ゆるふわマジックであそぼう その1~マジックは自由だから1つのデッキに統率者は何人いたって良い〜
●はじめに
全国のマジックプレイヤーのみなさま初めまして!
このたびドラゴンスター様でマジック:ザ・ギャザリング(以下、マジック)の記事を書かせていただくこととなりました。めぐすけと申します。
好きなカードは《歪んだ世界/Warp World》です。
競技シーンからは退いた身ですが、普段は仲間内で適当にダラダラとマジックで遊んだり、自家製ハーブを使った優しい味のハーブティーの研究をしています。
その適当ダラダラ具合を見込まれて、記事の執筆依頼がきました。人生何が起こるかわかりませんね。
というわけで当コーナーでは、競技マジックの世界とは違うカジュアルマジックの世界、
通称「ゆるふわマジック」の視点でマジックと向き合っていこうと思います。
ハイクラスシーンから退いて自分を見つめ直す。疲れたOLが観る映画でよくある展開ですね。
ドラゴンスター様と言えば、その懐の深さはニュージーランドのケルマデック海溝に匹敵すると言われています。
「カジュアル層向けの記事を好きに書いていいよ」と言われたので、その懐の深さに賭けて
「外来植物による身近な自然環境への影響について書いていい!?」と聞いたみたら
「せめてマジックについて書いてくれ」と言われたのでマジックについての記事を書きます。
第1回ということで、全世界を熱狂の渦に巻き込んだ多人数フォーマット「統率者」にて、自分が使用しているデッキを紹介しようと思います。
・・・第2回、あるのか?
統率者といえば直近では専用の商品である『統率者(2021年版)』が発売され、プレイヤー人口もうなぎ登りな超人気フォーマットです。
一方で、総務省の国勢調査によると日本の人口は緩やかに減少しているそうです。
それらの情報を分析した結果、僕の計算が正しければ近い将来全ての国民が統率者をプレイしていることになるはずです。大丈夫。義務教育は済ませています。
●統率者で遊ぼう
統率者の強さの目安として「デッキパワーレベル」というものがウィザーズ・オブ・ザ・コーストによって定義されています。
引用元:https://mtg-jp.com/gameplay/format/commander.html
わかりやすい!世の中全部これくらいわかりやすければ、僕もあの時悔し涙で枕を濡さずに済んだのに。
このレベルでいうところの「レベル5」を目指します。
初心者からは脱却したけども勝利に貪欲なガチ統率者をプレイするのはまだちょっと怖い人向けですね。
強さ的には『幽○白書』の「美しい魔闘家鈴木」くらいでしょうか。
というわけで今回ピックアップする統率者はこちら
え?いきなりこんなたくさんの統率者デッキを紹介しきれるのかって?
何を言っているのですか。これで1つのデッキです。待って!ちゃんとルールは把握しているから!信じて!
今回紹介するデッキは、複数の統率者をその時の気分で使い分け、対戦相手の強力なカードを拝借して変幻自在に戦うデッキです。
すごい!少年漫画で大体かませ犬ポジションに落ち着くタイプのやつだ!
このデッキを初めて対戦する相手に使う時には、必ず下記のセリフを言いましょう。勝つための重要なテクニックです。
言わないと人差し指のささくれが気になって負けます。
「このデッキ、無限コンボも入ってないし、なんなら勝ち手段もロクに入ってないんで!!」
統率者の基本は盤外戦術です。アマゾン奥地のジャングルで統率者を遊ぶプレイヤーが迷彩服を着ることで攻撃されるのを回避しているのはあまりにも有名な話。
でも嘘はいけません。いくら統率者戦における約束が、フェイス○ックの「今度飲もう!」ってコメントくらい信用できないとはいえ嘘はいけません。
実際にデッキリストを見れば一目瞭然です。
●デッキリスト
本当に無限コンボも直接的な勝ち手段も無い!
