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2022.3.15

Vol.6「【シータモルトNEXT】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!

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Vol.6「【シータモルトNEXT】」 | yk800のWeekly Pick Up Deck!!
目次

はじめに

 初めましての方は初めまして、『yk800』です。


 このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!


 さて、今回取り上げるのは、本連載では初となるアドバンス環境のデッキ。水文明を採用した【モルトNEXT】です。


 デッキタイプの初登場は実に7年前の2015年3月。長きに渡って愛され続けている伝統あるデッキですが、同時に環境に合わせて姿を変え続ける柔軟性に長けたデッキでもあります。


 つい先日も、最新パック「パラレル・マスターズ」から新戦力を迎え入れた構築が大会での入賞を果たしていました。


 今回はそんな【モルトNEXT】の最新形態、【シータモルトNEXT】の基礎について詳しく解説していきます!


【シータモルトNEXT】ってどんなデッキ?

 主役はデッキ名の通り、《超戦龍覇 モルトNEXT》


 序盤から一直線に7マナへの到達を目指してブーストを連打。召喚したこのカードから強大なカードパワーを持ったドラグハートたちにアクセスし、次々にドラゴン軍団を踏み倒しながら盤面を荒らし回るのが最終的な到達点です。


 これといった妨害手段は《メガ・マナロック・ドラゴン》を除いて持ち合わせず、シンプルに高い火力と数の力で圧倒する爽快さが魅力のデッキとなっています。


 足回りを支える初動は合計12枚。


 2ブーストで爆発的な加速をもたらす《メンデルスゾーン》《ボルシャック・栄光・ルピア》と、リソースを補填しながらブーストを進められる《決闘者・チャージャー》がそれぞれ4枚ずつ採用されます。


 この基盤の安定性や強固さは、クロニクルデッキ発売直後にオリジナル環境を席巻した【赤緑ボルシャック】で証明された通り。構築を大きく制限する部分はあるものの、それを無理なく乗り越えられる【モルトNEXT】にとっては心強い味方です。


 中盤どうしても手すきになる盤面は、マッハファイターを持ったドラゴンたちが抑えます。


 お馴染み《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》はもちろん大活躍ですが、新顔の《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》も負けてはいません。


 リソース力や盤面処理能力など、純粋なスペックでは一歩劣るものの、5マナ時点で盤面整理を仕掛けながらも《超戦龍覇 グレンモルト》の待ち構える7マナへとステップアップできることが最大の強みです。


 爆発的マナブーストで一気に7〜9マナ付近まで伸ばしたのちに繰り出されるフィニッシャーは、なにも《超戦龍覇 モルトNEXT》だけでありません。


 《とこしえの超人》《検問の守り 輝羅》などのメタカードに引っかかるドラグハートに依存せず、単体でゲームを終わらせられる追加フィニッシャーとして、《禁断竜王 Vol-Val-8》が4枚フル採用されます。


 また、コントロールキラーとしてお馴染みの《地封龍 ギャイア》もフィニッシャーの代表例。


 どちらも常在型能力や攻撃時能力が強力なクリーチャーであるため、召喚した際と踏み倒した際、いずれも強さが変わらず高水準です。サブフィニッシャーとしてマナを支払って出すこともあれば、各種ドラグハートから踏み倒すこともあるこのデッキにおいては、「どう登場させても強い」こともひとつのステータスとなっています。

【シータモルトNEXT】のサンプル構築

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【モルトNEXT】に採用されるカードについて

メインデッキ

 7年ものあいだ最前線で戦い続ける、【モルトNEXT】のエースカードです。


 能力を両方使うためには、マナゾーンに火のカードが5枚、ドラゴンが5枚を必要とし、構築段階で強い縛りを要求するカードですが、このデッキの火のカードは37枚、ドラゴンは35枚。7マナ揃えるまでに条件を満たさない方が難しいほどです。


 先述したとおりデュエル・マスターズの歴史の中でも多大な人気を得ているカードで、環境トップクラスでない間も常に一定のファンを擁しています。


 人気テーマらしくドラゴン・サーガ期の終了後も何度かテーマ強化パーツをもらっており、特に「絶対王者!! デュエキングパック」収録の《爆銀王剣 バトガイ刃斗》はベストパートナー。


