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2022.9.2

WCS2023ヨコハマに向けて!(日本と国外の違いについて) | イツキ先生のポケモンカード教室

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WCS2023ヨコハマに向けて!(日本と国外の違いについて) | イツキ先生のポケモンカード教室
目次

【ご挨拶/デッキ紹介】

 無事に帰国しました😅


 お休みをいただき、ありがとうございます!

 また、応援ありがとうございました😊


 ドラゴンスターのライターの中からシマダダイチ選手が準優勝しました!

 改めて、おめでとうございます😊


 私は、 WCS(DAY1)18戦12勝5敗1引分の合計16点と、予選通過に必要な18点に2点届かず、DAY1で終了しました。


 今回、私が使用したデッキを以下に掲載しますので是非使ってみてください!

 ダーボディアルガとは少し異なるまた別系統のデッキになります😁


 使用デッキ:スピードザシアン/ディアルガ

 1回戦⭕️:○○-

 2回戦⭕️:○○-
 3回戦⭕️:○○-
 4回戦🔺:×○▲
 5回戦⭕️:○○-
 6回戦❌:××-
 7回戦❌:×○×
 8回戦⭕️:○○-

デッキリスト

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1

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1

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4

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1

11

 ※サブイベでは、《ザシアンV》の枚数を2枚に増やしたり、調整しています😊


 通算54戦37勝16敗1分(勝率:約70%)となりました😄


 初めての世界大会に挑むにあたり、自分のポリシーである『鋼』を突き通したかったので、もう1か月前からこれしか使っていません(笑)


 優勝者は1日6~8時間の練習量であったと語っており、私も1日4時間の練習時間を取りましたが、総数で見ると倍ほどの違いがあり、世界の壁を感じました😅


 きっと配信をリアルタイムで見ていたプレイヤーの方々は、非常に熱いものを感じたと思います。

 私たち選手も夢の舞台に立ち、緊張の中目標を達成して思わず涙を流す方や、試合後お互いに抱き合ったり、ハイタッチなど現地ならではの「熱いもの」がそこにはありました。


 今回は私が実際に経験して、今から準備しておきたいことをこの記事にまとめておきたいと思います😉

1)【英語はできるようにした方が絶対にいい】

 指さしで大丈夫と考えている方もいらっしゃるかと思いますが、できないよりは絶対にできた方が良いです。


 わざわざ英会話まで習う必要はないですが、以下のような事態に直面したとき不便を感じました。

①対戦中のトラブル回避

 私自身も海外でポケモンカードをプレイするのは初めての経験でした!

 このことから、事前に現地の選手にコーチをしてもらっていました。


 日本と海外ではカードゲームに対する「意識」が異なります。

 要因としては、日本では25分のBO1が主流であり、海外では50分のBO3が主流となります。


 そのため、日本では比較的早いプレイングを要求される場面が多くなりがちです。

 しかし、世界大会ではメモを取ることも可能であり、非常にゆっくりと考えてプレイングができるゲーム環境にあります。

 そういった環境の違いからプレイングを急かすと、ジャッジから警告されることがあると教えてもらいました。


 実際に私の使用デッキを見てもらうと分かりますが、とにかく自分の番で長時間を要するデッキになります。

 《ミュウVMAX》のデッキとマッチングした時は、双方で全然ターンが返ってきません(笑)😅

 それでも相手から急かさせることはなく、「自分の番が長くて、すみません」と伝えたところ、「全然大丈夫だよ。ゆっくりプレイして」とかえって気遣ってもらうくらいでした。




 話を戻して、「トラブル回避」という点で言いますと。


 世界大会という舞台での緊張もあるかもしれませんが、《頂への雪道》があるのに《クロバットV》の特性を使ってしまったり、サポートを2回使うことや《パルキアVSTAR》の打点を間違えてしまうことが印象に残りました。


