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2021.10.29

【第1章】無を取得しよう! | プラズマの未開地探求録

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【第1章】無を取得しよう! | プラズマの未開地探求録

【第1章】無を取得しよう! | プラズマの未開地探求録

目次

はじめに

日本全国2000億人のデュエル・マスターズファンの皆様、初めまして!
この度、ドラゴンスター様にてコラムを書かせていただく事になりました、プラズマと申します。
普段は環境外の地雷デッキを作っては崩す生活と時々ジャッジをやりながら、片手間で労働をしております。


ある日突然、知人に
「プラズマさん、記事書いてみませんか?」
と言われ、今ここに居ます。
正直なところ何を書いて良いのか悩みまくりましたが、
「カジュアルな人向けの記事をお願いします」
と言われたため、
「要するに、何書いても良いって事ですね!」
と曲解して筆を取っております。


しかし、記念すべき第一回に何を記事にすべきか、物凄く悩みました。
なんせ、第一回です。ここで良いネタを提供できなければ、冒険は終わってしまいます。
オープニング兼エンディングみたいになります。


今、デュエル・マスターズのプレイヤーが求めているものは何か。それを考える必要がありました。
情報は氾濫し、強いデッキのリストは簡単に手に入る時代。
どのカードが強くて、どのカードが弱いか。
そんな事も簡単に分かってしまう時代の中、人々が真に必要としている情報とは何なのでしょうか。


ツイッターのタイムラインやCS参加者たちを見ていて、私はふと、ある事を思いました。


ひょっとして、みんな冒険心というものを忘れているのではないか?


約20年ほど前、プレイヤーたちは数少ない情報の中で、独自にデッキを研究・開発して楽しんでいました。
本当に使えるか分からないコンボを見つけては一喜一憂し、誰も思いつかないようなデッキを思いついた日には、興奮で夜しか眠れない日々が続いたものです。


それが今では、情報が簡単に手に入るという環境の弊害か、自分たちで新しい道を開拓するという事が減っていると感じたのです。
正確には、何かアイデアを浮かべても、それを形にする人が少なくなった、という印象です。


これは由々しき事態です。
デッキビルダーが減る事は、即ち環境の解明が遅れるという事です。
環境の解明が遅れてしまうと、それだけゲームに飽きやすいという事になってしまいます。
要するに、デュエル・マスターズというゲームの危機なのです。
これは見過ごす訳にはいきません!


かつて、世紀の大天才、今は公式で筆を走らせている研究仙人”まつがん”氏が私を地雷デッキビルダーの道へと踏み外させた導いてくれたように、私も人々をビルダーの道へと導くべきなのだと、これは天から与えられた使命なのだと、私は感じたのです。


それが分かった時、私が書くべきものが何か定まりました。
というわけで、今回はデッキの第1号を作っていきたいと思います。


未知への挑戦

記念すべき第一回のデッキを、何にすべきか。
情報は出来るだけ新鮮な方が良いですし、記事にするからにはインパクトが大きい方が良いでしょう。
あと、誰もが目を惹かれるようなカードが良いです。


そんな条件を満たせるカードが一枚見つかりました。



《戦霊混成ウルボランス》です。
何か凄い事が出来そう、でも環境ではあまり見ない「コスト踏み倒し」が出来る凄い奴です。
カードゲーマーならコストの踏み倒しが嫌いな人は居ません。私も大好きです。
でも、現実で支払いを踏み倒したら逮捕されるので、ゲームの中だけにしましょう。


新弾の発売前から少し騒がれており、巷では色々な形が研究されているものの、環境に顔を出す事は稀なカードです。
最近、これを入れた5cデッキが入賞したという報告がありましたが、それっきりです。


間違いなくポテンシャルの高いこのカード、まだまだ見つけられていない未知の可能性があるはずです。
掘り下げてみるには、相応しいカードと言えるでしょう。

ウルボランスってどんな奴?

