夏が来た!!
はじめまして!もしくは、こんにちは!カニ丸と申します!
お読み頂いてる方の中には夏休みに突入した方もいるのではないでしょうか?
夏と言えば! 海! 山!
本来であれば旅行などに行かれる方や、お祭りなど様々なイベントに参加される方もいることでしょう。
でも、もうひとつ、重要な定番イベントがありますよね。
みんな大好き、「怪談話!」
筆者は大の苦手なんですが、ついつい見ちゃうんですよね…ホラー特番とか…稲川●二さんとか…
週刊少年ジャンプで連載されていた元祖「遊☆戯☆王」と言えば、古代エジプトが登場することもあって、ホラー演出もたくさんありますよね。
遊戯王OCGももちろん、ちょっぴり怖いデザインのカードもあります!
というわけで、今回は夏の風物詩にちなんで、妖怪がテーマでもある《魔妖》(まやかし)と、それに密接に関係のある《不知火》(しらぬい)について話していきたいと思います。
洋風なホラーのデザインが多い中、和風のテーマは珍しいですし、デザインもかっこよくてデッキを組んでいる方も多いのではないでしょうか。
◆「妖怪」
約3年前にデッキビルドパック『ヒドゥン・サモナーズ』(2018年8月4日発売)で登場した《魔妖》は日本でも有名な多くの「妖怪」をモチーフとしています。連続でシンクロ召喚しガンガン墓地から《麗の魔妖-妲姫》を特殊召喚するというテーマです!
《魔妖》と書くと《魔妖仙獣》(まようせんじゅう)などと混同している方もいるかもしれません。
共通で「妖怪」のテーマではありますが、まったく別の物です。
《魔妖》の持つ物語は《麗の魔妖-妲姫》を中心に、人間と妖怪の争いが描かれており、シンクロ召喚をすることによって、モンスター達が何度も「変化」を繰り返す、そういうデザインです。
一方で、《魔妖仙獣》を含む《妖仙獣》は風をイメージした妖怪が多く、属性らしい手札に戻す効果を持つ戦略が中心となっています。
そして今回のもうひとつのメインである《不知火》は、代々受け継がれていく《妖刀-不知火》とそれに関わる人々の戦いを描き、【除外】を戦術に取り入れたテクニカルなテーマで、アンデット族でデッキを組むなら部分的にでも採用されるほどの強さを持っています。
▽「妖怪」の由来
「妖怪」とはそもそも、日本全国各地で起きた超自然現象(当時の技術では解明されていなかったものなど)に名前を与えたモノであったり、民間伝承、もしくは信仰において存在した数多の「人間ではないモノ」の総称としてよく用いられますね。
「あやかし(妖)」「物の怪」「おばけ」「怪異」「怪物」「化け物」「土地神」「化生」…
…様々な呼び方をされていたものは現代では「妖怪」として、時には「都市伝説」として語り継がれています。
メリーさん、トイレの花子さん、八尺様、そういったモノも現代妖怪と言えるでしょう。
「いい妖怪・悪い妖怪」「いい霊・悪霊」という言葉があるように、日本人固有の思想が根強く、単純な悪者とひとくくりにできないのが面白い所ですね。
日本では「神」と「妖怪」の境目はあやふやで、人々の生活に寄り添っている存在でした。
なのでこういった表現が多数存在し、現在に至るまで愛されている理由なのでしょう。
アジア圏などでは、「良き精霊」や「悪い地霊」などと称されることもあるわけですが、その善悪が人間以外にも存在すると言う思想が日本にも強くあるわけです。
文化の違いで分かりやすいものですと、西洋の一部では「いい霊・悪霊」という考え方は少ないのか、「天使」「悪魔」という形で分類され呼称さることが多いですね。
(もちろん、全てがこうというわけではありません)
多くの国の思想や伝承を元にデザインされたカードが存在するTCGではそのどれもが存在するので、常に超神話大戦を机の上でやっていると同時に超思想大戦でもあるのです。
古くは「古事記」や「日本書紀」まで遡りますが、人々に「様々な種類の妖怪」というものが一定以上広まりイメージが一般化したのは、江戸時代に入って浮世絵などの出版技術が進化したからではないかという説があります。
多くの人々が「こんな妖怪もいるんだ!?」と浮世絵を手に取っていたのでしょう。
有名な「百物語」もこの時代に流行したらしいですね。
(※百物語:数人で集まって怖い話を順番にしていき、100個語り終えると本物の妖怪が現れる、という怪談話をするための集まりの事。
1個終わる度にロウソクなどを消すものが有名)
皆さんはかつて発売されていた《不知火》というテーマをご存じでしょうか?
