い返してみるとかなり攻めたデッキ選択だったので、本当に運がよかったのでしょう。

 大会が終わってから、もっと吟味するべきだったと感じる部分も多かったです。

まとめ

 今回の大会では学べることがたくさんありました。


 長期の練習期間を上手く活用できた点は特によかったです。


 準備を含め、継続すべきよかった点、次に改善すべき問題をしっかり踏まえ、今後もっと強いシマダダイチをお見せすることができればと思います。


 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 また次のコラムでお会いしましょう。

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このコラムのライター

サーニーゴ

サーニーゴ