はじめに
こんにちは!
もしくは、初めまして!カニ丸です。
すっかり夏の終わり、秋風が吹き始める今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
先日9月15日頃に発表された『遊戯王OCG デュエルモンスターズ 25th ANNIVERSARY ULTIMATE KAIBA SET』。
皆さんはもう予約されたでしょうか?
この記事を執筆しておりますタイミングでは公式通販サイト「コナミスタイル」にて来年の秋~冬頃に到着する分の受注を行っているようです。
税込33000円という高級感のある商品にも関わらず、人気が殺到し、何度も受注が止まるほどの評判を得ております。
9月現在、通常のサテライトショップ店舗でも予約を受けているそうなので、どうしても通販で手にできなかった、もしくは通販サイトを利用するのが待てないという方はこちらドラゴンスター通販サイトの系列でもある、「ドラゴンスター日本橋2号店」「ドラゴンスター サテライト神戸三宮店」「ドラゴンスター京都店」の店頭にて10月31日まで店頭予約も承っているそうですよ。
(※すべて9月27日現在の情報ですので、ご了承ください)
完全受注生産ともなるので、もしお急ぎでないなら10月申込みでも問題はないかと思いますが、遊戯王大好きマンとしては早く手元に来て欲しいという思いもありますよね。
まぁ、この元となった「海馬瀬人」が所持していたアタッシュケースが原作に登場したのは約25年以上前になるわけですから、今さら1年待とうが2年待とうが待てる気もします。
じゃあ今回の記事は『遊戯王OCG デュエルモンスターズ 25th ANNIVERSARY ULTIMATE KAIBA SET』の話なのか?というと少し違います。
その素晴らしいデザインや内容、機能などについては公式サイトにてご確認頂いてる方も多いかと思いますので、今回はその持ち主だった「海馬瀬人と《青眼の白龍》」にスポットを当ててみたいと思います。
しかしながら、『遊☆戯☆王』原作(以下、『遊☆戯☆王』)大好き人間としては、原作者の高橋和希大先生に許可も取らずにコミックスの素敵漫画を切り抜けませんので、執筆者のカニ丸激選抜の写真と、イメージ画像でお届けします!
『遊☆戯☆王』がお好きな皆様はこのような疑問を抱いたことはないでしょうか?
「なんで主人公じゃない海馬が「遊戯王」の看板みたいになってるんだ?」 と。
『遊☆戯☆王』は、原作者・高橋和希先生により、1996年9月30日に発売された「週刊少年ジャンプ(集英社)」42号から連載がスタートしました。
この記事が27日掲載ですので、ちょうど25年前になりますね。
現在遊戯王OCGやテレビアニメの遊戯王を楽しんでいらっしゃる方の中にはこの当時まだ生まれていなかった方も多いことでしょう。
主人公・武藤遊戯(通称・表遊戯)が難解な千年パズルを完成させ、もうひとりの人格・闇遊戯を覚醒させたことから物語は始まります。
(写真は劇場版が公開された際に公式に制作された純金の千年パズル/撮影・筆者)
※千年パズルプラモ買えなかった筆者が必死に自分のスマホから探しだした一枚。
プラモ再々販待ってます…
連載開始当初は、カードゲームではなく、様々なゲームを行い、悪事を考える者、欲に溺れた者、不良や犯罪者などを倒してゆくというシナリオで進んでいました。
その根幹は「拳を使わずに敵を倒す主人公」というコンセプトであったといいます。
当時の「週刊少年ジャンプ」の傾向・流行を鑑み、逆転の発想から『遊☆戯☆王』は誕生しました。
「その『青眼の白竜』カード1枚を…これ全部と交換してくれ」
このセリフ、「遊戯王」好きであれば一度はどこかで見聞きしたことがありませんでしょうか。