 《超戦龍覇 モルトNEXT》に必須のスピードアタッカーを付与しつつ、同時にドラゴンの踏み倒しまでこなす最強の相棒として大活躍中です。

 ドラゴンデッキの「特権」とも言える、2枚ブースト初動群です。【モルトNEXT】をはじめとしたドラゴンデッキが採用カードのほぼ全てを鈍重なドラゴンにできるのは、ひとえにこれらの初動が莫大なリターンをもたらすからに他なりません。


 7マナ域に素早くアクセスできるようになるのはもちろん、中盤以降もマナブーストを連打してコスト9〜10帯の大型ドラゴンを直接召喚できるようにするうえでも、これらのブーストは一役買ってくれます。


 唯一の2コスト帯アクションである《メンデルスゾーン》は、プレイの可否でその後の展開速度が1ターン変わってくる強烈なカード。


 「初手で《メンデルスゾーン》を引いていたので勝った」、「引いていなかったので負けた」という事態が頻繁に起こるほどの影響力を持っておりため、《超戦龍覇 モルトNEXT》の条件を満たしつつもこのカードのプレイを妨げない「自然/火絡みの多色ドラゴン+火文明単色ドラゴン」の色配分が構築の基本になっています。


 《ボルシャック・栄光・ルピア》は2ターン目のアクションにこそならないものの、火のドラゴン、さらには「ボルシャック」である点がとても重要です。


 《超戦龍覇 モルトNEXT》《メンデルスゾーン》の要求を綺麗に満たしつつも、《決闘者・チャージャー》で手札に加えられる稀有なブースト札。


 初動としてはもちろん、5マナの段階で《決闘者・チャージャー》《ボルシャック・栄光・ルピア》と繋いで3マナ伸ばし、次のターン9マナに到達させるプレイも強力です。


 また、バトルゾーンに「パワー4000のドラゴン」として残るため、《爆熱天守 バトライ閣》の踏み倒しを誘発させる要員としても活用できたり、《禁断竜王 Vol-Val-8》の破壊に巻き込んでエクストラターン獲得の足掛かりとしたり。


 様々な面でデッキの要求を満たす、痒い所に手が届く1枚です。

 こちらも【モルトNEXT】では定番の初動です。


 双極篇で登場して以来、《メンデルスゾーン》ほどの爆発力はないものの手札を減らさない(かもしれない)でマナブーストができるカードとして重宝されてきました。


 が、昨年から今年にかけてのハゲしくアツかりし「ボルシャック」テーマ推しによってその強さはさらに開花。


 かねてより採用されていた《ボルシャック・ドギラゴン》とこのカード自身に加えて、《ボルシャック・栄光・ルピア》《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》といった錚々たる顔ぶれが参戦した結果、サンプル構築では総勢19枚もの「ボルシャック」が採用されています。


 今回は採用していませんが、《王来英雄 モモキングRX》を活用する構築では《ボルシャック・モモキングNEX》も採用されるため、デッキのボルシャック濃度はさらに加速。ここまでの枚数があれば、マナブーストしながら手札が減らないどころか、増えることすら現実的にあり得ます。


 また、一見してはわかりづらい強みですが、単色のチャージャー呪文ということで「必ずアンタップ状態で1マナ増える」ため、残りのマナでアクションが取れるのであれば実質2マナのカードとして運用できる点も非常に便利です。


 《メンデルスゾーン》《ボルシャック・栄光・ルピア》と合わせて一挙に3ブーストを狙う機会は多々あり。リソースと手数の両面で中盤以降のアクションを力強く支えてくれるカードです。

 言わずと知れたスーパーパワーカード。


 比較的メタを貼られやすい「ドラグハート」というテーマを扱うにあたり、スムーズなメタの排除は至上命題です。《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》はリソース回収しながら面を取りながらマッハファイターでメタクリーチャーを排除できる、要求を完全に満たす1枚です。


 さらには革命2の発動以降は受け札としても機能したり、《ボルシャック・ドギラゴン》でめくってパワー12000とのバトルでは倒せない相手を手札に戻したりとスペックそのものには非の打ち所がありません。


 唯一の懸念点は、水文明を含んでいるため手札からのプレイが難しい点。最優先するべき《メンデルスゾーン》《超戦龍覇 モルトNEXT》のための文明バランスを崩さないまま水文明を追加採用するのは難しく、頑張って8枚採用された水文明を2枚引くしかないのが現状です。


