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2021.11.30

【第3章】運命を支配せよ | プラズマの未開地探求録

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【第3章】運命を支配せよ | プラズマの未開地探求録

運命の支配者になる神のお話

目次

はじめに

レジェンドスーパーデッキ「神歌繚嵐」


かつて、圧倒的な展開力により環境を支配した《エンペラー・キリコ》のデッキをリメイクしたそれは、新たな顔ぶれと共に現代へと解き放たれた。


収録している面々には、オリジンの例に漏れず、日本神話に登場する神々の名を擁する者たちが多数含まれている。


その中には、このデッキの顔であるクリーチャー《神歌の歌姫アマテラス・キリコ》の名にもある「天照大御神」の親とされる、イザナギとイザナミの名を持つクリーチャーも登場している。

いずれも、方向性こそ違えど《アマテラス・キリコ》をサポートするには十分すぎるほどの能力を持っており、他のデッキさえ強化できるスペックを誇っている。


《イザナギテラス》は、さっそく《鬼羅.Star》デッキへと搭載され、手札を整えるその強大な力を早速ふるっているという。

《イザナミテラス》は、その多種多様な進化先のおかげで、色々な面白いデッキに搭載されたり、元のデザイン通り《アマテラス・キリコ》をサポートする役割としても力をふるっている。


そんな強力なカードを、2枚とも搭載できるデッキがあったら、どうなるだろう。

強い+強い、この式が出す答えは簡単だ。


そう、物凄く強い、である。


では、この両方を入れてデッキとして機能させるのは、どんなデッキだろうか。

正直なところ、《アマテラス・キリコ》を軸とするのであれば、《イザナミテラス》だけで十分機能する。

ここで重要な事は《イザナギテラス》にも役割を持たせる事だろう。


《イザナギテラス》《イザナミテラス》

この方向性が異なる2枚のカードに同じ目的を持たせるには、どうしたら良いのだろうか。

そんな事を考えている私は、この2枚の種族に気が付いた。


そう、サムライとナイトなのである。

《蒼狼の始祖アマテラス》がサムライとナイトの両方を持っていた事を考えると、確かに納得である。


サムライとナイトと言えば、戦国編で戦った2大種族である。

最終的に世界を滅ぼしかねない「超銀河弾」と「超銀河剣」がぶつかり合う戦いとなり、その後のストーリーに大きな影響を与える戦いを繰り広げた、とんでもない2大種族である。


その相反する2つの種族を、同時に搭載できるデッキ、否、搭載しなければならないデッキを、私は一つだけ知っていた。

《星狼凰マスター・オブ・デスティニー》


サムライとナイトを1体ずつ重ねた上に置くという、一見すると緩いようで滅茶苦茶キツい進化条件を持つクリーチャーである。


数多の神々の始祖であるイザナギとイザナミが合体し、運命の支配者(マスター・オブ・デスティニー)に成るとは、何たる必然だろうか。

ちなみに、名前も「星狼」と、同じ系譜を感じる命名となっている。


これは、もはや組む以外の道は無い。

さあ、今宵もデッキを作る時間がやってきた。

星狼凰マスター・オブ・デスティニー

例によって、すでに画像は載せているが、このクリーチャーのスペックを見ていこう。


①進化V-自分のサムライ・クリーチャー1体とナイト・クリーチャー1体を重ねた上に置く。

条件が緩いようで、結構厳しい進化条件。

現代のカードパワーに追随出来るほど優秀なサムライ・クリーチャーが少ない事と、ナイト・クリーチャーも単体では心許ない事が多く、進化元を揃えるほどにデッキ全体のパワーが落ちる事になってしまう。

そもそも、ボルテックスという進化条件自体が、今の時代は結構厳しいのである。

サムライとナイト、刀を使う部族と銃を使う部族の融合、まさに正反対の融合である。

ちなみに、日本刀で銃弾を斬る事が出来るとか出来ないとか。


②このクリーチャーが攻撃する時、自分のマナゾーンにある「S・トリガー」付きの呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、クロスギアを1枚、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。

