無限の可能性を秘めた龍
底知れぬ龍の力
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ
底知れぬ怪物を相手にする際は、己が怪物にならぬように気を付けなければならない、という格言である。
デュエル・マスターズに存在する無数のカード。その中には、底知れないポテンシャルを秘めた一枚も多い。
特に、カードプールが広がることで効果を発揮するカードは、まさに無限の可能性を秘めていると言っても良いだろう。
そして、今回の最新弾にも、そんな”無限の可能性”を秘めた一枚が収録されている。
《MAX-Gジョラゴン》だ。
召喚時またはターンのはじめに、カードを1枚引き、その後手札を1枚マナゾーンへ置くことができる。
これだけでも継続的にリソースを稼ぐクリーチャーという点で優秀だが、このクリーチャーの特筆すべき能力は、その先に書かれている。
なんと、その際にマナに置いたカードがジョーカーズまたはレクスターズのクリーチャーかタマシードなら、その能力を得られるのだ。
レクスターズは昨年登場したばかりの種族であるが、ジョーカーズは登場してから既に5年が経過した種族である。
つまり、膨大な可能性を秘めたクリーチャーなのである。
《ジョット・ガン・ジョラゴン》という、登場時から無限の可能性を秘めていたジョラゴンが、ここに来て更なる力を得て再登場というわけだ。
これほどの可能性を秘めたカード、使わないという手はないだろう。
果たしてどれほどのポテンシャルがあるのか、その深淵をのぞき込んでみよう。
深淵への、のぞき込み
まず、《MAX-Gジョラゴン》の能力を読み直してみよう。
「このクリーチャーが召喚によって出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、その後、自分の手札を1枚マナゾーンに置く。こうしてマナゾーンに置いたカードが、ジョーカーズまたはレクスターズの、クリーチャーまたはタマシードなら、次の相手のターンの終わりまで、その置いたカードが持つ能力をすべて、このクリーチャーに与える。」
クリーチャーの能力を得られるのは、召喚して出した時か、ターンのはじめである。
つまり、「バトルゾーンに出たとき」のような能力は、得ても意味が薄い。
ただし、全く意味がない訳ではない。
クリーチャーの能力を得るのは、《MAX-Gジョラゴン》の効果である。
つまり、《MAX-Gジョラゴン》の上に進化クリーチャーを出したら、そのクリーチャーにも効果が引き継がれるため、「バトルゾーンに出たとき」能力がトリガーするのである。
事実、この挙動を利用したデッキが、デュエチューブでも紹介されている。
その際は《モンキッド<ライゾウ.Star>》を使い、マナゾーンから進化クリーチャーを連鎖的に乗せていくデッキであった。
このように、与える能力次第で構築が変わるものの、どんな能力を与えても、夢のような動きが可能になるのである。
特に、”進化した場合、進化先にも能力が引き継がれる”という点は、色々な利用方法が考えられるだろう。
たとえば、強力な常在型能力を与えたうえで、一撃必殺級の攻撃を叩き込める進化クリーチャーに進化する、というのも一つの手だろう。
しかし、膨大なコストを必要とするため、あまり現実的な運用方法とは言いにくい。
常在型能力を与えたうえで、自身を打点の一部としてカウントする方が、まだ現実的だろう。
他に、「バトルゾーンに出たとき」能力を与えたうえで進化させる運用方法は、どんなものがあるだろうか。
どうせ進化させるなら、そのコストは少ない方が良い。贅沢を言えば、0コストで進化させたいものだ。
そんな時に便利なのが、侵略持ちのクリーチャーだ。攻撃するだけでコンボを始動させることが可能となる。
強力な「バトルゾーンに出たとき」能力を与えたうえで、攻撃時に複数侵略すれば、それだけで勝利を手繰り寄せることができるだろう。
また、シンカパワーも引き継がれるため、進化クリーチャーを重ねた分、その数だけシンカパワーをトリガーさせることも可能である。
出た時、常在型ときたので、次は攻撃時にトリガーする能力を探してみよう。
すぐに思い出されそうなのは《ボルシャック・モモキングNEX》や《正義星帝<鬼羅.Star>》あたりの、進化レクスターズだろう。
だが、これらは既に、出てすぐに攻撃することができるという、自己完結したクリーチャーである。
せっかく即座に攻撃ができるのだから、攻撃までにラグのあるクリーチャーの能力を持たせて攻撃したい。
そんな素晴らしい条件に合致する能力、それが”Jチェンジ”持ちである。