 とはいえ、終盤に《禁断竜王 Vol-Val-8》をプレイするためのマナ基盤として貢献しつつ、各種踏み倒しやトリガーから登場するだけでも活躍は十二分でしょう。

 ミライフレームが鮮烈な存在感を放つ、「パラレル・マスターズ」登場のニューフェイス。


 大まかな役割は「召喚しやすい《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》


 パワー5000のマッハファイターで《とこしえの超人》などのドラグハートメタを粉砕しながら、同時にマナ加速。綺麗に7マナへと繋がるためそのまま残しておくもよし、状況に応じてマナゾーンから必要なカードを回収するもよしと、柔軟な対応ができます。


 攻撃を介しているため《蒼き団長 ドギラゴン剣》をはじめとする革命チェンジとも相性がよく、攻撃先の相手クリーチャーこそ必要になるものの堅実にリソースを整えながら盤面に干渉でき、水文明を必要としない《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の亜種として十二分の活躍が期待できます。


 さらに、おまけと呼ぶには強力な、アタック・チャンスによる自己踏み倒しも内蔵。


 1ターンに複数体のドラゴンを出すことで龍解する《爆熱剣 バトライ刃》《爆銀王剣 バトガイ刃斗》はもちろん、マッハファイターで攻撃・バトルの回数も増やせるため、指定回数の攻撃・バトルで龍解する《銀河大剣 ガイハート》《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》とも相性が抜群です。


 細かいテクニックとしては《禁断竜王 Vol-Val-8》の攻撃と同時にこのクリーチャーのアタック・チャンスを宣言し、攻撃時能力を解決する前に出してからパワー6000以下破壊に巻き込むことで、《禁断竜王 Vol-Val-8》のエクストラターン獲得に貢献することも可能。


 様々な面でシナジーが光る、器用さ際立つ1枚です。


 余談ですが、アタック・チャンスによる自己踏み倒しは「召喚」扱い。《異端流し オニカマス》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》のメタ能力を無視して登場できる点は、覚えておきたいですね。

 小型クリーチャー対策のスペシャリスト。上下ともに役割がありますが、主に活用するのは下面の《超英雄タイム》です。


 同じくメタクリーチャー排除を得意とするマッハファイター組と違ってリソースを拡充しながら次へと繋げたり、ドラゴンが場に出たりということはないものの、2マナという取り回しの良さが《超英雄タイム》最大のウリです。


 中盤にマナブーストとセットで使うのはもちろん、9〜10マナまで伸び切った終盤以降は2+7の2アクションでメタを除去をしながらそのままフィニッシャーまで繋げられるのが非常に魅力的。


 《希望のジョー星》殿堂入り以降は使う場面が減っているもののカード全般を除去できるのも嬉しく、王来MAX篇では「タマシード」という新たなカードタイプの登場も確定しているため、便利さはより一層際立ちそうです。


 上面は小型クリーチャーの全破壊が持ち味。刺さらない対面にはとことん刺さりませんが、【赤単我我我ブランド】や【ラッカ鬼羅.Star】に対しては一定の効力を発揮します。


 特に革命ゼロトリガーの《ボルシャック・ドギラゴン》からめくった際は相手に甚大な被害をプレゼント。


 《ボルシャック・ドギラゴン》のバトルでスター進化を剥がしつつ、下に隠れていた進化元ごと小型クリーチャーを一掃する動きは、対戦相手からすれば理不尽そのものです。


 また、このカードも「ボルシャック」なので《決闘者・チャージャー》で回収可能。アンタップインしたマナからスムーズに《超英雄タイム》へ繋いでテンポよく除去する動きも強力です。

 【モルトNEXT】の最終防衛ライン。


 パワー12000の火力除去ということで単体ではどうしても止まらない相手が一定数存在するものの、進化元として場に出したクリーチャーの登場時能力を使用できるため、運次第でどんな苦境でもワンチャンスを狙えるのが何よりの特徴です。


 大当たりは《超戦龍覇 モルトNEXT》《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》


 《超戦龍覇 モルトNEXT》はドラグハートとの組み合わせでかなり幅広く対処が可能です。


 《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》でパワーラインを15000まで上げつつ2面処理したり、《終わりの天魔龍 ファイナル・ジ・エンド》を直接出してブロッカーを用意したり、《龍神丸》へと進化してシールド追加で後続を防いだり。