このクリーチャーのメインとなる能力。

マナゾーンにある、「S・トリガー」を持つ呪文なら何でも唱えてしまう事が出来る。

それに加えて、クロスギアまで踏み倒してしまう、何とも頼もしい能力だ。

問題は、クロスギアは置いただけで機能出来るカードが少ないため、この能力を使っただけではほとんど機能しない点だろう。

そのため、メインで使うのは、呪文を唱える方の能力ということになる。


③T・ブレイカー

さすがにこれだけ厳しい進化条件のため、しっかりと標準搭載

問題があるとすれば、相手のシールドが2枚になってしまうため、革命の条件を満たしてしまう点だろうか。

運命を考える

カードのスペックを一通り見たところで、デッキの運命を決めていこう。


まず、この《マスター・オブ・デスティニー》には除去耐性が無い。

出すまでの労力を考えると、可能であれば出したターンに相手を仕留めたいところである。


そこを踏まえたうえで、まず、このクリーチャーで唱える呪文を何にするかを考えよう。


このカードが登場した当時、あるコンボが注目されていた。

ある2枚のカードとの組み合わせで発生する、無限攻撃コンボである。

まず、《マスター・オブ・デスティニー》《フェアリー・スコップ》をクロスする。


その状態で《マスター・オブ・デスティニー》で攻撃すると、マナから呪文を唱える能力と、《フェアリー・スコップ》で墓地のカードをマナに置く能力がトリガーする。


つまり、これで《フォトン・クロック》を唱えると、《マスター・オブ・デスティニー》がアンタップし、《フォトン・クロック》が再びマナゾーンに戻る、という事になる。


これによって、相手のクリーチャーを次々にタップしつつ、《マスター・オブ・デスティニー》が何度でも攻撃し続ける事が可能となるのだ。


しかし、これは12年も前のコンボである。

令和の今、より強力なカードが増えている事を考えると、もっと強いカードがあるに違いない。


そう思った私は、ここ数年のカードプールの中から、S・トリガーを持つ呪文を片っ端から探す事にした。

すると、このカードへとたどり着いた。

《攻守の天秤》である。


かつて、ジャックメタリカという史上最強クラスのコンボデッキに搭載された、コンボパーツ兼受け札という万能カードである。


《フォトン・クロック》と違い、相手のクリーチャーをタップしながら連続攻撃という事は出来ないが

複数の相手を受け止められるうえ、自軍は全員アンタップ出来るという点を踏まえれば、こちらに軍配が上がるだろう。


自軍を全員アンタップ出来るので、他に攻撃時にトリガーする能力を持つクリーチャーが居れば、それも連発させることが可能となる。


例えば

《奇天烈シャッフ》である。


1回の攻撃でも十分に強力だが、2回・3回と重なれば、相手の抵抗手段は次々に奪われていく事だろう。

特に、《マスター・オブ・デスティニー》で割ったシールドから飛び出すS・トリガーを封殺できる点でも、相性が抜群に良い。


さて、まずは今の段階でのリストを取り揃えてみよう。

4

4

4

2

4

4

少し話の道筋から外れるが、私はデッキを組む際、パーツをとりあえず4枚ずつ入れて考えるタイプである。

まずは大枠を整えてから、枚数を削る方が色々と楽なのだ。


ただし、明らかに4枚も必要のないカードに限っては、例外である。

今回の《フェアリー・スコップ》は、最悪無くても致死打点に届く事や2枚目以降は不要になる点を考えて、2枚に抑えている。


話を戻そう。

この段階で、すでにデッキのスロットを半分以上占める事となった。


あとは、デッキのリズム感を考える事にする。

《イザナミテラス》は6マナで召喚出来る事を考えると、必然的に2→4→6の流れを理想の形としたいところである。


そうなると、まずは2マナのマナ加速を8~9枚ほど入れる計算になる。

そして、4マナ域のマナ加速も4枚は欲しいところである。


これで、12枚のスロットが埋まる。

残った枠は、6枚分だ。


ここまでのリストを振り返ると、進化元の枚数が気がかりだと気付いた。

サムライに関しては、起点となる《イザナミテラス》が持っているので問題は無い。

問題は、ナイト側である。こちらは、事前に用意しておく必要があるクリーチャーなのだ。


《イザナギテラス》4枚だけでは、引けなかったときにデッキが止まってしまうことになる。

つまり、ナイト・クリーチャーをもう1種類、デッキに増やしてやる必要があるのだ。


それに関しては、手札の入れ替えを容易にしつつ、盤面に残しても優秀なクリーチャーが最近追加されている。

《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》である。


これを4枚入れるとして、残りの枠は2枚しかない。

2枚だけとなると、出来ればデッキの軸となるカードではなく、「無くても良いがあると助かる」という枠にすべきだろう。


そうなると考えられるのは、必須枠の5枚目以降の枠である。

今回は、メインのコンボパーツである《攻守の天秤》の5枚目以降としてカウントが期待できるカードを探す事にした。


だが、ここで一つの懸念が見つかった。

水の枚数が少し足りていないのだ。


合計で16枚入っているため、足りないという事は無いかもしれないが、2ターン目の《エマージェンシー・タイフーン》を考えると、出来れば18枚程度は欲しいところである。