 しかし、その際に、相手のミスや間違いを英語で説明と指摘を行わないと修正が困難になり、さらにジャッジへ説明することも困難になります。

 そのため、よくありそうなプレイングミスは英語で指摘できるような準備は絶対に必要と考えます。


 また、世界大会のジャッジは、さながら格闘技の審判の様でした(笑)※あくまで個人の印象です。


 もし、ジャッジが何か不信に感じることがあれば、双方の間に飛び込んで試合を止めてきます😖

 これはなかなか日本では見られない場面だったため、驚きました。


 ちなみにジャッジは複数の言語を話すことができます。

 もちろん、日本語を話せるジャッジもいますので、前日のエントリーで安心していましたが、いざ大会となると「日本語では対応できない。英語で話してください」とジャッジに抗議した際に言われてしまいました😅


 その際に生じた、これは想定外の出来事だったんですが


 自分がきちんと英語を話せない。かつ相手も英語が話せないと、双方で説明してもジャッジにきちんと理解してもらえない為、盤面修復が認められない


 《ミュウVMAX》のデッキに入っている《ウッウロボ》をコインではなくダイスを代用する際に起きたことです。

 「手の平でのローリングが確認できず、机に垂直に落とす振り方」であったため、もしかしたらその国ではその振り方が主流なのかもしれないと思いながらも

 「マニュアル通りにダイスは手の平で転がし、机でここまで転がるように振ってください」と英語でお願いしたところ

 相手が英語圏ではなかったため、うまく理解が得られず、ジャッジにも対応してもらい説明をしましたが、私自身の英語力が足らず、さらに通訳を呼んだりと余計な時間を費やしてしまったことで、非常に悔しい思いをしました😖


 しかし、これも経験であり、この学びが翌年の選手に活きることを期待します!

 英語が話せないと相手プレイヤーにも迷惑をかける可能性があることも含め、最低限の英語力は必要であると感じました。




 ちょっとしたエピソードですが、サイドイベントには子供が選手でその親が付き添いとして参加されていた方がいらっしゃり、ポケモンカードのルールを教えて欲しいとティーチングを依頼されました😅


 海外の会場で初めて英語でポケモンカードのティーチングを行いましたが、これがめちゃくちゃ難しく、私自身もっと英語を学ぼうと思いました。

②トレードが楽しい!!スムーズ!

 英語を話せる選手は大会の中では引っ張りだこでした(笑)

 様々な人たちを相手に、これをトレードできませんか? と交渉依頼をすることもできます😊


 これによって、非常に珍しい商品を交渉することができます(笑)😊


 トレード会場では、本当に英語ができる人はほぼ通訳で、それを1つのビジネス(副業)のレベルまで昇華している選手もいるくらいでした(笑)


 カードゲームは対面でコミュニケーションを取るコンテンツだからこそ、コミュニケーションはしっかりとれるような準備はとても大事です!
 ただでさえ、人見知り&英語できないはかなり不利マッチであると感じます😅

 英語できない組も出川イングリッシュでノリと勢いとテンションでどうにかしていました(笑)


 ちなみに私は、海外の選手の方々とTwitterやLINEなどのSNSを交換して大会の情報などの共有をすることになりました😄

 自分の視野が広がります!

③パッションが強いコミュニケーション!モチベーションがあがる!!

 配信での試合前に「グッド!ラック!」、「いい試合にしましょう!」と拳を合わせてから開始する姿は、まさにボクシングや格闘技と同じく対戦相手へのリスペクトに溢れ、感動しました。

 それだけではなく、試合中にも「ナイス!」、「アメイジング!」、「ジーニアス!」ととにかく相手を褒めてきます😅

 自己肯定感がかなり上昇すると思います。モチベーションは正直かなりあがりました。


 例えば、試合を決めるべく「ボスオーダー」と宣言すると、まるで名作少年漫画であるスラムダンクの最終回の様なハイタッチか、熱い握手を交わし

 「あなたは素晴らしいプレイヤーだ。私はあなたと戦えたことを誇りに思う」

 と思わず照れてしまうような言葉をかけられてしまいます😆 


 また、ジャッジからも試合後に感想戦で積極的に声をかけてきます!😂


 ある試合で

 「フォー(4枚)メタルソーサーandライハン(キバナ)⇒クロススイッチャー⇒スタークロノス⇒Vノックアウト⇒再度、自分の番⇒ライハン(キバナ)⇒クロススイッチャー⇒メタルブラスト⇒VMAXノックアウト」

