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2022.3.29

Vol.8「【ガイアッシュ覇道ダムド】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!

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Vol.8「【ガイアッシュ覇道ダムド】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!
目次

はじめに

 初めましての方は初めまして、『yk800』です。


 このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!


 さて、今回の特集は【ガイアッシュ覇道ダムド】。


 「【ガイアッシュ覇道】に……《SSS級天災 デッドダムド》?」とちょっとデュエマに詳しい人なら思わず怪訝な顔をしてしまう文字列ですが、アイデアの面白さもさることながら、きちんと洗練されたリストでCSでの入賞報告がなされていました。


 今回はそんな【ガイアッシュ覇道ダムド】について、基礎から紹介していきたいと思います!

【ガイアッシュ覇道ダムド】のサンプル構築

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【ガイアッシュ覇道ダムド】ってどんなデッキ?

 豊富な受け札で相手の攻撃をいなしつつ《SSS級天災 デッドダムド》でバトルゾーンを制圧、踏み倒しを多用する相手には《流星のガイアッシュ・カイザー》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》で一気に切り返すカウンター寄りのミッドレンジデッキです。

 動き方は「リソース・干渉・フィニッシュ」の三本柱からなるミッドレンジの基本に忠実。


 序盤から中盤にかけては、《天災 デドダム》《ドンドン火噴くナウ》でマナを伸ばしながらリソースを管理。


 マナ加速の合間で《流星のガイアッシュ・カイザー》《奇天烈 シャッフ》などの妨害を挟んだり、《SSS級天災 デッドダムド》でバトルゾーンを制圧したりと、相手のアクションに干渉しながらフィニッシュまでの道筋を整備します。


 最終的に《奇天烈 シャッフ》を絡めたビートダウンや《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のEXターンで、トリガーをケアしながら押し切って勝利します。

 カウンターのキモとなる受け札は、メインの動きを阻害しないG・ストライクを中心に14枚前後採用されています。


 これぐらいの採用枚数があれば、受け札が1枚でもシールドに埋まっている確率がおよそ9割ほど。サンプル構築の受け札13枚が2枚以上埋まっている確率が5割を超える分水嶺。攻めの苛烈なデッキに対しても、しっかり受けてカウンターを狙いやすくなります。

 また、このカラーリングを取るうえでの大きなメリットのひとつとして、《Dの暴毒 ヴェノミック・ハザード》の採用が挙げられます。


 単体でもシンプルに強力な継続的リソース源ですが、《お清めシャラップ》《「本日のラッキーナンバー!」》といったツインパクト呪文との噛み合わせは特に抜群。


 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》とも非常に相性が良く、B・A・Dで召喚、ターン終了時に破壊してEXターン獲得→墓地から《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を手札に戻す→EXターンに再召喚という流れを繰り返せます。


 この無限EXターンはバウンス・マナ送りといった破壊以外での除去か、《終末の時計 ザ・クロック》などのターン強制終了系のトリガー以外では止まりません。


 現環境で主流なG・ストライクをはじめ、ほとんどの受け札を無視できる強力なフィニッシュ手段です。

既存の【ガイアッシュ覇道】との差異

 一般的によく使われる【ガイアッシュ覇道】は、火/水/自然/光の4色で構成され、ドラゴンシナジーを重視して構築されています。


 この構築の強みは、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》のリソース力と各種革命チェンジドラゴンによる盤面制圧力の高さです。


 殿堂入りカードである《蒼き団長 ドギラゴン剣》《時の法皇 ミラダンテⅫ》はもちろんのこと、2〜3枚の採用が主流になりつつある《百族の長 プチョヘンザ》もまた2大退化ギミックや【火単ブランド】などの速攻デッキに強烈な枷をかけられる強力なカードです。


 また、《メンデルスゾーン》《ボルシャック・栄光・ルピア》といった強烈なマナ加速手段で攻め手を強める構築もあれば、《フェアリー・Re:ライフ》《地龍神の魔陣》をベースにG・ストライクや《裏斬隠 カクシ・レシピ》を多く採用した受け寄せの構築もあったりと、初動のチョイスで毛色をガラッと変えられる拡張性も魅力のひとつでしょう。


