はじめに
オリジナル環境でのタマシードの華々しい活躍の裏で、アドバンス環境を支配しつつあるのがこの5コストのドラゴンです。
その勢いは止まるところを知らず、アドバンス環境に存在する自然絡みのデッキをほとんど制覇しそうなほど活躍の場を広げています。
「Weekly Pick Up Deck!!」、今回は特別編。ひとつのデッキではなく《インフェル星樹》の強さを徹底的に解説し、使われているデッキについてもご紹介していきたいと思います!
《インフェル星樹》 コスト5 自然文明 パワー6000
ジャイアント・ドラゴン/レクスターズ
■G・ストライク
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、バトルゾーンにあるクリーチャーでないカードを2枚まで選ぶ。それらを持ち主のマナゾーンにタップして置く。
■バトルゾーンから自分のマナゾーンにカードが置かれた時、カードを1枚引く。
このカードの強さの中核を為すのは、やはり
■このクリーチャーが出た時、バトルゾーンにあるクリーチャーでないカードを2枚まで選ぶ。それらを持ち主のマナゾーンにタップして置く。
■バトルゾーンから自分のマナゾーンにカードが置かれた時、カードを1枚引く。
この2つの能力。
まずは、一つ目の能力から見ていきましょう。アドバンスではよく使われる、カード除去です。
アドバンス環境での除去対象は、【水魔導具】の《卍 新世壊 卍》や、各種ドラグナーデッキに採用されるドラグハートがメイン。
特に使用率の高い《爆熱天守 バトライ閣》を一発で解体できるのは非常に大きなメリットです。メインデッキのカードであれば相手にマナを与えてしまうデメリットにもなりえますが、超次元ゾーンのカードであれば全く気にしなくてOKです。
さらに、この能力では「クリーチャーではないカード」の所有者が指定されていません。つまり、自分のバトルゾーンにあるクリーチャーではないカードもマナに置くことができます。
ここで登場するのが、オリジナルでは使えない《禁断 〜封印されしX〜》です。
このカードをデッキに入れておくと、ゲーム開始時に封印が自動的に6つセットされます。そして封印はルール上、バトルゾーンにあるかぎり「なんのカードタイプも持たないカード」として扱われます。
つまり、《禁断 〜封印されしX〜》を採用すれば、なんの下準備もリソースも費やさず、《インフェル星樹》でマナに置けるカードが6枚確保できてしまうのです。
このカードがバトルゾーンに存在している間の《インフェル星樹》は、5マナから8マナへと一気にジャンプアップできる強烈なマナ加速カード……という枠だけではとどまりません。
バトルゾーンのカードをマナゾーンに置いたときに二つ目の能力が誘発。なんと5マナで2枚ブーストしながら同時に手札も2枚増える、現代デュエマでも屈指のアドバンテージを生み出す驚異的なクリーチャーとなるのです。
ここまで自分の動きを強められるのであれば、もはやカード除去がおまけのようなものです。5→7や5→8のジャンプアップをデッキの動きに組み込みながら、ついでのようにカード対策。される側としてはたまったものではありません。
アドバンテージ源として非常に優れた《インフェル星樹》ですが、そもそもの基礎スペックも負けず劣らず優秀です。
コスト5、自然単色、ドラゴン、W・ブレイカー、G・ストライク。
コスト5は《百族の王 プチョヘンザ》や《蒼き団長 ドギラゴン剣》への革命チェンジ条件を満たしつつ、《生命と大地と轟破の決断》や《邪帝斧 ボアロアックス》からの踏み倒し対象に収まる絶妙なコスト。
トリガーした《最終龍覇 ロージア》から《邪帝斧 ボアロアックス》を装備して《インフェル星樹》を出せば、相手の龍解しそうなドラグハート・ウェポンをマナに叩き込んだり、逆に自分の《禁断 〜封印されしX〜》の封印を全て外して禁断解放でカウンターしたりとやりたい放題です。
ドラゴンでもあるため《メンデルスゾーン》の対象となり、さらに自然単色であることから火文明多色を1ターン目にセットしておけば、2ターン目の《メンデルスゾーン》へ綺麗に繋がり、4ターン目に7〜8マナへと到達する爆発的なムーブの一端も担います。
2打点のおかげで単体でバトルゾーンにいるだけでも圧力があり、加えてG・ストライクまで持っているため受け札としてもある程度機能してくれます。
端から端まで弱いことが一切書いていない、アドバンスの歴史にも名を刻むであろう強力なカードです。
【4cドラグナー】
メインデッキ
超次元ゾーン
【ガイアッシュ覇道】
メインデッキ
超次元ゾーン
【5cドラサイ】
メインデッキ
超次元ゾーン