 と、一気にサイド5枚取りは、今回使用したデッキのVとVMAXを同時に処理する再現性を意識して作った構築であるでしたが


 このプレイングをすると驚くような歓声があがり、突然真後ろから

 「素晴らしい試合だったよ!! 君は一体何者なんだ!? プロのディーラーか何かか!?」

 「まるで手品を見せられているようだったよ!」

 

 日本ではあまり見かけない盛り上がりで、本当にお祭りの様です😆

 コロナをきっかけに握手などが禁止されてしまいましたが、来年のWCSにはその文化が復活することを期待してしまいます😊

2)【WCSのジャッジはここを見ています!】

 日本人選手に対しては特に厳しいと噂で聞いていましたが、明確には感じませんでした。

 ただ、国ごとに注意して見ているような雰囲気はありました😊


 私も公式大会では初めて警告を、それも2回受けてしまいました。

 デッキの性質上、とにかく山札のサーチが多いデッキを使用しており、急ぐあまりにシャッフルが雑になってしまうことがありました😅


 シマダダイチ選手の講習会でも、ファローシャッフル6回、その上でヒンズーシャッフルを数回すると教えてもらっておりましたが、相手選手にデッキシャッフルしてもらっているわけだから、そこまでやる必要はないかなと試合中少し気持ちが緩んだ場面でもありました😅


 その結果、格闘技の試合中に選手同士の間へと突っ込むレフェリーのようにジャッジは「ストップ! ストップ!」と大声を発し、試合を止めに入ります。


 日本なら必要に応じて選手側でジャッジコールをしますが、世界大会では積極的にジャッジからゲームに介入します。

 もちろん、すべてがペナルティの対象となるわけでなく、ジャッジから確認を求められることもあるため、それがどういう流れであるのかを説明するにも英語が必要となります。


 2回のペナルティのうち1回は意識して行ったのですが、残り時間が3分でこのままでは時間切れのドローになると判断し、「警告で特にペナルティがないなら続行させてくれ」とお願いして、苦渋の決断をすることとしました。




 後に、通訳の方から説明してもらったのですが

 「アジア系とアメリカ系では、シャッフル方法が根本的に異なっており、アメリカ系はファローシャッフルが主流であるが、アジア系はヒンズーシャッフルが主流なので、ジャッジは特にアジア系の人のシャッフルを注意して見ています」

 と説明を受けました。


 確かに日本ではカードを傷つけないように激しいファローシャッフル(ショットガンシャッフル等)を避ける傾向にあります。

 体感ではありますが、他のアジア圏である韓国や中国の選手もシャッフルで警告を貰っている場面を何度も見ました。

 しかし、ファローシャッフルを多用する選手は、もう60枚のカードがすべてヨレヨレで、ジャッジに「やりすぎだ。新しいカードはないのか?」と笑われている選手もいました(笑)




 前の項目でも書いた通り

 世界大会の試合ではテーブルにノートを置くことが許可されており、試合中にメモをとることができます。


 そのため、《シャクヤ》《ヒスイのヘビーボール》が非常に強力で、忘れないようにメモを取れるほか、山札サーチの段階でサイドカードのおおよその予想を立て、あたりを取ることができます。


 メモには汎用性の高い英会話を予め書いておくことや警告後には「シャッフル10回以上やれ!!」とノートいっぱいに書いておくことで警告が重ならないように配慮しました。

3)【初めての海外ならツアーなどのガイド付きがおすすめ】

 次回は日本であるため、個人や友人だけで動いても問題ないと思います。

 しかし、翌年以降が海外であれば、私はガイドつきのツアーをおすすめします。


 理由は以下に挙げていきます。

①困ったときに相談できる

 今回の場合、帰国の際には新型コロナウイルスの抗原検査が絶対に必要でした。


 もし、その申し込み方法を知らない、そもそもその情報すら知らないとなると日本に帰国することができなくなります。

 私も今回は申し込み方法から予約までツアーのガイドさんとダブルチェックしながら実施しました。


 その他にもウーバタクシー利用方法やとにかく分からないことは勝手に行動せずに確認する。

 これを徹底することで自分の身を守ることにも繋がります。


 検査結果が間に合わず、帰国が困難になった選手が実際にいたことからも、必ず気軽に相談できるようガイド付きだと心強いです。

②迷子の際に探してくれる(笑)