もう画像を貼ってありますが、一応テキストを見てみましょう。


■EXライフ
まず、ディスペクター全員が持っている【EXライフ】
これにより、システムクリーチャーにありがちな「出したのにすぐ除去されてしまう!」という弱点を克服しています。
炎上案件の最前線に突然放り出されても全く気にせずバリバリ働く会社員みたいなタフさですね。そんな会社、すぐ辞めた方が良いです。


■ブロッカー
なんとこのクリーチャー、光文明なので《ヘブンズ・ゲート》で出す事が出来ちゃいます。
踏み倒すと、このクリーチャーの醍醐味である「呪文の踏み倒し」が使えませんが、それを考慮しても超優秀です。


■W・ブレイカー
これだけ重いコストを持つクリーチャーなら、義務教育みたいなものですね。
この図体でシールドを1枚しかブレイク出来なかったら、本当にただパワーがデカいだけのクリーチャーになってしまいます。EXライフがあるだけ、まだマシですが・・・


■このクリーチャーが出た時、自分の手札を2枚まで捨てる。その後、こうして捨てた手札の枚数より1枚多くカードを引く。
手札を2枚まで捨てて、その枚数+1枚のカードを引けるという、今までに前例があるようで無い能力です。
この能力ですが【手札を0枚捨てて1枚ドロー】という哲学的な事も出来ちゃいます。
逆に言うと、必ず1枚は引かないといけませんので、デッキ切れには注意が必要です。


■各ターン、自分の最初のクリーチャーが召喚によって出た時、そのクリーチャーのコスト以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
出ました、本日のメインディッシュです!
1体目のクリーチャーを召喚によって出すと、そのクリーチャーのコスト以下の呪文を手札からタダで唱える事が出来ます。
つまり、重いクリーチャーのコストを下げて出すと、重い呪文をそれだけのコストで唱える事ができるという事です。ワクワクしますね。こんなにワクワクするのは、小学校の給食にデザートが出る日くらいです。
ちなみに、この能力ですが、

  1. そのクリーチャーが各ターン最初に出すクリーチャーである事。
  2. そのクリーチャーが召喚によって出ている事。

の2点を満たさないとトリガーしません。
そのため、そのターン中に既にクリーチャーを1体踏み倒して出していると、2体目を召喚で出してもトリガーしないのです。ご注意ください。

コンセプトを決める

突然ですが皆さん、”無”って好きですか?
私は彼女にするくらい好きです。


この”無”ですが、相手に押し付けるだけでゲームに勝ててしまう、凄いヤツなんです。
そんな凄いヤツを使いこなせたら、最強だと思いませんか?


この《ウルボランス》には、それだけの力が秘められていると思いました。


では、デュエル・マスターズで”無”を象徴する呪文って何でしょうか。
多分、ほとんどの人がこのカードを思い浮かべると思います。
そう




《オールデリート》です。


EXライフの残った《ウルボランス》が居る状態でこれを唱えたら、《ウルボランス》を残した状態でリセットが完了します。
《ウルボランス》が居る状態で、11以上のコストを持つクリーチャーを召喚し、《オールデリート》を唱える。
あとは全てを失った相手を、戦場に一人残った《ウルボランス》で圧し潰すだけです。


でも、よく考えてください。
このカード、相手のマナゾーンのカードは”無”に出来ないんです。
そんなんじゃ、本当の”無”とは言えませんよね?
それに、自分まで”無”に近い状態になってしまいます。
特にシールドまで”無”になるのは、あまりにリスクが大きすぎます。
ついでに言うと、EXライフを残しておく必要があるので、割と難易度が高いです。


やはり、相手のカード全てを奪い取ってこそ、真の”無”と言えるのではないでしょうか。
恐らく、それは1枚のカードだけでは難しく、複数の組み合わせで初めて成り立つのかもしれません。



