はじめに
こんにちはサーニーゴことシマダダイチです。
日本一を決める大会【ポケモンジャパンチャンピオンシップス(PJCS)】が終わり、国内はオフシーズンになりました。
世界大会は今年8月にロンドンで開催される予定で、9月から国内のチャンピオンズリーグ(CL)やシティリーグが再開される予定です。
しかし、僕は世界大会に出ない人にもその魅力を伝えたいと考えています。
一度参加すれば参加権利を持っていなくても、現地に行きたくなるぐらい魅力的なものです。
今回のコラムからはいつもの内容に加えて、世界大会関係の内容をしばらく書いていくつもりなので、よろしくお願いします。
世界大会の形式
今年の世界大会は4日間で開催されます。
例年通りだと3日間だったのですが、コロナウィルスの影響で2年間開催できなかったことで参加権利保持者が増えすぎて、まさかの4日開催となりました。
1日目から順に勝ち抜いていき、4日目はゲーム、ポケモンGO、ポッ拳を含めた各部門の決勝のみを行います。
また、各国内の参加権利を賭けた予選の上位プレイヤーは2日目から参加する権利がもらえます。
日本のマスターリーグ(大人の部門)場合はJCSの上位16名×2回分+その前の年のCSP上位8名です。
あと、シニアリーグに関しては日本国内だと高校生と中学生ですが、海外は中学生のみなので高校生の2日目の参加権利所有者もここに含めることになります。
海外と日本のカードプールの違い
実は国によって、販売周期が異なります。
もちろん、ポケモンは日本発祥のコンテンツなので、日本の発売が一番早いです。
海外は日本より2〜3ヶ月遅れて新カードが登場し、3ヶ月に1回しかパックが発売されません。
日本は毎月発売なので2〜3ヶ月分のカードが1パックに収録されるわけです。
また、プロモーションカードや構築済みデッキに収録されていたカードもパック収録です。
このように盛り沢山な内容なので、カードによっては日本で登場した半年後に収録されるなんてこともあります。
例外として僕の知る限りでは、台湾や韓国などアジア圏の国は日本より1ヶ月遅れて毎月発売となっています。
ちなみに今年の世界大会では日本のパックでいう強化拡張パックポケモンGOまでのカードが使用可能ですが、ダークファンタズマのカードは9月にロストアビスのカードと同時に収録される予定なので使えません。
ウッウロボが拡張パックから出る話
ここで余談です。
《ミュウVMAX》をはじめとする人気デッキで多く採用されている《ウッウロボ》。
日本ではジムバトルのプロモーションパックからしか出ないので、拡張パックで入手することができないレアカードです。
ある日英語版の拡張パックを開封していた時、そんな《ウッウロボ》が普通に出てきて、すごい違和感を覚えました(笑)
海外のレギュ落ち
レギュ落ちとはレギュレーション変更によって一部カードがスタンダートレギュレーションで使えなくなることです。
ゲームバランスを保つために非常に重要な役割があり、古いカードが入手できない問題も解決しています。
日本のレギュ落ちは毎年1月となっています。
しかし、これはソード・シールドシリーズに突入してからの話で、それまでは4年に1度ぐらいのペースでした。
海外の場合はそれ以前から1年に1回のペースでレギュ落ちがあり、毎年9月となっています。
日本人が世界大会で不利だった理由
カードプールの違い
時差や気候など現地の環境的な話を除けば、2つだと考えています。
1つ目は国内とのレギュレーションの違い。
ソード・シールドシリーズに突入してからはコロナウィルスの影響で世界大会は2年ほど延期されていました。
それまでは先ほど説明したように海外では使えるカードが全く異なっていたので、慣れないカードプールで戦う必要がありました。
大会形式の違い
2つ目は大会の形式の違いです。
海外は全試合BO3という2本先取の3本勝負で勝敗を決めます。
時間切れの場合、1本勝利してる方が勝利。
勝敗がついていない場合、引き分けとなります。
他にも日本では禁止されていますが、対戦中にメモを取ることもできます。
BO3では日本の1本勝負にはない戦術が存在します。その戦術やデッキ構築の考え方をいくつか紹介します。
ちなみに日本国内のBO3の大会はJCSの2日目だけです。
コントロールデッキの存在
1戦目に勝利すれば2戦目で時間切れになった場合、1戦目の勝利で試合そのものの勝利が決まることから
海外には試合時間が長くなりがちな耐久系や相手のリソースを削って試合をコントロールするデッキの使用者が一定数います。
※もちろん過剰なスロープレイにはペナルティがあります。