「ブレイカーズ・オブ・シャドウ(2015年10月17日発売)」にて登場した炎属性アンデット族のテーマになります。
アンデット族でありながら、イラストを見る限り、その大半は明らかに〝生きた人間〟で構成された特殊なデザインになっています。
と言いますのも、彼らは《魔妖》という妖怪集団に対抗した人間の一族なのです。
《不知火》は常夜の存在であり、人間を脅かす存在《魔妖》を倒すべく様々な流派が集った「生きた人間」達なのでこういったイラストになっております。
遊戯王OCG公式Twitterによると、
「嗚呼、忌まわしや。
我ら幽世(かくりよ)の焔が小賢しき灯火を滅する時ぞ・・・。」
という恐らく《麗の魔妖-妲姫》のセリフとおぼしき記述が見られます。
(遊戯王OCG公式Twitterはこちら)
要約するとこうです 。
「はぁ、うんざりだわ。
(ようやく)私たちのような常夜(死後の世界や永遠を意味する言葉)に暮らしている一族(魔妖)が、
なまいきな人間の一族(不知火)を滅ぼす時がきたわ」
お互いを「焔」「灯火」と表現しているのはお互いが炎族であることにも由来していると思われます。
さり気なく敵である《不知火》側を「灯火」という小さい炎に例えているのがいいですね。
遊戯王OCG公式Twitterによるこういったサプライズは最近でこそ増えましたが、当時では珍しく、筆者としては本当に驚き、それ以上に嬉しかったのをよく覚えています。
あらすじ
昼は人間に化け人間界に溶け込み、真夜中になれば本来の妖怪の姿になって人々を苦しめる《魔妖》。
彼らは陽の光の元では本来の姿で生きていけません。
なので世界を「常夜(明けない夜)」にしてしまおうと狙っていました。
しかしもちろん人間側が黙っているわけがありません。
彼らに対抗すべく、様々な武術の流派を集結させ《不知火》流を生み出します。
しかし、「封印」というものはいつかは解けてしまうものです。
《不知火》の一族は油断せず、さらに代を重ね、いつか来る復活の日に備えることになりました。
解けた封印、敵と味方、それは美しくも悲しい
若いながらも過酷な修業に打ち込む《不知火の武部》。
そんな最中、彼女はとある謎の女性と出会います。
見目麗しく、魅力的で、それでいてどこかミステリアスな雰囲気のあるその女性は、戦いの宿命を背負った《不知火の武部》にとって大切な友人となってゆくのです。
続きはまた今度!
さて、本当ならこの先の物語があるのですが、今回は「この後の二人はどうなっちゃうの!?」というところで一旦区切っておこうと思います。
とても魅力的なテーマであり、シナリオもよくできているので、一気に話すととても長―――くなってしまって、難しくなってしまうからです。
お話の都合で《不知火》の方が割合が多かったかもしれませんが、《魔妖》にはまだまだ魅力的な登場人物もいますので、次回は夏の終わり、彼岸花が咲く9月のお彼岸の時にでも紹介させて頂こうかなと思います。
今月8月後半の次回はまた別の「こばなし」をさせて頂きますので、どうぞそちらもお楽しみに!