”無”を取得

コンセプトが決まったところで、それを形にするためのカードを探しましょう。
まず、”無”とは即ち、相手のカードをリセットするカードです。


では、相手に”無”をプレゼントできるカードを検討していきましょう。


まずは手札です。これは簡単ですね。

みんな大好き《ロスト・ソウル》です。
これを唱えるだけで相手が手札を5000兆枚持っていても、全て捨てさせる事ができます。
そんなに捨てたら、墓地で高層ビルが建ちそうです。


次にバトルゾーンです。これは少し悩みますが、事実上の”無”とする意味でも

この《ドルマゲドン・ビッグバン》が良いのではないでしょうか。
破壊ではありませんが、封印なので簡単には戻ってこられない、ある意味では完全な”無”に出来るカードです。
皆さんも冬に布団に封印されて一日を”無”にした。なんて事ありませんか?
つまり、破壊より封印の方が”無”に近いんです。


続きまして、マナを”無”にするカードについて考えます。
意外とこれが難しいのですが、確実に相手のマナを”無”に出来るカードは、思いつく限りではこれしかありません。

《神々の逆流》です。
これを唱えれば、自分もマナが”無”になりますが、相手のマナも”無”になるので誤差です。


最後にシールドですが、これが難題です。
何せ、シールドを”無”に出来るカードは

思いつく限り《ティラノ・リンク・ノヴァ》しか無いからです。
自分のシールドを全て消してから《憎悪と怒りの獄門》という手もありますが、下準備が必要なうえ、自分のシールドまで”無”になってしまいます。
マナゾーンとは違い、シールドが”無”になるのは致命的です。出来れば避けたいところです。


さらにこの《ティラノ・リンク・ノヴァ》は、シールド・トリガーで反撃される、という懸念があります。
せっかく相手の全てを”無”にしても、このカードで変にシールド・トリガーを踏んでしまうと、逆転される可能性があります。
これがデュエル・マスターズの醍醐味でもあると同時に、ネックでもあります。


あとはコストが重すぎます。《ティラノ・リンク・ノヴァ》を唱えるためには、14以上のコストを持つクリーチャーを召喚しなければなりません。
しかし、これ以外にシールドを”無”に出来るカードはありません。
このコンセプトもここまでか・・・そう思った時、ある閃きがありました。


「シールド以外を”無”にしてから、ゆっくりシールドを溶かせば良いのでは?」

そう、一撃で”無”にする必要は無いのです。
シールド以外のすべてを失った相手に、逆転の余地を一切許さぬ攻撃を繰り出し、シールドを”無”にしていけば良いのです。
さながら、全ての財を失った相手から借金を取り立てる気分になれる事でしょう。
すごく楽しそうです。

最後のマスターピース

全てのパーツが揃ったところで、ある問題が発生しました。
《神々の逆流》を打つと、相手の手札が復活してしまうのです。
これは大問題です。手札があったら、相手が何か反撃してくるかもしれません。
これでは、”無”とは呼べません。


何とかして《ロスト・ソウル》を打ちたいところですが、マナが無ければ、7マナという重いコストを要求してくるクリーチャーを召喚するのは至難の業です。そのまま唱える事も困難です。


そう、《神々の逆流》を唱えてしまうと、他の一切のカードが使えなくなるも同然なのです。
せっかく相手を”無”にしたのに、《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を出す事も出来なくなってしまいます。


頭をこねくり回して出したアイデアが、このままでは水の泡です。
せめてビールの泡か、海に飛び込んだ人魚姫の成れの果ての泡、くらいには仕上げたいところです。


何とかして、《神々の逆流》を唱えた後にも、動ける手段は無いものでしょうか。


そうなると思いつくのは、G・ゼロ能力です。
もしかしたら、G・ゼロを持つクリーチャーの中に、これらの問題を打開できるカードがあるのではないか?