こちらは「海馬瀬人」が初登場した際に、世界に4枚しかない『青眼の白竜』こと《青眼の白龍》の1枚を遊戯の祖父である武藤双六(すごろく)が所持しているのを知った海馬が口にしたセリフです。
この時、海馬はトランクケース(アタッシュケース)いっぱいに入ったカードを差し出そうとしてきます。
しかし、双六は「大切な友人から譲り受けたものだから」とその取引を断ってしまいます。
この時、原作に登場したのは「マジック&ウィザーズ」(マジック・アンド・ウィザーズ)というカードゲームでした。
原作者・高橋和希先生が「MTG」(マジック:ザ・ギャザリング)を参考に新しく考案したカードゲームとして登場します。
引用:ジャンプ掲載時作者コメント「今回の話はMTGが元になってますが、ルールは変えてます。」より
「海馬瀬人」が登場し、この「マジック&ウィザーズ」ゲームをしたのが原作コミックス2巻収録の「遊闘9 牙を持つカード(前編)」です。
これ以降も様々な新しいゲームが登場する中、読者に人気が高かったという理由もあって、後々までこの「マジック&ウィザーズ」は登場し、これを元に「遊戯王OCG」が誕生することになるのです。
ちなみに、アニメ化の際に変更された名前が「デュエルモンスターズ」でした。
当時はどちらかというとスゴロクやTRPGなどに近い仕様だった「マジック&ウィザーズ」ですが、「海馬瀬人」が遊戯にその戦いを挑む度にルールや仕様は整備され、よりオリジナリティ溢れるゲームへと発展していきます。
この時の闇遊戯との「闇のゲーム」に着想を得て、海馬はKC(海馬コーポレーション)社による立体型デュエルシステム、通称「ソリッドビジョンシステム」を開発していくことになるのですが、これを実現したのが「決闘盤」こと「デュエルディスク」というわけです。
↓歴代のシリーズと歴代主人公のデュエルディスクを並べてみました。
(※SEVENSを除く)
「マジック&ウィザーズ」あるところに「海馬瀬人」あり!
こうして彼は『遊☆戯☆王』においても、「遊戯王OCG」においても重要な人物となってゆくのです。
◆愛されし、『海馬の嫁』
ところで、「海馬瀬人」といえば、もちろんこのカードですね。
《青眼の白龍》はたとえ遊戯王OCGをプレイしていなくても、遊戯王の原作やアニメ、他のメディアミックスを知らなくても知っているという方はかなりいらっしゃるでしょう。
遊戯王における看板モンスターの一つと言えますね。
原作者・高橋和希先生が言うには洋画「ジョーズ」がお好きであったため、ああいった流線型のデザインになったそうです。
最初は《青眼の白竜》という表記だったのですが、原作で再登場した時には《青眼の白龍》という現在の名前になっていました。
Googleなどで検索をかける時は基本どちらでも知りたいカードの情報が得られると思います。
遊戯王がこの世で最初にアニメ化した時は今と違って、アニメーションはスタジオ・ぎゃろっぷではなく東映アニメーションが担当し、KONAMIではなくバンダイがカード化を行っていました。
俗に言う「バンダイ版」と呼ばれるものです。
その「バンダイ版」は初期の原作を意識していたのか、《青眼の白竜》表記でした。
こちらは遊戯王OCGでは使うことはもちろんできませんし、バンダイ版自体はもう出回ることもなく、相手もいないとなれば、ゲームで使用することはないでしょう。
なので、あくまでもコレクション用ですね。
皆さんが良く目にされるのは、このイラストの遊戯王OCGですね。
原作でもこのデザインで登場し、遊戯王OCGにおいても何度となく再録が繰り返されている人気のカードです。
《青眼の白龍》好きの中には、そのカードのレアリティだけでなく型番まで細かく収集しているコレクターがいるほどです。
ネットに通じていらっしゃる方なら「《青眼》は海馬の嫁」というフレーズを見聞きする機会もあるかと思います。