なんやかんやで最高裁まで争ったとしても胸を張ってレベル5と言えます。
ちなみにデッキリストを役割別に並べ替えるとこうなります。
統率者の数が5になってるので何らかの外部ツールがバグるかもしれません。
最近の黒はエンチャントも破壊できるので外部ツール破壊くらい容易く破壊できるのです。
まぁそれで担当に怒られるのは僕なんですけどね。
とにかくこのデッキのアピールポイントは5種類の統率者です。
その場のノリ、緻密に計算されたメタ分析、十八飛星策天紫微斗数占星術などで使用する統率者を決めましょう。
上記のデッキリストに表記した通り、このデッキは大きく分けて
・統率者とベンチ入りした統率者候補
・対戦相手のカードを拝借するカード
・マナ加速
・除去
・その他
の5つに分かれています。
ではいくつかカードを解説していきましょう。
●カード紹介
統率者
モード:《豪華の王、ゴンティ/Gonti, Lord of Luxury》
王なので相手の構成に影響されにくく、5人の統率者候補の中で一番オールラウンドな性能をしています。王なので。
出た瞬間に仕事を終わらせ、微妙に厄介なブロッカーとして残り続けます。王だけど支持率めっちゃ低そう。
対戦相手のカードを奪う際、カードは非公開になるので「自分が出来る最大限に意味深な表情」でカードを選択しましょう。
ここがモード:ゴンティ最大のプレイングポイントです。
《妖術師の衣装部屋/Conjurers Closet》があるとハイパー・ゴンティ・タイム(通称HGT)になるので積極的にサーチしていきましょう。
コンボデッキではないのでサーチはほとんど入っていませんが。
モード:《虐殺少女/Massacre Girl》
横並びデッキがそのあまりの愛くるしさに吐血するキュートでポップな女の子です。
対戦相手がクリーチャー展開しそうな顔をしていたら統率者に選択しましょう。
対戦相手によっては選択した瞬間、親の仇のように殺気立って自分を攻撃してくるので、
某風の谷の姫様のように「大丈夫、怖くない。怖くない」と優しくなだめましょう。
上手く行けば攻撃の手が止むかもしれません。僕はいつもゲームの広告で名前が出てくるイケメン声優のような優しい言葉で相手をなだめています。
攻撃はより苛烈になります。どうして。
モード:《大霊堂の王、ゲス/Geth, Lord of the Vault》
クリーチャーとアーティファクトの廃品回収に特化したおじさんです。
リサイクル精神が非常に高いので、現代の環境意識に合致したロハスなクリーチャーと言えます。部屋めっちゃ汚そう。
墓地のカードを拝借しながら回避能力を駆使して攻撃にも回れるので、積極的に統率者ダメージを狙っていけるのも長所です。
能力に切削の効果がありますが、切削はリアニメイトの後なのでヤケクソで空っぽの墓地対象に起動することは出来ないのと、
リアニメイトしたカードはタップインなので即座にブロッカーなどには使えない事には注意です。
対戦相手のカードを拝借するカード
《混沌のワンド/Chaos Wand》
このデッキの主力カードです。
黒なのに相手の呪文をカウンターしたり、追加ターンを得たり、全てのパーマネントをライブラリーに戻して
同枚数を戦場に出したり出来るようになる無限の可能性を秘めたカードです。
対戦相手のデッキに入っているインスタントやソーサリーは尖ったデッキでなければ大体強いので積極的に使っていきましょう。
緑のデッキに使うと大体基本土地をタップ状態で戦場に出します。
《敵対工作員/Opposition Agent》
対戦相手のサーチ行為全てをかっさらう拝借カード界最強の一角です。
最初に自分の財布に強力なボディブローをかましてきますが、彼を採用することでデッキは一気に「垢抜けた感じ」になります。
それまでお母さんに選んでもらっていた服を捨てて、セレクトショップでちょっと高い一点物を買った時の「あの感じ」が
もう一度味わえると考えると、一週間納豆ご飯生活をするだけの価値はあります。
《知識槽/Knowledge Pool》
手札からカードが唱えられなくなる変なアーティファクトの1つ。
とりあえず戦場が変な状況になります。
これ以外にも何枚か、強さよりもその場の変な状況を楽しむカードを優先して採用しています。
グルーヴ感で生きているので。
全員の手札から唱えるカードが役に立たなくなりますが
・統率者領域から唱えられるゴンティ
・追放領域から唱えられるゴンティが拝借したカード
はその影響を受けません。まさに王。
あまりの邪智暴虐ぶりにメロスもセリヌンティウスで殴るレベル。
除去の選択について
基本的に採用必須なカードはありませんが、
・クリーチャーの展開は少なめ → 全体除去を多めに採用
の2点を意識しています。
最終的には自分がどれだけ破滅を望んでいるかで除去の選択と枚数は変わっていきますので、
自分の胸に手を当てて後悔のない破滅を選択しましょう。
マナ加速の選択について
除去同様に採用必須のカードはありませんが、相手から拝借したカードにて起動型能力に黒以外の色マナを要求されることを想定し、
黒以外のマナが出せるマナアーティファクトを優先して採用しています。
多様化の時代、黒に染まるだけが真理ではないのです。
基本土地を多く採用している構成を活かせます。
”覚悟”が決まったら買うと良い。”こちら側”の世界で”待ってる”からよ・・・!
