はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は【4c邪王門】
6月初頭ごろから活躍を見せはじめ、先日行われた日本一決定戦は第3位という戦績。これまでのデッキにない強みを持つことから大会での入賞数も着々と増やしつつあるデッキです。
今週は環境で大活躍中の【4c邪王門】について、基礎から解説していきたいと思います!
【4c邪王門】のサンプル構築
【4c邪王門】ってどんなデッキ?
特に、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》を非常に強く使えるのは【4c邪王門】の大きな特徴です。
3→5のマナカーブを重視した構成で、4ターン目には確実に動きつつ、対面に合わせて防御に秀でたカードや多数採用された1枚差しカードへとアクセスしながら盤面を制圧。
シールドがなくなったあとはスピードアタッカーの3打点として高い打点で攻撃の起点にもなる万能カードとして起用されています。
また、カウンター性能の高いデッキでありながら《鬼ヶ大王 ジャオウガ》や《黒神龍ブライゼナーガ》によって能動的に「鬼エンド」・「革命0」を起動し、アグレッシブに攻めていくこともできます。
《百鬼の邪王門》や《一王二命三眼槍》の踏み倒し能力を絡めた打点形成能力は非常に高く、呪文妨害などのトリガーケア要素も合わさって多角的な攻めが可能。
環境屈指のビートダウンである【火単ブランド】さえも受けて返す防御力に、トリガー封殺さえ絡める余地のある爆発的な攻撃力。
これら2つの要素を高い水準で持ち合わせるのが、【4c邪王門】というデッキ最大の強みだと言えるでしょう。
【4c邪王門】に採用されるカードについて
デッキの初動を担うブースト群。デッキのメインとなる3→5のムーブを達成しやすいカードを3種類採用するのが主流です。
《フェアリー・Re:ライフ》はG・ストライクを持つコスト2のマナブースト。
2ターン目に唱えるのはもちろんのこと、3ターン目まで連続で多色のカードをタップしてマナに置きながらブーストする王来篇の定番ムーブがこのデッキでも強力です。
リソースは減るものの、受け札として活躍する点も含めてデッキによく噛み合っています。
《天災 デドダム》は言わずもがなの万能初動。リソースが減らないマナブーストとして最も強いと言っても過言ではないカードです。
積極的に相手のシールドを詰めていくことも多いこのデッキでは、攻撃できるクリーチャーがバトルゾーンに残ることも非常に重要です。
《豊潤フォージュン》は日本一決定戦で3位に入賞した構築で採用されており、以降は【4c邪王門】で広く使われるようになった初動札。
3マナ、4マナ時点でのプレイに限り1枚ドローがついており、追加リソースを確保しながら3→5のアクションができる貴重なマナブーストです。
手札の枚数を保ちうるコスト3帯のブーストは他にもいくつかありますが、条件付きとはいえランダムな要素に左右されないのは《豊潤フォージュン》と《天災 デドダム》を除けば他にはほとんどありません。
終盤はただの1ブーストになりますが、アンタップインマナに飢えがちなこのデッキでは単色マナとして活用できるだけでも十分に有用です。
幅広い妨害性能で戦況をコントロールする盤上の奇術師。
呪文とクリーチャーを同時に牽制できるのが最大の強みで、ややクセはあるもののビートダウンデッキからコンボデッキまで幅広い相手に役割を持てるカードです。
貴重な水単色マナである点も優秀で、《天災 デドダム》のプレイにも寄与する1枚。
このデッキのメインエンジン。【4c邪王門】というデッキタイプは、このカードと《百鬼の邪王門》の相性の良さで成り立っています。
サーチ、バウンス、マッハファイターのオールインワンと、革命チェンジとの相性の良さによりバトルゾーンの制圧に長けているのは他のデッキでもよく使われる所以。ですが、このデッキでは他のデッキではあまり使われない「革命0」のテキストが非常に重要です。
《鬼ヶ大王 ジャオウガ》や《黒神龍ブライゼナーガ》で自分のシールドを吹き飛ばす機会の多いこのデッキでは、召喚酔いしないT・ブレイカーとしてメインの殴り手を担うゲームがほとんど。
大量に採用されたW・ブレイカーと合わせて2体で相手のシールドを割り切り、受け切るのに必要なトリガーの枚数を引き上げてくれます。
《百鬼の邪王門》と「革命0」の相性も抜群で、攻められた際にはパワー15000での強制バトルと登場時のバウンス能力で2面を止める受け札として。攻める際にはブロッカーを2体吹き飛ばしながら出てくる追加打点として。運が良ければ追加の《百鬼の邪王門》も引き込めることと合わせて、最も強い踏み倒し先として活躍してくれます。