《ドラゴンズ・サイン》+《最終龍覇 グレンモルト》のパワーをフィーチャーした、【5cコントロール】の流れを汲むデッキです。
【4cドラグナー】との差異は闇文明を採用し、ドラゴンシナジーを排除している点。《天災 デドダム》で安定してゲームプランを立てられる分、《メンデルスゾーン》のような爆発力に秀でた高速の押し付けはありません。
代わりにこのデッキが「必殺技」としているのが、オリジナル環境でもお馴染みの《ロスト・Re:ソウル》です。
相手の稼いだ手札を1枚でリセットできる大型ハンデスは、《インフェル星樹》ミラーにおいても強烈です。マナも伸びているぶんトップで解決されるリスクは拭いきれないものの、どれだけ手札があろうと確実にリソースを刈り取れる点は他にはない強みです。
このデッキにおける《インフェル星樹》は、デッキの動きを阻害せずに元来苦手とする【アナカラーダークネス】に対してハンドキープを緩和してくれるカード、という印象で。これまでの2デッキほどのパワーはないものの、莫大なリソース源として一定の効力を発揮してくれます。
ただし、このデッキで難しいのが文明バランス。
コスト3域のブースト札を十分な枚数確保しつつ、ドラグナー対策の《とこしえの超人》を入れて、さらに《インフェル星樹》も……とカードを積んでいくと、自然文明単色のカードがうず高く積み上がり、水文明と闇文明の枚数が不足したデッキになりがちです。
快適な《天災 デドダム》プレイのためにも適切な配色は欠かせません。水・闇のいずれも最低14枚以上は確保できるようにデッキを構築していきましょう。
【モルトNEXT】
メインデッキ
超次元ゾーン
なんと【モルトNEXT】にまでも、《インフェル龍樹》の波が。サンプルリストでは、直近のCSで入賞していた、これまでにない色構成の【モルトNEXT】をピックアップしています。
特徴的なのは《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》と《龍風混成 ザーディクリカ》の採用。呪文がそれほど多くないため【モルトNEXT】とはミスマッチに見えますが、受け札として採用された《革命の絆》がこのパッケージを【モルトNEXT】に溶け込ませています。
火文明、または光文明のどちらからでも進化できる《革命の絆》でこの2枚をめくれば、《天命龍装 ホーリーエンド》であれば相手クリーチャーを全タップ。《龍風混成 ザーディクリカ》であればシールドを1枚追加しながら呪文を追加キャストできます。
《禁断〜封印されしX〜》の封印もかなりのスピードで剥がしていけるため、禁断解放によるカウンターも狙いやすくなっています。
また、環境で主に使われるトリガーケアは呪文ロックと《時の法皇 ミラダンテⅫ》ぐらいで、革命ゼロトリガーはハンデスに優れる一部のデッキを除けばほぼ素通し。タイミングの都合上攻撃時能力でも破壊されず、強制バトルや火力除去よりも確実性の高い、ブロッカーによる受けを繰り出せるため防御手段としての信頼性が高いです。
そんなこのデッキにおける《インフェル星樹》は、《メンデルスゾーン》をスムーズにプレイするための自然単色と、5→7へのジャンプアップをしながらリソースを抱え込むためのカード。
一気にマナ域を伸ばして《超戦龍覇 モルトNEXT》へと近付けるのはもちろん、手札リソースを溜め込む動きが革命ゼロトリガーとの相性抜群です。
実力のほどは未知数な部分は多いものの、ここに来て【モルトNEXT】の新たな分野が開拓されるのは面白いですね。
おわりに
というわけで今週は、無限大の可能性を秘めたアドバンテージメーカー・《インフェル星樹》を特集しました。
《メンデルスゾーン》との相性が抜群に良いためどうしてもドラゴンデッキが中心の紹介になってしまいましたが、《天災 デドダム》から繋いで出すだけでも尋常ではないリソースを確保できるため、今後も無数のデッキで活躍していきそうです。
個人的に気になっているのは、「初期山札の枚数が少ないことをメリットにできる」デッキ。例えば《水上第九院 シャコガイル》や、《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》といったカードをフィニッシャーにすれば、山札の枚数が少ないおかげでキルターンが早まることも考えられます。
《天災 デドダム》も山札を3枚掘り進めるカードなので、これらをセットで採用したデッキは面白そうですね。
オリジナルではなかなか味わえない爆発的リソースのパワー! このカードを機にアドバンス環境に興味を持った方は、是非とも遊んでみてくださいね!
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!