20年の歴史、襲来
皆さんお久しぶりです。
無事、二本目の記事を書かせていただく事となりました。
記念すべき第一回の記事を書き終えた後、第二回のネタとして新弾のカードを使ったデッキを色々と考えていたところ
「新弾をプッシュできる記事って書けませんか?」
という依頼が来たため
「プッシュしすぎて宇宙に行ってもいいですか?」
という勢いで筆を走らせています。
何せ、今回の最新弾「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」に収録されているのは
デュエル・マスターズ20年間の歴史に名を刻んだ今までに存在したアーキタイプを強化するカードや特定のカードに関連したストーリーを掘り下げるカードがメインとなっています。
そして、その中には全く新しいアーキタイプを生み出しうるカードも大量に含まれている、まさに「おもちゃ箱」と呼ぶに相応しい内容となっているのです!
昔、デュエル・マスターズをプレイしていた人が見ると
「懐かしいな!」
「そんなカードあったなw」
「またやってみるか~」
と感じるカードも多い事でしょう。
何が強くて何が楽しそうというのは、色々な所で語られております。
同じような事を今更語ったところで、知ってる人は
「もう見た」
という感想しか抱かない事でしょう。
そこで今回は収録されているカードの中から数枚をピックアップし、そのカードにまつわるお話を語っていきましょう。
ピックアップするカードとしては、再録ではなくリメイクされたカードをメインにフィーチャーしたいと思います。
俗に言う「ワシが若い頃は・・・」な、お話です!
あ、逃げんな!
再度蘇る、大いなる邪眼の王
およそ10年ほど前、高速で手札を奪いながら戦う豪快なデッキとして環境で暴れていた《大邪眼B・ロマノフ》
キーカードである《魔光蟲ヴィルジニア卿》が殿堂入りしてから環境から姿を消したものの、今でも根強いファンを持つカードです。
バトルゾーンに進化元を必要とせず、4~5ターン目に颯爽と現れ相手のシールドを3枚もブレイクする姿に、誰もが目を奪われました。
あと手札も奪われました。
俺のバイケンを返してくれ。
環境から姿を消した後も、一時期は墓地ソースに入っていたり、《卍デ・スザーク卍》のデッキに入った事があったりと、時々環境に顔を出していた事もあります。
漫画「デュエル・マスターズ覇王伝 ガチ!!」では、主人公である赤星大虎の切り札として登場。
対戦相手である獅子王が操る、エンペラー・キリコ擁するデッキを打ち倒す活躍を見せました。
かつてのロマノフの姿を一新して再登場したのが、この《邪眼王B・ロマノフ》です。
コストが軽くなった代わりにパワーも低くなりましたが、手札破壊能力は大幅に向上。
条件付きで除去能力まで発揮するようになりました。
コストが5のため、本来は《ヴィルジニア卿》経由で出していたコストで本体を召喚することが可能になっています。
今回収録されているカードのフレイバーテキストを追うと、このロマノフ家の事が少しだけ明らかになっています。
興味のある人は、ぜひパックを剥いてみてはいかがでしょうか。
電子の海を経て再臨した太陽の神
かつてザキラの切札として登場し、エスメラルダの前に並ぶ14枚ものシールドを一撃で吹き飛ばす逆転を演出した、太陽の神「アポロン」の名を持つフェニックス《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》
そうした豪快極まりないカードが、デュエル・マスターズ プレイス版の能力をひっさげて再登場しました。
ちなみに、プレイスでは殿堂入りしました。悲しいなぁ・・・。
太陽といえば生き物の営みに欠かせない存在として、世界中の様々な文明で神として信仰されてきました。
同じく太陽神としてヘリオスという神が居ます。
デュエル・マスターズ プレイスで同時に登場した《ヘリオライズ・ドラゴン》がサポートとして噛み合いが良いのは、そういう関係なんですね。多分。
ギリシャ神話の神アポロンの名に恥じぬように、背景ストーリーでもフェニックス達の中でも最強格として登場しました。