 しかしながら一方で、「リソース管理・盤面干渉とマナブーストを同時に行うのが不得意」な点と、「『1:2交換できる初動』と受け性能は両立ができない」点がネック。


 特にカウンターデッキとしての側面を持つ【ガイアッシュ覇道】にとって、受け性能を確保できないのは死活問題にもなり得ます。


 確実に4枚採用されている《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》も受け札に換算されてはいますが、あくまでも「革命2」の条件付きトリガー。当然ながら相手もこのカードの存在を意識して攻撃順を組んでくるため、上手く外されることも少なくありません。


 だからといって《フェアリー・Re:ライフ》《地龍神の魔陣》をガッツリ採用すると、全てのブーストが1:1交換止まり。一挙に2枚ブーストできるドラゴンシナジー初動と比べてゲームスピードが低下するだけでなく、撃つたびにリソースを1枚ずつ消耗していく点が痛手となります。


 また、マナ加速と手札調整を両立できないため、中盤以降のカードプレイは出たとこ勝負になりがち。


 ハンデスにも脆くなりやすく、《絶望と反魂と滅殺の決断》を上手いタイミングで当てられるとそれだけで一気に苦しくなってしまいます。




 4色目として闇を採用するメリット、それは言うまでもなく《天災 デドダム》の存在。


 もはや何度目の紹介になるかわかりませんが、手札を消費するどころか先の展開に向けて手札を育てながらマナブーストできる、デュエル・マスターズ界でも最高峰の初動です。


 これに加えて、《天災 デドダム》と同じような挙動の《ドンドン火噴くナウ》を採用し、手札を消費することなく3→5→7とテンポよくマナ加速。その最中にも《天災 デドダム》から《SSS級 デッドダムド》への侵略や《ドンドン火噴くナウ》の破壊効果でスムーズに盤面に干渉していけることが、この構築の基盤的強みとなっています。


 また、闇文明には「ハンデス」という対面を選ばない妨害手段があることも構築自由度の向上に寄与します。ドラゴンシナジーを意識する必要がないため採用候補も広範囲です。


 ドラゴン軸の【ガイアッシュ覇道】と違って《時の法皇 ミラダンテⅫ》《百族の長 プチョヘンザ》のような「必殺技」が存在せず、1枚で2枚ブーストする手段を失っているためゲームスピードの面で少しハンデを背負っているのがこの構築の弱点として挙げられます。


 総じて「爆発力や強烈なマウント力を失ったかわりに、堅実にリソースを管理しながらこまめに対戦相手に対応しやすくなった」のが既存の構築との差異だと言えるでしょう。


 どちらにも強みはありますが、メタがはっきりとしており、速度重視で強いアクションを叩きつけたいような環境ではドラゴン軸の【ガイアッシュ覇道】が。多種多様なデッキが存在する群雄割拠の環境では、安定性が高くどっしりと構えられる【ガイアッシュ覇道ダムド】が適しているのではないかと考えられます。

【ガイアッシュ覇道ダムド】に採用されているカードについて

 優秀なメタ能力と軽減能力とリソース能力と自己踏み倒し能力を持った、能力もりもりコマンド・ドラゴンです。


 【モモキングJO退化】や【アナカラー墓地退化】といったデッキが強い現環境では「シールドで受けてエンド時《流星のガイアッシュ・カイザー》」が通りやすく、うまくハマればそのまま勝ち切ってしまえるため、最近注目度が高まっています。


 進化クリーチャー・スピードアタッカーの攻撃ロックと出るだけで2ドローのおかげで気軽にポンと置きやすいにも関わらず、相手からすれば次のターンの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》がちらつくため無視できない存在感を放って見えます。


 このデッキではコスト軽減能力は《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》にしか使わないものの、逆に言えば「盤面に《流星のガイアッシュ・カイザー》が残る」状況への依存度が低いということ。