 Twitterにも書きましたが、帰国時にパリ(フランス)で迷子になりました😅


 自分が迷子になっていると気がつかないほど、普通にパリの空港を満喫していて、気づいたのはフライトの1時間前。

 あまりにも日本人と出会わないので、他の選手に電話したところ「空港からバスで移動した」と、絶望的なお言葉をいただき、本当に焦りました。

 この時の動画を貰いましたが、完全に顔が死んでてやばかったです(笑)


 何が困ったかと言うと、パリなので英語が通じない為、そもそもバス停の位置がわからない。

 みんなの所にどうすれば行けるのか、わからないことがわからないという状態です。


 幸い移動後に点呼を取ってくれたことやガイドさんに電話を取り次いでもらい、バス停までのアクセス方法やバスの乗り方も教えてもらえたので、最悪のパターンを避けることはできました。


 この時ほど、ツアーで良かったと痛感させられることはなかったです。

③現地の常識などの情報源

 当然ですが、ロンドンと日本では文化が異なります。

 SNSには本当かどうかわからないものも含め、情報が多すぎることから、正しい情報を得る為にも、ツアーはおすすめと言えます。


 例えば


 【食事】
 ・日本の水が「軟水」であることに対して、ロンドンの水は「硬水」となります。

 人によっては喉越しに不快感を覚え、その不快感を「変な物質が入っていて体調を崩した」と錯覚することもあります。

 人は、思い込みで体調を崩してしまうこともあるので、現地の水がそもそも日本人に合わない可能性があることを知っておくことは大事です。


 ・また、日本は国際基準の倍「塩分」を摂取しているため、現地の食事では塩気を感じることが少ないです。

 それだけが理由ではありませんが、そういったことから食事が美味しくないとも言われていますが、塩分が関係しないものではそのようなことは少ないですし、レストランによっては「塩」が置いてあったりするので、食事が不味いと聞いていたけど、そんなことはなかった! と感じた人もいたと思います。 




 【交通】

 ・歩行者も赤でも遠慮なく渡るため、そのままついていくと事故に遭う可能性があります。

 ・電車が日本より高く、タクシーは日本よりも安いと物価が日本の常識と異なります。




 【公衆衛生】

 ・ヨーロッパではウォッシュレットが標準の設備ではありません。

 「硬水」でカルシウム濃度が高く、水道管に付着してしまう為、水道管を閉塞させてしまうからです。

 このことを知っている選手は携帯用ウォッシュレットを持っていました。




 【マナー】

 ・ホテルでのベッドメイキングはメイドさんが行い、チップ制になります。

 日本にはない文化なので、どれくらいの金額をチップとして置くのか。どういうことに対してチップを渡すのか。こうした点もツアーであれば教えてもらえます。

4)【今後の課題、私たちができること】

①プレイヤーや選手の一人一人の意識

 私は仕事でゲーム研究をしております。

 ゲームの学会にも所属しており、ゲーム論文の発表を聞きますが、カードゲームの分野はゲーム研究の中でも発展途上の分野になります。


 その上で、ポケモンカードに限らず、カードゲーム(TCG)をもっと本格的に海外の様に発展させていくには、社会的な意義や学術的なデータが多く必要になります。

 そして、それは私たち一人一人の積み重ねで形成されていきます。


 例えば、公共の場で発言していいことを含め善悪の判断や相手を思いやる心遣い一つ一つの積み重ねで大きな成果を得ることだってあります😄


 2023年のヨコハマには世界中からポケモンカードが大好きな選手、愛好家の方々やスポンサー企業などで開催日には大賑わいになることが予想されます。

 みんなが日本に来てよかった! ヨコハマ最高! と思えるWCSになるよう、今から私たちに何ができるのか? 考えることが大切ではないかと思います。


 とにかく、みんなポケモンというコンテンツが大好きです。

 だからこそみんなが心から楽しめるようにしたいですね😊


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このコラムのライター

イツキ先生

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