 余裕を持って受け切れる局面であれば攻撃的なドラグハートを出して返しの火力を高めてもよく、ドラグハートの柔軟な対応力をフルに活かせます。


 《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》は言わずもがなの2面処理。追加の《ボルシャック・ドギラゴン》を探したり返しのフィニッシャーを確保したりと、回収能力もその強さを遺憾無く発揮できます。


 頻繁にある場面ではないものの、先に《ボルシャック・ドギラゴン》のバトルでダイレクトアタック中のクリーチャーを破壊できた場合、進化元となった《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の能力で《ボルシャック・ドギラゴン》自身を手札に戻して使い回す、なんて芸当も。


 そのほか、《禁断竜王 Vol-Val-8》を踏み倒せばExライフシールドが追加されるため「選べない」クリーチャーや《ボルシャック・ドギラゴン》ではバトルに勝てないクリーチャーの攻撃を受け止められたり、《ボルシャック・スーパーヒーロー》を引けば大量の小型クリーチャーをまとめて処理できたりと、おおよそどんな状況でもチャンスが残るようなデッキ構成になっています。


 受け切った後はT・ブレイカーが盤面に残るためカウンター性能も高く、本来は苦手なビートダウンデッキへ対抗するための一助となっています。

 極めて高いフィニッシュ力を誇る、追加で採用される大型ドラゴンの代表格です。


 メタを張られやすいドラグハートというテーマ。ここまでも何度かメタクリーチャーを乗り越える手段を紹介してきましたが、それらは全てメタクリーチャーを除去する方向性での対策でした。


 しかし、《禁断竜王 Vol-Val-8》は一味違います。


 相手がせっせと並べるメタクリーチャーをすべて無視して豊富なマナ加速で9マナ域までランプアップし、「ドラグハート? なにそれ美味しいの?」とばかりに《禁断竜王Vol-Val-8》を召喚。アタックトリガーで並び立つメタクリーチャーを薙ぎ倒しながら、逆に「4体破壊」という条件達成への起点とします。


 この「メタクリーチャーの一切を無視しつつ、逆にこちらのメリットへと転換できる」点が何よりも革新的。相手はメタを張れば《禁断竜王 Vol-Val-8》に吹き飛ばされ、メタを張らなければ素直に《超戦龍覇 モルトNEXT》を凌ぎきれず、とダブルバインドを強いられます。


 もちろん《爆熱天守 バトライ閣》などからめくれればさらに強力で、「ジャストダイバーとExライフを持つため除去がほぼ通らず、攻撃時に手札が2枚増えるスピードアタッカーの3打点」というスペックの時点で既にお腹いっぱい。そこに状況次第でエクストラターンまでついてくるのですから、相手からすればたまったものではありません。


 水文明を追加するだけの価値がある、超ハイスペックフィニッシャーです。

 追加で採用される大型ドラゴンその②。


 こちらは《禁断竜王 Vol-Val-8》ほど速やかにゲームを終わらせるわけではないものの、対抗手段を持たない一部のデッキに「詰み」を発生させるカードです。


 特に被害が甚大なのは【4cドラグナー】や【5cコントロール】など、アドバンテージ力に長けたクリーチャーを多用する中速以降のデッキ。これらのデッキはトリガー次第で《禁断竜王 Vol-Val-8》の直線的な攻めを受け切ることもあるため、《地封龍 ギャイア》はその穴を埋めるフィニッシャーとして最適です。


 逆に《地封龍 ギャイア》をあまり苦手としないデッキは《禁断竜王 Vol-Val-8》の突貫を防ぐ手立てが少ないため、相互の相性補完がうまく働いたフィニッシャー選出となっています。

 《メンデルスゾーン》を除けば唯一の非ドラゴン。『差し引き』2マナ軽減することで、フィニッシャー帯の着地を強制的に1ターン早められる魔法のカードです。


 《超戦龍覇 モルトNEXT》を5マナで出すのはもちろんのこと、《禁断竜王 Vol-Val-8》《地封龍 ギャイア》を7マナで召喚できるのがとても強力。


 これといった特殊な使い方はないものの、引いてさえしまえば段違いの速度でフィニッシャーを戦場に送り込める、反則的な1枚です。

 ほとんどのデッキが3色以上になった現代デュエル・マスターズにおいて、相手のマナを文明ひとつごとに1枚拘束する《メガ・マナロック・ドラゴン》の力は禁忌にも等しいものです。