 堅実さで勝負するデッキタイプですので、追加の軽減先を用意する必要性は薄いでしょう。

 環境が変わるごとに活躍したりしなかったりする、根強い人気のフィニッシャー。


 EXターンの獲得条件はタイミングに関わらず「タップ状態で破壊された時」。一度タップしてしまえばバウンスやマナ送りなど特殊な処理を要求できるため、カードチョイスの段階で意識されると弱いものの、意識されていない環境での通りやすさは抜群です。


 現在のオリジナル環境では《終末の時計 ザ・クロック》《堕呪 カージグリ》《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》《大地門ライフ・ゲート》、場に他のクリーチャーがいる状態での《S・S・S》などしか対処方法がありません。


 環境内の多くのデッキで採用されるG・ストライクがほぼ通らないことも含め、フィニッシャーとしての信頼性は非常に高い環境だと言えるでしょう。


 《Dの暴毒 ヴェノミック・ハザード》と組み合わせると、上述したコンボで山札の続く限りEXターンを取りながら攻撃し続ける暴走列車と化し、容易にゲームを終わらせます。それほど揃えるのに難儀しない2枚コンボなので、積極的に狙いたいところ。

 盤面干渉の要であり、非常に強力なマナ基盤です。闇文明の枚数確保に難儀するこのデッキでは、文明の強さも重要なファクター。


 《虹速 ザ・ヴェルデ》などのマッハファイターが採用されていないので、もっぱら相手ターン終了時に出てきた《流星のガイアッシュ・カイザー》や能力を使い終わって待機中の《天災 デドダム》が侵略元になります。


 もちろんマナからも侵略できる《SSS級天災 デッドダムド》ですが、先述したようにマナ源としても非常にハイスペックなカードです。そもそも多量のマナを活用するデッキであることも含めて、ご利用は計画的に。

 定番の仲間入りを果たした「受けられる初動」です。


 このカードを引いた場合のみ2→4→6で4ターン目に《流星のガイアッシュ・カイザー》の着地を見込めますが、手札からプレイするこのカード自身も合わせて、単色カードが3枚要求されます。速度が重要になる対面では多少無理しても狙う価値がありますが、固執するより無理なく動いた方がいい場合も多いです。


 追加で《地龍神の魔陣》を採用するのも◎。


 《地龍神の魔陣》の場合、3枚見てからマナか手札に振り分けられるため、特に終盤では強力なカードとなるものの、2ターン目のアクションとしては水か自然の単色マナが必要となるため《フェアリー・Re:ライフ》以上に換算しづらい点に留意しましょう。

 あまりにも汎用性が高すぎる当連載の常連。このカードの強さについては語り尽くしました。


 このデッキならではの利点でいえば、《一王二命三眼槍》は手札から使える受け札なので《天災 デドダム》で抱えにいくムーブが取れることぐらいでしょうか。


 自分の動きに負担をかけてまで回収したい場面はそれほど多くはないものの、一度攻勢を止めさえすればいい対面には一考の余地があるでしょう。

 墓地メタを兼ねる初動。


 ツインパクトなので《Dの暴毒 ヴェノミック・ハザード》で使い回したり、上面が《SSS級天災 デッドダムド》になって複数体のクリーチャーを除去できたりと細かな噛み合いが光るカードです。


 山札が削れるデッキの常として自分に使っても強く、山札回復はもちろん、ボトムに固定された《一王二命三眼槍》を引っ張り上げるために使えたりもします。

 マナ加速・リソース調整・盤面処理・受け札と、このデッキの中継ぎに欲しい要素がだいたい全部揃っているスーパーカード。


 流れで打つだけでも十分強力なのですが、トリガーして唱えるとマナを支払わず、増えたマナでカウンターに一手近付きながら攻め手を排除できるためさらに強力です。

 超大型ハンデスです。3→5→7の動きでまっすぐにマナを伸ばして叩き込めば、対面に関わらずほぼゲームを掌握できます。


 最速5ターンとそこまで速くはないものの、コンボデッキやコントロールデッキ相手であれば多くの場合でゲームになりますし、腐っても単色マナなので扱いに困る場面はほとんどありません。