年々カードパワーが上がってこの手のデッキは押し切られてしまう印象があるものの、トップで活躍する選手の中には誰も思い付かなかったデッキを完成させる人がいます。
僕も初めての世界大会では未知のデッキと対戦し、対応できなかった経験があります。
コインを投げる効果の認識の違い
クラッシュハンマーやポケモンキャッチャーの採用に対して、日本のプレイヤーは消極的なイメージを持っている印象があります。
しかし、海外選手は必要と感じたらコインを投げるカードを積極的に採用する傾向があります。
その理由として考えられるのがBO3という形式。
コイントスの結果は試行回数を稼げば稼ぐほど結果が50%に収束するので、1本勝負の日本より3本勝負の海外の方がブレが少なくなるわけです。
コインを投げるカードの中でも、1回の番に何枚でも使えるグッズが1番試行回数を稼ぎやすいので、採用率が高いです。
対応力が問われる
時間内に1戦目が終われば、最低でも2戦目ができます。
そのため、1戦目と2戦目でプランを変えることが可能です。
このことから、1戦目の対戦中に得た相手のデッキ情報は非常に重要となります。
また、負けた側が次戦で先攻後攻を選ぶことができるので、おおよそ1度は好きな方を選べます。
有利な条件で1戦を確実に勝利して、不利な条件で2回中1回勝つという考え方は日本の形式ではなかなか難しいですね。
時間管理
BO3に慣れていないプレイヤーにとって一番難しいのが時間管理です。
日本の1試合25分形式のように最後まで全力で対戦していればいいわけではありません。
例えば1戦も負けていない状況で、現在進行中の対戦においてほぼ負けが確定しているとします。
ここで最後まで粘っていれば残りの2戦目3戦目をする時間がなくなってしまうので、早い段階で降参し、次の試合にじっくり時間を使えるようにするべきです。
この判断は早すぎても遅すぎてもいけないので難しいです。
逆に1戦目で勝利している場合、ほぼ勝ち筋がないとわかっていても3戦目に使える時間次第では試合を続ける意味があります。
例えば自分のデッキに勝ち筋がないことを相手に悟らせないとか、相手のデッキの情報を少しでも多く引き出すといった戦略的なメリットです。
とはいえ、こちらも過剰なスロープレイにあたるようならペナルティがあります。
引き分けが常に悪いことではない
勝ちは3点、負けは0点、引き分けは1点のポイントが付与され、最終的にその合計ポイントに応じて順位が決まります。
そのため、引き分けが必ずしも悪いことではなく、両プレイヤーの了承の上引き分けにすることができます。
これをインテンショナルドロー略してIDと言います。
今年は日本代表が世界大会で活躍できる可能性
プレイヤーの増加
ここまで海外と日本の違いを述べてきましたが、今年の世界大会において日本代表は活躍できると可能性が高いと考えています。
これも理由が2つあって、1つ目が日本代表が例年よりはるかに多いことです。
僕が過去に世界大会に出場したのは2019年のみなのですが、それ以前にも練習メンバーは毎年参加していました。
その際、困っていたのが練習相手不足。
当時は大会の開催数が少ない上に、国内と大きく異なる海外のレギュレーションでガッツリ対戦できる環境がありませんでした。
現在はポケカブームもあってユーザーが増えたおかげで、都心では毎週のように大きな大会が開催されています。
さらに今年は多くの日本人プレイヤーが参加する上に、参加権がなくても国内とカードプールが近いことから世界大会に興味を持って大会に参加してくれるプレイヤーが増えており、仲間内以外で情報交換しやすい環境になっています。
オンライントーナメント
2つ目はPTCGOの存在です。
PTCGOとはPokémon Trading Card Game Onlineの略で海外版でのみリリースされているポケモンカードのデジタルオンラインゲームです。
コロナ禍の影響でオフライン大会が開催できなかった期間はPTCGOを中心に海外環境は回っていたと言っても過言ではないぐらい盛んにオンライン大会が開催されていました。
それがきっかけで日本語版がないものの日本からも参戦する人が増えた印象があります。
このように海外のレギュレーションで対戦できる環境が例年よりはるかに整っているので日本人の活躍に期待できます。
まとめ
というわけで、今回は世界大会に関するお話をさせていただきました。
第三者視点で書いてましたが、僕も2日目から参加予定なので応援よろしくお願いします。
大会参加の際の注意点や2019年に面白かった話など今後も書きたい内容が色々あるので、次回以降も世界大会編続けていこうと思います。