《青眼の白龍》は「海馬瀬人」が前世で過ごしていたとある場所で、彼の傍にいた女性の魂なのです。
愛する者の魂
『遊☆戯☆王』は大きく分けて、
・学園編(日常編)
・DEATH-T編
・バクラ編(TRPG編)
・決闘者の王国編(ペガサス編)
・バトルシティ(決闘都市)編
・王の記憶編
そして、最後の闘いの儀編に分かれています。
《青眼の白龍》のその事実はバトルシティ編の終盤に伏線があり、王の記憶編で明らかになります。
アニメ版である「遊戯王デュエルモンスターズ」のみをご覧になった方はご存じないと思うのですが、この王の記憶編に「海馬瀬人」は登場しません。
「えっ!アニメであんな大活躍してたじゃん!!??」
アニメから遊戯王を知った人はみんなこの感想になるでしょう。
バトルシティを終えた後、海馬は自分の夢を実現すべく、ジェット機に乗って旅立ち、帰ってきません。
ここから、二人の遊戯は過去へ、海馬は未来へ向かって旅に出るのです。
闇遊戯の記憶を取り戻すために、自身の封印された記憶の旅に出た闇遊戯と仲間達―――そしてそこ、古代エジプトにて彼の傍にいたのは「神官・セト」という男でした。
それが「海馬瀬人」の前世であり、「闇遊戯」こと「アテム」のライバルにして唯一無二の親友でありました。
神官・セトはある日「キサラ」という女性と運命的な出会いを果たします。
しかし、残念ながらお互いを想いあっていたにも関わらず、二人が結ばれることはありませんでした。
アテムやセトのいた古代エジプトでは人の魂をモンスターに変え、戦争や儀式に使用していたのですが、それらをデュエル(ディアハ)と呼んでいたようです。
その戦いの中で、彼女の魂はセトを守るため、《青眼の白龍》へと姿を変えます。
この《真の光》は先日発売されました「WORLD PREMIERE PACK 2021」(2021年9月25日)にて収録されています。
これは原作にて、海馬がイシズと戦った際に脳裏によみがえった僅かな記憶のシーンをカードにしたものだと思われます。
「脳に閃く悲しみ」と共に《青眼の白龍》のインスピレーションを得た海馬は、《青眼の白龍》によってイシズを倒し、勝利を手にするという名場面です。
原作の海馬は《青眼の白龍》が自分の前世に関わるものだとは知らないままなのですが、それでも傍に置き続けているのは、非常にエモい設定ですよね。
これを理由に、「《青眼の白龍》は海馬の嫁」という呼び方がユーザーの間では広まっています。
ところで、遊戯王OCGの看板モンスターのひとつでもある《青眼の白龍》はその歴史が長いこともあって、様々な絵違いカードが存在します。
かなり希少で見かけることは少ないのですが、このように「青」の表記が「藍」になっている中国語表記のものもあります。
言語は違うのですが、日本で配布されたものであるため、非常に貴重な1枚です。
(Vジャンプ2000年1月号プレゼントキャンペーン)
最初の《青眼の白龍》とはイラストが違うだけでなく、背景も違うもので二種あります。
石版が背景なのも、宇宙が背景なのもどちらもふつくしい…
筆者が遊戯王に触れた時にはすでに発行されていたかなり初期の絵違いですが、いつものよりも躍動感が強めなイラスト。
少し枠に収まりきっていないところもポイント!
これは遊戯王OCG10周年記念で発売された「ANNIVERSARY PACK」(2009年3月14日発売)にて出た絵違い。
原作者・高橋和希先生による描き下ろしが成された一枚です。
連載開始から15周年を記念して発行された「DUEL ART 高橋和希 遊戯王イラスト集」によると、「《青眼の白龍》はあらゆるポーズで描いてきたので、構図に苦労した」というコメントをされています。
Vジャンプ(集英社)の付録(2013年7月号)として登場したもの。
こちらも原作者・高橋和希先生による描き下ろし!