 とはいえ、この枠に求められるのはハンデス要素よりもむしろ別の性質。最低限必要なのは闇文明単色であること、それから可能であれば受け札にもなること。この条件さえ満たしていれば、この枠は何を入れても構いません。


 実例を挙げれば、【火単ブランド】などのアグロデッキを意識して《撃髄医 スパイナー》を採用している構築も見受けられました。


 ハンデスのような能動的な干渉手段が一定数欲しいと感じたため、サンプル構築では様々な対面に広く刺さるカードとして《ロスト・Re:ソウル》を採用しています。

 デュエマでは貴重な、手札で誘発する受け札です。


 呪文ロックはもちろん、バトルゾーンに出ないため《単騎連射 マグナム》等のトリガーケアを無視し、対象を選ばないのでジャストダイバーなどの「選ばれない」能力も関係なく、確実に1点を止められます。


 現在のオリジナル環境では特に【アナカラー墓地退化】の《禁断竜王 Vol-Val-8》を止められる点が最重要で、定番フィニッシュの《竜魔神王 バルカディア・NEX》《禁断竜王 Vol-Val-8》を強制停止させられる数少ない受け札です。


 また、このデッキでは《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》以外で唯一のスピードアタッカー。追加ターン中の打点としても運用できる点は覚えておきたいですね。

 呪文主体のデッキにも、クリーチャー主体のデッキにも。幅広い相手に有効な全方位妨害コマンドです。


 対面次第では、このクリーチャーでキーとなる呪文を止めながらビートダウンしていくだけでも相当な圧力をかけられます。


 バウンス・トリガー得意な相手であれば《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》の横に添えてトリガーケアの一助としたり、6マナ付近でブーストと同時にプレイしたりと、軽さのおかげで小回りが効くのが非常に嬉しい1枚。


 水単色としてマナに置いても強力なカードなので、使い所は慎重に。

  呪文1枚でクリーチャーの召喚を咎められる、唯一無二のテキストをした妨害札です。


 こちらもツインパクトなので《Dの暴毒 ヴェノミック・ハザード》とのコンボが凶悪。


 毎ターン回収しては《「本日のラッキーナンバー!」》を唱えて時間を稼ぎ、大型ハンデスや《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》へバトンを渡します。


 ケアしづらいクリーチャートリガー、特に《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》《終末の時計 ザ・クロック》を止められるのは特筆に値する強みです。

 墓地回収で狙ったカードを手札に加えられる置きリソースです。


 処理を強要した《流星のガイアッシュ・カイザー》が手札に戻ってくるだけでも十分強いのですが、先述したとおりツインパクトとの組み合わせは非常に強力。特に《「本日のラッキーナンバー!」》を毎ターン撃つのは反則的な強さです。


 また、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》と揃えれば(ほぼ)無限攻撃が可能。よほどの相手以外はなぎ倒すフィニッシュブロウへと早変わりします。


 コスト5かつ出した次のターンまでは相手の盤面に影響力を持てないカードなので隙はやや大きいものの、それに見合うだけのリターンはあると言えるカードです。

おわりに

 今回は【ガイアッシュ覇道】の新たなアプローチ、【ガイアッシュ覇道ダムド】について解説していきました。


 自己踏み倒しと味方の大幅なコスト軽減で登場直後にドカンと話題になったものの、近ごろは下火になっていた【ガイアッシュ覇道】。それがここに至ってメタ能力の部分で環境への適性が評価され、注目されるのは面白いですね。


 特に《Dの暴毒 ヴェノミック・ハザード》でリソース面を補強しながらも、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》で半無限EXターンを獲得する2枚コンボをフィニッシュに組み込むのは非常に美しく、はじめてリストを見たときに思わず声を上げてしまいました。


 面白いギミックを取り込みながらも、動きの骨子やコンセプト自体は硬派なボードコントロールそのもの。基盤が非常にしっかりしているため、環境での活躍にも納得ができます。


 色配分を含めてすでにかなり洗練された構築になっていますが、自由枠自体はそれなりに多めです。まだ発展の余地が残されているデッキだとも感じましたので、今後の進化にも注目していきたいですね。


 それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!

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このコラムのライター

yk800

yk800