そう思った私は、あるデッキを思い出しました。
そのデッキの名は「逆流コスモ」。


そう、


《神々の逆流》で増えた手札を利用して、《ルナ・コスモビュー》を召喚するというデッキです。


この《ルナ・コスモビュー》、コストが9なので、なんと《ウルボランス》の能力で《ロスト・ソウル》どころか《ドルマゲドン・ビッグバン》も唱える事ができる、スーパーカードです。


これで、《神々の逆流》によって相手の手札が増えるという欠点は克服されました。


さあ、後はこれを、デッキという形にする作業です。

デッキリスト

というわけで完成したデッキがこちらになります。

4

4

2

3

3

4

4

4

3

1

4

2

2


見てください、この光り輝くデッキを。
あまりの輝きに、目を細めてしまいます。
決して、見るに堪えないという理由ではありません。
無謀に思えるアイデアも一つ一つを吟味していくことで、形になるのです!
勝てるのかって? 知らん!


デッキの動き

基本的な動きは、先述した通りです。
まずは、《戦霊混成ウルボランス》を立てる事を目指します。
出した際に手札の入れ替えが出来ますが、可能であれば《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を捨てるようにしておきましょう。これが後の布石となります。


《ウルボランス》を召喚できたら、何か呪文を唱える事が出来るでしょう。
《ロスト・ソウル》で相手の反撃を止めるも良し。
《襲来、鬼札王国!》で2体目の《ウルボランス》《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を蘇生しても良いでしょう。
《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を捨てるのは、これが理由です。


《ウルボランス》を立てた次のターン、いよいよコンボスタートです。
《神々の逆流》で相手のマナを吹き飛ばしつつ、自分は増えた手札を利用して《ルナ・コスモビュー》を召喚しましょう。
そうしたら、手札にある《ロスト・ソウル》《ドルマゲドン・ビッグバン》を唱えて、相手の行動をさらに制限します。
《ドルマゲドン・ビッグバン》《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を出す事が出来ます。
《ウルボランス》《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を捨てておく理由は、ここにもあります。


これで、相手は手札かバトルゾーンしか残されていませんが、さらに次のターンで《ルナ・コスモビュー》を追加動員できれば、そのゾーンすら奪う事が可能になります。
追加動員できる《ルナ・コスモビュー》が無くても、ご安心ください。
《ルナ・コスモビュー》には、ターン開始時に追加ドローできる能力があります。これで、山札から無理やり引っ張ってきましょう。


これで、相手は最終的に手札・バトルゾーン・マナ・シールド、全てを失う事になるのです。
まさに”無”です。
ターン経過で増えてる気がするけど、気のせいです。


コンボデッキが抱える問題として、コンボパーツを序盤にマナに置かざるを得ない場合、それだけコンボの成立が遠のくという問題があります。
しかし、このデッキではマナゾーン全てを回収してからコンボスタートとなる為、その問題を克服することができます。
他の《ウルボランス》を使ったデッキとは、この点で大きく差別化が出来ています。



また今回、《無双と竜機の伝説》を1枚だけ採用しています。
自然の枚数が《無双と竜機の伝説》を除くと16枚と少なく、せめてあと1枚の枠を自然のカードにしたかった、というのがあります。
しかし、適当に増やすのはデッキとしての統一感を損なうため、何かデッキと噛み合うカードが求められました。


そんな中で白羽の矢が立ったのが、このカードです。


《ウルボランス》で唱える事が可能で、かつ返しのターンに《ウルボランス》が除去されるという問題を克服できる凄いカードです。
《神々の逆流》後に《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》を出せないという状況に陥った際、《ルナ・コスモビュー》でこれを唱え、追加ターンを持ちながら攻撃するというルートも選べるようになりました。
え? こっちをコンセプトにした方が強そうだって? よく気付きましたね!


ちなみにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、《アルカディアス・モモキング》を出されると土下座するしかありません。

終わりに

皆さん、今回のデッキいかがだったでしょうか。
第一回ということで、いきなり”無”を取得させるという、派手なコンセプトを選んでみました。
次回以降もこんな感じで地雷デッキを練り練りしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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このコラムのライター

プラズマ

プラズマ