 早期に着地させるだけで安易に勝てる対面がかなり多く、さらに火単色のドラゴンなので腐りそうな相手にはマナにしても問題なし。文句なしの強力カードです。

 《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》のマッハファイター組をパワー13000に変換しつつ、追加の展開を作れるスーパーサブです。


 チェンジ元の2種はもちろん、《ボルシャック・栄光・ルピア》という強力な弾を獲得しました。コスト3の多色クリーチャーなので一挙に2体を展開でき、マナから出しても2ブーストで補填できるためその後の展開も万全。


 総じて、ファイナル革命の使い勝手は以前よりも向上しています。


 防御の薄い相手には一気呵成に突っ込んで高火力を押し付け、盤面でじっくり競り合う相手にはマッハファイターで応戦しながらリソースを整えて地盤を固める。現在の構築では圧倒的なアドバンテージを発生させられるわけではないものの、攻守両面での活躍が見込めるカードです。

超次元ゾーン

 表面ではスピードアタッカー付与とデッキトップからのドラゴンの踏み倒し、裏面では手札からのドラゴン踏み倒しと反撃を抑え込めるメタ能力。全ての要素が《超戦龍覇 モルトNEXT》と噛み合った、新時代の「相棒」です。


 何よりも《爆銀王剣 バトガイ刃斗》のスピードアタッカー付与と「めくり」能力のオールインワンパッケージは、《超戦龍覇 モルトNEXT》が長らく待ち望んでいたもの。《スクランブル・チェンジ》という外付けブースターが不要になったため、単体での強さはむしろ往年よりも向上しています。


 《爆熱王DX バトガイ銀河》は手札から任意のカードを踏み倒せる点が破格。


 《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》のマナ回収や《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》で好きなドラゴンを手札に加え、《爆熱王DX バトガイ銀河》で踏み倒すムーブは非常に凶悪です。


 相手の攻撃を抑止する能力も強力ですが、ドラゴンに効かないのは現環境においては明確なウィークポイント。《最終龍覇 グレンモルト》《竜魔神王バルカディア・NEX》《我我我ガイアール・ブランド》《未来王龍 モモキングJO》と、今止めたいフィニッシャーが軒並みドラゴンばかりである点には要注意です。

 一昨年のクロニクル・最終決戦・デッキで再録され、直近でも複数のデッキで活躍する《爆熱剣 バトライ刃》


 このデッキでは《超戦龍覇 モルトNEXT》《爆熱天守 バトライ閣》を直接バトルゾーンに送り込めるため、もっぱら第2面・第3面が主役です。


 主な使い方は《超戦龍覇 モルトNEXT》の登場直後から変わっていませんが、《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》の加入によって《爆熱DX バトライ武神》への龍解が非常に容易になったのは注目すべき点です。


 現在は革命チェンジのルール変更で使えなくなりましたが、《爆熱天守 バトライ閣》には通称「閣ループ」と言われたコンボが存在しました。


 《爆熱DX バトライ武神》の攻撃時に革命チェンジを宣言し、龍回避で不発させて《爆熱天守 バトライ閣》にロールバック。攻撃時能力で踏み倒したドラゴンがバトルゾーンに出て再び《爆熱DX バトライ武神》へと龍解するギミックです。


 これを用いれば、山札の上から3枚にドラゴンがあるかぎり《爆熱DX バトライ武神》の攻撃時能力が解決できたのです。


 条件は厳しいですが、《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》はこのコンボの部分的な再現に寄与しています。


 《爆熱DX バトライ武神》で攻撃する際に《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》のアタック・チャンスを宣言。この攻撃時能力で《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》がめくれた場合、登場時能力のバウンスで《爆熱DX バトライ武神》を指定して龍回避→《ボルシャック・秘伝・ドラゴン》が着地して《爆熱天守 バトライ閣》龍解、というような動きで再現できます。


 ランダム要素に左右されるため狙って決めるのはほぼ不可能ですが、アタックキャンセルしながら踏み倒し回数を増やし、大型フィニッシャーのヒット確率を上げられる点は特筆に値します。

 裏表どちらも味方全体にスピードアタッカーを付与する、極めて攻撃的なドラグハートです。


 《超戦龍覇 モルトNEXT》との2枚コンボで確実にリーサル打点を生成できるため、受け札が採用されていないことがわかっている対面ではワンショットを狙えるのが最大の使いどころ。