能力としては、その強力さをゲーム内でも再現するため、大幅なパワー上昇、そしてワールド・ブレイカーという、豪快さ盛り沢山な能力となっています。
このカードが抱えていた問題として、ブロックされ続けるとシールドまで攻撃が届かないというものがありました。
今回収録された《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》は、デュエル・マスターズ プレイス版と同じく、相手のシールドを全て吹き飛ばすという反則級の能力を搭載しています。
使い勝手はやや異なるものの、火の進化ドラゴンに侵略する事により簡単に登場し、なんと最速3ターン目に相手に殴り込みをかける事ができます。
その代わり、選ばれた時のマナ破壊能力は抑え気味になっていますが、それを差し引いても十分な突破力を手に入れています。
なお、元となった《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》と違う点として、種族にティラノ・ドレイクがありません。
特に気にするほどの事でもありませんが、種族サポートを受けられなくなっているので、注意しましょう。
暴君の名を継ぐ者
己と杖の区別を失った龍
デュエル・マスターズの醍醐味といえば、シールド・トリガーによる大逆転です。
黎明期からこの大逆転を許さないため、あらゆるプレイヤーが試行錯誤を繰り返してきました。
ある時はデッキを削り、ある時はシールドを焼却し、ある時は・・・シールド・トリガーそのものを封殺していました。
シールド・トリガーを封殺するカードの元祖として登場したのが、《呪紋の化身》です。
ただ存在するだけで相手のシールド・トリガーを封じてしまい、自身もWブレイカー持ちという、当時は破格のスペックを誇っていました。
主にビートダウンのフィニッシャーとして採用され、《クリスタル・パラディン》との組み合わせで相手のブロッカーを退け、6点を叩き込むという動きは強烈極まりなかった記憶があります。
そうした、ゲームの醍醐味を否定するという能力のため、今ではプレミアム殿堂入りとなっています。
呼び名は数々ありますが、私の仲間内では「タオバブ」って呼んでました。
《呪紋の化身》のフレイバーテキストを読めば、その理由は分かるかと思います。
そのようなカードが《超神龍バイラス・ゲイル》と融合し、再登場です。
なんでこの組み合わせなんだ・・・?
どちらもシールド・トリガーに関連した能力だから、という事なのかも・・・
《超神龍バイラス・カースド》という名前、冠詞に「超神龍」とありますが、進化クリーチャーではありません。
進化クリーチャーではありませんが、マッハファイター能力を持つため、即座にクリーチャーに殴りに行くことができます。
元となった《呪紋の化身》の能力はタップ状態でないと発揮できませんが、マッハファイターのため、そこまで問題にはならないでしょう。
そして、なんといっても種族に追加されている「ハンター」。
これにより《「必勝」の頂カイザー「刃鬼」》で出す事ができるうえ、突破力も増しました。
コストの重さや扱いにくさが目立ちますが、その能力はやはり強力。
機会があれば、環境にも顔を出すかもしれません。
片翼の神、再び
ロマノフの血筋であるクリーチャーは多く、中には環境で活躍したカードも多いです。
中でも《邪神M・ロマノフ》は圧倒的な強さを誇り、今ではプレミアム殿堂入りまで果たしました。
その強さは《魔弾ベター・トゥモロー》との組み合わせから始まり、後に《憎悪と怒りの獄門》と組み合わされたタイプも出現しました。
《ベター・トゥモロー》との組み合わせは、マナ加速から《解体人形ジェニー》での妨害を経て、それらのカードを強化して一瞬でゲームを終わらせるという、当時は対策も難しいビートダウンでした。
その次に出てきた《憎悪と怒りの獄門》型は、《デビル・ドレーン》で自分のシールドを全て手札に加え、《天真妖精オチャッピィ》を展開しつつ、《光姫聖霊ガブリエラ》で敗北を回避、次のターンに《邪神M・ロマノフ》から《憎悪と怒りの獄門》を唱えるという型でした。