よって、《攻守の天秤》と同じくらいの強さを持ち、S・トリガーの呪文で、水文明のカードを探す事にした。


しかし、当然ながら、条件に合うカードがそうそう見つかることは無い。

面白い動きが出来そうなカードとしては《転生スイッチ》がある。

これで《イザナミテラス》を再度出せば面白い事が出来そうな気がするが、進化元が足りない。

やるとしても、他のデッキで採用する動きだろう。


そうなると、コンボパーツではなく補助として作用するカードを探したいところなのだが、イマイチ噛み合いの良いカードは見つからなかった。


そんな中で、一つの発想が浮かび上がってきた


即ち、《攻守の天秤》を唱えられるカードを入れれば、実質的に5枚目以降の枠となるのではないか、という案である。

《失われし禁術の復元》


このカードであれば、一度唱えて墓地に落ちた《攻守の天秤》を、再度唱える事が可能となる。

実質的に2枚目の《攻守の天秤》として作用するため、たとえばトリガーで受けとして使った《攻守の天秤》を使うことも可能である。


あれ、《フェアリー・スコップ》要らないのでは?

そう思った人も多いだろう。

私も思った。


しかし、せっかくクロスギアも踏み倒せるのだから、ここはロマンを追い求めるのも悪くない。

最悪、相手のカード除去の的になってくれるかもしれない。

得体の知れないカードは、常に相手に恐怖心を抱かせるのである。


さて、これで全てのデッキスロットが埋まった事になるわけだ。


そういう訳で、完成したデッキを見てみよう。

デッキのご紹介

4

4

4

2

4

4

4

4

4

4

2

見たまえ、この神々しい不死鳥の輝きを。


相手の運命さえ捻じ伏せる、強大な不死鳥の降臨である。


強いのかって?

私にも分からん。


とはいえ、最速4ターン目に2回攻撃しながら突撃してくるフェニックスは、強烈極まりないだろう。

まして、2回どころか3回・4回突撃してくるかもしれないのだ。

ロクな防御を持たない相手なら、ひとたまりもなく砕け散るだろう。


このデッキの面白いところは、文明という縛りにとらわれていない事である。

つまり、《希望のジョー星》があったとして、全く気にすることなく動く事が出来るのだ。

デッキの動き方

基本的な動きは、至極単純である。


2ターン目にマナ加速

3ターン目に《イザナギテラス》から呪文を唱えてマナ加速

4ターン目に《イザナミテラス》を召喚し、その能力で7マナに到達させて《マスター・オブ・デスティニー》を出す。

あとは連続攻撃か、出来なくても2~3回攻撃して相手を倒す


たった、これだけである。


一つ問題があるとすれば、最速で動いた場合、2回攻撃だけでは相手を倒しきれない事である。

そのため、最速で動くのであれば3回以上の攻撃が確定している場合に留めたい。


最速で動かない場合は、《奇天烈シャッフ》で一度お茶を濁しつつ、2回攻撃だけで相手を倒せる状態にしてから攻撃したい。

こちらの方がキルターンは遅いものの、相手の抵抗手段を抑え込みながら攻撃が出来るため、より勝利を手にしやすい状況になるだろう。


《フェアリー・スコップ》に関しては、余裕があるならクロスする、程度に留めて良い。

《マスター・オブ・デスティニー》で出したところで、おそらくこのクリーチャーが攻撃しているということは、そのターンでゲームを終わらせるという事である。

よって、出すタイミングとしては、《マスター・オブ・デスティニー》を出す前のタイミングしか無い。

狙い目としては、2マナでマナ加速をした直後や、5マナの時に《シャッフ》《レオポル・ディーネ公》を出した余剰マナで出す、などだろう。

《イザナミテラス》で増えたマナでクロスさせるという動きも狙えるので、出しておけば、割とタイミングは見つかるだろう。


ひとまず出せてしまえば、あとは圧倒的なパワーで相手を圧し潰すだけである。

終わりに

今回紹介するデッキとしては、他にもいくつか、候補を用意していた。


その中で、最もマイナーで、最も挑戦し甲斐のある、そして新規カードを2枚も使ったカードは何かといわれたら、この《マスター・オブ・デスティニー》だったのだ。


ちなみに、他の候補にあったデッキとしては


《イザナミテラス》に着目したデッキとして

《蒼世神ADAM》《創聖神EVE》を使ったデッキ

《闇鎧亜キング・アルカディアス》《闇鎧亜クイーン・アルカディアス》を使ったデッキ

《双流星キリン・レガシー》を使ったデッキ、などがある。


《イザナギテラス》に着目したデッキとして

上述した中にもあった《鬼羅.Star》を使ったデッキ

《邪眼の祈祷師ザビ・ミラⅣ世》を使ったデッキ

《マイト・アンティリティ》を使ったデッキ、を考えてはいた。


上記の全てが形として出来ている訳では無いのだが、デッキのネタとしては十分に研究の余地がある分野だと思っている。


今回、新たに追加されたカードには、まだまだ未知の使い方が存在している。


この先もまだ、未知の可能性へと旅を続ける者たちの研究成果に期待したい。

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このコラムのライター

プラズマ

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