 そのほか、大量踏み倒しパターンに入った際に2枚目以降の《超戦龍覇 モルトNEXT》が呼び出して一気に打点をかさ増しする際にも重宝されます。


 G・ストライクの増加で多くのデッキに受け札が採用されるようになったため、ワンショットの貫通力は往時よりも下がっていますが、それでも選択肢として入っていることに意味があるカードだと言えるでしょう。

 盤面制圧力に長けたドラグハート。


 《超戦龍覇 モルトNEXT》自身は強制バトルやスピードアタッカーを持っておらず、能力を活かしきれません。もっぱら、《ボルシャック・ドギラゴン》《超戦龍覇 モルトNEXT》をめくった時の選択肢です。


 バトル時のパンプアップと追加の強制バトルによって2面を取り、即時龍解して2打点になることで《ボルシャック・ドギラゴン》と合わせて5打点でのカウンターを狙えるのが最大の強み。


 一方で選べないクリーチャーやパワー16000以上のクリーチャーに対しては無力なため、状況次第で他の選択肢との使い分けになります。

 「なんでもいいのでクリーチャーで2回攻撃」というかなり緩い条件で龍解し、実質的に選ばれないクリーチャーとして詰めに貢献するドラグハートです。


 殴り返しで盤面を制圧する際のおともとしても強力で、《超戦龍覇 モルトNEXT》にスピードアタッカー付与をして2面を処理し、このカードの龍解時に7000火力を飛ばしてさらに殴り返し、と流れるように合計4面を処理できます。


 基本的にはドラゴン踏み倒しチャンスをたっぷり確保できる《爆銀王剣 バトガイ刃斗》で事足りるものの、踏み倒しが制限されているような状況ではこちらの方が活躍できるでしょう。


 間違えやすい点として、龍解条件はきっちり「2度目」のみで、「2度目以降」ではありません。複数回攻撃したあとに出てきた《銀河大剣 ガイハート》はターンを跨がなければ龍解できないので注意しましょう。

 《超戦龍覇 モルトNEXT》で直接ドラグハート・クリーチャーを出せるこのデッキでは、ほぼ《終わりの天魔龍 ファイナル・ジ・エンド》しか使いません。


 このカードも主に《ボルシャック・ドギラゴン》からめくれた《超戦龍覇 モルトNEXT》の選択肢です。


 スレイヤー・ブロッカーを横に設置できるため選べない相手に対しても受け札として機能するうえ、パワーで上回っていれば返しの打点としても活用できます。


 一方でそもそもブロックされなかったり、攻撃時能力でクリーチャーを除去できる相手には簡単に乗り越えられてしまうため、状況に応じて使いましょう。

 これもまた、《ボルシャック・ドギラゴンからめくれた《超戦龍覇 モルトNEXT》の選択肢として有力なカードです。


 T・ブレイカーからW・ブレイカーにグレードダウンし、横にクリーチャーが並ぶわけでもないため、単体のカウンター性能では一段落ちる《龍神丸》


 ですが、「バトルに勝った時にシールドとマナを1枚ずつ増やして1ドローと1体墓地回収」という膨大なアドバンテージを得られるのが最大の特徴です。特に、マナ加速もおぼつかないような序盤に攻められた際には非常に役立ちます。


 受け性能としても、シールド追加は最上位クラスの利便性。どんな相手であっても確実に1打点受け切れるのは他にはない強みです。


 素のパワーは7000とかなり低いものの、多色でないクリーチャーとバトルするときは破格の77000にまでパンプアップ。現環境では多色のクリーチャーが大多数を占めているため一概には信用できないものの、あるとないとの差は非常に大きいです。


 総じて独自性が高く、「どうしてもこのカードでなければいけない場面」が数多く見つかるカードだと言えそうです。

おわりに

 今回は根強い人気のある【モルトNEXT】について、改めて振り返っていきました。


 残念ながら環境トップとは決して言えないものの、様々な新要素を取り込みながら着実に適応する力を持っています。発売から7年の時を経た今でも月に数回はCS入賞リストに【モルトNEXT】の名前を見ることができるのは、驚異的というほかありません。


 入手の難しかった希少なドラグハートも、この20周年イヤーの間に一部を除いてほとんどが再録され、今ではだいぶ組みやすくなっています。当時【モルトNEXT】に憧れながら、組みたくても組めなかった元少年の皆さんも、この機会にぜひ組んでみてはいかがでしょうか?


 それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした!

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このコラムのライター

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