さて、原作者描き下ろしイラストだけはイラストに枠が付いていないということに皆さんお気づきになられたでしょうか?
先程もお出ししましたが、これは「ジャンプ流 vol.08」(集英社/2016年4月21日発売)という作家の私生活や絵の描き方、モチベーションの上げ方などをまとめた企画のもので、その際に高橋和希先生の場合は付録カードとしてこちらが描き下ろしでついていました。
「ついに嫁と一緒にカードなったのか海馬」と、ユーザーをざわつかせた一枚です。
このように、歴史が長いだけでなく、多くの人々に愛された《青眼の白龍》は何かの記念だったり、何かの付録だったり、純金になったり、純銀になったり、様々なレアリティになったり、
ついでのラッシュデュエルにもレジェンドとして登場するほど、初登場してから約25年経った今もその輝きは色あせていません。
◆愛すべき(!?)アタッシュケース
先ほどご紹介した、原作コミックス2巻にて登場(?)したアタッシュケース(原作ではトランクケース表記)ですが、たいてい「海馬瀬人」がそれをカードでパンパンにして運んでいる印象が強いと思います。
カードで遊ぶ者としてちょっとうらやましいな、と思うシーンは原作コミックス18巻収録「遊闘159 神を見よ」で登場するアタッシュケースですね。
バトルシティ編での一幕ですが、路地裏にて必要以上の要求をデュエルの勝敗に要求しているチンピラ・名蜘蛛コージを相手に、いつものように、レアカードを敷き詰めたケースを突き付け、海馬が「貴様のぬるいデッキを強化するがいい」と相手に圧倒的に有利な立場を与えてから倒す場面です。
タイトルから分かる通り、神のカードが出現するので、名蜘蛛コージに勝ち目はもちろんないわけですが、一回でいいから言ってみたいセリフがあります。
海馬「こんなカード オレは三十六枚持っているよ…」
海馬の名セリフとして上がることもあるこちら、彼が三十六枚持っているのは《ダイヤモンド・ドラゴン》です。
海馬のアタッシュケースは基本的にレアカードやデッキが入っているケースが多いわけですが、原作コミックス10巻「遊闘85 決闘の貴公子」では初期型デュエルディスク(円盤型で投げて使用する)が入っていたり、同12巻「遊闘99 最後のかけら」においては完全に武器として使用している姿も見られます。
※良い子は真似しないように
余談ですが、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』ではデジタル化が進んでおり、海馬が手ぶらで移動するケースが多く、あの懐かしのアタッシュケースを見る機会がなくなってしまいました。
偉大な男「海馬瀬人」
『遊戯王OCG デュエルモンスターズ 25th ANNIVERSARY ULTIMATE KAIBA SET』をきっかけに今回このような記事を書かせて頂きましたが、いかがだったでしょう?
筆者はこの記事を執筆しながら『遊☆戯☆王』という作品において、また、遊戯王OCGにおいていかに彼が重要な存在か再認識させられました。
最初はアニメの声優の問題で主人公の武藤遊戯の使用が避けられた、という経緯ももしかしたらあったかもしれませんし、多くの方はそう考えていらっしゃるでしょう。
しかしながら、「海馬瀬人」という男がいかに「遊戯王」というコンテンツを支え、発展させたのか、その重大さは変わりません。
また、彼は「遊戯王」にとどまらず、TCG界の光と闇であり、善と悪であり、何より大きな発展を促した人物であると言えます。
実在しない人物ではありますが、「海馬瀬人」という男はまだまだこれからも多くの功績を残してゆくことになるでしょう。
ところで…「ULTIMAGEAR 千年パズル」(プラモのやつです)が再版するって聞いたんですけど…
なかなか手に入らないんですよねぇ…
私も千年パズルを完成させて「そこに彼はいない…」っていう劇場版ごっこをして泣き崩れたいので、是非お願いします…
あ、劇場版観たくなってきた…