土地の選択について
《沼/Swamp》を参照するカードを多く採用しているため基本でない土地は極力省き、基本土地を多めに採用しています。
基本土地のチョイスで自分らしさをアピールしたいプレイヤーもこれにはニッコリ。
その他のカード
おまけ:『ストリクスヘイヴン:魔法学院』&『統率者(2021年版)』のカードで採用を検討しているもの
以下のカードはこのデッキを組んでいる時点では発売していないカードで、
発売されたらぜひ採用を検討してみたいカードになります。
その際にリストラされるカード・・・いったい何の領域の何アナなんだ・・・
《影の執筆者/Author of Shadows》
相手の墓地のカードを拝借した上で墓地対策もできる器用なカードです。
ゴンティ同様本体を除去されても追放したカードを唱えることが出来る安心設計。
多くは望まないから追放したカードは全部使えるようにしてほしい。
《狡猾な弁論/Cunning Rhetoric》
攻撃された際に相手のデッキトップを拝借出来るカードです。
プチゴンティみたいなものです。
条件が戦闘ダメージではなく攻撃されることなので、
攻撃された後にインスタントで除去すればダメージは受けません。ここテストに出ます。
ハンドアドバンテージを得るためにわざとヘイトを稼いで殴らせるか、
このカードを盾に攻撃を回避し延命するかどうか、
それはあなたがどれくらいウザい顔をするかにかかっています。
《魅力的な契約/Tempting Contract》
デッキパワーレベル5-6あたりの対戦は緻密なプレイングよりも政治力が有効な盤面が多々あります。
どんなに理屈をこねようが、ありとあらゆる業界で最も求められるスキルはコミュニケーション能力です。
マナソースは多ければ多いほど有利です。これは対戦相手にも恩恵を与えてしまいますが、
上手く行けば1ターンで一気に3マナもジャンプアップできます。
マナ加速以外にもアーティファクトトークンは色々役に立つことがあるので、
引き攣った笑みと不自然に裏返った声でみんなに魅力的な契約を結んでもらいましょう。
ここまで読めばもうこのデッキの理解はバッチリですね。
六遊怪チームや裏御伽チームくらいの強さのデッキとは互角以上に渡り合えるでしょう。
●実際に対戦してみよう
いらねー!
ぼく「待って!そういうの良くないよ!ストレスで物に当たるのは良くない!一旦落ち着こう?何かつらいことあった?話聞くよ?」
相手「お前を黙らせることが一番のストレスケアなんだよ!」
ぼく「そんなバカなっ・・・!?」
ぼく「アーティファクト全部割られたら終わる。政権が交代する。そうはさせねぇ!こうなったら・・・!
ぼく「《混沌のワンド/Chaos Wand》でカウンターを捲ることに賭けるしか無いっ・・・!」
ぼく「えっ?なんだこのカード。QRコードが書かれているぞ?ちょっとアクセスしてみるか・・・」
すごい!国内最大級のカードやサプライの品揃えに、さまざまなカードゲームのイベントも盛りだくさん!!掘り出し物の値下げ商品も多数取り揃えているだって!?
こうしちゃいらんねえ!ちょっとドラゴンスター行ってくる!!!!!
おしまい