実戦で活躍したものは《グレープ・ダール》や《ソーナンデス》のようなマッハファイター持ちくらいであったが、もっと大きい数値を持つ、即座に殴れなかったJチェンジ持ちの能力を与えてやれば、凄いことが起こるのだ。
さて、Jチェンジの最大値は、一体いくらだろうか? それは、このクリーチャーが持っている。
《スコプンプン》
なんと、Jチェンジ10である。
この能力を与えてやれば、コスト10のジョーカーズを、たった6マナで呼び出すことが可能となるわけだ。
コスト10のジョーカーズには何が居たか? それは、これだ。
《ラドン・ベップバーン》。
誰だお前?!?! となった人も多いかもしれないが、れっきとしたコスト10のジョーカーズである。
能力は、マナを支払わずに相手のクリーチャーが出ることを阻害するものである。
相手ターン中という制限こそあるものの、GRクリーチャーや各種踏み倒し、すべてに対して対応することができる凄いクリーチャーだ。
さて、何か凄いことができそうに書いているが、Jチェンジを使う運用方法には、一つ問題がある。
それは、「そもそもJチェンジしなくても、チェンジ先の能力与えちゃえばよくない???」という問題である。
まさにその通りで、盤面に維持する必要が特にないのであれば、その能力を一時的に与えるだけで十分なのだ。
それに、《ラドン・ベップバーン》の場合、持っているQブレイカーが裏目になり、シールド・トリガーで逆転される可能性も高い。
それならば、《MAX-Gジョラゴン》にその能力を与えて、Wブレイカーでシールドを攻撃する方が、よっぽど安全なのである。
このように、攻撃時にトリガーする能力と組み合わせる方法は、なかなか難しい部分が多いのかもしれない。
さて、出た時、常在型、攻撃する時、残りは離れた時、だ。
意外と、これが少ないのである。
バトルゾーンを離れた時の能力は、あまり見かけない。
あったとしても実用性の高いものは少ないため、見落としている可能性はあるが、実際探したところ、本当に少ないのである。
そのうえ、バトルゾーンから離すためのカードも必要となり、コンボパーツが増えることになってしまう。
この部分に関しては、あまり考察する必要はないと思っていた。
しかし、あるカードを見返した時に、この部分にこそ、一つの答えへの道が隠されていることに気が付いたのだった。
バトルゾーンを離れた先に
バトルゾーンを離れた時に強力な能力を発揮するジョーカーズまたはレクスターズ。
それを探していた時、最近でもよく見るクリーチャーが想起された。
《我我我ガイアール・ブランド》である。
だから何だ? と思うだろう。
それもそのはず、《ガイアール・ブランド》は自身の能力でバトルゾーンから退場することが可能だ。
だが、《MAX-Gジョラゴン》には、その能力がない。何かしらの方法でバトルゾーンから引き離す必要があるのだ。
そんなときに便利な能力がある。
そう、革命チェンジだ。
さて、《ガイアール・ブランド》の能力を持った《MAX-Gジョラゴン》が革命チェンジすると、何が起こるだろうか?
革命チェンジで出たクリーチャーは、攻撃中、かつタップ状態で出てくることになる。
それが、《ガイアール・ブランド》の能力でアンタップされ、しかもスピードアタッカーになるのだ。
すなわち、革命チェンジで出てきたクリーチャーが、実質2回攻撃という、何か凄いことが起こるのである。
革命チェンジしたクリーチャーをアンタップ状態で出す、あるいは、すぐにアンタップするというコンボは、過去にも何例か考案されていたものである。
しかし、革命チェンジで出たクリーチャーは召喚酔いしているという障壁があったため、実際に運用するには至らないものばかりであった。
そんな問題が、今回のコンボでは解消されているのだ。
何なら、隣のクリーチャーで少し攻撃していたら、更に打点は膨れることになる。もはや、勝ちは目前と言って良いだろう。
何か凄いことが起こりそうなので、これを起点にデッキを構築してみることにしよう。
引き金は二度引かねえ! さっき引いたのは俺じゃねえ!!
終わりに
今回のデッキは、《MAX-Gジョラゴン》を使ううえでも、ほんの一例に過ぎない。
何なら、このコンボを運用する上での一例でしかないのだ。
最初にも述べた通り、《MAX-Gジョラゴン》には無限ともいえる可能性が秘められている。
それは、このクリーチャーが得られる効果が今後増えるだけでなく、それらの効果と組み合わせて爆発的な動きを可能にするカードが登場しても強化されるためである。
もしかすると、既に恐ろしい可能性を見つけ出した人も居るかもしれない。いや、居るに違いない。
もうじき、超CSが開催される。
その時に、このカードは真価を発揮してくれるのかもしれない。