はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は【キリコ³】
5月終盤に突如としてCSでの入賞ツイートが報告され、その翌週にも東北地方を中心に複数の大会で入賞。これまで注目されていなかった新たなコンボデッキ、それも見慣れないカードを使ったデッキの活躍にプレイヤーの間では大きな話題となりました。
現代のカードたちを取り込んで大幅にアップデートした《甲型龍帝式 キリコ³》デッキについて、基礎から解説していきます!
【キリコ³】のサンプル構築
【キリコ³】ってどんなデッキ?
【キリコ³】に採用されるカードについて
初動を担うコスト2のマナ加速基盤です。
コンボデッキの定番初動である《フェアリー・Re:ライフ》を採用したいところですが、デッキ内の呪文をランダムに抽出して踏み倒す《甲型龍帝式 キリコ³》を使用する都合上、ノイズとなってしまう呪文・ツインパクトは残念ながら採用できません。
基本的には3→5→7のマナカーブで動いていくこのデッキ。コスト2のブースト札を多めに採用することのメリットとして、2ターン目にマナブースト→3ターン目に《天災 デドダム》+2コストブーストと動いて次のターン開始時のマナチャージ込みで7マナが確保できるため、最短4ターン目にコンボインが狙えます。
もっとも、自由枠と呼べる部分が限られるこのデッキでは、《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》やハンデス等の妨害札を採用したい場合にまず減量を検討する部分でもあります。
実現するには2ターン目、3ターン目、《天災 デドダム》でのマナセットの3回もアンタップインが要求されるなどハンドキープにかける負担も大きく、最速の4ターンコンボを無理に狙う必要はないでしょう。
とはいえ、迅速かつ確実に7マナまで伸ばしたいデッキということもあり、初動となる軽量ブーストの枚数が多いに越したことはありません。環境上妨害札の必要がなければ、余った枠は極力これらのカード群から埋めることを筆者個人的にはオススメします。
基本的には使用後墓地に落ちて《ヴィオラの黒像》がトリガーした際にマナ加速を行える《霞み妖精ジャスミン》が4枚が最優先。残った枠に《ジャスミンの地版》をはじめとしたそのほかのブースト札が採用される傾向にあります。
アクションの安定を1枚で担保してくれる、説明不要のスーパーカードです。
単純なカードとしての強さはもちろん、墓地・マナに至るまで使い道があるデッキのため無駄が少なく、方向性も合致しています。
特に墓地に落とすカードはビートダウン対面で重要。《ヴィオラの黒像》からリアニメイトする先として《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》などを落としておけば、1枚で2面以上を止められる可能性がグッと上がります。
《甲型龍帝式 キリコ³》を1手早く・空の盤面から踏み倒し、コンボ成立に大きく貢献してくれるデッキの立役者です。
手札0・バトルゾーン0の状況でも、
・トップからこのカードを引く
・マナにあるこのカードをトップの《マクスカルゴ・トラップ》で踏み倒す
・墓地にあるこのカードをトップの《ヴィオラの黒像》で踏み倒す
……など、さまざまなルートでフィニッシュまで狙えるのは、このカードがあってこそです。あらゆるゾーンから踏み倒してコンボに入る芽があるので、重ね引いた場合は様々なゾーンに散らしておきたいところ。
基本的にはコンボパーツとして2つめの能力を使うことが多いですが、相手ターン中に《ヴィオラの黒像》から踏み倒した場合、パワー3000以下のクリーチャーを全てマナ送りにする能力が輝くこともあります。
特に【火単ブランド】など、大量の小型クリーチャーを並べてくるデッキに対してはかなり有効なので覚えておきたいですね。
コンボの核その②。
お互いの手札・墓地・シールド・バトルゾーンのカードを全て吹き飛ばす、非常に豪快かつフィニッシュ性能の高い超大型呪文です。
マナゾーンだけは残るのがミソで、このカードを唱えた後にマナゾーンからスピードアタッカーを踏み倒すことで安全にダイレクトアタックを通せる、という算段です。
《マクスカルゴ・トラップ》で踏み倒すスピードアタッカーの最有力候補であり、単純なカードパワーに優れた万能戦士。
普段はスピードアタッカーを持ちませんが、条件となる「革命0」は自分の《オールデリート》によって自動的に達成されるため、フィニッシュに絡める際にはあまり深く考える必要はありません。
マッハファイターとバウンスで盤面をコントロールし、サーチ能力でコンボパーツへのアクセスにも貢献。コンボを咎めようとメタクリーチャーを展開してくる相手をバッタバッタとなぎ倒して活路を開きます。
枚数は少ないですが、革命チェンジ用のカードも何枚か用意されており、もしプレイできれば莫大なアドバンテージを得られます。
また、水のドラゴンであるため《甲型龍帝式 キリコ³》の進化元になれる貴重なカードです。
S・トリガーで出てきた際には生き残ったままターンが返ってくる可能性が高いため、忘れないように気をつけましょう。
おわりに
というわけで今週は、【キリコ³】について解説していきました。
コンボのギミックそのものは様々なメタに弱いものの、コンボパーツを探しながら盤面制圧できる《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》やあらゆるロックをすり抜けてシステムクリーチャーを破壊できる《ヴィオラの黒像》といった打開手段が悩みの大部分を解決してくれます。
現代デュエマでも一線級のパワーを持ったこれらのカードたちをうまくコンボの中に取り入れている点が構築として美しく、初動を除けばコンボに完全に絡まないカードがほとんど採用されていないにも関わらず、コンボなしでも戦線を維持できるデッキとして独自の強みがあるように感じました。
ここからは個人的な感想にはなりますが、自分が学生のころに憧れるもまともなデッキが組めずに断念したあのカードが8年近く経った今活躍している、というのはなかなかに感慨深いものがありますね。
たびたびこういった気分を味わえるのも、デュエル・マスターズの醍醐味なのだと思います。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!