万能の受け札であり、詰めの場面では殴り手の役割も担うこのデッキのサブコンセプト。
《一王二命三眼槍》の敗北回避能力はケアが非常に難しく、まともな対策手段は手札に抱えさせないハンデスと「マナゾーンに闇と火のカードがあれば」という条件を達成できなくする《希望のジョー星》ぐらい。
置換効果でなければ特殊勝利すらも無効化できるため、防御手段としての信頼性は非常に高いです。
また、単純にスピードアタッカーを持つW・ブレイカーなので、ビートダウンを仕掛ける際には殴り手としても優秀。
このデッキでは「鬼エンド」の能力が起動する機会も多いため、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》でカードを山札下に置く際には、なるべく一番下のカードがコスト5以下のクリーチャーになるようにしておきたいところです。
単体でも《百鬼の邪王門》とのコンボでも強力なカウンター要員。
無条件のスピードアタッカーとW・ブレイカーに加えてコスト踏み倒しに反応して登場する「侵略ZERO」を持っており、相手の攻勢を凌いだ返しに打点を形成しやすくしてくれます。
また、「革命0」の能力も重要なファクター。厄介な大型獣を排除しながら相手のシールドを墓地に送ってくれる登場時能力は、カウンター用のカードとしてはおあつらえ向きの能力です。
通常であれば厳しい制約となる「自分のシールドが1枚もない」という条件も、《鬼ヶ大王 ジャオウガ》1枚で満たせるため、このデッキでは活用できる場面が多くなっています。
デッキ名にもその名を冠する、攻防一体のコンセプトカード。このカードによって、【4c邪王門】はビートダウンデッキも受け切れる高い防御力と大打点を形成して攻め込む攻撃力を両立させています。
あらゆる面で隙のない強力なカードですが、使用するたびに山札が4枚ずつ減っていく点には注意が必要。《天災 デドダム》など山札が高速で減るカードがデッキに多いため、攻め時を逃し続けると山札切れでの敗北も見えてきます。
《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》から革命チェンジで登場しつつ、相手に広範囲のロックを課すカード達です。
詰めの局面のトリガーケアとしてはもちろん、盤面を処理しながら展開を掌握する妨害札としても強力。ゲームに及ぼす影響が非常に大きいため、比較的再利用しやすいとはいえ、使いどころには気をつけたいところです。
相手のデッキの構成が呪文かクリーチャーに極端に寄っていれば、「革命0」でスピードアタッカーになった《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》の登場時能力で手札に戻しては出し直すコンボによって半永久的なロックに持ち込めます。
自分からシールドを消滅させられる【4c邪王門】ならではの活用法だと言えるでしょう。
マナ色調整や特定カードを墓地に落とし込む役割も持ちますが、もっぱら《生命と大地と轟破の決断》サーチ手段として用いられる軽量クリーチャー。
わずか2マナ、アンタップで置かれる単色カードをマナに埋めれば実質的に1マナでプレイでき、テンポロスを極限まで減らしながら殿堂入りカードをマナに用意できるのがこのデッキにおける最大の役割です。《天災 デドダム》と同じく、クリーチャーであるため攻撃できる点も◎。
また、副次効果として、山札のカードを全て見ることで間接的にシールドの中身を確認できます。
トリガーの内容はもちろんですが、1積みの多いこのデッキでは盾落ちの有無を確認できるのは大きなメリットです。
おわりに
というわけで今週は、【4c邪王門】について解説していきました。
強力なビートダウンデッキがいくつも活躍する現在のオリジナル環境において、高い防御力を持つデッキは往々にして「防御しかできない」ことが大きなウィークポイントとなりがちでした。そんな中、【4c邪王門】は防御と攻撃を高い水準で両立している全く新しいデッキとして大躍進しています。
《鬼ヶ大王 ジャオウガ》で自分のシールドが消滅したり、守りの要である《百鬼の邪王門》を攻める際にも使ったりと、攻めと守りのタイミングを見極めるのが難しいデッキではあるものの、プレイ次第で幅広い相手と戦える柔軟さが魅力のデッキだと個人的には感じました。
派手な動きが目を引きつつも、その実硬派なプレイ・プランニングを要する【4c邪王門】
「考えること」・「選択すること」にカードゲームの楽しみを感じる方は、ぜひ触ってみてはいかがでしょうか。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!