こちらのデッキは受けの硬さがあり、《ベター・トゥモロー》型と明確な差別化が成されていたように記憶しています。
そして、超次元呪文の登場により更なる強化を施され、殿堂入りとなりました。
しかし、《進化の化身》のサーチによりリペアを施され、デッキのフィニッシャーの一部として再度環境に復帰。
結果、プレミアム殿堂入りという流れとなりました。
唱える事ができる呪文が増えれば増えるほど強化されるこのカードは、そう簡単には殿堂入りから外れる事は無いでしょう。
いったんデッキのメインとして運用されたのち、殿堂入り後はデッキのフィニッシャーの一つという立場で環境に居座り続けた点では、かの《無双竜機ボルバルザーク》に通ずるものが感じられます。
その《M・ロマノフ》が、残りの二柱救済のためにゴッド・ノヴァとして生まれ変わりました。
元と違い確定で出てこれるようになりましたが、呪文が唱えられるかどうかは運次第、というデザインになっています。
そのまま使うには難しいカードですが、ほかの二柱の《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》と組み合わせると、そちらの下にある呪文であれば確定で唱える事ができます。
(リンクしていれば、メテオバーンでリンク先の進化元を捨てる事もできるのです!)
かつては常に環境に居たこのカードですが、多少扱いは難しくなったものの、楽しいデッキを考えるに相応しいカードになりました。
果たして、三柱の神が環境に現れる日は来るのでしょうか・・・?
相手の全てを流し去る水流
マナ破壊はロマンである。
やられる側は堪ったものでは無いが、やる側は非常に楽しい。
デュエル・マスターズでは、最近はマナ破壊戦略が収録される事は珍しくなってきています。
やられる側はゲームに参加できなくなり、非常にストレスに感じる、というのが理由でしょう。
とはいえ、大型の、それこそリセット級のカードは度々収録されています。
かつて、マナ破壊として環境で戦ったカードに《ハイドロ・ハリケーン》があります。
自分の闇のクリーチャーの数だけ相手のクリーチャーを手札に戻し、光のクリーチャーの数だけ相手のマナを手札に戻す。
第4弾で収録されたこのカードは、幾度となく光水闇のデッキのエンドカードとして活躍してきました。
《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》《魔光王機デ・バウラ伯》といったナイトと組み合わされる事により、当時の環境で十分に戦える性能となりました。
特に、近い時期に登場した《知識の精霊ロードリエス》によって盤面の展開が容易となった点も環境入りの要因でしょう。
圧倒的な盤面を展開したのち、《ハイドロ・ハリケーン》で相手の動きを縛り上げ、《ダイヤモンド・ソード》で決着をつける。
その結果、《ハイドロ・ハリケーン》は殿堂入りとなり、環境の一線から退く事となりました。
その強力な性能を持つカードがナイト・クリーチャー《氷牙君主ハイドロ・ビスマルク帝》として復活しました。
能力は、出た時に《ハイドロ・ハリケーン》と同様の効果を使うというもの。
コストは8と重いので、そのまま使うのは難しいですが、決まれば相手は再起不能に陥るでしょう。
なお、ブロッカーを持っているため、《闘門の精霊ウェルキウス》で踏み倒す事ができます。
このカードの運用方法は、《ヘブンズ・ゲート》デッキなのかもしれません。
終わりに
今回ご紹介したのは、収録されているカードのほんの一部に過ぎません。
他にもまだまだデュエル・マスターズ20年の歴史に名を刻んだカードが多数収録されています。
もし、この中に自分が好きだったカードの生まれ変わった姿があったら、また一緒に戦ってみるのも良いのではないでしょうか?
そうしたきっかけとしても、今回のセットは良いのではないかな、と思います。
以上、少し変わった視点からのレビューでした!
また次の新弾でも、こういう変わった視点からのレビューができればいいなと思います。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!